113 / 171
お弁当タイム
しおりを挟む
異世界探索隊は一回目の乗り換えを無事に終える。
部長とカズトが弁当を巡って口論に。
そこをすかさずミホ先生が止める。
二人の話を聞くにどうやら部長がカズトの弁当を横取りしたらしい。
ははは…… 元気な奴らだな。
ガキではないので謝れば済む問題ではないが形だけでも双方謝るように求める。
これで文句を言うなら同行を拒否する。今すぐに帰ってもらって構わない。
異世界探索隊は団結が求められる。
喧嘩して絆が深まるならそれに越したことはないがそんな甘いものでもないだろう。
気をつけてないといつの間にか隊全体の雰囲気が悪くなる。
それだけは何としても避けなければならない。
隊にとって致命傷になりかねない事態。だからこそ些細なことでも神経質になる。
生徒たちは特段気にする様子もないが我々教師は注意深く見ている。
少々窮屈だがこれも隊の規律を守るため。生徒たちの安全を守るため。
「いいかお前らよく聞け! 他の乗客に迷惑を掛けないのはもちろんのこと。
多少のことは我慢して皆仲良くするんだ。分かったな? 」
「はい! 」
うんこれでいい。起きてしまったことは仕方ない。
後はどれだけ反省し己と向き合うかだ。
これで少しは大人しくなるだろう。
もしかして生徒に行き先を伝えてないことが不安を招くのか?
ミステリートレインだと思って楽しんでくれると助かるんだが。
よし今がちょうど良い。トラブルもあって皆が集中してる時に話しておこう。
「いいか今日から何があっても不思議はない。各自の役割に集中しろ!
身を引き締めて行動してくれ。特に今喧嘩していたお前ら! 」
「はい! 」
返事だけは一人前なんだよな。きちんと話を聞いていたかは定かではないが。
「それから集団行動を守れ! 我々はチームだ。
単独行動をするな! 勝手な行動は慎め! それから…… 」
つい熱くなってしまう。これも生徒を思ってのこと。
「青井先生。もうそれくらいで。お弁当にしましょう」
ミホ先生が止めに入る。これも彼女に期待する役割。
どちらかが叱ってどちらかが止める。
どちらかが怒ってどちらかが宥める。
言い足りなかっだがまあこれくらい勘弁してやるか。
「そうだよ先生一緒に食べよう」
素直なアイ。うんこれくらい素直だといつも助かるんだよな。
素直なアイ。うんこれくらいで食べれるといいんだが。
アイだけではなく美人三姉妹上二人も素直で表裏がなければと願っている。
まあもう過ぎた話か。
「ミホ先生…… アイ…… 」
確かに興奮して我を失ったら止めるのがミホ先生の役目。いいコンビプレー。
出来たら逆の役割だと俺の人気も上がるんだろうが。
「先生抑えて。周りが見てますよ」
ミコが周りの異変に気づく。
地元の者だろうか。ヒソヒソ話しだす。
さすがに俺の話を聞いてれば教師だと分かるだろう。
少々張り切り過ぎたかな? うわ…… 恥ずかしい。
「ははは…… これは失礼しました」
誰に言うでなく下では視線があるので天井を向く。
本来なら急いでこの場を離れるべきだが俺一人だけ離れてもな……
「ミホ先生後を頼みました」
一旦落ち着かせようとトイレに。
特急についたクラシックなトイレに圧倒される。
うっわ…… 清潔とはとてもとても。
臭いも相まってこれでは出るものも出ない。
それでも我慢してトイレでちょっとだけ。
やっぱり言い過ぎたかな? しかしこれも生徒のためだもんな。
そう自分に言い聞かせる。
キイイイ!
危うく飛び散るところだった。
あれ…… 急ブレーキ掛けた?
特急は東へ東へ。
アナウンスが流れる。
「安全確認のため停車します」
どうやら線路内に立ち入ったらしい。
嫌な音を立てて止まったからてっきり駅に着いたのだと思ったが違った。
地元の人はこの辺りではよくあると言っていた。
どうやら人間ではなく動物だそう。
これくらいのトラブルどうってことはないが遅れるのは確実。
前途多難な船出となってしまった。
あまり印象がよくない。
仕方なく座席に戻って景色を楽しみつつお弁当をがっつく。
幕の内弁当。
景色を見てミホ先生を見て生徒を見る。
これを繰り返してから幕の内へ。
うん。うまいうまい。
シャケとたまごと唐揚げにご飯。
シンプルだがそれが堪らない。
異世界探索とは言え旅行は旅行。
電車旅なら決して外せない。
別に幕の内弁当でなくてもいい。
しかしやはり風情が違う。
続く
部長とカズトが弁当を巡って口論に。
そこをすかさずミホ先生が止める。
二人の話を聞くにどうやら部長がカズトの弁当を横取りしたらしい。
ははは…… 元気な奴らだな。
ガキではないので謝れば済む問題ではないが形だけでも双方謝るように求める。
これで文句を言うなら同行を拒否する。今すぐに帰ってもらって構わない。
異世界探索隊は団結が求められる。
喧嘩して絆が深まるならそれに越したことはないがそんな甘いものでもないだろう。
気をつけてないといつの間にか隊全体の雰囲気が悪くなる。
それだけは何としても避けなければならない。
隊にとって致命傷になりかねない事態。だからこそ些細なことでも神経質になる。
生徒たちは特段気にする様子もないが我々教師は注意深く見ている。
少々窮屈だがこれも隊の規律を守るため。生徒たちの安全を守るため。
「いいかお前らよく聞け! 他の乗客に迷惑を掛けないのはもちろんのこと。
多少のことは我慢して皆仲良くするんだ。分かったな? 」
「はい! 」
うんこれでいい。起きてしまったことは仕方ない。
後はどれだけ反省し己と向き合うかだ。
これで少しは大人しくなるだろう。
もしかして生徒に行き先を伝えてないことが不安を招くのか?
ミステリートレインだと思って楽しんでくれると助かるんだが。
よし今がちょうど良い。トラブルもあって皆が集中してる時に話しておこう。
「いいか今日から何があっても不思議はない。各自の役割に集中しろ!
身を引き締めて行動してくれ。特に今喧嘩していたお前ら! 」
「はい! 」
返事だけは一人前なんだよな。きちんと話を聞いていたかは定かではないが。
「それから集団行動を守れ! 我々はチームだ。
単独行動をするな! 勝手な行動は慎め! それから…… 」
つい熱くなってしまう。これも生徒を思ってのこと。
「青井先生。もうそれくらいで。お弁当にしましょう」
ミホ先生が止めに入る。これも彼女に期待する役割。
どちらかが叱ってどちらかが止める。
どちらかが怒ってどちらかが宥める。
言い足りなかっだがまあこれくらい勘弁してやるか。
「そうだよ先生一緒に食べよう」
素直なアイ。うんこれくらい素直だといつも助かるんだよな。
素直なアイ。うんこれくらいで食べれるといいんだが。
アイだけではなく美人三姉妹上二人も素直で表裏がなければと願っている。
まあもう過ぎた話か。
「ミホ先生…… アイ…… 」
確かに興奮して我を失ったら止めるのがミホ先生の役目。いいコンビプレー。
出来たら逆の役割だと俺の人気も上がるんだろうが。
「先生抑えて。周りが見てますよ」
ミコが周りの異変に気づく。
地元の者だろうか。ヒソヒソ話しだす。
さすがに俺の話を聞いてれば教師だと分かるだろう。
少々張り切り過ぎたかな? うわ…… 恥ずかしい。
「ははは…… これは失礼しました」
誰に言うでなく下では視線があるので天井を向く。
本来なら急いでこの場を離れるべきだが俺一人だけ離れてもな……
「ミホ先生後を頼みました」
一旦落ち着かせようとトイレに。
特急についたクラシックなトイレに圧倒される。
うっわ…… 清潔とはとてもとても。
臭いも相まってこれでは出るものも出ない。
それでも我慢してトイレでちょっとだけ。
やっぱり言い過ぎたかな? しかしこれも生徒のためだもんな。
そう自分に言い聞かせる。
キイイイ!
危うく飛び散るところだった。
あれ…… 急ブレーキ掛けた?
特急は東へ東へ。
アナウンスが流れる。
「安全確認のため停車します」
どうやら線路内に立ち入ったらしい。
嫌な音を立てて止まったからてっきり駅に着いたのだと思ったが違った。
地元の人はこの辺りではよくあると言っていた。
どうやら人間ではなく動物だそう。
これくらいのトラブルどうってことはないが遅れるのは確実。
前途多難な船出となってしまった。
あまり印象がよくない。
仕方なく座席に戻って景色を楽しみつつお弁当をがっつく。
幕の内弁当。
景色を見てミホ先生を見て生徒を見る。
これを繰り返してから幕の内へ。
うん。うまいうまい。
シャケとたまごと唐揚げにご飯。
シンプルだがそれが堪らない。
異世界探索とは言え旅行は旅行。
電車旅なら決して外せない。
別に幕の内弁当でなくてもいい。
しかしやはり風情が違う。
続く
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる