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隊長とメンバー 類似性
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話を聞いてるのが辛いぐらいの眠気が迫って来た。
もうダメだ。目を開けてられない。
大事な話の前に不覚にも眠くなってきた。
このままでは聞き逃すことになる。
それだけじゃない。無防備な姿をさらせば喰われる恐れも。
ぬえさんは冗談だとかサービスだと言っていたが当てになるものか。
豹変して山姥になればどうにもならない。
それだけでなく生徒たちまで喰われてしまうかもしれない。
最悪の事態。
「一年前この町を変な連中が暴れ回ってね。
思い出すのも忌々しい。あー今でも腹が立って立って!
あれ…… 何の話をしてたっけな? 」
当時を思いだしたのか興奮している様子。
「変な連中が町に…… 」
「そうそうアークニン探索隊って言ったかな。
あいつらが町をグチャグチャにして行った。
ほらそこいらに貼ってある手配書を見たかい?
町の至るところに貼ってあるのさ。
奴らが来たら分かるようにね。まあそんなことしなくても見たら分かるが。
それでも早くしないとまた町が滅茶苦茶になってしまう」
「そう言えばあったような…… 」
アークニン探索隊か? そのままだな。サトさんの話とも一致している。
奴の話を信じれば隊長はその優秀な助手と言うことになる。
話が繋がって来たか?
「だから町の者も集落の者もこんなことは二度とごめんだと。
なかなか観光客を受け入れたがらないんだ。
今回は仲間の頼みだから仕方なく歓迎してやったのさ。
まあ本音を言えばこの辺は静か過ぎるから大歓迎なんだがね。
ほら若い者が来ると嬉しくなるって言うか食べたくなるって言うか。ワハハ! 」
まだ山姥の真似事。本気かもしれないから警戒した方が良いかもな。
まさか風習がそのまま残ってないか?
「本気ですか? 怖いな…… 」
「ヒヒヒ…… 喰っちまうっぞって伝えな! 」
「はい! 分かりました」
「何てな。でも私らは何もしねえよ。そんなことせずとも悪い子は罰を受ける。
悪い大人も酷い目に遭うだろうさ」
意味深なこと言って脅しをかける。
彼女にとってみれば俺もまだ小さな坊主と言ったところだろう。
「おっと脱線したね。歓迎はするさ。活気があるからね。でもそれは私らって話。
集落の総意ではない。男共はそれは嫌がってるぞ。
老人はそうでもないがそれ以外の男は未だに外の者を受け入れようとしない。
いわゆる拒絶だな。それが前と同様旧東境村に行こうとしてるのであればなおさら。
決してそこだけは注意しないと……
あああんたらは部活の合宿だとか言ってたからな違うだろうが。
でもあの時もあんたらぐらいの若いのもそれよりももっと若いガキの男女もいた。
奴らは堂々とアークニン探索隊と名乗っていたから分かりやすかったな。
あんたらもよく似てるから目をつけられてるかもしれんな。充分気をつけるんだよ」
俺たちを気遣ってるようで探りを入れてる。
それに気づかない俺ではない。
生徒たちを危険にさらす訳にはいかないんだ。
この集落の者がどれくらい凶暴で危険かまだ分かっていない。
もちろん善良だと信じたいが。
いくら優しい言葉を投げかけたからと言って全然信用できない。
「いえ…… 本当に登山部の合宿中に迷い込んだだけで。
お邪魔でしたら明日にでもここを立ちますので」
「そして例の場所へと向かうんだろ? 」
鋭いな。俺の先を行く人だ。
「冗談言わないでください! 生徒たちがいるんですよ」
「その子たちがどうも気になる。誰一人登山部には見えないんだよ」
「ですからこの子たちは今年入ったばかりで経験が浅いんです」
「だがね。高校で登山部なんてあるのかい? 」
ひたすら追求する。相当怪しまれてると言うかもう正体がばれてると言っていい。
「ありますよ。登山部だってタピオカ部だってサマー部だって異世界…… 」
「うん何だって最後の方が聞こえなかったよ」
「ですからイセタン部」
「あん? どんな部活なのかね? 」
喰いつくんだから困ったな。異世界探索部とは言えないしな。
「デパートやスーパーに行って試食するとか…… 」
「はあ? 大丈夫かい先生? 」
「実態については俺は知らなくて」
「まあいい。仮の話だがここも小さな集落だ。
噂が広まるのは早いよ。あっと言う間だ。
もしあんたらが私が思ってるような連中なら悪いことは言わない。
何も見ず。何も聞かずに早く立ち去れ! 酷い目に遭わされても知らないからね。
忠告はしたよ。後はあんたら次第」
脅しをかけて終了。
続く
もうダメだ。目を開けてられない。
大事な話の前に不覚にも眠くなってきた。
このままでは聞き逃すことになる。
それだけじゃない。無防備な姿をさらせば喰われる恐れも。
ぬえさんは冗談だとかサービスだと言っていたが当てになるものか。
豹変して山姥になればどうにもならない。
それだけでなく生徒たちまで喰われてしまうかもしれない。
最悪の事態。
「一年前この町を変な連中が暴れ回ってね。
思い出すのも忌々しい。あー今でも腹が立って立って!
あれ…… 何の話をしてたっけな? 」
当時を思いだしたのか興奮している様子。
「変な連中が町に…… 」
「そうそうアークニン探索隊って言ったかな。
あいつらが町をグチャグチャにして行った。
ほらそこいらに貼ってある手配書を見たかい?
町の至るところに貼ってあるのさ。
奴らが来たら分かるようにね。まあそんなことしなくても見たら分かるが。
それでも早くしないとまた町が滅茶苦茶になってしまう」
「そう言えばあったような…… 」
アークニン探索隊か? そのままだな。サトさんの話とも一致している。
奴の話を信じれば隊長はその優秀な助手と言うことになる。
話が繋がって来たか?
「だから町の者も集落の者もこんなことは二度とごめんだと。
なかなか観光客を受け入れたがらないんだ。
今回は仲間の頼みだから仕方なく歓迎してやったのさ。
まあ本音を言えばこの辺は静か過ぎるから大歓迎なんだがね。
ほら若い者が来ると嬉しくなるって言うか食べたくなるって言うか。ワハハ! 」
まだ山姥の真似事。本気かもしれないから警戒した方が良いかもな。
まさか風習がそのまま残ってないか?
「本気ですか? 怖いな…… 」
「ヒヒヒ…… 喰っちまうっぞって伝えな! 」
「はい! 分かりました」
「何てな。でも私らは何もしねえよ。そんなことせずとも悪い子は罰を受ける。
悪い大人も酷い目に遭うだろうさ」
意味深なこと言って脅しをかける。
彼女にとってみれば俺もまだ小さな坊主と言ったところだろう。
「おっと脱線したね。歓迎はするさ。活気があるからね。でもそれは私らって話。
集落の総意ではない。男共はそれは嫌がってるぞ。
老人はそうでもないがそれ以外の男は未だに外の者を受け入れようとしない。
いわゆる拒絶だな。それが前と同様旧東境村に行こうとしてるのであればなおさら。
決してそこだけは注意しないと……
あああんたらは部活の合宿だとか言ってたからな違うだろうが。
でもあの時もあんたらぐらいの若いのもそれよりももっと若いガキの男女もいた。
奴らは堂々とアークニン探索隊と名乗っていたから分かりやすかったな。
あんたらもよく似てるから目をつけられてるかもしれんな。充分気をつけるんだよ」
俺たちを気遣ってるようで探りを入れてる。
それに気づかない俺ではない。
生徒たちを危険にさらす訳にはいかないんだ。
この集落の者がどれくらい凶暴で危険かまだ分かっていない。
もちろん善良だと信じたいが。
いくら優しい言葉を投げかけたからと言って全然信用できない。
「いえ…… 本当に登山部の合宿中に迷い込んだだけで。
お邪魔でしたら明日にでもここを立ちますので」
「そして例の場所へと向かうんだろ? 」
鋭いな。俺の先を行く人だ。
「冗談言わないでください! 生徒たちがいるんですよ」
「その子たちがどうも気になる。誰一人登山部には見えないんだよ」
「ですからこの子たちは今年入ったばかりで経験が浅いんです」
「だがね。高校で登山部なんてあるのかい? 」
ひたすら追求する。相当怪しまれてると言うかもう正体がばれてると言っていい。
「ありますよ。登山部だってタピオカ部だってサマー部だって異世界…… 」
「うん何だって最後の方が聞こえなかったよ」
「ですからイセタン部」
「あん? どんな部活なのかね? 」
喰いつくんだから困ったな。異世界探索部とは言えないしな。
「デパートやスーパーに行って試食するとか…… 」
「はあ? 大丈夫かい先生? 」
「実態については俺は知らなくて」
「まあいい。仮の話だがここも小さな集落だ。
噂が広まるのは早いよ。あっと言う間だ。
もしあんたらが私が思ってるような連中なら悪いことは言わない。
何も見ず。何も聞かずに早く立ち去れ! 酷い目に遭わされても知らないからね。
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