ド・ラボーの地位を得ましたのでさっそく王子様を奪って見せます! 理想の王子様を求めて世界へ

二廻歩

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魔女

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UMAの進む方へ。

町が見えた。よし行ってみよう。

眩しい! 道路の至る所に鏡が置いてある。太陽が反射して敵わない。眩しくて目を開けるのも一苦労。

とりあえず中へ避難。

「ハイいらっしゃい」

「ここは? 」

「ああ。ここはストーンショップ。珍しい石を各地から集めて販売してるんだ。安くしておくよ。良かったら一つどうだい」

メガネのおじさんが無理矢理進めてくる。

まだ買うとも見るとさえも言っていないのに。迷惑なんだからもう…… 」

「あのすみません。実は…… 」

「いいからいいから」

おじさんは強引に自分のテンポに持って行く。

「何だ客じゃないのか…… 」

一気にやる気をなくしたおじさん。

「あのここは? 」

「知らないのか? ムーチャットだろ」

「その…… 」

「何? 国王に会わせろだと? 良く言ってくれるよ。俺だって会えないって言うのによ」

「それでどこに? 」

「ああここを真っ直ぐだ。後は知らん! 勝手に聞き回るんだな」

お礼に銀貨を渡す。

「おお! こんなにくれるのか」

すっかり気を良くした男。有力な情報を一つ。

「いいかよく聞け! 行ってもお住まいはもうない。取り壊されてしまった。

ここの者は全員国王に助けてもらったからな。何とかしたかったんだがもうどうにもならない」

「では国王と王子は? 」

「それなら大丈夫。暴動が起きる前に逃げて行ったよ。今は分からないなあ……
まあ国王は仕方ないが王子はとばっちりさ」

「王子はどのような方だったのでしょうか? 」

「ああそれだったら言えるぜ。顔は良く性格も良い。頭も切れて文句のつけようもないお人だ」

自慢するように語る。

特徴は一致している。やはりあの人が王子?

「そうだ。どうしても国王に会いたいなら婆さんを頼るんだな」

「お婆さん? 」

「ああ。千年も生きているって婆さんだ。嘘か本当かは知らない。何でも魔女なんだとかって噂だ」

「魔女? 」

「奇妙な格好でおかしなことばっかり言ってるからな。本人もその気になっちまって…… 」
 
「うわ…… 」

「ははは…… 大丈夫。取って食われやしないさ」

ガムに頼りたいがさっきのショックで使い物にならない。

「婆さんは夜にこの辺を徘徊してるって噂だ。もちろん森の奥の家を訪ねたっていいがどこかは知らない。
おら、もういいだろ。さあ出て行ってくれ! 商売の邪魔だ! 」

観光客相手にくず石を高値で売りつけるようなとこに客など来るはずないのだが忙しいらしい。

無理矢理追い出されてしまう。

「どうしようガム? 」

「それは…… 」

ガムは未だに立ち直れていない。

困ったな…… 変なところに来ちゃった。

UMAに魔女。謎の影。考えたくはないけど王子はあの影に連れ去られたに違いない。

もしここに王子が一人しかいないなら連れ去られた王子を救出するしかない。

面倒だけれどやるしかないか。

とりあえずお婆さんを見つけることに。


夜遅く。

近くのレストランで腹を満たしお婆さんが来るのをひたすら待つ。

地味な作業だ。来るかも分からないお婆さんを待ち続けるなんて耐えられない。もうやめようかな……

「おい! おーい! 」

諦めかけた時だった。誰かがやって来た。

マントを羽織りおかしな帽子の出立。杖を振り回している。

これが魔女?

ただの徘徊しているお婆さんではないかしら。

声をかけることに。

「大丈夫ですか? 」

「うん…… 孫娘のキャサリンかい? 」

「いえ…… いーえ…… はい」

「うん? その子はもうだいぶ前に…… あんた誰だい? 」

「私…… 私! 」
 
「はあ? 年寄りを馬鹿にするんじゃないよまったく! 最近の若い者はまったく…… 」

説教モードに突入。

なかなか本題に入らせてくれない。

「あの実は私たち…… 」

復活のガム。ガムに全て任せておけば大丈夫。

「ニ―チャットから参りました。こちらステーテル。ド・ラボーでございます」

「ほう。それは珍しいね。それで何の用だい? 」

「国王との謁見はかなわないでしょうか? 」

「ああそんなことかい。ならついて来な」

ついに目的を果たす。


                   続く
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