タピタピクライシス 閉ざされた楽園 美しくも儚い青春残酷物語

二廻歩

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ビキニ番付表

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大会の幕は開けたと言うのに胸の大きさで張り合う麗しきマーメイドたち。
さすがはタピオカ部の精鋭たち。情熱は買うべきだろう。
だが時間は有限だ。もう少し協力的だと助かる。

それに対して野性的なミコは我関せず。
前回王者としての実力を見せつけられるだろうか?
ミコか…… 不思議な少女。常にマイペースで何を考えてるか分からない。
彼女とは衝撃的な出会いを果たした。その時に全容を拝めたので大きさは確認済み。
やはり今回のビキニ相撲の最有力候補だろうな。

美人三姉妹やミホ先生のように明らかに大きければ憧れで見れるのだろうが。
近くの同じような体形の子を相手ではそうも行かない。
こっちも悪いには悪いのだ。
胸の大きさだけで並ばせるのはリスクが高い。
俺も身長が高い方ではないので彼女たちの気持ちは何となく分かる。
ただこれは俺のこだわりだからどうしようもない。
それに戦いは胸の大きさではなく相撲で決まるのだ。

「いい加減にしろ! 」
もう我慢の限界。だが彼女たちも黙ってない。
「うるさいな! 早く先生が決めてよね! 」
それが人にものを頼む態度だろうか? まったくなってない。
「ダメだって! 興奮するなよお前ら。胸を強調するあまり防御が甘くなってるぞ」
念の為にそれとなく注意。これ以上は危険だ。

「いいからどっちなのよ? 」
そんな風に迫られてはさすがの俺も敵わない。
「そんなこと言われても…… 少しの差だしよく見えないんだよな」
視力が良い訳ではないのでぼやける。見ようとすればするほど霞む。
ああショボショボするなもう。

「仕方ないな。ほらよく見てください! 」
うげ…… 何てことをしやがる。それはまずい。
なぜ何のためらいもなくそんなことが出来る?
ミホ先生がいなければもしかしたら喜んでいたかもしれない。
彼女の鋭い視線が刺さる。俺は今理性を失う訳にはいかない。
教師として顧問として道に外れた者を注意し引き戻す。

「止めろって! ここはトップレスビーチか? 」
「だって…… 先生が見えないって言うから。ほら早く! 」
言い訳にもならない戯言。まったくこれだからガキだって言われるんだよな。
いくらなんでも人前でさらけ出す奴があるか。非常識にもほどがある。

争ってる二人は一年と二年で前々からことあるごとに競い合っていた。
デッドヒートしておりもはや俺がどうにかするしかない。
ただ両方とも可愛いので順番がつけ辛い。

「止めろ! 何をやってやがる! 」
「どっち? 」
説得も無駄らしい。そもそもこのにやけた顔では説得力がない。
「分かった。よく見るとお前だ! 次に君。最後はお前だ!
我慢してくれ。クレームは受けつけない。よし順番は決まったな? 」
どうにかこうにか始めることが出来る。
前回も無駄に時間を取られていた。まったく成長しない連中だぜ。

「青井先生! 」
白の上下のビキニが睨みつける。
「はい手間取らせて申し訳ありません」
「そうではなく…… 何てことをしてるんですか? 」
またしても誤解を受ける。
俺がそうするように誘導していると指摘する。とんでもない誤解で言い掛かり。
まったく嫌になるぜ。
あまり言い訳したくないのだが誤解されたままでは俺の立場が危うくなるからな。

「いや…… 俺のせいではなく…… 不可抗力でして。
決してラッキーなどと思っておらず…… ミホ先生は本当にお綺麗ですね」
しどろもどろになりながらもどうにか誤魔化す。
「まったく青井先生ったら…… 」
満更でもない様子。慣れてるだろうが綺麗だと不意に言われると嬉しいものだろう。
たとえ適当であろうと仮に誰にでも言ってるとしてもだ。
これはうまい逃げ方を発見したぞ。
今度から追及されそうになったらこの手を使ってみるか。
もちろんこのような事態に陥らないのが一番なのだが。

「ははは…… どうも見苦しいところをお見せしまして。
上手く行かないものですね。ご迷惑をお掛けしました」
「本当にしっかりしてくださいね」
ゴタゴタにラッキーなハプニングもあったがようやく順番が決まった。

第二回出場選手番付表。

東の横綱 ミコ(前回優勝者)
西の横綱 美人三姉妹の長女
東の大関 美人三姉妹の二女
西の大関 ミホ先生
関脇   タピオカ部の部長
関脇   謎の少女A
小結   美人三姉妹の一番下
小結   謎の少女B
前頭   副部長
前頭   残りの参加者
行事   青井
呼出   三郎太
応援   多数

                 続く
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