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迷惑トナラー
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「済まんがお茶を一杯頼む。喉が渇いてしまったわ」
お爺さんがお疲れ気味。この後話を聞くので丁重に。
すぐにお茶を。老人の世話は最初が肝心と言うからな。
「ああ俺にも一杯頼むよ」
どうやら前田さんは我々に用事があるらしい。
もう疑いも晴れたし忘れ物も受け取った。
何の用があると言うのだろう? 別に今日でなくても。
そんなことを言えば勝手だろと返される。
「どうされましたか? 何か御用でも? 」
緊急の用でもなければ一旦お帰り頂きたい。
同僚も訝しむ。同僚は私以上に嫌がっている様子。
ここから早く人が居なくなるように願ってるみたいだ。
「悪い! ちょっとテレビを借りるぜ! 」
どうやらライブが始まるとのこと。
一体何を考えてるのだろう? ここは喫茶店ではないのだが。
いや喫茶店にテレビはないか。思い直す。
ここは電器屋じゃないんだけどな。
ハンカチの件もあるので強くは言えない。大人しくしてるなら文句はないさ。
「少しの間だけですよ」
同僚も対応に苦慮する。
「おお! お供するね」
ブブンカも帰るつもりはないらしい。
何て図々しいトナラ―なのか。迷惑トナラ―に違いない。
「済みません。でしたら私も待たせてもらっていいですか? 」
トワさんも困ったことに居座る気らしい。
どうして今日に限って皆腰が重いのだろう。
大人しく帰ろうとするのは左横田さんぐらいなもの。
そんなに居心地が良いのだろうか?
警察は市民との交流を積極的に深めている。
だから無下には出来ない。申し出を受け入れるしかない。
「もう少ししたらカス君が来るんでしょう? 」
「それは…… 恐らく今日には…… でも何の確証ありませんよ」
「良いです。待ちますから」
別れたんじゃないのか? これ以上あの男に会えば拗れるだけ。
またヨリを戻そう暴走でもしたらどうする?
いつもは大人しい男だがいざ彼女のことになると見境がないからな。
警察としては放っておけない。
「あのですね…… 彼は恐らく必死にあなたのことを探していると思うんですよ。
そんな時にあなたから会おうとするのは非常にリスクが高い。
いくら我々がいるからと言って安全とは限りませんよ」
そんな理性が働くならもっとうまくやれるだろうが。
「そうだぞ。ストーカーは何するか分からない。侮っては行けませんよ」
同僚も早く帰るように強く要請する。
それも彼女を心配してのこと。または業務の妨げになるからだろうけれど。
「そうじゃな。それが無難じゃな。ああお巡りさんこのお茶濃すぎるわい」
呑気に茶の感想を述べるお爺さん。まったく緊張感がないんだから。
「分かりました。そうですね。後三十分して来なければ帰ろうかと」
状況判断が出来てないトワさんを説得しどうにか男と合わせないようにする。
タイムリットは後三十分。過ぎればトワさんは帰ってしまう。
男はそれまでに間に合えば運命の再会を果たせる。
そうすれば丸く収まるかもしれない。
後は男次第。ここで逃せば後悔することになる。
ただ男を刺激しないのが一番とも言えるから難しいところ。
歓迎すべきかどうか迷う。
「それにしてもうるさいの。どうにかせんか。近所迷惑じゃ! 」
お爺さんが文句を垂れる。
原因は奥の部屋。テレビを見てる二人組。
前田さんとブブンカが大声をだして騒ぎ始める。
熱中するのはいいがもう少し抑えてくれないかな?
そんな風に混乱状態の交番内に帰ったはずの左横田さんの姿が。
きゃああ! ストーカー! 」
左横田さんが再び入って来た。
「ふう…… どうされましたか? 」
同僚が呆れて尋ねる。
また言いがかりか思い違いだろうから。やる気なんか出ない。
「男が! あのストーカー男が私を追いかけてきた! 」
まさか例の男が姿を見せたのか?
「それで何かされたんですか? 」
「睨まれました! 怒鳴られました! 」
これはやはり……
ついに男が姿を見せる?
続く
お爺さんがお疲れ気味。この後話を聞くので丁重に。
すぐにお茶を。老人の世話は最初が肝心と言うからな。
「ああ俺にも一杯頼むよ」
どうやら前田さんは我々に用事があるらしい。
もう疑いも晴れたし忘れ物も受け取った。
何の用があると言うのだろう? 別に今日でなくても。
そんなことを言えば勝手だろと返される。
「どうされましたか? 何か御用でも? 」
緊急の用でもなければ一旦お帰り頂きたい。
同僚も訝しむ。同僚は私以上に嫌がっている様子。
ここから早く人が居なくなるように願ってるみたいだ。
「悪い! ちょっとテレビを借りるぜ! 」
どうやらライブが始まるとのこと。
一体何を考えてるのだろう? ここは喫茶店ではないのだが。
いや喫茶店にテレビはないか。思い直す。
ここは電器屋じゃないんだけどな。
ハンカチの件もあるので強くは言えない。大人しくしてるなら文句はないさ。
「少しの間だけですよ」
同僚も対応に苦慮する。
「おお! お供するね」
ブブンカも帰るつもりはないらしい。
何て図々しいトナラ―なのか。迷惑トナラ―に違いない。
「済みません。でしたら私も待たせてもらっていいですか? 」
トワさんも困ったことに居座る気らしい。
どうして今日に限って皆腰が重いのだろう。
大人しく帰ろうとするのは左横田さんぐらいなもの。
そんなに居心地が良いのだろうか?
警察は市民との交流を積極的に深めている。
だから無下には出来ない。申し出を受け入れるしかない。
「もう少ししたらカス君が来るんでしょう? 」
「それは…… 恐らく今日には…… でも何の確証ありませんよ」
「良いです。待ちますから」
別れたんじゃないのか? これ以上あの男に会えば拗れるだけ。
またヨリを戻そう暴走でもしたらどうする?
いつもは大人しい男だがいざ彼女のことになると見境がないからな。
警察としては放っておけない。
「あのですね…… 彼は恐らく必死にあなたのことを探していると思うんですよ。
そんな時にあなたから会おうとするのは非常にリスクが高い。
いくら我々がいるからと言って安全とは限りませんよ」
そんな理性が働くならもっとうまくやれるだろうが。
「そうだぞ。ストーカーは何するか分からない。侮っては行けませんよ」
同僚も早く帰るように強く要請する。
それも彼女を心配してのこと。または業務の妨げになるからだろうけれど。
「そうじゃな。それが無難じゃな。ああお巡りさんこのお茶濃すぎるわい」
呑気に茶の感想を述べるお爺さん。まったく緊張感がないんだから。
「分かりました。そうですね。後三十分して来なければ帰ろうかと」
状況判断が出来てないトワさんを説得しどうにか男と合わせないようにする。
タイムリットは後三十分。過ぎればトワさんは帰ってしまう。
男はそれまでに間に合えば運命の再会を果たせる。
そうすれば丸く収まるかもしれない。
後は男次第。ここで逃せば後悔することになる。
ただ男を刺激しないのが一番とも言えるから難しいところ。
歓迎すべきかどうか迷う。
「それにしてもうるさいの。どうにかせんか。近所迷惑じゃ! 」
お爺さんが文句を垂れる。
原因は奥の部屋。テレビを見てる二人組。
前田さんとブブンカが大声をだして騒ぎ始める。
熱中するのはいいがもう少し抑えてくれないかな?
そんな風に混乱状態の交番内に帰ったはずの左横田さんの姿が。
きゃああ! ストーカー! 」
左横田さんが再び入って来た。
「ふう…… どうされましたか? 」
同僚が呆れて尋ねる。
また言いがかりか思い違いだろうから。やる気なんか出ない。
「男が! あのストーカー男が私を追いかけてきた! 」
まさか例の男が姿を見せたのか?
「それで何かされたんですか? 」
「睨まれました! 怒鳴られました! 」
これはやはり……
ついに男が姿を見せる?
続く
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