ド・ラボーの地位を得ましたのでさっそく王子様を奪って見せます! 理想の王子様を求めて世界へ

二廻歩

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宇宙人に誘拐されちゃった件

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夜。魔女の家にて。

フラフラっと王女が現れた。

「おう、もう良いのか? 随分心配したんだぞ」

「お父様」

親子共々魔女の家に身を寄せる。

誰にも知られていない魔女の家。隠れ家にはちょうどいい。

「私はもう大丈夫です。それよりもお兄様が心配なのです」

まだ帰ってこないどころか消息も掴めない。

「お前が心配することじゃない。どこかで元気にしているはずさ」

気休めを言う国王。

「しかし…… 」

未だに行方不明の王子を心配する心優しき王女。ショックで再び寝込みかねない。

「あの光が関係あるのでは? お父様はもうお気づきになられているのでしょう? 」

「ははは! 心配するなもう寝るんだ。いいね? 」

無理矢理話を切り上げる。


王女は再び横になる。

「おやすみ。ゆっくり寝なさい」

目を閉じたのを確認して国王は退出。

お父様…… 分かっているんです。お兄様は連れ去られたんだって。

子供たちのようにどこかに囚われているんだわ。お願い! 誰か助けてあげて!

お兄様…… ああ!

祈りを捧げる。


お兄様! お兄様! お兄様!

妄想で体が火照る。

どうしてお兄様? 私ではダメなの? 酷い!

涙が溢れる。

たとえ本当の兄妹でなくてもそれが何だと言うの? そんなこと関係ない!

ああお兄様! 私の愛しいお兄様! どうかご無事で!

兄の為に毎晩祈り続ける。


「ホホホ…… あの子はどうだい? 」

「ここに来てから随分と良くなっている。不思議なこともある」

「不思議? ここは静かだからね。落ち着くんだろ」

「そんなものか? まあ何にせよ王女が元気になってくれると助かる」

「あんた国王だろ? もっと簡単にあの子が良くなる方法があるんじゃないのかい? 」

「魔女が何を言う! 」

「魔女って言ったてね大したことないのさ。病人を治すほどの力は無いよ。とにかくこの薬草湯を毎晩飲ますんだね。まだまだ油断ならないよ! 」

王女の容体が改善したのは一時的だと考えているらしい。

「どれどれ。ぐわ! 何て苦いんだ! こんな物を飲ませる気か? 」

疑いの目を向ける。

「ああ。これが一番効果がある。お前も毎日飲め! そうすれば何かいい案が浮かぶだろうよ」

すっかり国王を下に見ている。年齢も上で住まわせている自負もある。

国王も魔女を蔑ろにはできない。


現在家来たちが全力を挙げて王子捜索に当たっている。

もちろん魔女の指摘した場所を重点的に調べているが今のところ報告は入っていない。

連続消失事件は暗礁に乗り上げている。

手掛かりがない訳ではない。だが不確かな情報を鵜呑みにして動けば混乱する。

慎重にも慎重を期す。

確実な手掛かりがなくては動けない。

国王としてこれ以上の混乱は避けねばならない。


某所。某時刻。某人。

「ステーテル! ステーテル! 」

「起きてください! ステーテル! 」

「ガム…… 」

「寝ぼけてないで早く目を覚ましなさい! 」

ガムはいつになく厳しい。

それもそうだろう。宇宙人に誘拐されたのだ。普通の精神状態にはない。一種の興奮状態。

「早くここから脱出しましょう」

「もう何? 朝ならそう言って! 子供じゃないのよ! 」

ついついガムに甘えてしまう。

「朝? 分かりません! 」

「はああ? 」

ガムはここがどこなのか今何時なのか。昼なのか夜なのかさえ分からないと言う。

まだ宇宙船内だ。

体は縛られていないので自由に動き回れる。

彼らの目的は一体?

まさか人間を食糧にするつもり?

家畜になれなんて言わないわよね?

断固拒否!

とにかく目的が何なのか知る必要がある。


「ああ、いいですねー」

「そこはもうちょっと開いたほうが格好いいですよ」

うん。この声は…… 間違いない編集長だ。

あの男は一体何を考えているのだろう。まさか狂ってしまった?

声のする方へ。

「編集長! 」

「ああ、二人とも今起きたのかい? 彼は本当に凄いんだぞ」

えらく興奮している。訳が分からない。

一番現状を把握しているであろう編集長。

まったく頼りにはならないが専門家なら少しは安心だ。

編集長の横には見たこともない生物の姿が。

宇宙人?


ワレワレハツイニヤツラニデアッテシマッタ


                 ツヅク
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