ド・ラボーの地位を得ましたのでさっそく王子様を奪って見せます! 理想の王子様を求めて世界へ

二廻歩

文字の大きさ
上 下
57 / 124

遭遇! ○○人現れる 

しおりを挟む
ムーチャットには不思議な生き物が多数生息。

ペガサスにドラゴン。UMAにニッシー。そして忘れてはいけないのは怪鳥ジャスラ。

そして今ワレワレハある生物の存在に迫ろうとしている。

そうそれこそが…… 未知との遭遇。


囮作戦開始。

奴らをあぶり出すには多少危険だが囮を使うしかない。編集長も自ら進んでその危険な役を買って出た。

何て勇敢なのかしら。感動してしまう。

編集長の善意に甘えて私たちは大きな木の影に隠れて上から見張ることに。


それから一時間。

ただ歩いているだけの男を見ているだけ。つまらない。

何か起こらなければ意味がないじゃない。

ほら早く見つけてもらいなさいよ!

好き勝手言っている間に日が陰っていく。

もう夕暮れかなあ。

今日はもうこれくらいで。また明日。次は場所を変えて再チャレンジ。

ガムを見る。ガムも諦めモード。

「もうこの辺にしましょうか」

真っ暗になってはしょうがない。夜行性の獣が活動する前に戻ることに。

ガムが声を張り上げる。

「へん…… 」

その時だった。


強い光が見えた。

光は編集長の後方から迫ってくる。

「危ない! 」

だが声は届かないのか編集長は後ろの光に気付かない。

「もう何やってるのよ! 」

「ステーテル行きますよ」

ガムには秘策がある。

編集長にはできるだけ長く粘ってもらい合流するまで頑張って耐えてもらうしかない。

「急いで! 置いて行きますよ! 」

もう! ガムったら……

ガムのスピードについていけない。

暗い…… いくら下りでもこう暗くては足元が見えなくて怖い。

光はどんどん迫っていく。狙いは編集長。

彼も振り返り光に気付いた。

さあここからが勝負。

一発勝負。ミスが許されない。


編集長はジグザグに走りだし光に取り込まれないように逃げる。

宇宙人による編集長捕獲作戦は難航する。

そろそろ諦めてくれないかしら。

でも…… それではこっちが困るのよね。

なるべく粘ってこっちの到着を待ってから。

そう都合よく行くはずもないんだけど。

「うわあ! 」

編集長に迫る脅威。

「助けてくれ! うおおお! 」

光が編集長を捉える。

ああもうダメ! 見ていられない。

崖? なぜこんなところに?

最悪なことに行き止まり。もう引き返すしかない。

だが編集長にはその体力が残っていないのかその場に崩れ落ちる。

万事休す?


「ダメ! 編集長! 」

地面と草。土に木。捕獲されまいと必死にしがみつく哀れな男。

最期には落ち葉を掴む。

もう間に合わない。

うわああ!

抵抗虚しく吸い込まれていく。

だが編集長もただでは終わらない。

笛を吹く。

ピッピィ!

異音に驚いたのか速度が落ちた。

しかし無駄な抵抗。最後の悪あがきに過ぎない。

編集長無念。

姿を消してしまった。


「ダメ! お願い! 」

光に届いた時にはもう編集長の姿はどこにもなかった。

遅い! 遅すぎた。

光が再び動き出した。

絶対に逃がす訳にはいかない。


必殺歌唱作戦。

ガムは歌いだした。私も仕方なく合わせる。

ラララ……
光よ……

歌の力を信じてぶつける。

奇跡よ……

お願い! 早く!

願いは届くのか?


ぎゃああ!
ぎゃああ!

翼を広げた化け物の姿が光に浮かぶ。

怪鳥ジャスラ登場。

宇宙人対怪鳥ジャスラ。世紀の対決。

ぎゃああ!

ジャスラ有利?

光は留まる。

急いで光の元へ。

さあジャスラお願い!

歌い続ける。


ぎゃああ!

ジャスラの攻撃を受ける。

巨大な円盤が傾く。

「もっとよ! 頑張って! 」

うぎゃああ!

だがジャスラは動きを止めた。

そしてこちらに向かって突撃してくる。

そうジャスラの役目はあくまで歌わせないことだ。

気付いたか……

ジャスラの攻撃。

「ステーテル危ない! 」

ガムに引っ張られて回避。

ふう危なかった。

ジャスラは目標を失った。


光が差す。そして私たちを取り込もうとする。

「ダメ! 」

私たちまで取り込まれたらお終いよ。しかしどうすることもできない。

未知との遭遇を果たした三人はついに未知の世界へ。


目標を失ったジャスラは去って行った。

光は遠くの空へ。


意識を失う。

                続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です

hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。 夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。 自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。 すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。 訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。 円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・ しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・ はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜

平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。 だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。 流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!? 魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。 そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…? 完結済全6話

【完結】内緒で死ぬことにした  〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を〜

たろ
恋愛
手術をしなければ助からないと言われました。 でもわたしは利用価値のない人間。 手術代など出してもらえるわけもなく……死ぬまで努力し続ければ、いつかわたしのことを、わたしの存在を思い出してくれるでしょうか? 少しでいいから誰かに愛されてみたい、死ぬまでに一度でいいから必要とされてみたい。 生きることを諦めた女の子の話です ★異世界のゆるい設定です

あなたが「消えてくれたらいいのに」と言ったから

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「消えてくれたらいいのに」 結婚式を終えたばかりの新郎の呟きに妻となった王女は…… 短いお話です。 新郎→のち王女に視点を変えての数話予定。 4/16 一話目訂正しました。『一人娘』→『第一王女』

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。

鶯埜 餡
恋愛
 ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。  しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

処理中です...