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異世界探索部は三人にまで減った。
理由は簡単。俺が厳しくし過ぎたからだ。
だがこれも彼らの為。ただのハイキングならここまですることはないだろう。
異世界探索には少なくても登山レベルの過酷さが求められる。
それを難なく乗り越える力をぜひ身に着けて欲しい。
これが彼らに求める最低限のこと。
異世界探索部初の実践。
元気に楽しく神社捜索。
提案したのは俺自身。生徒は最初乗り気ではなかったが渋々従う。
やっぱり部室で資料とにらめっこするより外に出た方が気持ちいいからな。
結果は芳しくなくこれと言った収穫はなし。空振りに終わる。
初めてだしな。俺もそんな簡単には見つけられないと思っていた。
ただ何らかしらの異世界に繋がる手掛かりを見つけたかったな。
本当に何でもいい。せめて記念になるものを持って帰りたかった。
最後に参拝しておみくじを引く。
今日はミホ先生も参加。副顧問だから当然と言ってくれるが無理しないで欲しい。
あれあれ? これはもしかして……
よく見るとただのデート。
想像以上の混み具合で生徒たちと離れてしまう。
もう高校生だから迷子の心配はないと思うが。
これでは本当に二人でデートに来たみたい。
ちっとも気にする様子を見せないのがちょっと残念。
悪くない日曜の午後の過ごし方。
「ミホ先生は吉ですか? 」
大体出るのは吉か小吉か末吉かで大吉は珍しく凶や大凶は稀。
ラッキーなことに俺は大吉。大吉など人生で初めて。
「青井先生は大吉ですか。それは素晴らしいですね。
きっと何か良いことがあると思います」
「良いこと? あまり良いことが起きるとその反動でもっと酷いことが起こりそう」
どうしてもプラス思考になれない。
そもそもミホ先生は信じてるのか?
占いなんて所詮インチキさ。
当たるなら異世界の場所をぜひ教えてもらいたいものだ。
ははは…… さすがにそれはずるいか。
仮に発見してどうする?
異世界を発見した後のことまで考えてなかった。
その後も当然日常は続くんだよなおそらく。
目標を達成したら生徒たちはどうなるのか?
異世界探索部は解散? それはそれで俺にはプラスだが。
とにかくその辺の話は本格的に捜索を開始するまでに話し合っておくべきだろう。
「大吉でも悩まれるんですね? 」
ミホ先生は恨めしそう。
だったら交換してよねっと冗談を言って迫る。
それにしても彼女もデートには相応しくない格好。
ジャージの上下にウインドブレイカー。
着こなしはお洒落でも所詮はジャージ。
もう少し可愛らしい服でもいいのにな。
ジャージと言わずカラフルな服にシックなロングスカートがミホ先生にはお似合い。
今のこの格好ではいまいち燃えない。もう少しだけでも頼みます。
いくら付き添いの副顧問でもお洒落ぐらいしたっていい。
次回は改善してもらわないとな。
「大吉が当たる方がよっぽど不吉な気がしまして」
俺は何を言ってるのだろう?
斜め上を言って格好つけようと思ったが上手く行かなかった。
「もう青井先生ったら。ふふふ…… 」
笑うところじゃないんだけどな。
「それでどうします青井先生? 次は何をしましょうか?
お守りでも買いましょうか? 」
「ミホ先生はそうしてください。俺は生徒の様子を見てきます」
参拝客でごった返している中を無理矢理掻き分けて道を作る。
暑さと疲れからボーっとしてる生徒たちを発見。
動けそうにない。
「ほらだらしない奴らだな! きちんと運動してるのか? 」
「してますがそれでもこの陽気と混み具合では限界だよ」
お疲れ気味で言葉使いも怪しくなって来た。
本来の人間性が見え隠れする。
これは思ったより収穫があったな。
「よしもう帰るぞ! はぐれるなよ」
「はい! 」
返事だけは完ぺきだな。素直に従ってくれるとうれしいが。
「帰りに皆でタピオカでもどう? 」
「はい喜んで! 」
結局昼をタピオカ店で済ませ暗くなる前に帰還。
第一回目の異世界探索は何の収穫もなく無事に終了した。
第二回目は七月の下旬を予定している。
俺は夏部の引率と重なるので次回は行けずにミホ先生に任せる。
何らかの成果があることを願いたい。
その前に特別社会科見学があるが。
社会科見学。
七月のある晴れた日、東京の外れ。
異世界探索部は引率二名含め合計五名でアークニン博士のもとを訪れる。
続く
理由は簡単。俺が厳しくし過ぎたからだ。
だがこれも彼らの為。ただのハイキングならここまですることはないだろう。
異世界探索には少なくても登山レベルの過酷さが求められる。
それを難なく乗り越える力をぜひ身に着けて欲しい。
これが彼らに求める最低限のこと。
異世界探索部初の実践。
元気に楽しく神社捜索。
提案したのは俺自身。生徒は最初乗り気ではなかったが渋々従う。
やっぱり部室で資料とにらめっこするより外に出た方が気持ちいいからな。
結果は芳しくなくこれと言った収穫はなし。空振りに終わる。
初めてだしな。俺もそんな簡単には見つけられないと思っていた。
ただ何らかしらの異世界に繋がる手掛かりを見つけたかったな。
本当に何でもいい。せめて記念になるものを持って帰りたかった。
最後に参拝しておみくじを引く。
今日はミホ先生も参加。副顧問だから当然と言ってくれるが無理しないで欲しい。
あれあれ? これはもしかして……
よく見るとただのデート。
想像以上の混み具合で生徒たちと離れてしまう。
もう高校生だから迷子の心配はないと思うが。
これでは本当に二人でデートに来たみたい。
ちっとも気にする様子を見せないのがちょっと残念。
悪くない日曜の午後の過ごし方。
「ミホ先生は吉ですか? 」
大体出るのは吉か小吉か末吉かで大吉は珍しく凶や大凶は稀。
ラッキーなことに俺は大吉。大吉など人生で初めて。
「青井先生は大吉ですか。それは素晴らしいですね。
きっと何か良いことがあると思います」
「良いこと? あまり良いことが起きるとその反動でもっと酷いことが起こりそう」
どうしてもプラス思考になれない。
そもそもミホ先生は信じてるのか?
占いなんて所詮インチキさ。
当たるなら異世界の場所をぜひ教えてもらいたいものだ。
ははは…… さすがにそれはずるいか。
仮に発見してどうする?
異世界を発見した後のことまで考えてなかった。
その後も当然日常は続くんだよなおそらく。
目標を達成したら生徒たちはどうなるのか?
異世界探索部は解散? それはそれで俺にはプラスだが。
とにかくその辺の話は本格的に捜索を開始するまでに話し合っておくべきだろう。
「大吉でも悩まれるんですね? 」
ミホ先生は恨めしそう。
だったら交換してよねっと冗談を言って迫る。
それにしても彼女もデートには相応しくない格好。
ジャージの上下にウインドブレイカー。
着こなしはお洒落でも所詮はジャージ。
もう少し可愛らしい服でもいいのにな。
ジャージと言わずカラフルな服にシックなロングスカートがミホ先生にはお似合い。
今のこの格好ではいまいち燃えない。もう少しだけでも頼みます。
いくら付き添いの副顧問でもお洒落ぐらいしたっていい。
次回は改善してもらわないとな。
「大吉が当たる方がよっぽど不吉な気がしまして」
俺は何を言ってるのだろう?
斜め上を言って格好つけようと思ったが上手く行かなかった。
「もう青井先生ったら。ふふふ…… 」
笑うところじゃないんだけどな。
「それでどうします青井先生? 次は何をしましょうか?
お守りでも買いましょうか? 」
「ミホ先生はそうしてください。俺は生徒の様子を見てきます」
参拝客でごった返している中を無理矢理掻き分けて道を作る。
暑さと疲れからボーっとしてる生徒たちを発見。
動けそうにない。
「ほらだらしない奴らだな! きちんと運動してるのか? 」
「してますがそれでもこの陽気と混み具合では限界だよ」
お疲れ気味で言葉使いも怪しくなって来た。
本来の人間性が見え隠れする。
これは思ったより収穫があったな。
「よしもう帰るぞ! はぐれるなよ」
「はい! 」
返事だけは完ぺきだな。素直に従ってくれるとうれしいが。
「帰りに皆でタピオカでもどう? 」
「はい喜んで! 」
結局昼をタピオカ店で済ませ暗くなる前に帰還。
第一回目の異世界探索は何の収穫もなく無事に終了した。
第二回目は七月の下旬を予定している。
俺は夏部の引率と重なるので次回は行けずにミホ先生に任せる。
何らかの成果があることを願いたい。
その前に特別社会科見学があるが。
社会科見学。
七月のある晴れた日、東京の外れ。
異世界探索部は引率二名含め合計五名でアークニン博士のもとを訪れる。
続く
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