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見えない異世界の地図
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まず例の紙を水に浸し暗くしたところで今度はライトで照らしてみる。
さあ正体を現せ!
「これは…… まさか…… あり得ない」
「どうです青井先生? 」
ミホ先生には見えてないらしい。
「実験は成功です」
「本当ですか? ああ! やりましたね」
つい大喜びで抱き合いそうになる。
「済みません。私ったら」
地図が浮かび上がってきた。
どうやら異世界までの道のりを示す地図になってるようだ。
ミホ先生にも見せ詳しく解説してやる。
「よし他の紙もやってみましょう」
この際だからすべて実験するのも悪くない。
「ダメです青井先生! 忘れたんですか? これは異世界の地図なんですよ?
これがどれだけ貴重なものか」
「それは…… 一枚だけでも…… 」
「残念ですが同じやり方では浮かび上がって来ませんよ。
なぜならこのようなことはもうすでに助手の方がやっているでしょう。
いややろうとしたのでは? でも思い留まった。なぜだか分かりますか? 」
俺なんかよりもよっぽど冷静で情熱的だ。
ただの副顧問だと言うのになぜここまで?
紙束から手掛かりを掴もうと必死なミホ先生。
いつの間にか熱中し過ぎて質問まで。立場が逆転したかのよう。
俺に迫るミホ先生。そのまま押し倒す気じゃないだろうな?
それはそれで困る…… まだ心の準備が出来てない。
「うーん。推測ですよミホ先生」
呆れられないように念の為逃げ道を作っておく。
「アークニンの奴一枚ぐらいは俺たちと同じようなことしたに違いない。
それで気づいてしまった。この世界では見ることが出来ないと。
それで慌てて乾かし元に戻した。そして封印した」
これもすべてミホ先生に誘導されてる気もするが?
「そうですよ青井先生! 」
自信満々のミホ先生。
「いやそうなのではと推測します。
だからこそすべての紙を試さず異世界へ繋がる旧東境村を発見できなかった。
もしすべてやれば気づけたのに」
要するにアークニンは異世界への行き方を突き止められなかった。
しかしアークニン以上に情熱的な助手は執念でこの一枚にたどり着いた。
ただアークニンが本当に解明できなかったのかは不明。
俺たちを誘い込む為の戦略の一つだったとも考えられる。
真相は本人に直接問いただすのが良いだろう。
「疲れたな…… 」
もう充分だ。これ以上はいい。面倒臭いし眠い。
「ではそろそろ寝ましょうか? 」
「はい…… ダメだもう限界だ。おやすみ…… 」
ようやく異世界へ繋がる手掛かりを見つけた。
紙束の真実。
一枚には異世界へまでの地図が。そこには旧東境村の位置も。
残りには恐らく異世界の中の地図が。異世界に行くと見える?
旧東境村へ!
異世界へ!
レッツゴー!
翌日。
あれ…… もう朝? 確かミホ先生と紙束を調べていたんだったよな?
それで急に強烈な眠気がして堪えきれずに寝てしまったらしい。
らしいと言うのは起きたら朝だったからで今でも信じられない。
千載一遇のチャンスをみすみす逃してしまった。
これでミホ先生も…… 自分の手で救い出してやりたかったが無理のようだ。
「ミホ先生俺たち昨夜は? 」
「はい。楽しかったですよ」
それでは分からない。俺は無意識のうちにミホ先生と?
二人は予定通りデートに出かけた。
昨夜二人に何があったかまでは誰にも……
こうして旅立ちまで一週間を切った。
異世界探索隊は旅立ちまでの準備期間へと入った。
と言ってもやることは荷物の確認ぐらいかな。
バックはバックパックまたはリュックサック。
両手が塞がると動きにくいのと危険なので後ろで背負えるタイプを推奨。
予備のかばんを一つ用意。
アークニン訪問時のスタイルで。
生徒たちにはリストのものを絶対に持って来るように念を押した。
だから間抜けじゃない限り持って来るだろう。
それでも不安だからもう一人分予備を用意。
俺たちは引率含めて六名。
要するに七名分を用意することになる。
そして探索に必須なもの。それは水と食糧だ。
両方とも一日分の食糧とペットボトル一本を自分で。
もちろんそれだけでは足りないので俺が非常食一週間分を用意。
水も別に七本用意した。
当然これでは全然足りないので水はその都度足していく。
湧き水や親切な現地の方の恵みで調達。
だから水筒は空っぽでいい。
食糧は現地調達が基本になるかな。
非常食は最後まで取っておく。それが非常食。
出来たらかさ張らずに持ち運べると良いんだがそれは不可能だって分かってる。
ミホ先生には酔い止めから消毒薬に湿布と救急セットを出来るだけ用意してもらう。
無傷でたどり着けるほど甘くはないさ。
あと女生徒が二名参加する。女性特有のものはミホ先生に任せるとして。
それからそれから……
異世界探索の心構え。
タピオカ部から部長も参加するのでミコ等から話をよく聞き理解を深めて欲しい。
ミホ先生も不安だがアークニンの話も聞いてるし俺と紙束研究もしてる。
なぜか俺よりも熱心で怖いレベル。
そう言う面ではレベルアップしたのかなと。
こうして不安な中ついに土曜日の朝を迎える。
俺はと言うといつも通り…… そう気負わないのが大事。
そうすれば緊張もしない。
ついに旅立ちの時。
続く
カウント 3
さあ正体を現せ!
「これは…… まさか…… あり得ない」
「どうです青井先生? 」
ミホ先生には見えてないらしい。
「実験は成功です」
「本当ですか? ああ! やりましたね」
つい大喜びで抱き合いそうになる。
「済みません。私ったら」
地図が浮かび上がってきた。
どうやら異世界までの道のりを示す地図になってるようだ。
ミホ先生にも見せ詳しく解説してやる。
「よし他の紙もやってみましょう」
この際だからすべて実験するのも悪くない。
「ダメです青井先生! 忘れたんですか? これは異世界の地図なんですよ?
これがどれだけ貴重なものか」
「それは…… 一枚だけでも…… 」
「残念ですが同じやり方では浮かび上がって来ませんよ。
なぜならこのようなことはもうすでに助手の方がやっているでしょう。
いややろうとしたのでは? でも思い留まった。なぜだか分かりますか? 」
俺なんかよりもよっぽど冷静で情熱的だ。
ただの副顧問だと言うのになぜここまで?
紙束から手掛かりを掴もうと必死なミホ先生。
いつの間にか熱中し過ぎて質問まで。立場が逆転したかのよう。
俺に迫るミホ先生。そのまま押し倒す気じゃないだろうな?
それはそれで困る…… まだ心の準備が出来てない。
「うーん。推測ですよミホ先生」
呆れられないように念の為逃げ道を作っておく。
「アークニンの奴一枚ぐらいは俺たちと同じようなことしたに違いない。
それで気づいてしまった。この世界では見ることが出来ないと。
それで慌てて乾かし元に戻した。そして封印した」
これもすべてミホ先生に誘導されてる気もするが?
「そうですよ青井先生! 」
自信満々のミホ先生。
「いやそうなのではと推測します。
だからこそすべての紙を試さず異世界へ繋がる旧東境村を発見できなかった。
もしすべてやれば気づけたのに」
要するにアークニンは異世界への行き方を突き止められなかった。
しかしアークニン以上に情熱的な助手は執念でこの一枚にたどり着いた。
ただアークニンが本当に解明できなかったのかは不明。
俺たちを誘い込む為の戦略の一つだったとも考えられる。
真相は本人に直接問いただすのが良いだろう。
「疲れたな…… 」
もう充分だ。これ以上はいい。面倒臭いし眠い。
「ではそろそろ寝ましょうか? 」
「はい…… ダメだもう限界だ。おやすみ…… 」
ようやく異世界へ繋がる手掛かりを見つけた。
紙束の真実。
一枚には異世界へまでの地図が。そこには旧東境村の位置も。
残りには恐らく異世界の中の地図が。異世界に行くと見える?
旧東境村へ!
異世界へ!
レッツゴー!
翌日。
あれ…… もう朝? 確かミホ先生と紙束を調べていたんだったよな?
それで急に強烈な眠気がして堪えきれずに寝てしまったらしい。
らしいと言うのは起きたら朝だったからで今でも信じられない。
千載一遇のチャンスをみすみす逃してしまった。
これでミホ先生も…… 自分の手で救い出してやりたかったが無理のようだ。
「ミホ先生俺たち昨夜は? 」
「はい。楽しかったですよ」
それでは分からない。俺は無意識のうちにミホ先生と?
二人は予定通りデートに出かけた。
昨夜二人に何があったかまでは誰にも……
こうして旅立ちまで一週間を切った。
異世界探索隊は旅立ちまでの準備期間へと入った。
と言ってもやることは荷物の確認ぐらいかな。
バックはバックパックまたはリュックサック。
両手が塞がると動きにくいのと危険なので後ろで背負えるタイプを推奨。
予備のかばんを一つ用意。
アークニン訪問時のスタイルで。
生徒たちにはリストのものを絶対に持って来るように念を押した。
だから間抜けじゃない限り持って来るだろう。
それでも不安だからもう一人分予備を用意。
俺たちは引率含めて六名。
要するに七名分を用意することになる。
そして探索に必須なもの。それは水と食糧だ。
両方とも一日分の食糧とペットボトル一本を自分で。
もちろんそれだけでは足りないので俺が非常食一週間分を用意。
水も別に七本用意した。
当然これでは全然足りないので水はその都度足していく。
湧き水や親切な現地の方の恵みで調達。
だから水筒は空っぽでいい。
食糧は現地調達が基本になるかな。
非常食は最後まで取っておく。それが非常食。
出来たらかさ張らずに持ち運べると良いんだがそれは不可能だって分かってる。
ミホ先生には酔い止めから消毒薬に湿布と救急セットを出来るだけ用意してもらう。
無傷でたどり着けるほど甘くはないさ。
あと女生徒が二名参加する。女性特有のものはミホ先生に任せるとして。
それからそれから……
異世界探索の心構え。
タピオカ部から部長も参加するのでミコ等から話をよく聞き理解を深めて欲しい。
ミホ先生も不安だがアークニンの話も聞いてるし俺と紙束研究もしてる。
なぜか俺よりも熱心で怖いレベル。
そう言う面ではレベルアップしたのかなと。
こうして不安な中ついに土曜日の朝を迎える。
俺はと言うといつも通り…… そう気負わないのが大事。
そうすれば緊張もしない。
ついに旅立ちの時。
続く
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