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お前かアイ?
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ギリギリのところで踏ん張り落下することはなかった。
これで水に濡れる心配もない。
後はミホ先生からどう離れるかだけだが……
「ゆっくり」
プレッシャーをかけないように気を遣う。
よし痺れも解消。踏ん張りも利くようになった。
後はこのまま一気に押し倒してしまえば……
おっと…… 俺は一体何を考えてるんだろう?
ここは紳士に行こう。
彼女を抱きかかえて安全なところへ。
「ミホ先生! 」
「はい…… 青井先生…… 」
二人は見つめ合った。そして流れに身を任せる。
男は女を、女は男を。当然辺りには誰もいないはず。
チャンス! 大チャンス到来だ!
ミホ先生も嫌がっていない。これは行ける。行ける! 行けるぞ!
あれ? こんな時に邪魔する奴がいたような。
タイミングの悪い子が一人いたよな気がする。
確か…… アイ? いくら何でも今回は大丈夫か。留守番してるもんな。
まずあり得ない。アイが姿を見せるはずがないんだ。
物理的に不可能。それは疑いようのない事実。
うん。だからこそ心配いらない。心配無用だ。
さあ心置きなく楽しむとしましょうか。
昼間から大胆にも外でとは何だか恥ずかしいな。
ミホ先生も恥ずかしがる素振りを見せている。
だからってここで止めてどうする? 最後まで行かなくては。
もはや止められないだろ?
だが運悪く邪魔が入る。
「先生! ミホ先生も! 朝から何をしてるんですか? 」
ミホ先生は恥ずかしそうに顔を逸らす。
俺は振り返り声の主を探る。
アイまさかお前なのか? やはりお前なのか?
信じれないことにアイがそこに立っていた。
恐らく一部始終を見ていたのだろう。
呼びかけるとすぐにイヤっと言って走って行ってしまった。
アイを追い駆けるべきか? それともこのまま続行すべきか?
俺はどっちを選んだらいいんだ?
「青井先生早く! 」
積極的なミホ先生。ここで拒否したらまずいよな絶対。でも生徒が優先。
「しかしですね…… 」
ダメだ。せっかくのチャンスをまた逃してしまった。
それにしても俺ってこんなに見境なかったか?
どうも最近と言うかこの町に来てからおかしいんだよな。
急いでアイの後を追う。
誤解を解く為にも。早い方が良い。
言い訳が通用するかは微妙だが。それでも何もしないよりはマシだろう。
アイはすぐに止まった。そして何事もなかったように笑う。
不気味なアイ。何かを悟ったのだろうか?
しかし何を聞いても答えようとしない。
あの衝撃的な場面を見て気持ちが切り替えられないのだろう。
とにかく無口なアイを引き連れて五人で例の場所へ。
しかしどうしていつもこうなるんだろう?
俺がだらしないのが悪いんだがそれでもタイミングが悪過ぎないか?
「こちらです」
「おいお前たち失礼のないようにな。特にアイお前が一番心配だ」
だが頷くばかりで返事をしない。
これは相当怒ってるな。俺が一体何をしたってんだ? もちろん分かってる。
これまたみずほらしい家に招待されたな。
昨夜に引き続き山姥が出るかもしれない。
ここいらで山姥注意報でも発令しておくか。
「お茶をどうぞ」
子供たちはまったく寄り付かずに老夫婦二人で過ごしてるそう。
こんな田舎では一度都会に出れば戻ってくるはずがないか。
どこも似た様なものだとお婆さんが言う。
時代を感じさせる建物。
まあどこも同じ様なものだろうが。
「では…… 」
世間話に終始。旧東境村の件が一向に出てこない。
これは何かおかしい。自分で呼びつけておいてなぜこんなことに?
早く本題に入ってくれないかな。回りくどいレベルを超えてるよ。
「あのお爺さんは? 」
確か詳しいのはお爺さんの方だったよな。
なぜか一人で喋ってるお婆さん。話好きらしい。
「はい柴刈りに行ってます」
いやそれではまるで昔話。
「まさかお婆さんも川に洗濯へ? 」
「いえ川の水を汚すなと言われてますから。
今は井戸の水を使ってます。一キロ先にある水を汲んでくるんだ」
洗濯板でゴシゴシするそう。
「あのそれで裏の山はお幾らで買ってくれるだか? 」
どうもお婆さんは勘違いしてたらしい。
俺たちはただの観光客。勧誘も売買もするはずがない。
「ああ間違いました! 隣の家でした」
ミホ先生が訂正する。
今更言われても遅い気もするが。
「我々は観光で来たんです。何かいいところありませんか? 」
ただの間違いでは悪いのでお薦めを聞いてみる。
「おお。それなら秋に年に一度のお祭りが」
秋はまだあと一ヶ月先。
早すぎるので流すことにした。
「では失礼しました! 」
どうにか話好きなお婆さんから逃れられた。
続く
これで水に濡れる心配もない。
後はミホ先生からどう離れるかだけだが……
「ゆっくり」
プレッシャーをかけないように気を遣う。
よし痺れも解消。踏ん張りも利くようになった。
後はこのまま一気に押し倒してしまえば……
おっと…… 俺は一体何を考えてるんだろう?
ここは紳士に行こう。
彼女を抱きかかえて安全なところへ。
「ミホ先生! 」
「はい…… 青井先生…… 」
二人は見つめ合った。そして流れに身を任せる。
男は女を、女は男を。当然辺りには誰もいないはず。
チャンス! 大チャンス到来だ!
ミホ先生も嫌がっていない。これは行ける。行ける! 行けるぞ!
あれ? こんな時に邪魔する奴がいたような。
タイミングの悪い子が一人いたよな気がする。
確か…… アイ? いくら何でも今回は大丈夫か。留守番してるもんな。
まずあり得ない。アイが姿を見せるはずがないんだ。
物理的に不可能。それは疑いようのない事実。
うん。だからこそ心配いらない。心配無用だ。
さあ心置きなく楽しむとしましょうか。
昼間から大胆にも外でとは何だか恥ずかしいな。
ミホ先生も恥ずかしがる素振りを見せている。
だからってここで止めてどうする? 最後まで行かなくては。
もはや止められないだろ?
だが運悪く邪魔が入る。
「先生! ミホ先生も! 朝から何をしてるんですか? 」
ミホ先生は恥ずかしそうに顔を逸らす。
俺は振り返り声の主を探る。
アイまさかお前なのか? やはりお前なのか?
信じれないことにアイがそこに立っていた。
恐らく一部始終を見ていたのだろう。
呼びかけるとすぐにイヤっと言って走って行ってしまった。
アイを追い駆けるべきか? それともこのまま続行すべきか?
俺はどっちを選んだらいいんだ?
「青井先生早く! 」
積極的なミホ先生。ここで拒否したらまずいよな絶対。でも生徒が優先。
「しかしですね…… 」
ダメだ。せっかくのチャンスをまた逃してしまった。
それにしても俺ってこんなに見境なかったか?
どうも最近と言うかこの町に来てからおかしいんだよな。
急いでアイの後を追う。
誤解を解く為にも。早い方が良い。
言い訳が通用するかは微妙だが。それでも何もしないよりはマシだろう。
アイはすぐに止まった。そして何事もなかったように笑う。
不気味なアイ。何かを悟ったのだろうか?
しかし何を聞いても答えようとしない。
あの衝撃的な場面を見て気持ちが切り替えられないのだろう。
とにかく無口なアイを引き連れて五人で例の場所へ。
しかしどうしていつもこうなるんだろう?
俺がだらしないのが悪いんだがそれでもタイミングが悪過ぎないか?
「こちらです」
「おいお前たち失礼のないようにな。特にアイお前が一番心配だ」
だが頷くばかりで返事をしない。
これは相当怒ってるな。俺が一体何をしたってんだ? もちろん分かってる。
これまたみずほらしい家に招待されたな。
昨夜に引き続き山姥が出るかもしれない。
ここいらで山姥注意報でも発令しておくか。
「お茶をどうぞ」
子供たちはまったく寄り付かずに老夫婦二人で過ごしてるそう。
こんな田舎では一度都会に出れば戻ってくるはずがないか。
どこも似た様なものだとお婆さんが言う。
時代を感じさせる建物。
まあどこも同じ様なものだろうが。
「では…… 」
世間話に終始。旧東境村の件が一向に出てこない。
これは何かおかしい。自分で呼びつけておいてなぜこんなことに?
早く本題に入ってくれないかな。回りくどいレベルを超えてるよ。
「あのお爺さんは? 」
確か詳しいのはお爺さんの方だったよな。
なぜか一人で喋ってるお婆さん。話好きらしい。
「はい柴刈りに行ってます」
いやそれではまるで昔話。
「まさかお婆さんも川に洗濯へ? 」
「いえ川の水を汚すなと言われてますから。
今は井戸の水を使ってます。一キロ先にある水を汲んでくるんだ」
洗濯板でゴシゴシするそう。
「あのそれで裏の山はお幾らで買ってくれるだか? 」
どうもお婆さんは勘違いしてたらしい。
俺たちはただの観光客。勧誘も売買もするはずがない。
「ああ間違いました! 隣の家でした」
ミホ先生が訂正する。
今更言われても遅い気もするが。
「我々は観光で来たんです。何かいいところありませんか? 」
ただの間違いでは悪いのでお薦めを聞いてみる。
「おお。それなら秋に年に一度のお祭りが」
秋はまだあと一ヶ月先。
早すぎるので流すことにした。
「では失礼しました! 」
どうにか話好きなお婆さんから逃れられた。
続く
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