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思い出の地 サウスドコダ炎上
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サウスドコダを目指す。
「ちょっとカン! 急ぎ過ぎ。少し落ち着いて! 」
こんな時に落ち着いてなどいられない。
一分でも早く。一秒でも早く。
あいつらの言っていたことが事実ならもう村は……
「アル―! 」
もうちょっと。もう少しだ!
「カン! カーン! 」
「兄貴…… 」
サウスドコダ到着はそれから十分後のことだった。
サウスドコダ。
村はオレンジ色の炎に覆われ見るも無残な光景になり果てた。
家一つとして残されていない。
予想通り。いや恐れていたことが現実に。
火の勢いは収まりつつあるがそれでも近づくには勇気がいる。
「アル―! アル―! うわああ! 」
声がかれるまで絶叫する。
そこに存在したであろう村の姿がもうどこにも見当たらない。
俺が育った養父母の家。
アル―の家。
全焼した親方のボロ屋。
アル―と過ごした広場。
アル―と通った道場。
アル―と遊んだ公園。
アル―と……
アル―!
溢れる思い出と止まらない絶叫。涙が自然とこぼれる。
「兄貴…… 自分…… 」
「カン…… たぶん私の村もきっと…… 」
辛いが耐えるしかない。それはパックもプラスティ―も同様でどうすることもできないのだ。
これは運命。いや、運命と呼ぶにはあまりにむごい。
悲劇。
「カン! カン! カーン! 」
プラスティ―が勢いよく胸に飛び込んだ。
「プラスティ―? 」
「カーン! 」
二人は激しく抱き合った。
そしてお互いを慰め合った。
「ごめんなさい! ごめんなさい! 」
「プラスティ―? 」
「私は心のどこかであの女がいなくなればって願ってた。
でも…… こんな現実を目の当たりにして何て愚かで醜い…… 」
「私のせい? 」
「違う! プラスティ―は悪くない! 悪いのは奴らだ! 」
「ごめん…… うぐぐ……
言葉にならない」
泣きじゃくる彼女を見ると自然と我に返った。
そうかもう手紙も燃えてなくなったろうな。
アル―は読んでくれたかなあ……
この分だとプラスティ―の村も全滅だろう。
ドコダ全体が火の海。
今俺たちに出来る事は……
分からない。
ただプラスティ―とこうしていると落ち着く。
それだけが救いだ。
「カンもっと強く抱きしめて! 」
「ああ…… 分かったよ」
「カン! 」
「プラスティ―! 」
「おうおう。やるねい。この熱い中。うっわあっち! 」
モッタがつまらなそうに酒を浴びる。
「酒が熱くていけね。ヒック。
熱燗は今の季節にちょうどいい。へへへ。
これが本当のやけ酒ってか? 」
ご機嫌のモッタ。
酒のせいで熱さを忘れたか? 単純な野郎。
最低な物言い。面白くも何ともなくただただ不謹慎。
不快極まりない酔っぱらいの戯言。
「兄貴大丈夫ですか? 」
「ああ熱くない。この耐火コスチュームのおかげだ」
「兄貴! 復活ですか? 」
「いや、まだ立ち直れていない。それはたぶんプラスティ―もそうだと思う」
「カンもう少しお願い! 」
「プラスティ―! 」
二人は気の済むまで抱き合う。
炎が上がる中いつまでもいつまでも。
こうして物語は悲惨な結末を迎えた。
エンド?
エンドなのか?
いや違う。
「おーい! 」
まだ終わらない。
「おーい! 」
どこからか人の声がする。
「パック邪魔しないで! 」
「自分じゃないっす」
「まさか酔っぱらいが喚いてるの? 」
「あの…… モッタならここで寝てますぜ」
熱いだろうに。酔っぱらいのすることは理解に苦しむ。
「おーい! 」
「おーい! 」
「やっぱり聞こえるわ。幻聴? カン! 」
「落ち着いてプラスティ―。アル―だよきっと」
「おーい! ここだ! 」
手を振り返事をする。
「ちょっと兄貴…… 気を確かに。そんなはずないじゃないっすか」
「アル―! 」
「ダメよカン! 」
「アル―! アル―なんだろ? 」
呼びかけに応じる。
「おお! まだ逃げ遅れた者がいたか。こっちだ! 」
男たちはそう言うと手振りで来るように呼びかけた。
「早く来い! 手間を取らせるな! 」
うん?
うん?
その一人の声に聞き覚えがある。
煙でよく見えないがたぶん……
「早く! 早く来い! 」
歩き出す。
「ちょっとカン? 味方とは限らないのよ! 」
「兄貴まずいですぜ」
燃え盛る炎に見えた一筋の希望。
間違いない!
希望が確信に変わった。
三人の男。
よく見ればそのすべてに見覚えがある。
村の者だ。
特に一人は……
やっぱりそうだ。
「親方? 親方ですよね? 」
「そう言うお前はカン? カンなのか! 」
「逞しくなったな。昔のお前とは比べものにならないぐらい成長したようだな。
嬉しいぞ」
「親方にそう言っていただけるなんて」
「どうした? 何を? 泣く奴があるか! 」
まさか再び会えるとは夢にも思わなかった。
村は一体どうなったんだろう。
親方が無事ならアル―だってきっと……
「よく帰ってきたカン。うん? 」
「親方! 」
「カン! 」
親方の胸に飛び込もうとしたが弾き飛ばされた。
「へえ? 親方……? ひどいよう」
「甘えるな! 」
「だって…… 」
「カン。お前ちっとも変っていないじゃないか! 」
「へへへ…… 」
「それに今は感動の再会をしている時ではない」
「早く鎮火するんだ! 」
「もうだいぶ収まってきたがそれでも油断していると再び大きな炎となって襲ってくる。風も吹き始めてきた。
乾燥も手伝って被害が拡大しないとも限らない。急いでくれ! 」
「親方! こんな時に何ですが仲間を紹介します」
「プラスティ―よ。よろしく」
「パックっす。兄貴の親方なら自分も親方と呼ばせてください! 」
「へっへへ。モッタさ。ヒック。グウ」
「よし手伝ってくれ皆! 」
「おう! 」
一時間後ようやく鎮火に向かう。
続く
「ちょっとカン! 急ぎ過ぎ。少し落ち着いて! 」
こんな時に落ち着いてなどいられない。
一分でも早く。一秒でも早く。
あいつらの言っていたことが事実ならもう村は……
「アル―! 」
もうちょっと。もう少しだ!
「カン! カーン! 」
「兄貴…… 」
サウスドコダ到着はそれから十分後のことだった。
サウスドコダ。
村はオレンジ色の炎に覆われ見るも無残な光景になり果てた。
家一つとして残されていない。
予想通り。いや恐れていたことが現実に。
火の勢いは収まりつつあるがそれでも近づくには勇気がいる。
「アル―! アル―! うわああ! 」
声がかれるまで絶叫する。
そこに存在したであろう村の姿がもうどこにも見当たらない。
俺が育った養父母の家。
アル―の家。
全焼した親方のボロ屋。
アル―と過ごした広場。
アル―と通った道場。
アル―と遊んだ公園。
アル―と……
アル―!
溢れる思い出と止まらない絶叫。涙が自然とこぼれる。
「兄貴…… 自分…… 」
「カン…… たぶん私の村もきっと…… 」
辛いが耐えるしかない。それはパックもプラスティ―も同様でどうすることもできないのだ。
これは運命。いや、運命と呼ぶにはあまりにむごい。
悲劇。
「カン! カン! カーン! 」
プラスティ―が勢いよく胸に飛び込んだ。
「プラスティ―? 」
「カーン! 」
二人は激しく抱き合った。
そしてお互いを慰め合った。
「ごめんなさい! ごめんなさい! 」
「プラスティ―? 」
「私は心のどこかであの女がいなくなればって願ってた。
でも…… こんな現実を目の当たりにして何て愚かで醜い…… 」
「私のせい? 」
「違う! プラスティ―は悪くない! 悪いのは奴らだ! 」
「ごめん…… うぐぐ……
言葉にならない」
泣きじゃくる彼女を見ると自然と我に返った。
そうかもう手紙も燃えてなくなったろうな。
アル―は読んでくれたかなあ……
この分だとプラスティ―の村も全滅だろう。
ドコダ全体が火の海。
今俺たちに出来る事は……
分からない。
ただプラスティ―とこうしていると落ち着く。
それだけが救いだ。
「カンもっと強く抱きしめて! 」
「ああ…… 分かったよ」
「カン! 」
「プラスティ―! 」
「おうおう。やるねい。この熱い中。うっわあっち! 」
モッタがつまらなそうに酒を浴びる。
「酒が熱くていけね。ヒック。
熱燗は今の季節にちょうどいい。へへへ。
これが本当のやけ酒ってか? 」
ご機嫌のモッタ。
酒のせいで熱さを忘れたか? 単純な野郎。
最低な物言い。面白くも何ともなくただただ不謹慎。
不快極まりない酔っぱらいの戯言。
「兄貴大丈夫ですか? 」
「ああ熱くない。この耐火コスチュームのおかげだ」
「兄貴! 復活ですか? 」
「いや、まだ立ち直れていない。それはたぶんプラスティ―もそうだと思う」
「カンもう少しお願い! 」
「プラスティ―! 」
二人は気の済むまで抱き合う。
炎が上がる中いつまでもいつまでも。
こうして物語は悲惨な結末を迎えた。
エンド?
エンドなのか?
いや違う。
「おーい! 」
まだ終わらない。
「おーい! 」
どこからか人の声がする。
「パック邪魔しないで! 」
「自分じゃないっす」
「まさか酔っぱらいが喚いてるの? 」
「あの…… モッタならここで寝てますぜ」
熱いだろうに。酔っぱらいのすることは理解に苦しむ。
「おーい! 」
「おーい! 」
「やっぱり聞こえるわ。幻聴? カン! 」
「落ち着いてプラスティ―。アル―だよきっと」
「おーい! ここだ! 」
手を振り返事をする。
「ちょっと兄貴…… 気を確かに。そんなはずないじゃないっすか」
「アル―! 」
「ダメよカン! 」
「アル―! アル―なんだろ? 」
呼びかけに応じる。
「おお! まだ逃げ遅れた者がいたか。こっちだ! 」
男たちはそう言うと手振りで来るように呼びかけた。
「早く来い! 手間を取らせるな! 」
うん?
うん?
その一人の声に聞き覚えがある。
煙でよく見えないがたぶん……
「早く! 早く来い! 」
歩き出す。
「ちょっとカン? 味方とは限らないのよ! 」
「兄貴まずいですぜ」
燃え盛る炎に見えた一筋の希望。
間違いない!
希望が確信に変わった。
三人の男。
よく見ればそのすべてに見覚えがある。
村の者だ。
特に一人は……
やっぱりそうだ。
「親方? 親方ですよね? 」
「そう言うお前はカン? カンなのか! 」
「逞しくなったな。昔のお前とは比べものにならないぐらい成長したようだな。
嬉しいぞ」
「親方にそう言っていただけるなんて」
「どうした? 何を? 泣く奴があるか! 」
まさか再び会えるとは夢にも思わなかった。
村は一体どうなったんだろう。
親方が無事ならアル―だってきっと……
「よく帰ってきたカン。うん? 」
「親方! 」
「カン! 」
親方の胸に飛び込もうとしたが弾き飛ばされた。
「へえ? 親方……? ひどいよう」
「甘えるな! 」
「だって…… 」
「カン。お前ちっとも変っていないじゃないか! 」
「へへへ…… 」
「それに今は感動の再会をしている時ではない」
「早く鎮火するんだ! 」
「もうだいぶ収まってきたがそれでも油断していると再び大きな炎となって襲ってくる。風も吹き始めてきた。
乾燥も手伝って被害が拡大しないとも限らない。急いでくれ! 」
「親方! こんな時に何ですが仲間を紹介します」
「プラスティ―よ。よろしく」
「パックっす。兄貴の親方なら自分も親方と呼ばせてください! 」
「へっへへ。モッタさ。ヒック。グウ」
「よし手伝ってくれ皆! 」
「おう! 」
一時間後ようやく鎮火に向かう。
続く
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