ジミート チート神を探して神々の森へ 追放されし三人の勇者故郷を救え!

二廻歩

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裏切り 絶体絶命のリサイクル卿

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混乱を経て、救出作戦完了。

救出には手間取り混乱も見られたがある程度は想定の範囲内。

どんなに落ち着かせようとしても早口になり、焦って転ぶなどの動きにもなる。
冷静に冷静にとは言うがそれは無理な話。

それは救出する側も同じ。

「アル―? アル―? どこにいるの? 」

「兄貴急ぎましょう」
「アル―が! アル―が見当たらないんだ! 」

「先に行っちまったんすよ。村の者の無事は確認できたんすから早く行きやしょう」
「ダメだ! アル―の姿を見るまで。無事を確認するまでここを離れない! 」
「もう。困ったすね」

「カン! 今はここを離れるのよ! 」
「だって…… アル―が…… 」

「見つからなくて心配なのは分かるけど私たちにはまだやるべきことが残ってる。
落ち着いてカン! きっとアル―は無事よ」

取り乱したカンを優しく諭す。

「おい! いつまでやってる? 早くここを離れるぞ! 」
モッタは酔いが醒めたのか積極的に人々を誘導。

「さあ、カン行こう! 」
「一体どこへプラスティ―? 」

「大王のところに決まってるでしょう! 」
「そうっすよ兄貴。自分たちの手で大王を倒しましょう」

「ちょっと待て! 」

不死身だと言うことを忘れたのか?
それともこの短期間に大王の弱点でも見つけたか。

「このまま逃げた方がいい。大王退治はまた次の機会にでもしてさあ…… 」

「何を言ってるの今がチャンスじゃない。今を逃したらもう一生無理かもしれないのよ。さあ行くの! 」

「疲れたしもういいんじゃない? 」
「兄貴情けないっす。最後の決戦ですぜ」

二人の意志は固いようだ。

リーダーの俺が今しっかりしないでどうする。

二人に説得され大王退治に向かう。

「おーい! おーい! 」
後方から馬車が向かってくる。

敵? 味方?

「おーい! 大丈夫か? 」

馬車がストップ。
中から親方が姿を現した。

「カン! こっちは俺らに任せろ! 責任を持って皆を元の場所に帰してやる! 」
「へい親方! 頼みました」

「リサイクル卿の部隊が戦っている。応援に行ってやってくれ! 」
「へい。分かりました! 」
 
「行くぞ皆! 」
「そうこなくっちゃ! 」

「これを持っていけ! 」

そう言うと助け出された者の救護に向かう。

薬草団子。
神々の森の入り口で採れた薬草を作ったお団子。

レアアイテムゲット。

カンたちは大王の元へ駆ける。


大王陣営。

「大王様。急襲です! どうしましょう? 」
「落ち着け! お前らは突破されないように死守せよ」

「大王様はお疲れである。下がるがよい」
「これは失礼いたしました」

大食期で腹が膨れ、身動きの取れない大王に代わりジュニアが指揮を執る。

まったくどいつもこいつも情けない。
俺の手を煩わさないでもらいたいものだ。

「行け! 行け! 怯むな! 」

それにしても我らを恐れずに襲ってくるとはどこの馬鹿だ。
こっちは遠征から帰って来たばかりでロクに眠っていないと言うのに。

怒りがこみ上げる。

「我らをコケにするとは分かっているのだろうな。この愚か者め。はははは…… 」

リサイクル卿部隊は到着と同時に攻撃を仕掛ける。

「お返しだ。我らの力を存分に見せつけよ!
敵は準備が整っていない。今がチャンスだ。一気に行くぞ! 」

「おう! 」

城内侵入を試みる。

「うわああ! 」 
城内から出てきた兵士を一人残らず血祭りに上げる。

「雑魚に構うな! 前だ! 前に進め! 」

部下を鼓舞する。

うん?

降参したのか城内が静まり返った。

「やるなお前ら。今度は私が相手だ! 」
ジュニアの一人が登場。

これは手ごわそうだ。

向かってくるものに容赦ない一撃。

「引け! 引け! 」

じっくり考え作戦を練り直す。

「どうしましょうリサイクル卿? 」
「コップ部隊よ動いてくれるか? 」
「お任せください! 我が精鋭が打ち崩して見せましょう」

「次にSDGs卿部隊が疲弊した相手に止めを刺す。いいな」

「作戦開始! 」

コップ部隊が突っ込んだ。

しかし敵も無抵抗とはいかない。押し返す。

「今だ! SDGs卿部隊行ってくれ! 」

反応が無い。

「SDGs卿? SDGs卿? 」
動かない。一体なぜ?

「おい! 命令に背く気か? 」

「はっはは! 大王はもちろん倒します。
しかしこのような強引なやり方には納得できません」

「何だと? 」

「村を守るのに必死で休みもありません。これ以上我が部隊をこき使ってもらっては困ります。そちらの部隊を動かせばいいのではないのですか? 」

「生意気な若造が…… 我が部隊はまだ…… 温泉郷…… 」
本心を伏せ説得するが動く気配はない。

まずい! コップ部隊がやられる。

精鋭たちも先の戦いで消耗しており実力の半分も出せていない。

動きの悪いコップ部隊はジュニアに良いようにされてしまう。

「おい! SDGs卿頼む! 」
「だから言ったでしょう。疲れてるんです」

「命令だ! 」

「リサイクル卿。このような時に仲間割れなどしていられません」

「何? 何を抜かす! 」

「いい加減気づいてほしいな。あなたは時代遅れだ。
それにこの部隊全体を仕切っているのは実質俺だと言うことをね」

「馬鹿な…… 」

反旗を翻したSDGs卿。

本隊をも上回る程の兵士の数。
力をつけて今では影の支配者とまでささやかれている。

「困りましたね。リサイクル卿。あなたの部隊が助けに行ってあげてください」
「裏切るのか? 」
「裏切る? いいえ、あなたを追放するだけです」
「なな…… 何だと? 」

「もう時代遅れなんですよ。
古いんですよ考え方がね」

「良いですか。リサイクル卿。時代は俺に味方してるのさ。
もうあんたは古い。隠居したらどうですか? 」

「時代遅れだと? 恩を忘れたのか! 」

「それが古いと言うんですよ。困ったお人だなあ。
分かりました。はっきり言いましょう」

「今はSDGs時代。あんたの時代はとっくの昔に終わったのさ。
このSDGs卿様がこの世界を支配する。
大王を倒した暁にな。さああなたは退場してもらいましょうか」

「はっはは! いっひっひひ! 」

「馬鹿笑いはよせ! 」
「嫌なら俺の部下になるんだな」

屈辱。
この上ない屈辱。

私が間違っていたのか?
時代はもう私を求めていない?
考えを変えねばならないのか?

とにかく今は大王を倒すしかない。

ここは嫌でもSDGs卿に動いてもらわねば勝ち目などない。
しかし待てよ。不死身の奴をどうやって倒すと言うのだ?

裏切りに遭い落胆するリサイクル卿に光が差した。

「父上! 父上! お助けに参りました」
「おう、カンか! 大王は城内だ。任せたぞ! 」

ついでにこの裏切者を何とかしてもらいたいが今は大王を倒すのが先決。
こ奴は我が誇りにかけて制裁するとしよう。

「行こう皆! 」
「おう! 」

大王を目がけて一直線。

邪魔者をファイヤードリルで排除する。

手加減はしない。
向かってくる者は敵だ。

恐れ戦く敵兵。

大王の恐怖によって支配されていた者どもが一斉に逃げ出した。

                    続く
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