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先生おかしいよ!
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東常冬町。
旧東境村への手掛かりを求めてひたすら東方を目指す旅。
今アイとタオの三人で見知らぬ土地を彷徨っている。
アークニンから購入した異世界へ通じる地図。
物凄く大雑把で地名が書かれてるだけ。
とにかく東に向かえばその内見えてくるだろうと言う頼りないもの。
地元の者の協力がなければとてもとてもたどり着けそうにない。
ただだからと言って誰にも彼にも聞いて回るのは違う。
良くしてくれたサトさんにも本当のことを伝えられなかった。
彼女は裏切らないだろう。でも俺たちを脅威と判断した連中に漏れる恐れも。
彼女だって村八分にはされたくないだろうし俺たちを選択しないだろう。
だからこそ旧東境村についても聞けなった。
判断を誤ったか? 危険を冒してでも聞けばすぐにでも向かえたかもしれない。
そんな仮定のことでずっと悩んでいる。
左手に港。右手には集落に繋がる獣道。
うわあ夕陽が眩しい。
俺たちを覆い隠すように激しく降り注ぐ。
「ちくしょう! 目が開けられない! 」
こんなロマンチックな場面で間抜けにも苦戦している。
目が痛くてとても開けていられない。
このままでは意識を失いかねない危険な状態。
「先生? 」
うわ引かれたかな?
俺の情けない言動に幻滅したか?
ではもう一度やり直すとするか。
ああ夕陽が美しい。
オレンジ色のシルエット。
丁度サンセットの時間帯に来れたのは幸運。
ここは観光客には優しくない閉鎖的な土地。
だからサンセットに集まるような若い奴は俺たちぐらい。
港には船が三隻。
おそらくあの大きさからすると漁船だろうな。
辛気臭い。
オンボロ船しか停泊しない忘れられた港に寂れた港町。
哀愁が漂う。
五分ほど港を見学。
海の様子を見たところで切り替える。
漁師でもいれば話が聞けるんだがな。
「そうだ。お前たちサンセットをバックに泳いでみたらどうだ? 」
余計に幻想的に見えるはずだ。
一応観光でもあるから構わないだろう。泳ぎを許可する。
「先生水着を持って来てません! 」
二人同時に反応する。
おかしいな夏休みと言ったら水着なのに。残念だ。実に残念だ。
そうか持ち物リストに入れてなかったな。
余計なものは持って来るなと言った手前仕方ないか。
だったら次の手と行きますか。
常冬地方とは言えこの辺りはまだ温かい。泳げるかもしれないぞ。
水も高めだしな。うんどうするか…… 俺が試しに入ってみるか?
「ちょっとだけ一緒に…… 」
「だから水着がありません! 」
「仕方ない。短パンとTシャツぐらい? 」
「着替えは使えません! 」
「だったら下着で入るとか? 」
「先生! いい加減にして! 」
ふざけるなと本気で怒りだす。良いと思ったのにな。泳ぎたくないのか?
「ならば思い切って裸で入ってみたらどうだ? 」
「もう最低! 」
おっと嫌われたかな?
「大丈夫。先生は教師だから心配いらないよ。ほら誰も見てない。へへへ…… 」
乗り気ではない二人をどうにかして泳がせようと説得。
だが決して首を縦に振らない。
「ふざけないで! 」
怒りのピンタを喰らう。
へへへ…… 痛いな。頬が腫れて来た。おかしいぞ。
「あれ…… 俺何をやっていたんだろう? よし急ごう! 」
今日は港に用はない。旧常冬村のあった集落へ。
「どう言う神経してるんですかあなたは? 」
疑いの目で見る二人。一体俺が何をしたと言うんだ?
「うん何が? 」
俺はさっきまでの記憶がない。
なぜか誘われるようにサンセットの港町へ。
しかしそこからの記憶がない。
もしかすると教師としてまずいので記憶から消し去ったのか?
だとすれば俺は一体彼女たちに何を迫った?
信じられえないようなこと? 想像も出来ないとんでもないこと。
その割には彼女たちはタダ怒ってるだけ。呆れてるようにも見える。
「俺何かした? 」
「はああ? 新しいおふざけですか? 」
気になって聞いてみるが相手にされない。
こっちの事情も分かってくれよな。
まあいい。早くしないと日が沈み完全に闇になってしまう。
こんな見知らぬ田舎でそれは勘弁。
東へ東へ進んでいるのか?
くねくねした道をひたすら前へ。
後方の港がどんどん小さくなっていく。
海はオレンジから赤へ。
不気味で不吉な変化。
元々人が少ない港町。
当然歩いてる者など見当たらない。
でも音がついて来る感じがする。
俺が歩くと歩き走ると走り出す。
まるで得体の知れない何かに憑りつかれているよう。
これがただの妄想なのか本当に危機が迫ってるのか自分では判断できない。
振り返って確認すればいいだろうが怖くてそれも出来ない。
とにかく早くミホ先生たちと合流しなければ。
俺の妄想にしろ事実であれこれ以上二人を危険に曝せておけない。
続く
旧東境村への手掛かりを求めてひたすら東方を目指す旅。
今アイとタオの三人で見知らぬ土地を彷徨っている。
アークニンから購入した異世界へ通じる地図。
物凄く大雑把で地名が書かれてるだけ。
とにかく東に向かえばその内見えてくるだろうと言う頼りないもの。
地元の者の協力がなければとてもとてもたどり着けそうにない。
ただだからと言って誰にも彼にも聞いて回るのは違う。
良くしてくれたサトさんにも本当のことを伝えられなかった。
彼女は裏切らないだろう。でも俺たちを脅威と判断した連中に漏れる恐れも。
彼女だって村八分にはされたくないだろうし俺たちを選択しないだろう。
だからこそ旧東境村についても聞けなった。
判断を誤ったか? 危険を冒してでも聞けばすぐにでも向かえたかもしれない。
そんな仮定のことでずっと悩んでいる。
左手に港。右手には集落に繋がる獣道。
うわあ夕陽が眩しい。
俺たちを覆い隠すように激しく降り注ぐ。
「ちくしょう! 目が開けられない! 」
こんなロマンチックな場面で間抜けにも苦戦している。
目が痛くてとても開けていられない。
このままでは意識を失いかねない危険な状態。
「先生? 」
うわ引かれたかな?
俺の情けない言動に幻滅したか?
ではもう一度やり直すとするか。
ああ夕陽が美しい。
オレンジ色のシルエット。
丁度サンセットの時間帯に来れたのは幸運。
ここは観光客には優しくない閉鎖的な土地。
だからサンセットに集まるような若い奴は俺たちぐらい。
港には船が三隻。
おそらくあの大きさからすると漁船だろうな。
辛気臭い。
オンボロ船しか停泊しない忘れられた港に寂れた港町。
哀愁が漂う。
五分ほど港を見学。
海の様子を見たところで切り替える。
漁師でもいれば話が聞けるんだがな。
「そうだ。お前たちサンセットをバックに泳いでみたらどうだ? 」
余計に幻想的に見えるはずだ。
一応観光でもあるから構わないだろう。泳ぎを許可する。
「先生水着を持って来てません! 」
二人同時に反応する。
おかしいな夏休みと言ったら水着なのに。残念だ。実に残念だ。
そうか持ち物リストに入れてなかったな。
余計なものは持って来るなと言った手前仕方ないか。
だったら次の手と行きますか。
常冬地方とは言えこの辺りはまだ温かい。泳げるかもしれないぞ。
水も高めだしな。うんどうするか…… 俺が試しに入ってみるか?
「ちょっとだけ一緒に…… 」
「だから水着がありません! 」
「仕方ない。短パンとTシャツぐらい? 」
「着替えは使えません! 」
「だったら下着で入るとか? 」
「先生! いい加減にして! 」
ふざけるなと本気で怒りだす。良いと思ったのにな。泳ぎたくないのか?
「ならば思い切って裸で入ってみたらどうだ? 」
「もう最低! 」
おっと嫌われたかな?
「大丈夫。先生は教師だから心配いらないよ。ほら誰も見てない。へへへ…… 」
乗り気ではない二人をどうにかして泳がせようと説得。
だが決して首を縦に振らない。
「ふざけないで! 」
怒りのピンタを喰らう。
へへへ…… 痛いな。頬が腫れて来た。おかしいぞ。
「あれ…… 俺何をやっていたんだろう? よし急ごう! 」
今日は港に用はない。旧常冬村のあった集落へ。
「どう言う神経してるんですかあなたは? 」
疑いの目で見る二人。一体俺が何をしたと言うんだ?
「うん何が? 」
俺はさっきまでの記憶がない。
なぜか誘われるようにサンセットの港町へ。
しかしそこからの記憶がない。
もしかすると教師としてまずいので記憶から消し去ったのか?
だとすれば俺は一体彼女たちに何を迫った?
信じられえないようなこと? 想像も出来ないとんでもないこと。
その割には彼女たちはタダ怒ってるだけ。呆れてるようにも見える。
「俺何かした? 」
「はああ? 新しいおふざけですか? 」
気になって聞いてみるが相手にされない。
こっちの事情も分かってくれよな。
まあいい。早くしないと日が沈み完全に闇になってしまう。
こんな見知らぬ田舎でそれは勘弁。
東へ東へ進んでいるのか?
くねくねした道をひたすら前へ。
後方の港がどんどん小さくなっていく。
海はオレンジから赤へ。
不気味で不吉な変化。
元々人が少ない港町。
当然歩いてる者など見当たらない。
でも音がついて来る感じがする。
俺が歩くと歩き走ると走り出す。
まるで得体の知れない何かに憑りつかれているよう。
これがただの妄想なのか本当に危機が迫ってるのか自分では判断できない。
振り返って確認すればいいだろうが怖くてそれも出来ない。
とにかく早くミホ先生たちと合流しなければ。
俺の妄想にしろ事実であれこれ以上二人を危険に曝せておけない。
続く
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