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アークニン正気説
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ついにエデン計画まで明かしたアークニン博士。
彼の本当の狙いは生徒たちを勧誘することだった。
完全に狂ってるものだとばかり思ってたが意外にも冷静で正気を保ってるよう。
そして得意の話術で生徒たちを引き込もうとしている。
「そこで改めて聞こう。君たち二人は処女なのか? 」
「はい! 」
何のためらいもなく答えるミコ。
ミコの奴…… 意味分かってるのか? こっちが居た堪れないよ。
それに対してミホ先生は顔を上げることなく黙ったまま。
当然だよな。どっちにしろ言えたもんじゃない。
こんなエロ親父に答える必要はまったくない。
デリカシーのカケラもない最低人間。
「どうなんだミホ君? 黙っていては先に進まないぞ! 」
えらい剣幕で迫る博士。これでは強制ではないか。
任意だと安心させといていつの間にか言わざるを得ない状況に追い込む。
奴のやりそうな汚いやり口だ。
「ミホ先生落ち着いて。答えなくていいですからね」
「外野は黙ってろ! ミホ君どうなんだね? 」
「はい…… そうです」
迫力に圧されミホ先生は認めてしまう。
「うん? 聞こえなかったな。もう一度? 」
アークニンの嫌らしい視線がミホ先生に降り注ぐ。
この野郎…… どこまで……
「はい…… そうです」
ミホ先生は再び答えてしまう。
大体予想していたことだが彼女の口から直接聞くとなると穏やかではいられない。
どうしようもない感情が爆発する。
「よろしい。では自分の口で言ってごらん」
「はい私は…… 」
「いい加減にしろ! 」
ついに我慢の限界。ミホ先生に被せるように叫び無理矢理話を打ち切る。
「まったく本当に失礼な奴だなお前は! 良いところだったのに邪魔しおって。
生徒たちに異世界についてレクチャーしてくれと頼んだのはお前だろうが! 」
奴も俺も大人げない。自覚はするがやっぱり嫌だ。
怒りの感情を制御することなど出来ない。
ただ俺たちは今非常に危険な立ち位置にいる。
これ以上アークニンを追及すればただでは帰してくれないだろう。
生徒たちの安全を第一に考えればここは礼儀正しくすべき。
ただ頭では分かっていても爆発すればお終い。
異世界探索の前にラボで失踪する?
「異世界。異世界って言うがどこにそんな証拠がある?
いい加減子供たちを巻き込むのは止めろ! 」
これは博士への挑発でもあり生徒たちへのメッセージでもある。
ここで喰い止める。これ以上進めばもう引き返すことは出来ない。
「本当に失礼な奴だな。分かったよ。証拠を見せてやる!
本当は見せる気などサラサラなかったがここまで言われたら仕方がない。
ついて来い! 」
「先生…… 」
予想外の展開に戸惑いを見せる生徒たち。
俺だってなぜこうなったかよく分からない。俺は別に証拠など……
いやあるはずがないんだ。証拠などない。なぜなら異世界など存在しないから。
「よし皆行くぞ! 」
仕方なく言われるまま後を追う。生徒たちも何も言わずに従う。
うん素直でいい子たちばかりだ。タピオカ部とはえらい違い。
扱いも楽だしな…… 問題は落ち込み気味のミホ先生。まあ大丈夫だろう。
後で俺が充分フォローするさ。
ただ…… これで何かに目覚めなければいいが。
今この中に一人だけ純粋とはかけ離れたどす黒い感情を抱く者が。
それは紛れもなくアークニンの影響によるもの。
純粋ゆえにコントロールされやすい。
ここだと連れて行かれたのは当初の予定通り博物館であった。
博物館にはここを管理する館長が一人。
寂しくて怖い。それが第一印象。
ラボもそうだったが研究員の数は少なめで全体でも恐らく十名いるかいないか。
先程から誰とも会えてないのもなんだか落ち着かない。
まさかここが異世界? 寂しくて侘しい忘れられた世界。
「ようこそお越し下さいました」
一応は笑顔を作るが覇気を感じられない。
外界と隔絶された世界ではこれが当たり前?
「館長。例のものを見せてやってくれ」
「畏まりました。ご案内いたします」
うん? 異世界に関連する凄いもの? これはお宝に違いない。
金銀財宝を見ようと生徒たちも騒ぎ始めた。
「こちらです」
大盛り上がりの中見せられたのは古い何か。
厳重に周りを囲んでいる展示物。
ショーケースに収められている展示物は何と…… いや分からない。
これが何なのかまったく見当がつかない。
俺の目にはゴミにしか……
アークニンよお前は本当に正気なのか?
続く
彼の本当の狙いは生徒たちを勧誘することだった。
完全に狂ってるものだとばかり思ってたが意外にも冷静で正気を保ってるよう。
そして得意の話術で生徒たちを引き込もうとしている。
「そこで改めて聞こう。君たち二人は処女なのか? 」
「はい! 」
何のためらいもなく答えるミコ。
ミコの奴…… 意味分かってるのか? こっちが居た堪れないよ。
それに対してミホ先生は顔を上げることなく黙ったまま。
当然だよな。どっちにしろ言えたもんじゃない。
こんなエロ親父に答える必要はまったくない。
デリカシーのカケラもない最低人間。
「どうなんだミホ君? 黙っていては先に進まないぞ! 」
えらい剣幕で迫る博士。これでは強制ではないか。
任意だと安心させといていつの間にか言わざるを得ない状況に追い込む。
奴のやりそうな汚いやり口だ。
「ミホ先生落ち着いて。答えなくていいですからね」
「外野は黙ってろ! ミホ君どうなんだね? 」
「はい…… そうです」
迫力に圧されミホ先生は認めてしまう。
「うん? 聞こえなかったな。もう一度? 」
アークニンの嫌らしい視線がミホ先生に降り注ぐ。
この野郎…… どこまで……
「はい…… そうです」
ミホ先生は再び答えてしまう。
大体予想していたことだが彼女の口から直接聞くとなると穏やかではいられない。
どうしようもない感情が爆発する。
「よろしい。では自分の口で言ってごらん」
「はい私は…… 」
「いい加減にしろ! 」
ついに我慢の限界。ミホ先生に被せるように叫び無理矢理話を打ち切る。
「まったく本当に失礼な奴だなお前は! 良いところだったのに邪魔しおって。
生徒たちに異世界についてレクチャーしてくれと頼んだのはお前だろうが! 」
奴も俺も大人げない。自覚はするがやっぱり嫌だ。
怒りの感情を制御することなど出来ない。
ただ俺たちは今非常に危険な立ち位置にいる。
これ以上アークニンを追及すればただでは帰してくれないだろう。
生徒たちの安全を第一に考えればここは礼儀正しくすべき。
ただ頭では分かっていても爆発すればお終い。
異世界探索の前にラボで失踪する?
「異世界。異世界って言うがどこにそんな証拠がある?
いい加減子供たちを巻き込むのは止めろ! 」
これは博士への挑発でもあり生徒たちへのメッセージでもある。
ここで喰い止める。これ以上進めばもう引き返すことは出来ない。
「本当に失礼な奴だな。分かったよ。証拠を見せてやる!
本当は見せる気などサラサラなかったがここまで言われたら仕方がない。
ついて来い! 」
「先生…… 」
予想外の展開に戸惑いを見せる生徒たち。
俺だってなぜこうなったかよく分からない。俺は別に証拠など……
いやあるはずがないんだ。証拠などない。なぜなら異世界など存在しないから。
「よし皆行くぞ! 」
仕方なく言われるまま後を追う。生徒たちも何も言わずに従う。
うん素直でいい子たちばかりだ。タピオカ部とはえらい違い。
扱いも楽だしな…… 問題は落ち込み気味のミホ先生。まあ大丈夫だろう。
後で俺が充分フォローするさ。
ただ…… これで何かに目覚めなければいいが。
今この中に一人だけ純粋とはかけ離れたどす黒い感情を抱く者が。
それは紛れもなくアークニンの影響によるもの。
純粋ゆえにコントロールされやすい。
ここだと連れて行かれたのは当初の予定通り博物館であった。
博物館にはここを管理する館長が一人。
寂しくて怖い。それが第一印象。
ラボもそうだったが研究員の数は少なめで全体でも恐らく十名いるかいないか。
先程から誰とも会えてないのもなんだか落ち着かない。
まさかここが異世界? 寂しくて侘しい忘れられた世界。
「ようこそお越し下さいました」
一応は笑顔を作るが覇気を感じられない。
外界と隔絶された世界ではこれが当たり前?
「館長。例のものを見せてやってくれ」
「畏まりました。ご案内いたします」
うん? 異世界に関連する凄いもの? これはお宝に違いない。
金銀財宝を見ようと生徒たちも騒ぎ始めた。
「こちらです」
大盛り上がりの中見せられたのは古い何か。
厳重に周りを囲んでいる展示物。
ショーケースに収められている展示物は何と…… いや分からない。
これが何なのかまったく見当がつかない。
俺の目にはゴミにしか……
アークニンよお前は本当に正気なのか?
続く
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