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打つ手なし?
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ついに門番失踪の真相が判明。
門番は違法バーで大暴れ。それがもとで一発退場となってしまった。
現在お近くの刑務所。要するにモンスターがウヨウヨいる外の世界へ。
さあどう救出すべきか?
「やっぱり暴れるしかないだろ? 」
パワポが怖い。絶対に俺を巻き込もうとしてるよな。何て恐ろしい。
「一気にやらないで一つずつ重ねていくしかないよ」
「それは無理! 一日で累積は消える。だからゆっくりはできない。
それに分かってると思うけど私たちには時間がないの」
隊長は常に冷静だ。
「そうだ。ゲンは確かピッキング能力があったんだよな? 」
「ああ忘れてた! これで第六世界の門を開ければ…… 」
「ダメ! あの門は特殊な構造になっていて門番の鍵以外では不可能なの。
もし下手にいじって壊せば永遠に行けなくなる」
さすがは隊長だ。パワポの思い付きは否定された。
「だったらどうするんだよリナ? ゲンも何とか言ってやれよ」
「隊長…… やっぱり一枚ずつ警告を積み重ねていくしかないっすよ」
「うーん」
それではやはり時間が掛かる。いつ時間切れになるか分からないと首を振る。
「ちょっと待って! 良いこと考えた」
パワポは不気味な笑みを浮かべる。まさか打開策でもあるのか?
「詳しくお願い! 」
「ははは…… 警告を買い取ればいい」
うわパワポがおかしくなった。そんな裏技みたいなことできるはず……
「それは悪くない考えね。でも一つ問題が…… 警告の売買は禁止されているの」
金で解決されては警告の意味がなくなるそう。
「やっぱり無理だって。誰が売ってくれるんだよ? 」
「売る人はいるって。だから逆に危ないんでしょう? ねえリナ? 」
「パワポの言う通り。でも逆に言えば売買しなければいいだけ」
隊長は秘策を思いついたらしい。これは頼もしい。俺いつまでついていきます。
「まさかくれと? 」
「その言い方! 慈悲の精神で警告を消してあげれば相手も喜ぶでしょう? 」
そう隊長は言うが一日我慢すれば消えるものをわざわざ付き合うかがポイント。
「うん隊長! それいいね」
「まあ私も反対しない。それしか手はなさそうだから」
「ありがとう。それでも問題はあるの。第五世界には警告を受ける異人が少ない。
たどり着けるかも分からない。しかも彼らが警告を受けてないとだめだから…… 」
隊長曰く大きな賭けだと。敢えて異人だと自ら名乗る者はいない。
「だったら心当たりある」
パワポは自信たっぷり。信じて取り敢えず行ってみるか。
「ああ待って! いつもの砂を浴びて」
これで多少は捜索が楽になるだろう。俺たちには時間がないからな。
さっそくパワポお勧めの場所へ。
「ほらここ。さあ行ってみよう! 」
随分と陽気なパワポ。これは嫌な予感がするぞ。
「ちょっとその前に確認。警告を譲り受ける。そこまではいい? 」
「心配性だなリナも。大丈夫だって」
「それとこれは重要だけど譲り受けられるのは三枚まで。
これは譲り受けた側が累積で五枚にならないような対策。
もし四枚受け取り思いがけないトラブルで五枚目にになったら終わりだから」
「だったら残り二枚は自分の力で? 」
「その通りゲン。しかも一人からは一枚だけ。
だから警告を受けた者が複数いないと話にならない」
隊長の話が本当ならこれは骨が折れるぞ。
そんな都合のいい人物が果たして見つかるのか?
「ちわっす! お邪魔するよ」
堂々としたパワポ。俺も真似して挨拶してみる。
「ああん? 何じゃお前らは? 」
とっても怖そうなお方たちの住処へ。
一軒の立派なお屋敷に足を運ぶ。
「それでどのような要件ですかな? 」
一人落ち着いた様子のお年寄り。
その周りには目つきの悪い男たち。こちらをにらみつけている。
「パワポ。こちらの方は…… 」
もうすでに取り囲まれている。恐怖のあまり震える。
ここはあまりに危険でファンタジーには不釣り合いな恐怖の館。
「折り入ってあんたらに頼みたいことがあるんだ」
「しかしそれは…… 」
「ああん? お前ら異人だろ? 他所から流れてきた」
パワポは何て人と交渉してるんだろう?
さっきから睨みっぱなし。一体俺が何をしたって言うんだ?
「おい! 口の利き方に気をつけろよ姉ちゃん」
「雑魚は黙ってろ! これは慈悲だっての! 」
「よし分かった。皆協力してやってくれ」
交渉成立。
お互いにとっても悪い条件ではない。
「そう来なくっちゃ! 恩に着るぜ爺さん」
言葉遣いが最悪なパワポ。物怖じせずに堂々している。
それがプラスに働いたのか警告を譲り受けることに。
そうここには警告を受けた者がゴロゴロ転がっている。
続く
門番は違法バーで大暴れ。それがもとで一発退場となってしまった。
現在お近くの刑務所。要するにモンスターがウヨウヨいる外の世界へ。
さあどう救出すべきか?
「やっぱり暴れるしかないだろ? 」
パワポが怖い。絶対に俺を巻き込もうとしてるよな。何て恐ろしい。
「一気にやらないで一つずつ重ねていくしかないよ」
「それは無理! 一日で累積は消える。だからゆっくりはできない。
それに分かってると思うけど私たちには時間がないの」
隊長は常に冷静だ。
「そうだ。ゲンは確かピッキング能力があったんだよな? 」
「ああ忘れてた! これで第六世界の門を開ければ…… 」
「ダメ! あの門は特殊な構造になっていて門番の鍵以外では不可能なの。
もし下手にいじって壊せば永遠に行けなくなる」
さすがは隊長だ。パワポの思い付きは否定された。
「だったらどうするんだよリナ? ゲンも何とか言ってやれよ」
「隊長…… やっぱり一枚ずつ警告を積み重ねていくしかないっすよ」
「うーん」
それではやはり時間が掛かる。いつ時間切れになるか分からないと首を振る。
「ちょっと待って! 良いこと考えた」
パワポは不気味な笑みを浮かべる。まさか打開策でもあるのか?
「詳しくお願い! 」
「ははは…… 警告を買い取ればいい」
うわパワポがおかしくなった。そんな裏技みたいなことできるはず……
「それは悪くない考えね。でも一つ問題が…… 警告の売買は禁止されているの」
金で解決されては警告の意味がなくなるそう。
「やっぱり無理だって。誰が売ってくれるんだよ? 」
「売る人はいるって。だから逆に危ないんでしょう? ねえリナ? 」
「パワポの言う通り。でも逆に言えば売買しなければいいだけ」
隊長は秘策を思いついたらしい。これは頼もしい。俺いつまでついていきます。
「まさかくれと? 」
「その言い方! 慈悲の精神で警告を消してあげれば相手も喜ぶでしょう? 」
そう隊長は言うが一日我慢すれば消えるものをわざわざ付き合うかがポイント。
「うん隊長! それいいね」
「まあ私も反対しない。それしか手はなさそうだから」
「ありがとう。それでも問題はあるの。第五世界には警告を受ける異人が少ない。
たどり着けるかも分からない。しかも彼らが警告を受けてないとだめだから…… 」
隊長曰く大きな賭けだと。敢えて異人だと自ら名乗る者はいない。
「だったら心当たりある」
パワポは自信たっぷり。信じて取り敢えず行ってみるか。
「ああ待って! いつもの砂を浴びて」
これで多少は捜索が楽になるだろう。俺たちには時間がないからな。
さっそくパワポお勧めの場所へ。
「ほらここ。さあ行ってみよう! 」
随分と陽気なパワポ。これは嫌な予感がするぞ。
「ちょっとその前に確認。警告を譲り受ける。そこまではいい? 」
「心配性だなリナも。大丈夫だって」
「それとこれは重要だけど譲り受けられるのは三枚まで。
これは譲り受けた側が累積で五枚にならないような対策。
もし四枚受け取り思いがけないトラブルで五枚目にになったら終わりだから」
「だったら残り二枚は自分の力で? 」
「その通りゲン。しかも一人からは一枚だけ。
だから警告を受けた者が複数いないと話にならない」
隊長の話が本当ならこれは骨が折れるぞ。
そんな都合のいい人物が果たして見つかるのか?
「ちわっす! お邪魔するよ」
堂々としたパワポ。俺も真似して挨拶してみる。
「ああん? 何じゃお前らは? 」
とっても怖そうなお方たちの住処へ。
一軒の立派なお屋敷に足を運ぶ。
「それでどのような要件ですかな? 」
一人落ち着いた様子のお年寄り。
その周りには目つきの悪い男たち。こちらをにらみつけている。
「パワポ。こちらの方は…… 」
もうすでに取り囲まれている。恐怖のあまり震える。
ここはあまりに危険でファンタジーには不釣り合いな恐怖の館。
「折り入ってあんたらに頼みたいことがあるんだ」
「しかしそれは…… 」
「ああん? お前ら異人だろ? 他所から流れてきた」
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さっきから睨みっぱなし。一体俺が何をしたって言うんだ?
「おい! 口の利き方に気をつけろよ姉ちゃん」
「雑魚は黙ってろ! これは慈悲だっての! 」
「よし分かった。皆協力してやってくれ」
交渉成立。
お互いにとっても悪い条件ではない。
「そう来なくっちゃ! 恩に着るぜ爺さん」
言葉遣いが最悪なパワポ。物怖じせずに堂々している。
それがプラスに働いたのか警告を譲り受けることに。
そうここには警告を受けた者がゴロゴロ転がっている。
続く
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