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魔王を倒せ!
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難敵セッカチンを撃破。
手榴弾の恐怖から解放された三人。
「ふう。強敵だったわね」
「あれ? 道が開けて来たぞ」
「本当っすね」
「えーと。敵さんはいなくなったのかしら」
油断していると……
化け物の群れに当たった。
「囲まれた! 」
「これこれ。これがあれば大丈夫」
セッカチンから奪った手榴弾を投げつけ突破口を作る。
パックが追ってくる敵をお得意の斧を振り回し倒す。
「うーん。物足りねい」
「バカ言ってないで逃げるのよ! 」
辺りはいよいよ夕闇となった。
どうやらこの世界にも夜があるようだ。
「まずいわね。こういう時は必ず魔物が姿を現す。
それも通常の倍以上の力で襲ってくる」
「見えた! 」
光り輝く門。
夜になるとライトアップするらしい。
「まあ幻想的…… 」
「パックはそっちを見てきて」
「ハイ? 」
パックを見回りに行かせ無理矢理二人っきりにしラブラブのシチュエーションに。
「早く! お願い! 」
「強引だなあ。まったく…… 」
仕方なく従う。
「カン。こんな素敵な場所で二人っきり」
「プラスティ―? 今そんな時じゃないよ」
「いいから。さあ歩きましょう」
カンの腕を掴む。
「うふふふ」
「気持ちわり。じゃなかったっす。囲まれましたぜ」
かぼちゃのお化けが現れた。
「あら可愛いい! 」
何か呪文を唱えている。
「兄貴どうしましょう? 」
「何か要求してるみたいだぞ」
「食べ物でもあげたら」
「それじゃあ。爺さんのとこからくすめた和菓子」
「いつの間に。手癖が悪いんだから」
お口に合わないのか再び呪文を唱えた。
まずいどんどん魔物が増えていく。
怒らすと豹変するタイプのようだ。
最後のチャンス。
クッキーとチョコを渡す。
爺さんが隠していた秘蔵の洋菓子。
「うまそうだから独り占めしようと思ったのに。
全部やるよ! 」
かぼちゃのお化けは満足したのか道を開けてくれた。
「よしあとちょっと! 」
百メートルを切った。
もう大丈夫。
もう安心。
誰もがそう確信した時最大の敵が現れる。
魔王の発光大王怒が姿を現した。
「良くぞここまで来た。褒めてやろう。
この門は我を倒さねば開かぬぞ! 」
「どうする? 」
「カン頑張って! 」
「兄貴。力の見せどころですぜ」
「ええ? やっぱりこの展開? ちょっと待ってくれ」
「リーダーでしょう」
「兄貴。期待してますよ」
こんな時に限って責任を負わされる。
リーダーになんかなるんじゃなかった……
後悔しても遅い。
もう切り替えるしかない。
魔王を倒すのだ。
魔王をを倒すには少なくてもゴールドソードが無くてはいけない。
どうする?
「早くしろ! 待ちくたびれたぞ」
「どうしよう? どうしよう? 」
「カウントを開始するぞ。
30…… 25…… 」
「兄貴がピンチだ」
「ハッタリで良いっすね? 」
「ああ、もう何でもいいから魔王を黙らせろ! 」
「このゴールドスプレーをお使いくだせい! 」
「うん。パック。何よこれ? 」
「ええっと詳しい説明は省きます。落書きの道具です」
パックの特技。
あらゆるところに落書きと言う名のアートを描く。
パックシーの異名を持っている。
「いつも持ち歩いてるんす。ゴールドは目立つんで。
兄貴! 受け取ってください! 」
「10…… 4、3…… 」
カンは受け取ると剣にゴールドを振りかける。
「ゼロ! 」
「待ってくれ! 」
「遅いわ! 」
何とかかわすがもう後がない。
「こっち。こっち」
プラスティ―がおとりになる。
「馬鹿め! 」
魔王は躊躇なく襲い掛かる。
「カン! 」
「プラスティ―! 」
手が震えて上手く全体にかからない。
ムラが目立つ。
失敗?
時間が無駄に過ぎていく気がする。
早く早く!
焦る気持ちを必死に抑える。
ようやく全体に塗れた。もう大丈夫だ。
魔王はプラスティ―を追いかけ回す。
魔王の執拗な追跡にプラスティ―は逃げ回るあまり体のバランスを崩し、転倒してしまう。
「プラスティ―! 」
「カーン! 」
「ふふふ。少し痛いですよ」
魔王は剣を振りかぶった。
「待て! こっちだ! 」
「うん? もう遅いですよ。こちらから片付けてあげましょうね」
油断したのか魔王は後ろを振り返った。
「遅かったんです。それでは…… 」
ビリビリ
プラスティ―の必殺をお見舞いした。
「うぐぐぐ」
倒れる。
しかし魔王もタフ。30秒もしないで意識を取り戻した。
「くそ! 油断した! 」
剣を地面に刺し立ち上がる。
この隙にプラスティ―は安全なとこまで退避。
「魔王覚悟! 」
ゴールドスプレーで金色に染めた剣。
カンは即席ゴールドソードを振りかぶった。
魔王は反応するが剣を抜くのに手間取り遅れる。
「喰らえ! 」
ゴールドソードを魔王を目がけて振るう。
「止めてくれ! 俺が…… ぐわ! 」
魔王発光大王怒は役目を終え姿を消した。
「まだ下界には鬼神がいる。ははははは! 」
最後の言葉を残す。
魔王撃破。
さあ門へ走れ。
開かれた門に走る三人。
第二関門突破。
ようやく第三の扉へ。
最後の試練が待ち構えている。
続く
手榴弾の恐怖から解放された三人。
「ふう。強敵だったわね」
「あれ? 道が開けて来たぞ」
「本当っすね」
「えーと。敵さんはいなくなったのかしら」
油断していると……
化け物の群れに当たった。
「囲まれた! 」
「これこれ。これがあれば大丈夫」
セッカチンから奪った手榴弾を投げつけ突破口を作る。
パックが追ってくる敵をお得意の斧を振り回し倒す。
「うーん。物足りねい」
「バカ言ってないで逃げるのよ! 」
辺りはいよいよ夕闇となった。
どうやらこの世界にも夜があるようだ。
「まずいわね。こういう時は必ず魔物が姿を現す。
それも通常の倍以上の力で襲ってくる」
「見えた! 」
光り輝く門。
夜になるとライトアップするらしい。
「まあ幻想的…… 」
「パックはそっちを見てきて」
「ハイ? 」
パックを見回りに行かせ無理矢理二人っきりにしラブラブのシチュエーションに。
「早く! お願い! 」
「強引だなあ。まったく…… 」
仕方なく従う。
「カン。こんな素敵な場所で二人っきり」
「プラスティ―? 今そんな時じゃないよ」
「いいから。さあ歩きましょう」
カンの腕を掴む。
「うふふふ」
「気持ちわり。じゃなかったっす。囲まれましたぜ」
かぼちゃのお化けが現れた。
「あら可愛いい! 」
何か呪文を唱えている。
「兄貴どうしましょう? 」
「何か要求してるみたいだぞ」
「食べ物でもあげたら」
「それじゃあ。爺さんのとこからくすめた和菓子」
「いつの間に。手癖が悪いんだから」
お口に合わないのか再び呪文を唱えた。
まずいどんどん魔物が増えていく。
怒らすと豹変するタイプのようだ。
最後のチャンス。
クッキーとチョコを渡す。
爺さんが隠していた秘蔵の洋菓子。
「うまそうだから独り占めしようと思ったのに。
全部やるよ! 」
かぼちゃのお化けは満足したのか道を開けてくれた。
「よしあとちょっと! 」
百メートルを切った。
もう大丈夫。
もう安心。
誰もがそう確信した時最大の敵が現れる。
魔王の発光大王怒が姿を現した。
「良くぞここまで来た。褒めてやろう。
この門は我を倒さねば開かぬぞ! 」
「どうする? 」
「カン頑張って! 」
「兄貴。力の見せどころですぜ」
「ええ? やっぱりこの展開? ちょっと待ってくれ」
「リーダーでしょう」
「兄貴。期待してますよ」
こんな時に限って責任を負わされる。
リーダーになんかなるんじゃなかった……
後悔しても遅い。
もう切り替えるしかない。
魔王を倒すのだ。
魔王をを倒すには少なくてもゴールドソードが無くてはいけない。
どうする?
「早くしろ! 待ちくたびれたぞ」
「どうしよう? どうしよう? 」
「カウントを開始するぞ。
30…… 25…… 」
「兄貴がピンチだ」
「ハッタリで良いっすね? 」
「ああ、もう何でもいいから魔王を黙らせろ! 」
「このゴールドスプレーをお使いくだせい! 」
「うん。パック。何よこれ? 」
「ええっと詳しい説明は省きます。落書きの道具です」
パックの特技。
あらゆるところに落書きと言う名のアートを描く。
パックシーの異名を持っている。
「いつも持ち歩いてるんす。ゴールドは目立つんで。
兄貴! 受け取ってください! 」
「10…… 4、3…… 」
カンは受け取ると剣にゴールドを振りかける。
「ゼロ! 」
「待ってくれ! 」
「遅いわ! 」
何とかかわすがもう後がない。
「こっち。こっち」
プラスティ―がおとりになる。
「馬鹿め! 」
魔王は躊躇なく襲い掛かる。
「カン! 」
「プラスティ―! 」
手が震えて上手く全体にかからない。
ムラが目立つ。
失敗?
時間が無駄に過ぎていく気がする。
早く早く!
焦る気持ちを必死に抑える。
ようやく全体に塗れた。もう大丈夫だ。
魔王はプラスティ―を追いかけ回す。
魔王の執拗な追跡にプラスティ―は逃げ回るあまり体のバランスを崩し、転倒してしまう。
「プラスティ―! 」
「カーン! 」
「ふふふ。少し痛いですよ」
魔王は剣を振りかぶった。
「待て! こっちだ! 」
「うん? もう遅いですよ。こちらから片付けてあげましょうね」
油断したのか魔王は後ろを振り返った。
「遅かったんです。それでは…… 」
ビリビリ
プラスティ―の必殺をお見舞いした。
「うぐぐぐ」
倒れる。
しかし魔王もタフ。30秒もしないで意識を取り戻した。
「くそ! 油断した! 」
剣を地面に刺し立ち上がる。
この隙にプラスティ―は安全なとこまで退避。
「魔王覚悟! 」
ゴールドスプレーで金色に染めた剣。
カンは即席ゴールドソードを振りかぶった。
魔王は反応するが剣を抜くのに手間取り遅れる。
「喰らえ! 」
ゴールドソードを魔王を目がけて振るう。
「止めてくれ! 俺が…… ぐわ! 」
魔王発光大王怒は役目を終え姿を消した。
「まだ下界には鬼神がいる。ははははは! 」
最後の言葉を残す。
魔王撃破。
さあ門へ走れ。
開かれた門に走る三人。
第二関門突破。
ようやく第三の扉へ。
最後の試練が待ち構えている。
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