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国王激怒 乱射王子の処遇
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翌日。
ああ! 頭が痛い。昨夜の出来事が頭から離れない。
ガム不在。タレイ使い物にならず。
乱射王子を放置したため事件が起きる。まあ当然の結果よね。受け入れるしかない。
タレイが血相を変えて部屋に駆け込んできた。
「王子が連れていかれちまった! 」
酔いが醒めて我に返ったタレイには厳しい現実が待っていた。
乱射王子の世話係。このようなことが起こらないように努めるのがタレイの役割。
しかし暴走してしまう。乱射王子は止められない。
このままだと処刑されてしまう恐れも。
いくらサ―チャットの王子とは言え乱射事件を起こしたのだ。ただでは済まない。
もちろんタレイにも何らかの処分が下るでしょう。
タレイは震えている。
まあ確かにこれはやり過ぎた。冗談では済まされない。
王子はサ―チャットで見放され流れてきた。私たちと同じ旅仲間。何とか力になってあげたい。でももう限界だ。
「ガム! 」
ここはガムに任せるのがいい。
「ではとにかく国王を説得してみましょう」
謁見。
「どうした? 」
「お願いがあります」
「ならん! 」
まだ何も言ってないのに断られてしまう。
「どうせお前たちはあの男の助命を求めているのだろう? あの男本当にサ―チャットの王子なのか? とてもそうは思えない。あれでは刺客ではないか! 」
国王がそう思うのも無理ない。私たちだって乱射王子には困惑している。
「ふん! 誰が許してやるものか! 」
温厚だった国王が変わってしまった。随分頑固になっている。
「しかし国王様。あちらも王子でございますよ。サ―チャットとの関係が悪化しては困るでしょう? 」
「ほうガムと言ったな。まさかお主この国王を脅するつもりではないだろうな? 」
ガムでも歯が立たない?
怒りが収まるまで大人しくしているのも手だがその間に処刑されてしまっては元も子もない。
「しかし国王! 」
「しつこい! お前たちが招待したのではなかったか? 」
まさか私たちにも何か処分が下る? とばっちりだわ。
ここは一旦引くしかない。
国王を落ち着かせてそれとなく王子の居場所を聞く。
「ふふふ…… 罪人は処刑じゃ。確認が済み次第刑に処す」
不気味な笑みを浮かべ勝ち誇る。
もう持ってあと二、三日ってところ。それまでに乱射王子を逃がすしかない。
コンコン
コンコン
サンスリン様が様子を見に来てくださった。
「ステーテル」
お誘いを受ける。
嬉しいんだけど…… 今はそんなことしている場合じゃない。
「どうした気にしているのか? 」
昨夜の惨事サンスリン様も心を痛められている。
「私がここにお招きしたばっかりに」
「ははは! 済んだこと。いつまでも気にするでない。父上も昨夜は激高したが今はもう怒りも収まっている。
後は時間が経つのを待てばいい。それですべて解決だ」
サンスリン様は気遣いをなさっている? この私の為に? ああ愛しのサンスリン様。
でもお願い! 気休めはよして!
サンスリン様の好意は有難い。でも直に確かめなければだめ。私を思うばかりに嘘をついてないとも限らない。
「なあそれよりも今夜お供しないか? 」
例のカジノに入り浸りのサンスリン様。
国王の件があった翌日にもうカジノに行かれるなど正気の沙汰ではない。
徐々にサンスリン様への思いが醒めていく。
そんなお方ではない。もっと情のあるお方だと思っていた。
今こそ乗り換える時期。
「申し訳ありません。気分が優れないもので」
「そうかそうか。無理するな」
サンスリン様は行ってしまわれた。
私は嫌われてしまったかしら?
続けてエルス様がお目見えになった。
「失礼。昨夜は申し訳ない。サンスリンの奴は自分のことばかりで。まったく子供で仕方がない。昨夜のこと私からお詫び申し上げたい」
真面目で優しい。影の薄い第二王子。
「それで何だが…… 」
まさか昨日の続き?
今は追いかけっこなどする気になれない。
続く
ああ! 頭が痛い。昨夜の出来事が頭から離れない。
ガム不在。タレイ使い物にならず。
乱射王子を放置したため事件が起きる。まあ当然の結果よね。受け入れるしかない。
タレイが血相を変えて部屋に駆け込んできた。
「王子が連れていかれちまった! 」
酔いが醒めて我に返ったタレイには厳しい現実が待っていた。
乱射王子の世話係。このようなことが起こらないように努めるのがタレイの役割。
しかし暴走してしまう。乱射王子は止められない。
このままだと処刑されてしまう恐れも。
いくらサ―チャットの王子とは言え乱射事件を起こしたのだ。ただでは済まない。
もちろんタレイにも何らかの処分が下るでしょう。
タレイは震えている。
まあ確かにこれはやり過ぎた。冗談では済まされない。
王子はサ―チャットで見放され流れてきた。私たちと同じ旅仲間。何とか力になってあげたい。でももう限界だ。
「ガム! 」
ここはガムに任せるのがいい。
「ではとにかく国王を説得してみましょう」
謁見。
「どうした? 」
「お願いがあります」
「ならん! 」
まだ何も言ってないのに断られてしまう。
「どうせお前たちはあの男の助命を求めているのだろう? あの男本当にサ―チャットの王子なのか? とてもそうは思えない。あれでは刺客ではないか! 」
国王がそう思うのも無理ない。私たちだって乱射王子には困惑している。
「ふん! 誰が許してやるものか! 」
温厚だった国王が変わってしまった。随分頑固になっている。
「しかし国王様。あちらも王子でございますよ。サ―チャットとの関係が悪化しては困るでしょう? 」
「ほうガムと言ったな。まさかお主この国王を脅するつもりではないだろうな? 」
ガムでも歯が立たない?
怒りが収まるまで大人しくしているのも手だがその間に処刑されてしまっては元も子もない。
「しかし国王! 」
「しつこい! お前たちが招待したのではなかったか? 」
まさか私たちにも何か処分が下る? とばっちりだわ。
ここは一旦引くしかない。
国王を落ち着かせてそれとなく王子の居場所を聞く。
「ふふふ…… 罪人は処刑じゃ。確認が済み次第刑に処す」
不気味な笑みを浮かべ勝ち誇る。
もう持ってあと二、三日ってところ。それまでに乱射王子を逃がすしかない。
コンコン
コンコン
サンスリン様が様子を見に来てくださった。
「ステーテル」
お誘いを受ける。
嬉しいんだけど…… 今はそんなことしている場合じゃない。
「どうした気にしているのか? 」
昨夜の惨事サンスリン様も心を痛められている。
「私がここにお招きしたばっかりに」
「ははは! 済んだこと。いつまでも気にするでない。父上も昨夜は激高したが今はもう怒りも収まっている。
後は時間が経つのを待てばいい。それですべて解決だ」
サンスリン様は気遣いをなさっている? この私の為に? ああ愛しのサンスリン様。
でもお願い! 気休めはよして!
サンスリン様の好意は有難い。でも直に確かめなければだめ。私を思うばかりに嘘をついてないとも限らない。
「なあそれよりも今夜お供しないか? 」
例のカジノに入り浸りのサンスリン様。
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徐々にサンスリン様への思いが醒めていく。
そんなお方ではない。もっと情のあるお方だと思っていた。
今こそ乗り換える時期。
「申し訳ありません。気分が優れないもので」
「そうかそうか。無理するな」
サンスリン様は行ってしまわれた。
私は嫌われてしまったかしら?
続けてエルス様がお目見えになった。
「失礼。昨夜は申し訳ない。サンスリンの奴は自分のことばかりで。まったく子供で仕方がない。昨夜のこと私からお詫び申し上げたい」
真面目で優しい。影の薄い第二王子。
「それで何だが…… 」
まさか昨日の続き?
今は追いかけっこなどする気になれない。
続く
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