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エデン計画
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アークニン博士による異世界講座はまだまだ続く。
舐め回すような博士の動き。気持ち悪くて見ていられない。
これは試してる? それともお気に入りを探してるのか?
条件に合うとは? ただ子供であればいいと言うだけではないのか?
そんな話は初めて聞いたぞ。アークニンめ。何を企んでやがる?
本当に油断ならない野郎だ。
「続けるぞ。問題は異世界への入り方だ。
扉を見つける。そして異空間との境を越えて異世界へ。
私は何度もシミュレーションしている。だから推測も多少出来る。
異空間との境を越える時に少なくても二人の処女が必要になる」
堂々と言いやがった。これだからマッドサイエンシストなどと呼ばれるんだ。
聞いてられないよ。さすがに生徒たちも処女とは何ですかとは質問しない。
大丈夫かな二人とも。特にミホ先生。
「前回偶然にも異世界の扉が開いたが通り抜けることは叶わなかった。
そうそうどうやら異世界の扉は一か所だけではないらしい。
私は異世界を追い求めて世界各地を飛び回った。
だが結局異世界には足を踏み入れられなかった。
前回はそれは幸運だった。しかしどこを彷徨ったのかまでは。
再び訪れることは不可能だろう。
だから次こそは必ず一回で到達してみせる。
その為には通り抜ける方法を探し出さなければならない。
そこでいろいろ試してみた。だがすべて失敗。
研究に研究を重ねて答えを出したのが二人の処女だ」
「前回のチームには若い男女を複数連れて行った。
そこにはまだ純真な少年少女の姿も。
しかし旅を重ね月日を費やすとそこにはもう少年少女の姿はなかった。
旅を通して成長した男女が手を繋いでな。
彼らを呼ぶことはもうないだろう。
チームは新たなメンバーを募集している。
どうだ? 我々のメンバーになってみる気はないか? 歓迎するぞ」
アークニン博士の本当の狙いは生徒たちの勧誘。
これほど異世界に迫った者は未だかつて存在しない。
それどころか学問としては異端扱い。研究は進んでいない。
もし異世界を発見出来たら。公式に発見を認められたら世紀の大発見となるだろう。
人類の希望に心躍らない者などいない。
「先生? 」
「馬鹿を言うな! 我々は異世界探索部だろ?
こんなマッドサイエンシストと手を組むことはあり得ない。
よく考えてみろ? 俺たちは今風上に立ったんだ。そうだろアークニン?
どうせお前のことだから純粋な若者を集められない。分かってるんだぜ」
今明らかに有利なのは我々。異世界探索のライバルと手を組む必要などない。
そもそもこんな奴と手を組んだら俺たちが危険だ。
「ははは…… ご指摘の通り。金で集まるのはもう純粋さを失ったただの若者だ。
それでは意味がない。我々は行き詰っている。だからこそ協力を求めている。
悪い条件ではないはずだ。私なら異世界への扉がどこにあるか分かる。
お前たちは通行証を所持している。それは若過ぎず大人過ぎず。
純粋な心を持った未熟な者。君たちのことだ」
こいつは思った以上に危険だった。
生徒たちを会わせるべきではなかった。
ミコは何も動じずに頷いている。
ミホ先生は堪らずに下を向く。
もはやただのセクハラ爺。エロ親父確定。
嫌がる女性などお構いなしに演説を続ける。
もう壊れてしまっている。いや随分前から壊れているのだろう。
ひしひし感じていたアークニンへの嫌悪感の正体がようやく分かった気がする。
イカレタ思考に毒されている。そしてまき散らしてもいる。
「処女がなぜ必要か? 異世界に行くには二人以上の処女が必要なのか?
それは考えれば分かることだ。ただの観光ではない。
一生をその異世界で過ごすかもしれない。
このことをよく頭の中に叩き込んだ方がいい。
子孫繁栄の為。種の保存の為と言い換えた方が良いかな。
異世界で困らないようにな」
淹れ直した紅茶を一口飲み再び話し始める。
「これが我がチームによる一大プロジェクト。エデン計画と呼ばれるものだ。
もちろんこのことはすべて私の予想であり予測に過ぎないがな。
だから真実はまったく違うかもしれない。
だがこの予想が定理とまでなれば私は歴史に名を遺す異世界研究者となるだろう。
そこで改めて聞こう。君たち二人は処女なのか? 」
不気味な笑みを浮かべて二人を見て回る。
言ってることはただのエロ親父。理屈をつけたがただの屁理屈でしかない。
ここは酔いの席ではないんだぞ?
スケルトンといいアークニンといい俺の周辺にはロクな奴が存在しないな。
俺も人のことは言えないが。
「はい! 」
何のためらいもなく答えるミコ。
どうやら何一つ気にしてない様子。
続く
舐め回すような博士の動き。気持ち悪くて見ていられない。
これは試してる? それともお気に入りを探してるのか?
条件に合うとは? ただ子供であればいいと言うだけではないのか?
そんな話は初めて聞いたぞ。アークニンめ。何を企んでやがる?
本当に油断ならない野郎だ。
「続けるぞ。問題は異世界への入り方だ。
扉を見つける。そして異空間との境を越えて異世界へ。
私は何度もシミュレーションしている。だから推測も多少出来る。
異空間との境を越える時に少なくても二人の処女が必要になる」
堂々と言いやがった。これだからマッドサイエンシストなどと呼ばれるんだ。
聞いてられないよ。さすがに生徒たちも処女とは何ですかとは質問しない。
大丈夫かな二人とも。特にミホ先生。
「前回偶然にも異世界の扉が開いたが通り抜けることは叶わなかった。
そうそうどうやら異世界の扉は一か所だけではないらしい。
私は異世界を追い求めて世界各地を飛び回った。
だが結局異世界には足を踏み入れられなかった。
前回はそれは幸運だった。しかしどこを彷徨ったのかまでは。
再び訪れることは不可能だろう。
だから次こそは必ず一回で到達してみせる。
その為には通り抜ける方法を探し出さなければならない。
そこでいろいろ試してみた。だがすべて失敗。
研究に研究を重ねて答えを出したのが二人の処女だ」
「前回のチームには若い男女を複数連れて行った。
そこにはまだ純真な少年少女の姿も。
しかし旅を重ね月日を費やすとそこにはもう少年少女の姿はなかった。
旅を通して成長した男女が手を繋いでな。
彼らを呼ぶことはもうないだろう。
チームは新たなメンバーを募集している。
どうだ? 我々のメンバーになってみる気はないか? 歓迎するぞ」
アークニン博士の本当の狙いは生徒たちの勧誘。
これほど異世界に迫った者は未だかつて存在しない。
それどころか学問としては異端扱い。研究は進んでいない。
もし異世界を発見出来たら。公式に発見を認められたら世紀の大発見となるだろう。
人類の希望に心躍らない者などいない。
「先生? 」
「馬鹿を言うな! 我々は異世界探索部だろ?
こんなマッドサイエンシストと手を組むことはあり得ない。
よく考えてみろ? 俺たちは今風上に立ったんだ。そうだろアークニン?
どうせお前のことだから純粋な若者を集められない。分かってるんだぜ」
今明らかに有利なのは我々。異世界探索のライバルと手を組む必要などない。
そもそもこんな奴と手を組んだら俺たちが危険だ。
「ははは…… ご指摘の通り。金で集まるのはもう純粋さを失ったただの若者だ。
それでは意味がない。我々は行き詰っている。だからこそ協力を求めている。
悪い条件ではないはずだ。私なら異世界への扉がどこにあるか分かる。
お前たちは通行証を所持している。それは若過ぎず大人過ぎず。
純粋な心を持った未熟な者。君たちのことだ」
こいつは思った以上に危険だった。
生徒たちを会わせるべきではなかった。
ミコは何も動じずに頷いている。
ミホ先生は堪らずに下を向く。
もはやただのセクハラ爺。エロ親父確定。
嫌がる女性などお構いなしに演説を続ける。
もう壊れてしまっている。いや随分前から壊れているのだろう。
ひしひし感じていたアークニンへの嫌悪感の正体がようやく分かった気がする。
イカレタ思考に毒されている。そしてまき散らしてもいる。
「処女がなぜ必要か? 異世界に行くには二人以上の処女が必要なのか?
それは考えれば分かることだ。ただの観光ではない。
一生をその異世界で過ごすかもしれない。
このことをよく頭の中に叩き込んだ方がいい。
子孫繁栄の為。種の保存の為と言い換えた方が良いかな。
異世界で困らないようにな」
淹れ直した紅茶を一口飲み再び話し始める。
「これが我がチームによる一大プロジェクト。エデン計画と呼ばれるものだ。
もちろんこのことはすべて私の予想であり予測に過ぎないがな。
だから真実はまったく違うかもしれない。
だがこの予想が定理とまでなれば私は歴史に名を遺す異世界研究者となるだろう。
そこで改めて聞こう。君たち二人は処女なのか? 」
不気味な笑みを浮かべて二人を見て回る。
言ってることはただのエロ親父。理屈をつけたがただの屁理屈でしかない。
ここは酔いの席ではないんだぞ?
スケルトンといいアークニンといい俺の周辺にはロクな奴が存在しないな。
俺も人のことは言えないが。
「はい! 」
何のためらいもなく答えるミコ。
どうやら何一つ気にしてない様子。
続く
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