ド・ラボーの地位を得ましたのでさっそく王子様を奪って見せます! 理想の王子様を求めて世界へ

二廻歩

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鍵を探して ガムの危険な賭け

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「良いか。くれぐれも王子の接吻を受けるでないぞ。一時間もしないで体が固まってしまう。
もうそうなったら助けることはできない。もって一時間だからな。肝に銘じろ! 」

国王としての威厳が復活。

王命を受ける。

部屋へ戻る。

「ステーテル? 」

「うん。大丈夫…… 」

「もうしょうがないわね。スティ―。こっちにいらっしゃい…… 」

「お姉さま」

「ほら心配いらない」

「怖い…… 怖いの! 」

「ほら落ち着いて。温めてあげるから」

二人は仲良く眠りにつく。


翌朝。

王子に警戒されている今。もうあまり時間は残されていない。外出は禁じられている。

仮に逃げ出そうとしてもすぐに捕まってしまうだろう。ここは機嫌を取るしかない。

「王子。ここにいらしたんですか? 」

書物をお読みになっている。

あら意外。まだ子供だと言うのに難しい歴史書なんかを読んで。

「うむ。眠いなあ…… 」

やはりまだ子供だ。眠気が勝ってしまう。

「王子? 」

「ああ。おはよう。今日はずいぶんと早いな」

朝の挨拶の代わりに頬に軽くキス。

大丈夫。直接接吻さえしなければいい。唇を奪われなければ問題ない。

「なあステーテル。式は盛大にやりたい。どうだ婚約だけでもしてはくれないか」

「またですか。焦り過ぎですよ王子。まだ子供なんですから」

「何を言う! もう子供ではないわ! 」

あらあら怒らせてしまった。本当に子供なんだから。

「じっくりと話し合ってから決めましょう。ねえ王子」

「それもそうだな…… 」

王子は引き下がった。

ふう。危ない危ない。これ以上ここに居ては危険だ。

「では王子。失礼いたします」

王子は不満そうにこちらを見やる。

引き延ばしは限界にきているようだ。このままではまずい。

もう子供なんだから。

そう子供だから。何をするか分からない。

衝動的にキスをしないとも限らない。

今はガムがいない。

二手に分かれた。

王子の注意を惹きつけてる間にガムには二階で鍵を探してもらっている。

元国王の頼みを聞かない訳にはいかない。もしかしたら最後の切り札になるかもしれない。

とにかくなるべくやれることはやっておきたい。

ガムはうまく潜入できたかな?

危険が伴うのはガムも分かっている。でもガムなら何とかなるでしょう。

さあブランチにしましょう。

あとは吉報を待つだけだ。


コンコン
コンコン

よしこの部屋には誰も居ないようね。

中へ。

えっと…… 鍵。鍵と。

ここは使われていないところを見るとゲストルームと言うことになる。

まあこんなところにしまっているはずはないか。

一応一通り見て次へ。

やっぱり当たりをつけないといつまで経っても見つかりそうにない。

時間がかかればそれだけ危険が増えるだけ。

コンコン
コンコン

「入れ! 」

まずい人がいた。

隠れる?

「おい! 早くせぬか! 」

国王の寝室。

国王が体調を崩してお休みになられていると聞いた。

と言うことは今は他に人が誰もいない? ラッキー?

あれ?
 
「何奴? 」

部屋の中には当然家来がいる。そんなことも分からずに入ってきてしまった。

迂闊だった。

「おい! 」

家来が吠える。

ただの侵入者だ。当然と言えば当然の対応。

「すみません。迷ってしまいまして。ここはどこでしょう? 」

「勝手に二階に上がって何が迷っただ? しらじらしい奴め! 」

「よい。これ以上喚くな」

現国王が待ったをかける。

どうやら体調を崩しているらしい。

「何用じゃ? 」

「実は地下で騒いでいる者がいるとのことで国王様の許可を得なければと思いやって参りました」

かなり無理があるし言い訳にもなっていない。それは自分でも分かっている。

「嘘を吐くな! これ以上嘘をつくとただでは済まさんぞ! 」

家来のえらい剣幕。

まあ確かに嘘でありでっち上げなのだがこの際仕方がない。

「うるさい! お前は黙ってろ! 分かった。 分かった」

熱もあり苦しいのか話もロクに聞かずに投げやりに答える。

鍵は一体どこ?

                 続く
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