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ヴィーナの思惑
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エイドリアス村を後にする。
馬車に乗り込むとセピユロスが口を開いた。
「これで良かったのかな? 」
「何を言ってるのセピユロス? いいに決まってるでしょう! 」
ヴィーナは自信満々に笑顔を見せる。
自分の思い通りになったので満足らしい。
今回はお見舞いと受け入れの表明と挨拶を兼ねたもの。
あまりのことに対応できなかった節がある。これはもう一度挨拶の場を設けるべき。
そろそろ沈黙も体に悪い。二人から話を聞く必要がありそうね。
今回のことで我が一族の名声は高まったでしょうね。
いち早く受け入れを表明したのですから。
ですがヴィーナの目に余る失礼な態度は許せない。
「ヴィーナ! これはどう言うことですか? 」
きつく叱りつける。
「いい加減になさい! まったくどれだけ失礼か分からないの? 」
つい強く言い過ぎてしまうがまったく堪えてないヴィーナ。
「いいじゃない。これで心置きなく村の者と一緒に過ごせるんだから。
村の者は村の者同士の方がいいに決まってるでしょう。
まさかお母様ともあろう方がそんなことも分からなかったのですか? 」
確かにそう言う捉え方もある。でも私に相談もなしに勝手に決めてしまっては困る。
私の目の黒い内は許しません。必ず私の指示に従ってもらいます。
あなたはただの娘でご主人様ではないのよ。
自分の理想通りに事を運んだヴィーナ。我が娘ながら末恐ろしい。
問題はなぜセピユロスがそれを承諾したかだ。
甘やかしたとも思えないし無理矢理頼み込まれたとしても普通反対するでしょう?
「セピユロスさん。本当にこれでよろしかったのですか? 」
これはセピユロスの問題。彼が本当に納得しているなら構わない。
でも悔しそうにしていたのを見るとそうは思えない。
「申し訳ないディーテ。両親まで面倒を見てもらうことになり恥ずかしく思います。
どうかお許しください」
「ほらセピユロスもこう言ってるでしょう」
ちょっと前までは落ち込んでいたヴィーナが復活。すぐに問題を起こす。
私も無警戒で急に言われると手の打ちようがなかった。
「お母様だって反対しなかったでしょう? よろしいのでしょう? 」
ヴィーナにやられた。一人や二人増えるのはどうってことない。
受け入れるのは本望だ。でも一言も相談なしに勝手に決める。
それをセピユロスに言わせる。どうしてこんな子に育ってしまったのかしら。
「あなた。ご両親と一緒に暮らすのが嫌で私に押し付けたのでしょう? 」
そうとしか考えられません。なぜ我慢できないの? 」
「それは考え過ぎです。ご両親には村人と楽しく過ごすのが一番なんです。
下手に都会で暮らせば辛い思いをするのは目に見えてます。
私も田舎にも都会にも住んでみて良く分かってるつもりです。
これで良かったと思います。だからお母様も応援して快く受け入れて欲しい」
「ヴィーナ…… あなたそこまで考えてあげたのね」
感動した。ただの我がままだとばかり思っていたが違った。
私が思い至らなかったなど恥ずかしくてたまりません。
「私もそう説得されまして。本当は一緒に過ごすつもりだったんですが…… 」
セピユロスとしては反対らしい。
まあ当然でしょうね。説得と言うよりは言い包められたが正しい。
ああ私まで言い包められた気がする。
「それにしてもセピユロス。本気なの? 」
ヴィーナはため息を吐く。
「本気とは? 」
「慣れるまで滞在するって言ったじゃない」
「ああそれくらいのことはしたい」
セピユロスの優しさが伝わってくる。
「私は嫌よ。出来るだけ早く戻りたい」
再び我がままを言う。
「ヴィーナ! 」
「冗談です。冗談。さあ戻りましょう」
馬車が到着したのは昼過ぎ。
ボノは出かけたそうだ。
急いで数を確保する必要がある。
メイド頭と執事に手配を頼む。
問題は村人たちをどこに住まわせるか。
最低でも二ヶ月はいることになるだろうから考えなしにとはいかない。
もしかしたら一年いることだって。
どれほど長期化するか分からない。
ボノと話し合いたかったが肝心な時にいない。
仕方がない夜にでも話すとしましょう。
続く
馬車に乗り込むとセピユロスが口を開いた。
「これで良かったのかな? 」
「何を言ってるのセピユロス? いいに決まってるでしょう! 」
ヴィーナは自信満々に笑顔を見せる。
自分の思い通りになったので満足らしい。
今回はお見舞いと受け入れの表明と挨拶を兼ねたもの。
あまりのことに対応できなかった節がある。これはもう一度挨拶の場を設けるべき。
そろそろ沈黙も体に悪い。二人から話を聞く必要がありそうね。
今回のことで我が一族の名声は高まったでしょうね。
いち早く受け入れを表明したのですから。
ですがヴィーナの目に余る失礼な態度は許せない。
「ヴィーナ! これはどう言うことですか? 」
きつく叱りつける。
「いい加減になさい! まったくどれだけ失礼か分からないの? 」
つい強く言い過ぎてしまうがまったく堪えてないヴィーナ。
「いいじゃない。これで心置きなく村の者と一緒に過ごせるんだから。
村の者は村の者同士の方がいいに決まってるでしょう。
まさかお母様ともあろう方がそんなことも分からなかったのですか? 」
確かにそう言う捉え方もある。でも私に相談もなしに勝手に決めてしまっては困る。
私の目の黒い内は許しません。必ず私の指示に従ってもらいます。
あなたはただの娘でご主人様ではないのよ。
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問題はなぜセピユロスがそれを承諾したかだ。
甘やかしたとも思えないし無理矢理頼み込まれたとしても普通反対するでしょう?
「セピユロスさん。本当にこれでよろしかったのですか? 」
これはセピユロスの問題。彼が本当に納得しているなら構わない。
でも悔しそうにしていたのを見るとそうは思えない。
「申し訳ないディーテ。両親まで面倒を見てもらうことになり恥ずかしく思います。
どうかお許しください」
「ほらセピユロスもこう言ってるでしょう」
ちょっと前までは落ち込んでいたヴィーナが復活。すぐに問題を起こす。
私も無警戒で急に言われると手の打ちようがなかった。
「お母様だって反対しなかったでしょう? よろしいのでしょう? 」
ヴィーナにやられた。一人や二人増えるのはどうってことない。
受け入れるのは本望だ。でも一言も相談なしに勝手に決める。
それをセピユロスに言わせる。どうしてこんな子に育ってしまったのかしら。
「あなた。ご両親と一緒に暮らすのが嫌で私に押し付けたのでしょう? 」
そうとしか考えられません。なぜ我慢できないの? 」
「それは考え過ぎです。ご両親には村人と楽しく過ごすのが一番なんです。
下手に都会で暮らせば辛い思いをするのは目に見えてます。
私も田舎にも都会にも住んでみて良く分かってるつもりです。
これで良かったと思います。だからお母様も応援して快く受け入れて欲しい」
「ヴィーナ…… あなたそこまで考えてあげたのね」
感動した。ただの我がままだとばかり思っていたが違った。
私が思い至らなかったなど恥ずかしくてたまりません。
「私もそう説得されまして。本当は一緒に過ごすつもりだったんですが…… 」
セピユロスとしては反対らしい。
まあ当然でしょうね。説得と言うよりは言い包められたが正しい。
ああ私まで言い包められた気がする。
「それにしてもセピユロス。本気なの? 」
ヴィーナはため息を吐く。
「本気とは? 」
「慣れるまで滞在するって言ったじゃない」
「ああそれくらいのことはしたい」
セピユロスの優しさが伝わってくる。
「私は嫌よ。出来るだけ早く戻りたい」
再び我がままを言う。
「ヴィーナ! 」
「冗談です。冗談。さあ戻りましょう」
馬車が到着したのは昼過ぎ。
ボノは出かけたそうだ。
急いで数を確保する必要がある。
メイド頭と執事に手配を頼む。
問題は村人たちをどこに住まわせるか。
最低でも二ヶ月はいることになるだろうから考えなしにとはいかない。
もしかしたら一年いることだって。
どれほど長期化するか分からない。
ボノと話し合いたかったが肝心な時にいない。
仕方がない夜にでも話すとしましょう。
続く
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