ジミート チート神を探して神々の森へ 追放されし三人の勇者故郷を救え!

二廻歩

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アル―の行方

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再びの闇。
村に静寂が戻った。

「親方それなんですか? 」
「ああこれか。これはリサイクル卿の置き土産」

「三日前にふらっと姿を見せた。
お前に会いたがっていたぞ」

「父上が? この村に? 」
「そうだ! 危機が迫っているとだけ言い残して去っていった」

「リサイクル卿は多くは語らなかったがもし何かあったらこれをと渡してくれた。

『スーパースプレッダ―EX』

鎮火用の器具で大火事を防止するために作らた優れもの。

「これのおかげで消火活動が容易になり被害を最小限に抑えられた。
どうやらリサイクル卿は他の村にも配ったと見える」

「村長が話していたのを聞いたんだ」
「村長が? 」
「近くの村々と話し合いを重ねていたな」

鎮火作業を終える。

「ありがとう助かったよカン」

「その親方… 」
「どうしたパック? 言ってみろ! 」
「アル―は…… 無事なの? 」
「そうかお前は知らないんだな。いいだろう教えてやる」

「まず初めから。
この村に危機が迫っていると知らせてくれたのがリサイクル卿。
そこまでは話したな」

「リサイクル卿が去ると代わりに部下が村々を回った。
彼らによると村を焼き払うらしいとのこと。
だから俺らも負けじと戦うことにしたんだ」

「だが奴らはとんでもない人数でこの村を襲った。
応戦したが歯が立たず捕えられる前に何とか逃げ切った。
その後のことは見たわけではないので不確かだが村人の大半は捕まったそうだ」

「捕まった? アル―も? 」
「ああ、どこかに連れていかれた」

「アル―! 」

「落ち着け! 村から死者は出なかった。
重症者もいない。火傷をしたものが数名程度。
村は焼かれちまったが何とかなった。奇跡だな」

「アル―は無事なの? 」
「ああ、たぶんな。どこかに捕えられていると思う」

「アル―! 」

「落ち着け! 連中もすぐには危害を加えないさ。
明日までに何とかすればいい」

「明日まで? 」

「どうやら奴らはこの土地を欲してたわけではないらしい。
まあそれはそうだ。外れの外れの田舎。こんな土地ならそこら辺に腐る程あるはず。
その証拠に村を焼き尽くした」

「では狙いは何かと言うと村人。
働き手が欲しいのだろう。
だから危害を加えず連れ去った」

「親方! 」
「ならば奪還すればいい話。そうだろうカン? 」

「甘い! 考えが甘い! 」
酔っぱらいが口を挟んだ。
「ヒック。ふう。それにしても熱い。眠ってなどいられん」

「どういうことだお前? 」
「親方気にしないで。どうせ酔っぱらいの戯言。聞くだけ損ですよ」

「カン。こいつを何とかしろ! 目障りだ」
「へい! 」

おっと昔の癖が治らない。
親方のボロ屋を全焼させた負い目もあり決して逆らえない。

「パック頼んだ」
「へい兄貴」

モッタを引きずって行こうとするが抵抗される。

「これは極秘だがな。ヒック…… 奴らは食われる運命にある」

「馬鹿を言うな! 仲間を喰らうだと? 」
親方は怒り出した。

「ちょっと待って! 」

プラスティ―は神社で爺から聞いた話を思い出した。

「確かそんな話してなかった? 」
「ああ…… 何とか期だっけ…… 」
「へっへへ。ヒック。大食期さ」

「まさか本当なのかカン? 信じられん」
「分かりません親方。でも楽観視はできません」
「ああ、そうだな。急いで奪還しなくてはな! 」

「へっへへ。明日には皆食われちまう。諦めた方がいい」

もう村もない。
人もいなくなればきれいさっぱり忘れ去られる。
廃墟と化す。
数年前のパックの村のように。

「恐ろしっすね」
「本当。でもそんなに民衆を食い尽くしたら人なんていなくなるんじゃない? 」
「ひひひ。気にしてないのさ。全てを食い尽くすまで止まらない。はっはは」

「そんなあ」
「それになお前らのことを人だなんて思っていやしないさ」

「何! 餌だとでも言いたいのか! 」
酔っぱらいの戯言に我を忘れた親方が迫る。

「違う違う。へへへ…… 」

親方は酒を払い落しモッタの胸を掴む。

酔っぱらいは察知し払いのけるとプラスティ―の柔らかい胸を掴む。

「いや! 」
「プラスティ―! 」

「何をする! 」
「堪えて堪えて。兄貴」

パックがその場を収める。

一応は仲間。案内役として役に立ってもらわねば困る。

モッタは最後の言葉をパックに耳打ちする。

「お前らはゴミだ! 」

怒り狂うパックを今度は残りの者でなだめる。

とにかく今はアル―ら村人を助けるのが先決。
村人の奪還作戦に移る。

日付が変わった。
もう今日中に食われてしまう。
一刻の猶予もない。

村の者は一体どこにさらわれたのか?
襲われた村々。
陸路か?
水路か?

全員を馬に乗せるのも不可能。
歩いて行かせるのにも限度がある。
馬車を使ったとも考えられるが目立つ上に整備されていない土地を超えるのは考えづらい。山々もあるのだから。
明るくなれば目立つ。

ならば答えは船。

そして船までは歩かせたか馬に乗せたか巨大な馬車に押し込んだか。
とにかく敵部隊は水路を使ったこれは間違いない。

親方と残された村人に集まってもらい秘策を練る。

奪還作戦。
まず水路で向かう。
万が一の為に陸路にも人員を割く。

だが目的地が分からないままでは動きようがない。

モッタも知らない。

モッタによると奴らは一年ごとに城を変えるそうだ。

「昨年までの城は分かるがもうそこには誰も住んでいないさ。
住めなくなったのさ。あれではな……
まあ大王鬼神は臆病とも言えるし慎重だとも言える」

手掛かりなし。

とにかく二手に分かれて捜索開始。

                     続く
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