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旧東境村への手掛かり発見!

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朝早くに出発。俺は釣りに同行。イセタンとカズトの二人には買い出しに。
「あいつらには町に行って食糧調達をしてもらってます。
現地の方とのコミュニケーションも大事ですから。
それに食糧もたくさんあった方が心に余裕が出来ますので。
調査にどれだけの時間が掛かるか分かりませんし」
そう言えばすっかり二人のことを忘れていた。
奴らどうしてるかな? ちゃんと買えたか? 
朝だからなやってないとか?

「そうですか。こちらも順調ですよ。
集落の者の中に旧東境村への行き方を知る者を見つけたんです。
これから伺おうと思ってます。それで青井先生に同行していただけたらと」
優秀だなミホ先生は。こっちなど小魚一匹だもんな。昼飯にさえならない。

実はあんまりのんびりしていられない。
今日で三日目。合宿は四泊五日の予定。
遅くても一週間で切り上げなくては大問題に。
保護者からクレームが入り学校の知るところとなってしまう。
そうなったら俺が責任を問われてしまう。
ミホ先生だってただでは済まない。

だからこそそれまでに何としてでも旧東境村にたどり着かなければ。
合宿が失敗に終わるとか言うレベルの話ではない。
この旅は異世界探索旅であり旧東境村は俺たちの第一目的地。
ここまで行ければまた次回。年末にでもゆっくり行けばいいさ。
だからとにかく旧東境村。発見したと言うあの男が記したその場所まで。

でも複雑なんだよな。俺は異世界否定派。
タピオカ部も恐らくそうだろう。ただミホ先生はいつの間にか肯定派に回った。
それがアークニンの恐ろしい力なのかただ彼女が流されやすいのか?
簡単に信じてしまうのが玉に瑕。 
俺が誘ったばっかりにミホ先生まで異世界に染まってしまった気がする。

異世界探索は別として知らない世界を旅するのは悪くない。
ワクワクドキドキが止まらないはずだ。
この感覚はお宝探しとよく似ている。
その目的が金銀財宝か異世界かの違い。
もちろん俺は大人だから金銀財宝を選ぶ。
大金持ちになれば一生不自由なく暮らしていける。
そうなったら教師など辞めて実業家に転身だ。

お宝探しは当然一人では出来ない訳で。
なるべくなら少人数で発見したい。
一人では寂しいし二人では簡単に裏切られる可能性がある。
だから三人がベスト。信頼のおける二人と三等分にする。

ああ夢が広がるな。
でも生徒たちは純粋だから異世界が良いって言うんだろうな。
ミホ先生も苦労してないから異世界を選ぶんだろうきっと。

異世界が子供っぽく聞こえるなら新世界としてもいい。
この常冬村だって近くの者以外認識されてない。
地図にさえ載ってないそんな山奥の辺鄙なところ。
そんなところであの男はシンプルではありながらも地図を作った。
恐れ入る男の行動力に忍耐力。

そして俺たちはその地図によってここまで導かれてきた。
アークニンの話では我々よりも先に来たであろう助手たちが前にいるはず。
悪名高いアークニン探索隊だ。

彼らと合流して異世界を目指すようアークニンは言った。
だが果たして本当に行動を共にしていいものか?
アークニンは簡単に言うがある意味ライバルな訳で。
こちらのことはあまり良い感情を持ってない気がする。

「青井先生? 聞いてますか? 」
肩を揺らされてることに今初めて気づいた。
そうだったミホ先生と話してる時についぼうっとしてしまった。
「済みません。それでどのような用件でしょうか? 」
一度聞いた気もするがもう一度。これが誤解を生まない為にも不可欠。
ぼうっとしてたので聞き逃したとも言えるが。

「ですから手掛かりを見つけたんです! 同行願いますか? 」
「ああ同伴ですね。うん嬉しいな。どこへ行きますか? 」
あれ…… ミホ先生が呆れてるよ。俺何かおかしなこと言ったけ?

恥ずかしそうに引っ張っていく。
歩きながら話すそうだ。でも大丈夫か? ここで下手に話したら危険では?
「旧東境村への手掛かり? はあそれは凄い。しかしどうやって? 」
口が堅そうに見えたがな。あの奥さん意外にも話し好きなのか?
だとすれば結果的に女性陣を泊めたのは正解だったかもしれないな。

                  続く
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