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変態教師のレッテル

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バチン!
強烈なビンタが続けざまに。
「うん? どう言うこと? 」
まったく意味が分からない。誰か説明してくれ。
「祝福方法が変わったんですよ青井先生」
ミホ先生が勝手に変更したらしい。
しかし彼女は副顧問で俺の指示に従う立場。勝手に変更されては困る。

「はああ? 何で? 」
「さすがにキス&ハグはないかと思いまして。
代わりに二人にはビンタしてもらおうかと。痛かったですか? 」
「それはないよミホ先生。せっかく楽しみにしてたのに。ちなみにとっても痛い」
「祝福のキス&ハグは神聖なものです。邪な心で行うものではありません」
だからミホ先生を参加させたくなかったんだよな。
あーあこのままだと罰ゲームまで反対されそう。

「そうだ。副賞の某有名パークのペア一日券だが決勝が中止になったので余る。
だからくじ引きでもして決めてくれ」
「はい! 私が行きます! 」
「先生! 私! 私! 」
いつの間にか群がる部員たち。
そんなに俺と一緒に行きたいのかな? これは意外。俺って人気者だ。
「だからくじ引きです! ルールを守りなさい! 」
争奪戦の雰囲気。これはまずいか? まあ部長に任せておけば大丈夫だろう。

「先生! 先生! 日が暮れてしまいます。急いでください! 」
時計を見てイライラしている部長。
事件さえなければもうとっくに終わっていた。
少しぐらい良いと思うが予定がある者もいるだろうしな。

「以上を持ちまして第二回ビキニ相撲選手権を終了とします。
解散! 皆気をつけて帰ってくれ」

こうしてビキニ相撲は終わりを迎える。

「先生! 」
爽やか笑顔の副部長。もう事件を引きずってない様子。
あの子とは上手く行ったかな?
「ありがとうございました。無事制服が見つかってホッとしてます」
尽力した甲斐があった。
俺も少し疑われてたからな。罪を晴らす意味でも真実に辿り着けて良かった。
「頑張ったな。いくら夏近くても、ヒーターがあってもビキニではきついだろう。
帰りはそうも行かないだろうしな。本当にお疲れさん」
そう言って肩をポンと叩く。
「誰がビキニで帰そうとする人がいるんですか? 」
ミホ先生に呆れられる。これで何度目だ?
もちろんジャージがあるのだがせっかくだからビキニでお帰り頂いてもいい。
周りの目が異常に気になるだろうけれどそんなの気にしない気にしない。
ビキニが嫌だと言うならバニーのコスチュームも揃えている。
どうせ誰にも見えないと思って堂々としてればいい。

「ミホ先生も青井先生もありがとうございました。それでは失礼します」
仲良く二人で歩き出す。
あの子は何と言ったかな? 思い出せないや。まあいいか。
これから当分の間世話をしてもらう。その時にでも。
わざとではないとは言え不審者を巻き込んでの大騒動になった訳で。
罰は代わりに彼女が受けてもらう。

今回のことで二人の関係が悪化せずに仲のいい友だちで居られるかがポイント。
いつまでも仲良くあればそれでいい。
「ちなみに今もビキニの上下を穿いてるのか? 」
「いえ…… 汗をかいたので脱ぎましたがそれが何か? 」
「いやいいんだ。ノーパンでは寒くないか? 」
おっと聞き方を間違えれば変態教師のレッテルを貼られることになる。
うん…… どうやら大丈夫。ギリギリセーフ。
「大丈夫ですよ。夏も近いんで」
「そうか。それならいいんだ。引き止めて悪かったな」
短い丈のスカートでいたずら風が吹けばどうなるか。
心配しながら最後まで副部長たちを見送る。

「青井先生! 」
憤慨した様子のミホ先生。何が勘に障ったのだろうか?
「ははは…… 申し訳ない。つい気になってしまって。そうだろ君たち? 」
俺と同様低い態勢で興奮気味に見守る不審者二人に同意を求める。
「青井先生! 」
「まあまあミホ先生。誤解なさらずに」
「誤解? 本当ですか? 
「心外だなあ。俺をどんな風に思ってるんですか? 」
「いえそれは…… 」
答えに迷ってるらしい。困ったな。まだ疑ってるのか俺のこと?

「まあまあミホ先生。この二人は俺が責任を持って警察に連れて行きますから。
ご心配なく! 」
胸を張る。
事件を見事に解決したことで今俺は自信に満ち溢れている。
何をしても失敗する気がしない。
そう言う時が一番危ないんだけどね。
どうやらミホ先生も生徒たちも俺をあまり信用してない。
「心配です! 」
ミホ先生は容赦がない。まだ信頼されてない証。
信頼を勝ち取るにはもう少し時間が掛かりそうだ。
今後二人の関係が好転することはあるのだろうか?
日が暮れ辺りは薄暗くなってきた。

<コモンA> 了

物語は新たな扉へ。

               続く
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