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閉店間際の迷惑客
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皆と別れ単独行動開始。
まずは腹ごしらえから。もちろんそれだけではないが。
不確かではあるが噂を聞きつけた。
夜の町で旧東境村に詳しい人物に出会えるらしいのだが……
それがどこかまでかは分からない。
おおあった。あった。あれ看板が……
午後七時まで営業してるらしい。
時計を確認。
現在時刻午後六時半。
まあいいか。やってるだろう。
その前に草むらで用を足す。
この辺りではトイレは完備されておらずあっても昔ながらの和式便所。
紙も存在しないとか。だから店にもトイレはないだろうと推測。
先に済ますのが大人のマナー。
では改めて中へ。
「済みませんお客さん。店を閉めるところなんです。
ラストオーダーの時刻はとっくに過ぎてますんで」
トイレに時間が掛かったせいで後十五分で店仕舞いだそう。
だがそうは言ってるが多くの客がまで店内には残っている。
どうやら見た感じ皆地元の者のよう。
昼間の騒動を見学してたのも何人かいる。それどころか当事者までも。
と言うことは俺の正体は知られてると見て間違いないな。
「でもまだ人が…… 」
「ですからお客さん閉店なんですよ。彼らももうすぐ帰りますから」
常連には甘い。それに対してよそ者には厳しい。一歩だって中に入れない。
何てあからさまなのだろうか? 気分悪いな。 そんな閉鎖的な場所。
「ほら十分で帰りますからお願いします」
そう言って財布を取りだす。
「しかしお客様…… 」
「現金がダメならイントだってある。なあこれでいいだろ? 」
大げさに絡んでみる。
「そう言われましてもお客様。ラストオーダーの時間は過ぎております」
頑なな店員。もう少し粘るか? いやそれはさすがにまずいか。
「そうですか…… 分かりました」
本当かよと詰め寄りたいがここは我慢。
怒りに任せて行動すればロクなことにならない。
別によそ者を排除しようと本気で考えてる訳ではないだろう。
洗礼はもう受けたつもりだ。だから受け入れてもいいではないか?
そう思うのはこっちの都合か。あちらはまだ心を開いてない。
時間さ。もう閉店の時間だからこんなことしてるんだ。
そう思い込むしかない。
粘っても時間が過ぎて行くだけ。迷惑になったら意味ないし。
目立ってどうする? 俺は生徒を守る義務がある。
ここは引き下がるのがべスト。
無理矢理自分自身にそう思い込ませる。
ただそう思っていても顔には出てしまう。
「あの何か? 」
「この近くで今からでも食事出来るところを教えてください。
腹ペコなんです。どうかお願いします」
頭を下げる。
腹ペコは事実だがそこまで切羽詰まってない。
こうすれば店の一軒ぐらい紹介してくれるはず。
しかもここの紹介だと言えば受け入れてもくれるだろう。
それが狙いの一つでもあるのだが。
「それでしたら店を出た通りを一キロ近く歩けば喫茶店があります。
もっと近くでしたらここから東に進んでください。
通りを一つ越えたらバーが見えてくるはずです」
町に一軒のバーだそうだ。だからここの者の憩い場になってるそう。
当然男がほとんど。女子供はバーのマスターの家族ぐらいだとか。
バーなので当然夜遅くまでやっている。
礼を言って店を出る。
危ないこのまま粘っていたら常連の屈強な男の相手をさせれるところだった。
さあライト片手に向かうとしよう。
これ以上歩けない。雪もちらつき始めてる訳だしな。腹も減ってる。
時間帯を考えれば閉まってる可能性のある喫茶店よりもバーに行くべきだろう。
近いしベストだろうな。
寒い? ああ雪が待ってれば体も冷え切るものだな。
こんな時は温まりたいもの。
何でもいいし誰でもいい。
風も強くなってきた。これでは明日には風邪ひくかもな。
この冷たい風が東から送り込まれた冷気だとでも言うのか?
人家の明かりが恋しい。
閉店だ閉店だと言っていたがまだ寛いでるように見える。
楽しそうな笑い声が響き渡る。
何て暖かそうなのだろう? とても気持ちよさそう。
あーあ何で大人しく従ってしまったのだろう?
自分が情けなくて仕方がない。
ミホ先生も一緒に連れてくればよかったのかな?
どうしても男一人だと嫌がられる。
しかもよそ者は排除する。中にも入れてくれない。
地元の者以外お断りなのかもしれないな。
そんな惨めな気分を味わいながら東へ向かう。
続く
まずは腹ごしらえから。もちろんそれだけではないが。
不確かではあるが噂を聞きつけた。
夜の町で旧東境村に詳しい人物に出会えるらしいのだが……
それがどこかまでかは分からない。
おおあった。あった。あれ看板が……
午後七時まで営業してるらしい。
時計を確認。
現在時刻午後六時半。
まあいいか。やってるだろう。
その前に草むらで用を足す。
この辺りではトイレは完備されておらずあっても昔ながらの和式便所。
紙も存在しないとか。だから店にもトイレはないだろうと推測。
先に済ますのが大人のマナー。
では改めて中へ。
「済みませんお客さん。店を閉めるところなんです。
ラストオーダーの時刻はとっくに過ぎてますんで」
トイレに時間が掛かったせいで後十五分で店仕舞いだそう。
だがそうは言ってるが多くの客がまで店内には残っている。
どうやら見た感じ皆地元の者のよう。
昼間の騒動を見学してたのも何人かいる。それどころか当事者までも。
と言うことは俺の正体は知られてると見て間違いないな。
「でもまだ人が…… 」
「ですからお客さん閉店なんですよ。彼らももうすぐ帰りますから」
常連には甘い。それに対してよそ者には厳しい。一歩だって中に入れない。
何てあからさまなのだろうか? 気分悪いな。 そんな閉鎖的な場所。
「ほら十分で帰りますからお願いします」
そう言って財布を取りだす。
「しかしお客様…… 」
「現金がダメならイントだってある。なあこれでいいだろ? 」
大げさに絡んでみる。
「そう言われましてもお客様。ラストオーダーの時間は過ぎております」
頑なな店員。もう少し粘るか? いやそれはさすがにまずいか。
「そうですか…… 分かりました」
本当かよと詰め寄りたいがここは我慢。
怒りに任せて行動すればロクなことにならない。
別によそ者を排除しようと本気で考えてる訳ではないだろう。
洗礼はもう受けたつもりだ。だから受け入れてもいいではないか?
そう思うのはこっちの都合か。あちらはまだ心を開いてない。
時間さ。もう閉店の時間だからこんなことしてるんだ。
そう思い込むしかない。
粘っても時間が過ぎて行くだけ。迷惑になったら意味ないし。
目立ってどうする? 俺は生徒を守る義務がある。
ここは引き下がるのがべスト。
無理矢理自分自身にそう思い込ませる。
ただそう思っていても顔には出てしまう。
「あの何か? 」
「この近くで今からでも食事出来るところを教えてください。
腹ペコなんです。どうかお願いします」
頭を下げる。
腹ペコは事実だがそこまで切羽詰まってない。
こうすれば店の一軒ぐらい紹介してくれるはず。
しかもここの紹介だと言えば受け入れてもくれるだろう。
それが狙いの一つでもあるのだが。
「それでしたら店を出た通りを一キロ近く歩けば喫茶店があります。
もっと近くでしたらここから東に進んでください。
通りを一つ越えたらバーが見えてくるはずです」
町に一軒のバーだそうだ。だからここの者の憩い場になってるそう。
当然男がほとんど。女子供はバーのマスターの家族ぐらいだとか。
バーなので当然夜遅くまでやっている。
礼を言って店を出る。
危ないこのまま粘っていたら常連の屈強な男の相手をさせれるところだった。
さあライト片手に向かうとしよう。
これ以上歩けない。雪もちらつき始めてる訳だしな。腹も減ってる。
時間帯を考えれば閉まってる可能性のある喫茶店よりもバーに行くべきだろう。
近いしベストだろうな。
寒い? ああ雪が待ってれば体も冷え切るものだな。
こんな時は温まりたいもの。
何でもいいし誰でもいい。
風も強くなってきた。これでは明日には風邪ひくかもな。
この冷たい風が東から送り込まれた冷気だとでも言うのか?
人家の明かりが恋しい。
閉店だ閉店だと言っていたがまだ寛いでるように見える。
楽しそうな笑い声が響き渡る。
何て暖かそうなのだろう? とても気持ちよさそう。
あーあ何で大人しく従ってしまったのだろう?
自分が情けなくて仕方がない。
ミホ先生も一緒に連れてくればよかったのかな?
どうしても男一人だと嫌がられる。
しかもよそ者は排除する。中にも入れてくれない。
地元の者以外お断りなのかもしれないな。
そんな惨めな気分を味わいながら東へ向かう。
続く
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