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新人メイドとの挨拶も終わりようやく一息つく。
この後はお待ちかねの秘密の特訓。
はああ。ため息がでる。
「失礼します」
突然の訪問者。誰かと思いきや影のメイド。
辺りを警戒する慎重さと冷静さ。さすがは影のメイドだけはある。
「ほらここには誰もいません。その顔を見せなさい」
目元以外を隠した暑苦しい格好。夏ではないのでまだいいですが。
「ご主人様。ご勘弁を! 」
「駄目です! ほら早く」
つい意地悪をしたくなってしまう。
「もう仕方ありませんね」
ご主人様の命令は絶対。拒否などしようもない。
金髪の十代の女の子。ヴィーナよりも下。
比べようもないぐらいの美少女。
ヴィーナの嫉妬は免れない。
ボノだって黙っていない。
そんな美少女が存在するはずがない。
「しかしヴィーナ様に見つかっては私は殺されてしまいます」
よく分かってるじゃない。一応は私の娘なんですけど。
仮にそうだとしても言い方ってものがある。
「ほら軽口を叩かないの。その服も脱ぎなさい」
「ちょっとまさかご主人様にそのような趣味があるとは思いもしませんでした」
「ふふふ…… 早く脱ぎなさい」
「ではお言葉に甘えて」
「また随分大きくなりましたわね。何を飲んだらそんなに育つのかしら? 」
何も言えずに顔を赤らめる影のメイド。
これはあくまで体を見るためのもの。
誤解しないでほしい。
「では後ろを向いて」
「ああご主人様。これ以上は…… 」
「ほら馬鹿言ってないで早く」
ふざけてばかりの影のメイド。
「また傷が増えている。傷口もまだ…… かさぶたを掻いたでしょう?
背中は問題なさそうね」
まったくこんなこと本当はしたくない。
でもこの子ったら無茶ばかりするから放っておけない。
本当に手がかる。
こうして定期的に見てあげないと自分では何もしない。
もちろん大怪我は別。それ以外の切り傷や擦り傷などを放置するものだから。
熱が出たり悪化しないか心配でしょうがない。
未熟なメイドの面倒も私の役割。
服を着せて元通り。
「すぐに先生のところに行くのよ。それからアップね」
「うええ…… 分かりました」
別館の隣にはお医者様の家がある。
いつもお世話になっている。
それから怪我につき報酬アップの約束。
まあ我が一族の為に動いてくれるのですからこれくらい当然。
「それで用件は? 」
そろそろ本題に入ってもらわないと時間がない。
「実は大変申し上げにくいのですが…… 」
「あらまさかボノに捕まったとか? 」
「ご冗談を。一度たりとも捕まるようなへまは致しません」
プライドを傷つけられ気分を害したのかそっぽを向く。
「では何かしら? 」
「はい。今度新しく入ったメイドですが…… 怪しいんですよね」
察知したのか野生の勘なのか。
「怪しいとは具体的には? 」
「ボノ様と関わりがあるのではないかと思われます」
「まさか。ボノが愛人をメイドにしたとでも。
メイドならいくらでも手なずけてるんですから今さら…… 」
「いえボノ様はあくまで紹介。たぶんバックに誰かいるのではと思われます」
怪しげな輩がメイドとして潜り込んだと言うことらしい。
これは一大事。
「ふーむ。それで誰が? 」
「あの綺麗な方がそうかと思われます」
「へえ随分落ち着いてると思ったら何かあるのね? 」
「お気付きになられたのですね」
「ええ今メイド頭と彼女について話してたところ」
「さすがはご主人様」
「はいはい。あなたの考えは? 」
「用心に越したことはありません。監視をつけた方がよろしいかと」
「まだ具体的には何も分かってないんでしょう? 」
「はい。ただ間違いないかと。あの美しさですし」
強く意見する。
ボノったらどう言うつもりかしら。
問い詰めたって無駄よね。
「分かりました。これ以上なければ下がりなさい」
「では失礼します…… おっと言い忘れてましたがもう一人。
ヴィーナ様のお相手のセピユロス様にもお気を付けください。
何やら不穏な動きをされております。では」
影のメイドは去っていった。
セピユロスがまさかね。何かの間違いでしょう。
彼がそんな人には見えない。
あの子少々抜けたところがあるから勘違いしただけ。そうに決まってる。
ああもうこんな時間。
先生を待たせてはいけない。
気が進まないけど秘密の特訓へ。
続く
この後はお待ちかねの秘密の特訓。
はああ。ため息がでる。
「失礼します」
突然の訪問者。誰かと思いきや影のメイド。
辺りを警戒する慎重さと冷静さ。さすがは影のメイドだけはある。
「ほらここには誰もいません。その顔を見せなさい」
目元以外を隠した暑苦しい格好。夏ではないのでまだいいですが。
「ご主人様。ご勘弁を! 」
「駄目です! ほら早く」
つい意地悪をしたくなってしまう。
「もう仕方ありませんね」
ご主人様の命令は絶対。拒否などしようもない。
金髪の十代の女の子。ヴィーナよりも下。
比べようもないぐらいの美少女。
ヴィーナの嫉妬は免れない。
ボノだって黙っていない。
そんな美少女が存在するはずがない。
「しかしヴィーナ様に見つかっては私は殺されてしまいます」
よく分かってるじゃない。一応は私の娘なんですけど。
仮にそうだとしても言い方ってものがある。
「ほら軽口を叩かないの。その服も脱ぎなさい」
「ちょっとまさかご主人様にそのような趣味があるとは思いもしませんでした」
「ふふふ…… 早く脱ぎなさい」
「ではお言葉に甘えて」
「また随分大きくなりましたわね。何を飲んだらそんなに育つのかしら? 」
何も言えずに顔を赤らめる影のメイド。
これはあくまで体を見るためのもの。
誤解しないでほしい。
「では後ろを向いて」
「ああご主人様。これ以上は…… 」
「ほら馬鹿言ってないで早く」
ふざけてばかりの影のメイド。
「また傷が増えている。傷口もまだ…… かさぶたを掻いたでしょう?
背中は問題なさそうね」
まったくこんなこと本当はしたくない。
でもこの子ったら無茶ばかりするから放っておけない。
本当に手がかる。
こうして定期的に見てあげないと自分では何もしない。
もちろん大怪我は別。それ以外の切り傷や擦り傷などを放置するものだから。
熱が出たり悪化しないか心配でしょうがない。
未熟なメイドの面倒も私の役割。
服を着せて元通り。
「すぐに先生のところに行くのよ。それからアップね」
「うええ…… 分かりました」
別館の隣にはお医者様の家がある。
いつもお世話になっている。
それから怪我につき報酬アップの約束。
まあ我が一族の為に動いてくれるのですからこれくらい当然。
「それで用件は? 」
そろそろ本題に入ってもらわないと時間がない。
「実は大変申し上げにくいのですが…… 」
「あらまさかボノに捕まったとか? 」
「ご冗談を。一度たりとも捕まるようなへまは致しません」
プライドを傷つけられ気分を害したのかそっぽを向く。
「では何かしら? 」
「はい。今度新しく入ったメイドですが…… 怪しいんですよね」
察知したのか野生の勘なのか。
「怪しいとは具体的には? 」
「ボノ様と関わりがあるのではないかと思われます」
「まさか。ボノが愛人をメイドにしたとでも。
メイドならいくらでも手なずけてるんですから今さら…… 」
「いえボノ様はあくまで紹介。たぶんバックに誰かいるのではと思われます」
怪しげな輩がメイドとして潜り込んだと言うことらしい。
これは一大事。
「ふーむ。それで誰が? 」
「あの綺麗な方がそうかと思われます」
「へえ随分落ち着いてると思ったら何かあるのね? 」
「お気付きになられたのですね」
「ええ今メイド頭と彼女について話してたところ」
「さすがはご主人様」
「はいはい。あなたの考えは? 」
「用心に越したことはありません。監視をつけた方がよろしいかと」
「まだ具体的には何も分かってないんでしょう? 」
「はい。ただ間違いないかと。あの美しさですし」
強く意見する。
ボノったらどう言うつもりかしら。
問い詰めたって無駄よね。
「分かりました。これ以上なければ下がりなさい」
「では失礼します…… おっと言い忘れてましたがもう一人。
ヴィーナ様のお相手のセピユロス様にもお気を付けください。
何やら不穏な動きをされております。では」
影のメイドは去っていった。
セピユロスがまさかね。何かの間違いでしょう。
彼がそんな人には見えない。
あの子少々抜けたところがあるから勘違いしただけ。そうに決まってる。
ああもうこんな時間。
先生を待たせてはいけない。
気が進まないけど秘密の特訓へ。
続く
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