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真実の愛
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それでもいいと言うなら……
やっぱりだめ。セピユロスの求めには応じられない。
皆不幸になってしまう。
今断ち切らなければ。何としても自分の手で関係を断ち切る。
それがベストな選択。
彼だってヴィーナとのことを真剣に考えたからこそ挨拶に来たのだし。
これ以上ずるずる関係を続けてはいけない。
ましてやこれ以上深い関係に陥ってはいけない。
しかし興奮状態のセピユロスには何を言っても効果がない。
「ディーテ! おおディーテ! なぜ邪険に扱うのですか?
どうかどうか愛に応えて欲しい」
まだ続けてる。一体どう言う神経をしてるのでしょう。
その情熱をどうしてヴィーナに向けてあげないの?
私が嬉しいと本気でお思いですか?
有り得ません。どうしてこんな単純なことも理解できないのです?
「お願いセピユロスさん。これ以上はお止めになって。
分かりました。あなたの深い愛を知り感動しております。
ですがそれは真実ですか? 真実の愛ですか? 」
もうやり方を変えるしかない。彼の強い意志を感じ切り替える。
真実の愛ならば確かに応える価値はある。
「こんな言い方はしたくありませんでした。
ですがどうしても私を求めると言うなら真実の愛を見せてください」
ついさっきの三文芝居に影響を受ける。
きっとセピユロスもそうなのだろう。
この人はいつも軽いが。
「ではヴィーナこれをお受け取りください」
そう言うとポケットから光り輝くダイヤを取り出す。
これはまさかね…… なぜセピユロスさんがこのようなものを持っているのか?
ヴィーナに渡すつもりだとしたら許さない。
「ヴィーナの? 」
「いえまったく違います。これはあなたへのプレゼントです」
まさかここまで考えてるとは呆れる。
ただその行動力だけは見習うべきでしょう。
もちろん嬉しい。でも受け取れない。
「私へのプレゼント? まさか夫のいる身に贈り物など非常識にも程があります。
見損ないましたよセピユロスさん」
「いやちょっと…… 」
何も言えずに項垂れるセピユロス。
これでもうしつこく迫ってはこないだろう。
少々残念ですがこれも彼の為。
早く目を覚ましなさい。私に向ける時間があるならヴィーナをもっと大切に。
それが本来彼に対する言葉。もう甘やかしてはいけない。
「どうして分かってくれないんだいディーテ。僕はあなたを嫌いになりそうだ」
強く感情に訴えかけてくるセピユロス。
それは困る。ヴィーナの母として関わっていくのだから勝手は許しませんよ。
「無理に関係を築く必要はありません。ヴィーナを通して深めて行けばいいのです。
それが私たちの距離感。絶妙な距離感」
セピユロスは納得いかない様子。
私だってセピユロスに迫られて嫌な気持ちは芽生えません。
でも分かって欲しい。そして気付いて欲しい。
私は理解のある夫してあなたを求めるのではありません。
ただ義理の息子として見守っていきたい。
「分かりました。今日のところはこれで引き下がります」
まだ諦めてないの? 嘘でしょう?
これだけ言って無理ならもう私にはどうすることもできない。
「ではディーテ失礼します」
勝手に訪問して勝手に帰ろうとするから注意を与える。
「いいですか。これ以上逢瀬を重ねるのは良くありません。
それに変な誤解を生みかねない。できればこれ以上近づかないで頂きたい」
「しかしディーテ。僕には耐えらえそうにありません」
「そこですよセピユロスさん。甘えてはいけない。
あなたはヴィーナのことだけを思って生きればいいのです。
これ以上余計なことは考えずに大人しく従いなさい」
こうして密会を重ねないように諭す。
私自身の為でありセピユロスの為でもある。
もう許しません。
「そうですか…… 残念です。ではディーテおやすみなさい」
どうにか納得してくれたようだ。
私に夢中なセピユロス。本当に可愛い。
愛おしい方。でもその思いを封印。胸にしまうことにする。
二人は新たなステージへ。
続く
やっぱりだめ。セピユロスの求めには応じられない。
皆不幸になってしまう。
今断ち切らなければ。何としても自分の手で関係を断ち切る。
それがベストな選択。
彼だってヴィーナとのことを真剣に考えたからこそ挨拶に来たのだし。
これ以上ずるずる関係を続けてはいけない。
ましてやこれ以上深い関係に陥ってはいけない。
しかし興奮状態のセピユロスには何を言っても効果がない。
「ディーテ! おおディーテ! なぜ邪険に扱うのですか?
どうかどうか愛に応えて欲しい」
まだ続けてる。一体どう言う神経をしてるのでしょう。
その情熱をどうしてヴィーナに向けてあげないの?
私が嬉しいと本気でお思いですか?
有り得ません。どうしてこんな単純なことも理解できないのです?
「お願いセピユロスさん。これ以上はお止めになって。
分かりました。あなたの深い愛を知り感動しております。
ですがそれは真実ですか? 真実の愛ですか? 」
もうやり方を変えるしかない。彼の強い意志を感じ切り替える。
真実の愛ならば確かに応える価値はある。
「こんな言い方はしたくありませんでした。
ですがどうしても私を求めると言うなら真実の愛を見せてください」
ついさっきの三文芝居に影響を受ける。
きっとセピユロスもそうなのだろう。
この人はいつも軽いが。
「ではヴィーナこれをお受け取りください」
そう言うとポケットから光り輝くダイヤを取り出す。
これはまさかね…… なぜセピユロスさんがこのようなものを持っているのか?
ヴィーナに渡すつもりだとしたら許さない。
「ヴィーナの? 」
「いえまったく違います。これはあなたへのプレゼントです」
まさかここまで考えてるとは呆れる。
ただその行動力だけは見習うべきでしょう。
もちろん嬉しい。でも受け取れない。
「私へのプレゼント? まさか夫のいる身に贈り物など非常識にも程があります。
見損ないましたよセピユロスさん」
「いやちょっと…… 」
何も言えずに項垂れるセピユロス。
これでもうしつこく迫ってはこないだろう。
少々残念ですがこれも彼の為。
早く目を覚ましなさい。私に向ける時間があるならヴィーナをもっと大切に。
それが本来彼に対する言葉。もう甘やかしてはいけない。
「どうして分かってくれないんだいディーテ。僕はあなたを嫌いになりそうだ」
強く感情に訴えかけてくるセピユロス。
それは困る。ヴィーナの母として関わっていくのだから勝手は許しませんよ。
「無理に関係を築く必要はありません。ヴィーナを通して深めて行けばいいのです。
それが私たちの距離感。絶妙な距離感」
セピユロスは納得いかない様子。
私だってセピユロスに迫られて嫌な気持ちは芽生えません。
でも分かって欲しい。そして気付いて欲しい。
私は理解のある夫してあなたを求めるのではありません。
ただ義理の息子として見守っていきたい。
「分かりました。今日のところはこれで引き下がります」
まだ諦めてないの? 嘘でしょう?
これだけ言って無理ならもう私にはどうすることもできない。
「ではディーテ失礼します」
勝手に訪問して勝手に帰ろうとするから注意を与える。
「いいですか。これ以上逢瀬を重ねるのは良くありません。
それに変な誤解を生みかねない。できればこれ以上近づかないで頂きたい」
「しかしディーテ。僕には耐えらえそうにありません」
「そこですよセピユロスさん。甘えてはいけない。
あなたはヴィーナのことだけを思って生きればいいのです。
これ以上余計なことは考えずに大人しく従いなさい」
こうして密会を重ねないように諭す。
私自身の為でありセピユロスの為でもある。
もう許しません。
「そうですか…… 残念です。ではディーテおやすみなさい」
どうにか納得してくれたようだ。
私に夢中なセピユロス。本当に可愛い。
愛おしい方。でもその思いを封印。胸にしまうことにする。
二人は新たなステージへ。
続く
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