100 / 195
ミホ先生引き止め作戦
しおりを挟む
ミホ先生の視線が刺さる。
うん俺何か変なこと言ったっけ?
ただミホ先生の為を思っていろいろと提案しただけだが。
それが裏目に出た?
「なぜ着替えが? 」
疑問をつい口にしてしまう悪い癖の持ち主。それがミホ先生だ。
このままでは家に隠されてる美人三姉妹の二人の私物が見つかってしまう。
あいつら人の迷惑も考えずに勝手に置いて行くからな。
疑われたか? それともただ迷ってるだけか?
まあ当然だよな。疑うのが普通さ。
一人暮らしだと知ってるもんな。
毎週金曜日に遊びに来る者が置いてってるとは口が裂けても言えない。
正直に話せば俺は嫌われるだけでなく教師を辞することになる。
だがどうしても言いたくて言いたくてたまらなくなる時がある。
楽になりたいと身勝手な自分。告白する誘惑に負けそうに。
その時は治まるまで必死に堪える。
「ああ妹が…… たまに遊びに来るんです。ははは…… 」
「妹? 末っ子と伺いましたが? 」
怒りの表情を浮かべる。うわ…… 早まってはいけない。
今懸命に言い訳を考えてるのだから。
「いや…… 本家の方の…… 」
「本家? 」
「違うんです。実は妹がいるんです。恥ずかしくて隠してました」
危ない危ない。サプロウタだから当然三男だが。
兄弟について詳しく彼女に語ったことあったっけ?
「妹さんのお名前は? 」
追及を緩めたかに見えたがそう甘くないらしい。これはまずいぞ。大ピンチだ。
「まだ考え中でして…… 」
「はあ? 」
「いえその…… イマジナリーと申しましょうか。想像上の…… 」
「青井先生! 正直にお願いします! 」
まずいな。いや待てよ。美人三姉妹だと言わなければいいのか。
ワイルドな俺は女には不自由してないのさ。ははは……
無理だ。それではどっちみちミホ先生に嫌われる。見捨てられる。
今までの関係が終わり副顧問さえ辞めるかもしれない。
どうにかミホ先生に支えられ教師を続けて来れたのに。
その支えを失う訳にはいかない。
これはダメだ。もう終わり。ここは誤魔化そう。
「そんなことよりもミホ先生には泊まってぜひお手伝い願います。
生徒の為にも。ね! ね! 頼みますよ」
誤魔化しつつ強引に引き止める。
本当なら金曜日のことがばれないようにお引き取り願いたい。
でもこの最大にチャンスを逃してなるものか。
ばれたらその時はその時。味方になってもらえばいいさ。
ミホ先生ならきっと分かってくれるよね…… たぶん?
「それは困りましたね…… 」
ミホ先生が悩んでいる。しかも俺のことで頭一杯に。
うんそれでいい。どうなろうと彼女の頭をすべて俺で満たしてしまえばいい。
当然彼女の気持ちを最大限に尊重しつつではあるが。
「うーん。本当にどうしましょう? 」
もういいだろ? 悩んでる振りはそれくらいで。本当はもう決心ついてるんだろ?
自分に正直にならなければダメだ。それがあなたの為になるのだから。
もちろん最終的には俺の為になるのだが。
迷ってなかなか決心がつかないらしい。仕方ない。ここは最後のひと押し。
クロージングでフィニッシュと行こう。
どんな販売員もこのクロージングで失敗すれば目の前の顧客は逃げて行く。
「泊まって行きましょう。合宿だってもうすぐ。
どこでも泊まれるようにしておかないと。どこでも寝れるようにもね。
山小屋やテントなどまだ良い方だと思いますよ。野宿だってあり得ます。
体を温め合って寝ることだって。全滅して一人になる場合だって。
常に俺が助けられる保証はありませんよ」
卑怯で汚いのは自覚してる。それでもミホ先生が欲しい。
これはもしかすると美人三姉妹にでも毒されたか?
俺はもうただの変態教師に成り下がったらしい。
ついに最後の扉が開く時。
「まだ決心が…… 」
「もし得体の知れない旧東境村で泊まることになったらどうするんです?
我々の旅は大変ハードになるはず。だからこそ今から慣れさせた方がいい。
これはミホ先生の為に言ってるんです。俺は受け入れる覚悟がありますから」
これで完璧だ。ミホ先生だってここまで言われたらノーとは言えまい。
「ふう…… そうですね。青井先生に従いましょう。
それではそろそろ始めましょうか? 」
ついに決断した。そうそれでいい。
静寂が嫌でつけてただけのテレビを消し立ち上がるミホ先生。
勝手に消さないで欲しいな。
俺たちはこの後どうなってしまうのだろう?
続く
うん俺何か変なこと言ったっけ?
ただミホ先生の為を思っていろいろと提案しただけだが。
それが裏目に出た?
「なぜ着替えが? 」
疑問をつい口にしてしまう悪い癖の持ち主。それがミホ先生だ。
このままでは家に隠されてる美人三姉妹の二人の私物が見つかってしまう。
あいつら人の迷惑も考えずに勝手に置いて行くからな。
疑われたか? それともただ迷ってるだけか?
まあ当然だよな。疑うのが普通さ。
一人暮らしだと知ってるもんな。
毎週金曜日に遊びに来る者が置いてってるとは口が裂けても言えない。
正直に話せば俺は嫌われるだけでなく教師を辞することになる。
だがどうしても言いたくて言いたくてたまらなくなる時がある。
楽になりたいと身勝手な自分。告白する誘惑に負けそうに。
その時は治まるまで必死に堪える。
「ああ妹が…… たまに遊びに来るんです。ははは…… 」
「妹? 末っ子と伺いましたが? 」
怒りの表情を浮かべる。うわ…… 早まってはいけない。
今懸命に言い訳を考えてるのだから。
「いや…… 本家の方の…… 」
「本家? 」
「違うんです。実は妹がいるんです。恥ずかしくて隠してました」
危ない危ない。サプロウタだから当然三男だが。
兄弟について詳しく彼女に語ったことあったっけ?
「妹さんのお名前は? 」
追及を緩めたかに見えたがそう甘くないらしい。これはまずいぞ。大ピンチだ。
「まだ考え中でして…… 」
「はあ? 」
「いえその…… イマジナリーと申しましょうか。想像上の…… 」
「青井先生! 正直にお願いします! 」
まずいな。いや待てよ。美人三姉妹だと言わなければいいのか。
ワイルドな俺は女には不自由してないのさ。ははは……
無理だ。それではどっちみちミホ先生に嫌われる。見捨てられる。
今までの関係が終わり副顧問さえ辞めるかもしれない。
どうにかミホ先生に支えられ教師を続けて来れたのに。
その支えを失う訳にはいかない。
これはダメだ。もう終わり。ここは誤魔化そう。
「そんなことよりもミホ先生には泊まってぜひお手伝い願います。
生徒の為にも。ね! ね! 頼みますよ」
誤魔化しつつ強引に引き止める。
本当なら金曜日のことがばれないようにお引き取り願いたい。
でもこの最大にチャンスを逃してなるものか。
ばれたらその時はその時。味方になってもらえばいいさ。
ミホ先生ならきっと分かってくれるよね…… たぶん?
「それは困りましたね…… 」
ミホ先生が悩んでいる。しかも俺のことで頭一杯に。
うんそれでいい。どうなろうと彼女の頭をすべて俺で満たしてしまえばいい。
当然彼女の気持ちを最大限に尊重しつつではあるが。
「うーん。本当にどうしましょう? 」
もういいだろ? 悩んでる振りはそれくらいで。本当はもう決心ついてるんだろ?
自分に正直にならなければダメだ。それがあなたの為になるのだから。
もちろん最終的には俺の為になるのだが。
迷ってなかなか決心がつかないらしい。仕方ない。ここは最後のひと押し。
クロージングでフィニッシュと行こう。
どんな販売員もこのクロージングで失敗すれば目の前の顧客は逃げて行く。
「泊まって行きましょう。合宿だってもうすぐ。
どこでも泊まれるようにしておかないと。どこでも寝れるようにもね。
山小屋やテントなどまだ良い方だと思いますよ。野宿だってあり得ます。
体を温め合って寝ることだって。全滅して一人になる場合だって。
常に俺が助けられる保証はありませんよ」
卑怯で汚いのは自覚してる。それでもミホ先生が欲しい。
これはもしかすると美人三姉妹にでも毒されたか?
俺はもうただの変態教師に成り下がったらしい。
ついに最後の扉が開く時。
「まだ決心が…… 」
「もし得体の知れない旧東境村で泊まることになったらどうするんです?
我々の旅は大変ハードになるはず。だからこそ今から慣れさせた方がいい。
これはミホ先生の為に言ってるんです。俺は受け入れる覚悟がありますから」
これで完璧だ。ミホ先生だってここまで言われたらノーとは言えまい。
「ふう…… そうですね。青井先生に従いましょう。
それではそろそろ始めましょうか? 」
ついに決断した。そうそれでいい。
静寂が嫌でつけてただけのテレビを消し立ち上がるミホ先生。
勝手に消さないで欲しいな。
俺たちはこの後どうなってしまうのだろう?
続く
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる