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副顧問就任
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美人三姉妹に骨抜きにされ日々の生活にも支障をきたすようになった。
もはや金曜日のことしか考えられずに抜け殻状態。
そんな時にミホ先生から例の件の返事をもらう。
「では副顧問になっていただけるんですね? 」
すっかり忘れていたが懸念事項が一つ解決した。
「はい。こんな私で良ろしければどうぞお願いします」
「そうですか。そうですか」
「先生を見ていると何だかやつれているようで大変そうなのが伝わってきます。
ですからサポートしようかと。副顧問の件お引き受けします」
「やった! ようやく決心してくれたんですね? ありがとう」
何度も頼んだ甲斐があったというもの。
「はい。さっきからそのことを申し上げようと何度も何度も。
でも青井先生ったら声を掛けてるのにボーっとしていて…… 」
さっそくお叱りを受ける。
確かに俺は腑抜けになっている。ちょっとやそっとでは元に戻るはずもない。
「済みません。この季節はいつもこうなんですよ。
集中できないと言うか身が入らないと言うか。ははは…… 」
まったくの出鱈目だ。金曜日が待ち遠しくて堪らないのだ。
このところずっとこの調子。
それを見かねたミホ先生が心配して決心してくれたならラッキーでしかない。
ああもう虜になってる。もちろんミホ先生ではなく美人三姉妹の方だ。
この際ミホ先生はどうでもいい。
顧問になろうが副顧問になろうが俺の邪魔さえしなければそれでいい。
情けないが俺も男。教師である前に男なのだ。
当初の情熱は消えてしまった。
もうただ金曜日を待つだけの男に。
美人三姉妹の上二人との情事に頭が全部持っていかれている。
早く金曜日にならないかな?
なぜまだ一週間もあるのかと怒り狂う。
もうどうすることも出来ない。
完全な腑抜け状態である。
どうにかしようと努力するが力など入りようがない。
「あの…… いつから伺えばよろしいでしょうか? 」
不安な表情の彼女。こう言う時に無理を言ってもダメ。
もちろん期限を決めないのもダメだ。
彼女は真面目なタイプだから逃げ出しはしないだろうが。
どうであれ最初が肝心。そして早く慣れてもらう。
「ご自由に。ただ自己紹介もしたいので今週中にはお願いします」
「分かりました。では改めてよろしくお願いします」
「本当にありがとうミホ先生。これで俺も少しは気が休まります」
「ところで今日は何曜日でしょうか? 金曜日ですか? 」
つい曜日の感覚さえ忘れてしまう。
「何を…… 今日は火曜日。本当に大丈夫ですか?
何だか痩せたみたいですし心配だわ」
俺はどうにか踏ん張っている。
だから誰にも気づかれてないものだとばかり。
だがミホ先生は違った。俺をよく観察している。
職業柄違和感に気づきやすいのだろう。
ミホ先生の為にも普通にしたいが無理だろうな。
もはやどうにもならない。
「大丈夫。大丈夫ですよ。ははは! 」
どうにか笑ってごまかす。
「そうですか。では放課後にそちらの部室へ寄らせてもらいますね。
えっと…… ZERO館でしたよね? 」
ご存じのようだ。ならば迎えに行く必要はないな。
ZERO館か。行ったらきっと驚くだろうな。
あんな不気味なところ一人ではとてもとても。
最初は入ることさえ躊躇うだろうな。
俺慣れるまで苦労したもんな。
学校の七不思議に数えられるぐらいだからな。
「ZERO館をご存知とはさすがは卒業生…… 」
「はいそれぐらい当然ですよ」
「では放課後にまた」
ちょっと意地悪だったかな。まあいいやどうだって。
グッドタイミングで鐘が鳴る。
二人はそれぞれ別の教室へ。
タピオカ部は順調に売り上げを伸ばし目標の百杯完売をクリアした。
先月の土曜日のことである。
これで二百杯が当面の目標。
ただもう無理するなとは伝えてある。
百杯から二百杯はさほど難しくない。
ノウハウさえ掴めばすぐにでも。
それでも生徒には慎重になってもらう。
そもそも目標は目標。無理はさせない。
ただいつかは二百杯に。そして五百杯に。
そこまで行けば夢の千杯完売も見えてくる。
焦らずに目標に向かう。それが正しい向き合い方。
たかが部活。されど部活。とは言えなるべくなら達成させてあげたい。
続く
もはや金曜日のことしか考えられずに抜け殻状態。
そんな時にミホ先生から例の件の返事をもらう。
「では副顧問になっていただけるんですね? 」
すっかり忘れていたが懸念事項が一つ解決した。
「はい。こんな私で良ろしければどうぞお願いします」
「そうですか。そうですか」
「先生を見ていると何だかやつれているようで大変そうなのが伝わってきます。
ですからサポートしようかと。副顧問の件お引き受けします」
「やった! ようやく決心してくれたんですね? ありがとう」
何度も頼んだ甲斐があったというもの。
「はい。さっきからそのことを申し上げようと何度も何度も。
でも青井先生ったら声を掛けてるのにボーっとしていて…… 」
さっそくお叱りを受ける。
確かに俺は腑抜けになっている。ちょっとやそっとでは元に戻るはずもない。
「済みません。この季節はいつもこうなんですよ。
集中できないと言うか身が入らないと言うか。ははは…… 」
まったくの出鱈目だ。金曜日が待ち遠しくて堪らないのだ。
このところずっとこの調子。
それを見かねたミホ先生が心配して決心してくれたならラッキーでしかない。
ああもう虜になってる。もちろんミホ先生ではなく美人三姉妹の方だ。
この際ミホ先生はどうでもいい。
顧問になろうが副顧問になろうが俺の邪魔さえしなければそれでいい。
情けないが俺も男。教師である前に男なのだ。
当初の情熱は消えてしまった。
もうただ金曜日を待つだけの男に。
美人三姉妹の上二人との情事に頭が全部持っていかれている。
早く金曜日にならないかな?
なぜまだ一週間もあるのかと怒り狂う。
もうどうすることも出来ない。
完全な腑抜け状態である。
どうにかしようと努力するが力など入りようがない。
「あの…… いつから伺えばよろしいでしょうか? 」
不安な表情の彼女。こう言う時に無理を言ってもダメ。
もちろん期限を決めないのもダメだ。
彼女は真面目なタイプだから逃げ出しはしないだろうが。
どうであれ最初が肝心。そして早く慣れてもらう。
「ご自由に。ただ自己紹介もしたいので今週中にはお願いします」
「分かりました。では改めてよろしくお願いします」
「本当にありがとうミホ先生。これで俺も少しは気が休まります」
「ところで今日は何曜日でしょうか? 金曜日ですか? 」
つい曜日の感覚さえ忘れてしまう。
「何を…… 今日は火曜日。本当に大丈夫ですか?
何だか痩せたみたいですし心配だわ」
俺はどうにか踏ん張っている。
だから誰にも気づかれてないものだとばかり。
だがミホ先生は違った。俺をよく観察している。
職業柄違和感に気づきやすいのだろう。
ミホ先生の為にも普通にしたいが無理だろうな。
もはやどうにもならない。
「大丈夫。大丈夫ですよ。ははは! 」
どうにか笑ってごまかす。
「そうですか。では放課後にそちらの部室へ寄らせてもらいますね。
えっと…… ZERO館でしたよね? 」
ご存じのようだ。ならば迎えに行く必要はないな。
ZERO館か。行ったらきっと驚くだろうな。
あんな不気味なところ一人ではとてもとても。
最初は入ることさえ躊躇うだろうな。
俺慣れるまで苦労したもんな。
学校の七不思議に数えられるぐらいだからな。
「ZERO館をご存知とはさすがは卒業生…… 」
「はいそれぐらい当然ですよ」
「では放課後にまた」
ちょっと意地悪だったかな。まあいいやどうだって。
グッドタイミングで鐘が鳴る。
二人はそれぞれ別の教室へ。
タピオカ部は順調に売り上げを伸ばし目標の百杯完売をクリアした。
先月の土曜日のことである。
これで二百杯が当面の目標。
ただもう無理するなとは伝えてある。
百杯から二百杯はさほど難しくない。
ノウハウさえ掴めばすぐにでも。
それでも生徒には慎重になってもらう。
そもそも目標は目標。無理はさせない。
ただいつかは二百杯に。そして五百杯に。
そこまで行けば夢の千杯完売も見えてくる。
焦らずに目標に向かう。それが正しい向き合い方。
たかが部活。されど部活。とは言えなるべくなら達成させてあげたい。
続く
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