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危ない街ドコダシティー サービスが半端ない
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宿探し。
「おーい。 誰か? 聞こえたら返事をしてくれ! 」
もう怖くて怖くて仕方がない。
夕闇に一人きり。
この町で俺を知る者はほとんどいない。
いるとすれば副市長ぐらいだがどこにいるやら。
かすれた声を張り上げる。
「一泊したいんだ! 誰か?
出来たら女の人! おーい! 」
バシ
後ろから近付いてきた男に腕を掴まれる。
「おい! お前は観光客か? 」
「ええ。それで…… 」
「いい。分かった」
「へっ? 」
「金はあるんだろうな? 」
「ええ。泊まるお金ぐらいありますよ」
「そうか兄さん。じゃあ俺らについてきな! 」
三人組の男に連れられ宿を目指す。
暗くて年齢は分からないが体格は良さそう。独特の雰囲気を醸し出している。
ちょっと怖そうだが親切にも連れて行ってくれるのだ文句は言えない。
歩いて十分。
ようやく目的地に到着。
きらびやかな光をまとった宿屋。
西洋風のお洒落な感じに目を奪われる。
「いらっしゃい! 」
「また来たぞ! 」
「四名様ご案内。団体さんで」
「一緒ですか? それとも別々? 」
男は笑いながら別々だと答える。
案内役の男たちに礼を述べる。
「へへへ。いいさいいさ」
「俺らは斥候部隊。まあこの辺りの治安維持が目的。
何かあったらいつでも呼んでくれ」
「はああ…… 」
「ははは! もしまた会えたらな」
酔っぱらいの一人が意味深な発言。
何かある?
「おい、行くぞ! 」
振り返りこちらの様子を窺っている。
何か変だ? 違和感。
まあこの宿屋も妙にお洒落で落ち着かない。
やはり何かが変だ。
お姉さんに連れられ二階の奥の部屋に通される。
「私はアゲハ」
「カンです」
自己紹介を済ませ世間話をする。
「カンさんは若いですね」
「ええ、まあ…… 」
話が弾まない。
まあそれもそのはず。
アル―以外の女性と話したことなどほぼない。
年上の女性と話すなんて初めての経験だ。
まあ、おばちゃんとはよく話すが。
「ではお食事にしますか」
ご飯と魚。デザート。
五分で完食。
その間にお姉さんが布団を敷いてくれた。
寝る前に部屋に備え付けの風呂へ。
「お客さん。湯加減はいかがです? 」
「あっちっち…… ちょうどいいよ」
風呂を済ませ布団に入る。
一日中歩いたので足も腰も痛い。
「お揉みしましょうか? 」
「ああ、助かるよ」
「気持ちいい? 」
「うん! 」
「どう? 」
「痛! イタッタ! 大丈夫。大丈夫」
三十分かけて全身を揉んでもらう。
ああ、気持ちいい。
「そろそろ」
「ええ。寝ましょうか? 」
「はっ? 一緒に寝るの? 」
添い寝までしてくれるとはシティーは違うな。
少し照れながら横になる。
ぐう。ぐっががが!
寝つきはいい方だ。
一瞬のうちに夢の世界へ。
アゲハが夢に現れる。
捕まえたり。捕まえられたり。
楽しい夢……
「お客さん? お客さん! 」
寝ちまったよこの人。
よっぽど気持ちよかったんだろう。
しょうがないなあ。
一緒に寝てあげましょう。
ふふふ。
アゲハ!
捕まえた!
朝。
「お客さん? カンさん! 」
「うん? まだ眠いよう」
「お客さん起きて! 仲間の方がお帰りになりますよ」
「うん? 仲間? 」
「いいんですか? 」
「何が? まあいいや。もうちょっとだけ」
カンは二度寝した。
九時になろうとしていた。
「うわああ! 寝坊した! 」
忘れ物は無いな。よし出発だ。
「お客さん! お代がまだです」
「ええこんなに? 酷いなあ! 」
「何言ってんですか! 寝ちゃったものだから半額にしたんですよ」
「そうなの? それは悪かった。これで足りる? 」
もうほとんど残っていない手持ち。
これは本当に何とかしなくてはいけない。
アゲハの接客で気持ちよく外へ。
とその時だった。
「待った! 待った! 」
受付のおばさんが引き止める。
「まだお帰りなっては困ります! 」
「あれ、おばちゃん忘れ物? 」
「アゲハ! お前がしっかりしないからこっちはくいっぱぐれさ」
ご機嫌斜めのおばちゃん。
「いいかい! 四人分回収しないとね」
「どういうことですか? 俺…… 」
「あんた仲間と来ただろ? 」
「仲間? ええまあ…… 」
「そいつらがお代はあんたにって言ったのさ」
「おおお…… 俺? 」
「悪いねえ。そう言うことだからまとめて払ってもらおうか! 」
「ええ? 嵌められた! 」
「早くしておくれ! こっちもお茶飲んだりとか忙しいんだよ」
「ああ…… ありません! 」
「そんなあ。どうしてくれるんだい? 」
「そう言われましても。奴らと俺は何のかかわりもないですから」
「逃げるのかい! 」
「だから関係ないって! 」
アゲハは悲しそうな顔で見つめる。
「まあ、いいよ。親分さんに回収は任すから」
「親分さん? 」
急いで外へ。
アゲハが心配そうに語りだした。
「カンさん。早く逃げた方がいいよ。奴らはえげつないから」
「ははは。関係ないし俺…… 」
「馬鹿! 急いで! 」
「ええ? 」
「もう話がついてる頃だよ。追いかけ回されるよ」
「まさか! 」
「いいから早く! 逃げて! 早く! 」
「だって…… 」
「大通りは避けなよ! 」
「分かったよ」
アゲハの真に迫る演技で現実を悟る。
「急いで! 早くこの町から出て行きな! 」
手を振ってこたえる。
ダッシュ。
ハアハア。
まさかね。ははは……
足音が近づいてくる。
一人や二人ではない。
手分けして誰かを探しているようだ。
いかつい男が興奮して走り去っていく。
「あのガキ! どこ行きやがった! 」
まずいぞ。とりあえず隠れねば。
追手の数がどんどん増えていく。
アゲハの教えたとおり裏道を使い脱出を試みる。
ハアハア!
冗談じゃない!
ピンチなんてものじゃない。
捕まったら最後。
どんな拷問を受けるか分からない。
アル―!
逃避する。
アル―!
現実逃避もする。
果たして逃げ切れるのか?
続く
「おーい。 誰か? 聞こえたら返事をしてくれ! 」
もう怖くて怖くて仕方がない。
夕闇に一人きり。
この町で俺を知る者はほとんどいない。
いるとすれば副市長ぐらいだがどこにいるやら。
かすれた声を張り上げる。
「一泊したいんだ! 誰か?
出来たら女の人! おーい! 」
バシ
後ろから近付いてきた男に腕を掴まれる。
「おい! お前は観光客か? 」
「ええ。それで…… 」
「いい。分かった」
「へっ? 」
「金はあるんだろうな? 」
「ええ。泊まるお金ぐらいありますよ」
「そうか兄さん。じゃあ俺らについてきな! 」
三人組の男に連れられ宿を目指す。
暗くて年齢は分からないが体格は良さそう。独特の雰囲気を醸し出している。
ちょっと怖そうだが親切にも連れて行ってくれるのだ文句は言えない。
歩いて十分。
ようやく目的地に到着。
きらびやかな光をまとった宿屋。
西洋風のお洒落な感じに目を奪われる。
「いらっしゃい! 」
「また来たぞ! 」
「四名様ご案内。団体さんで」
「一緒ですか? それとも別々? 」
男は笑いながら別々だと答える。
案内役の男たちに礼を述べる。
「へへへ。いいさいいさ」
「俺らは斥候部隊。まあこの辺りの治安維持が目的。
何かあったらいつでも呼んでくれ」
「はああ…… 」
「ははは! もしまた会えたらな」
酔っぱらいの一人が意味深な発言。
何かある?
「おい、行くぞ! 」
振り返りこちらの様子を窺っている。
何か変だ? 違和感。
まあこの宿屋も妙にお洒落で落ち着かない。
やはり何かが変だ。
お姉さんに連れられ二階の奥の部屋に通される。
「私はアゲハ」
「カンです」
自己紹介を済ませ世間話をする。
「カンさんは若いですね」
「ええ、まあ…… 」
話が弾まない。
まあそれもそのはず。
アル―以外の女性と話したことなどほぼない。
年上の女性と話すなんて初めての経験だ。
まあ、おばちゃんとはよく話すが。
「ではお食事にしますか」
ご飯と魚。デザート。
五分で完食。
その間にお姉さんが布団を敷いてくれた。
寝る前に部屋に備え付けの風呂へ。
「お客さん。湯加減はいかがです? 」
「あっちっち…… ちょうどいいよ」
風呂を済ませ布団に入る。
一日中歩いたので足も腰も痛い。
「お揉みしましょうか? 」
「ああ、助かるよ」
「気持ちいい? 」
「うん! 」
「どう? 」
「痛! イタッタ! 大丈夫。大丈夫」
三十分かけて全身を揉んでもらう。
ああ、気持ちいい。
「そろそろ」
「ええ。寝ましょうか? 」
「はっ? 一緒に寝るの? 」
添い寝までしてくれるとはシティーは違うな。
少し照れながら横になる。
ぐう。ぐっががが!
寝つきはいい方だ。
一瞬のうちに夢の世界へ。
アゲハが夢に現れる。
捕まえたり。捕まえられたり。
楽しい夢……
「お客さん? お客さん! 」
寝ちまったよこの人。
よっぽど気持ちよかったんだろう。
しょうがないなあ。
一緒に寝てあげましょう。
ふふふ。
アゲハ!
捕まえた!
朝。
「お客さん? カンさん! 」
「うん? まだ眠いよう」
「お客さん起きて! 仲間の方がお帰りになりますよ」
「うん? 仲間? 」
「いいんですか? 」
「何が? まあいいや。もうちょっとだけ」
カンは二度寝した。
九時になろうとしていた。
「うわああ! 寝坊した! 」
忘れ物は無いな。よし出発だ。
「お客さん! お代がまだです」
「ええこんなに? 酷いなあ! 」
「何言ってんですか! 寝ちゃったものだから半額にしたんですよ」
「そうなの? それは悪かった。これで足りる? 」
もうほとんど残っていない手持ち。
これは本当に何とかしなくてはいけない。
アゲハの接客で気持ちよく外へ。
とその時だった。
「待った! 待った! 」
受付のおばさんが引き止める。
「まだお帰りなっては困ります! 」
「あれ、おばちゃん忘れ物? 」
「アゲハ! お前がしっかりしないからこっちはくいっぱぐれさ」
ご機嫌斜めのおばちゃん。
「いいかい! 四人分回収しないとね」
「どういうことですか? 俺…… 」
「あんた仲間と来ただろ? 」
「仲間? ええまあ…… 」
「そいつらがお代はあんたにって言ったのさ」
「おおお…… 俺? 」
「悪いねえ。そう言うことだからまとめて払ってもらおうか! 」
「ええ? 嵌められた! 」
「早くしておくれ! こっちもお茶飲んだりとか忙しいんだよ」
「ああ…… ありません! 」
「そんなあ。どうしてくれるんだい? 」
「そう言われましても。奴らと俺は何のかかわりもないですから」
「逃げるのかい! 」
「だから関係ないって! 」
アゲハは悲しそうな顔で見つめる。
「まあ、いいよ。親分さんに回収は任すから」
「親分さん? 」
急いで外へ。
アゲハが心配そうに語りだした。
「カンさん。早く逃げた方がいいよ。奴らはえげつないから」
「ははは。関係ないし俺…… 」
「馬鹿! 急いで! 」
「ええ? 」
「もう話がついてる頃だよ。追いかけ回されるよ」
「まさか! 」
「いいから早く! 逃げて! 早く! 」
「だって…… 」
「大通りは避けなよ! 」
「分かったよ」
アゲハの真に迫る演技で現実を悟る。
「急いで! 早くこの町から出て行きな! 」
手を振ってこたえる。
ダッシュ。
ハアハア。
まさかね。ははは……
足音が近づいてくる。
一人や二人ではない。
手分けして誰かを探しているようだ。
いかつい男が興奮して走り去っていく。
「あのガキ! どこ行きやがった! 」
まずいぞ。とりあえず隠れねば。
追手の数がどんどん増えていく。
アゲハの教えたとおり裏道を使い脱出を試みる。
ハアハア!
冗談じゃない!
ピンチなんてものじゃない。
捕まったら最後。
どんな拷問を受けるか分からない。
アル―!
逃避する。
アル―!
現実逃避もする。
果たして逃げ切れるのか?
続く
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