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フォレストバレーの怪物
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グッドバッド博士の屋敷にて。
宿もキープ出来た。後はゴールドエクスプレスのチケットだけだな。
今のところ博士との良好な関係を維持している。
包み隠さずに正直に話せば協力してくれるかもしれない。
少々楽観的だが何とかなるだろう。
食事を終え博士の案内で屋敷内を見て回る。
「おお! ここは何じゃ? 」
嗅覚鋭い爺さんはさっそく秘密の部屋に興味を示す。
ガチャガチャ
ガチャガチャ
興奮した爺さんは鍵が掛かってるにも関わらず無理矢理開けようとする。
うわ…… まさか壊すつもりなのか? いくら温厚な博士だって……
「何をやってるんだよ爺さん! 」
ノコタンが止めに入るがお構いなしにガチャガチャ続ける。
「バッド。勝手に入ってはいけません」
博士曰く不良品が置かれているそう。
ガラクタで溢れていて危険なものも多いらしく決して近づいてはダメだと。
子供ではないので案内されたところ意外に興味はない。
実際は案内されたところも大して興味がないのだが。
これも付き合い。招待されたからにはそれなりの態度で臨まなければ。
うんうん。これで少しはリーダーっぽくなってきたかな?
「おいアトリ。お前の仲間が捕えられてるぞ」
「もうご主人様! アトリはロボットではありません! 」
「ははは…… 冗談だって。そんなに怒るなよ」
「バッド。おかしなことを言うな! 」
グッドバッド博士はバッドが続くとあからさまに不機嫌になる。
分かりやすい人だ。
一階を見て回ったところで元の部屋に戻る。
「済みません。ついふざけ過ぎました」
ほぼ爺さんだけどリーダーとしての責任がある。
「グッド。興奮するのは構いませんが出来れば勝手な行動は控えてください。
いくらあなた方が異人で凄い能力の持ち主でも危険は危険です」
世話が焼けると嫌味を言われてしまう。
「二階はどうなってるのかの? 」
さすがは爺さん。何の躊躇いもなく聞くんだから恐れ入るよ。
それは俺だって気になったけどさ。普通聞くかな?
「ゲストルームになってます」
あっさり答えたので拍子抜けする。
「ゲストルーム? それはそれは凄いの」
「はい。前回は全世界を旅してるマハラジャを泊めましてね。
とても感謝されましたよ。あなた方もよろしかったらぜひどうぞ」
明日のディナーを存分に楽しんでからそのまま泊まることも出来るそう。
せっかくの誘いだがまだチケットが取れてないので保留。
今は呑気にしていられない。
「あの…… ゴールドエクスプレスのチケット…… 」
「ああ明後日のですね。残念ですが私は持ってません」
「何とかしてくれんか? 」
爺さんが無茶を言う。
「申し訳ない。私のツテではどうにも…… 」
断われてしまう。バッドと言われなかっただけマシか。
「だったら博士! あんたの発明品を貸してくれないか? 」
「バッド。そんな都合の良いものはありません」
ノコタンの頼みはあっさりと流される。ここはアトリに任せてみるか。
「困ってるんです。どうか博士のお力添えを…… 」
懇願するアトリ。
「そうだな。知り合いに当たっては見るが明後日は難しいかもしれんよ」
約束は出来ないと慎重だ。
四枚が必要となるとかなり難しいか。
「とにかく明日のディナーにまたお越しください。
特別に併設するラボに案内してあげるよ。
それから完成間際の発明品を見せてあげよう」
昼をご馳走になり屋敷内も見学した。
博士は知らないがこちらとしては約束を果たせた気がする。
忙しい時間を割いて歓迎してくれたのは感謝しかない。
さあ急いでチケット探しに。
「きゃああ! 」
外に出ると悲鳴が聞こえて来た。
何だ? 何だ?
音のする方へ駆けて行く。
「何事じゃ? 」
見たこともない鳥が翼を広げて姉妹に襲い掛かろうとしている。
てっきり平和な世界だと思っていたが町中で怪鳥とは。珍しい。
おっと感心してる場合じゃない。助けなくては。
ぎゃあぎゃあ
ぎゃあぎゃあ
仕方ない。この名刀・辛水で成敗するとしよう。
まずい! 喰おうとしてやがる。これは一刻の猶予もない。
うおおおお!
辛水を手に突撃。
後から遠慮なく切り込む。
ぎゃあ
ぎゃあ
怪鳥は意外にもあっさり空へ。奇声を上げて飛んで行ってしまった。
これに懲りて町に出てこなければいいが。
続く
宿もキープ出来た。後はゴールドエクスプレスのチケットだけだな。
今のところ博士との良好な関係を維持している。
包み隠さずに正直に話せば協力してくれるかもしれない。
少々楽観的だが何とかなるだろう。
食事を終え博士の案内で屋敷内を見て回る。
「おお! ここは何じゃ? 」
嗅覚鋭い爺さんはさっそく秘密の部屋に興味を示す。
ガチャガチャ
ガチャガチャ
興奮した爺さんは鍵が掛かってるにも関わらず無理矢理開けようとする。
うわ…… まさか壊すつもりなのか? いくら温厚な博士だって……
「何をやってるんだよ爺さん! 」
ノコタンが止めに入るがお構いなしにガチャガチャ続ける。
「バッド。勝手に入ってはいけません」
博士曰く不良品が置かれているそう。
ガラクタで溢れていて危険なものも多いらしく決して近づいてはダメだと。
子供ではないので案内されたところ意外に興味はない。
実際は案内されたところも大して興味がないのだが。
これも付き合い。招待されたからにはそれなりの態度で臨まなければ。
うんうん。これで少しはリーダーっぽくなってきたかな?
「おいアトリ。お前の仲間が捕えられてるぞ」
「もうご主人様! アトリはロボットではありません! 」
「ははは…… 冗談だって。そんなに怒るなよ」
「バッド。おかしなことを言うな! 」
グッドバッド博士はバッドが続くとあからさまに不機嫌になる。
分かりやすい人だ。
一階を見て回ったところで元の部屋に戻る。
「済みません。ついふざけ過ぎました」
ほぼ爺さんだけどリーダーとしての責任がある。
「グッド。興奮するのは構いませんが出来れば勝手な行動は控えてください。
いくらあなた方が異人で凄い能力の持ち主でも危険は危険です」
世話が焼けると嫌味を言われてしまう。
「二階はどうなってるのかの? 」
さすがは爺さん。何の躊躇いもなく聞くんだから恐れ入るよ。
それは俺だって気になったけどさ。普通聞くかな?
「ゲストルームになってます」
あっさり答えたので拍子抜けする。
「ゲストルーム? それはそれは凄いの」
「はい。前回は全世界を旅してるマハラジャを泊めましてね。
とても感謝されましたよ。あなた方もよろしかったらぜひどうぞ」
明日のディナーを存分に楽しんでからそのまま泊まることも出来るそう。
せっかくの誘いだがまだチケットが取れてないので保留。
今は呑気にしていられない。
「あの…… ゴールドエクスプレスのチケット…… 」
「ああ明後日のですね。残念ですが私は持ってません」
「何とかしてくれんか? 」
爺さんが無茶を言う。
「申し訳ない。私のツテではどうにも…… 」
断われてしまう。バッドと言われなかっただけマシか。
「だったら博士! あんたの発明品を貸してくれないか? 」
「バッド。そんな都合の良いものはありません」
ノコタンの頼みはあっさりと流される。ここはアトリに任せてみるか。
「困ってるんです。どうか博士のお力添えを…… 」
懇願するアトリ。
「そうだな。知り合いに当たっては見るが明後日は難しいかもしれんよ」
約束は出来ないと慎重だ。
四枚が必要となるとかなり難しいか。
「とにかく明日のディナーにまたお越しください。
特別に併設するラボに案内してあげるよ。
それから完成間際の発明品を見せてあげよう」
昼をご馳走になり屋敷内も見学した。
博士は知らないがこちらとしては約束を果たせた気がする。
忙しい時間を割いて歓迎してくれたのは感謝しかない。
さあ急いでチケット探しに。
「きゃああ! 」
外に出ると悲鳴が聞こえて来た。
何だ? 何だ?
音のする方へ駆けて行く。
「何事じゃ? 」
見たこともない鳥が翼を広げて姉妹に襲い掛かろうとしている。
てっきり平和な世界だと思っていたが町中で怪鳥とは。珍しい。
おっと感心してる場合じゃない。助けなくては。
ぎゃあぎゃあ
ぎゃあぎゃあ
仕方ない。この名刀・辛水で成敗するとしよう。
まずい! 喰おうとしてやがる。これは一刻の猶予もない。
うおおおお!
辛水を手に突撃。
後から遠慮なく切り込む。
ぎゃあ
ぎゃあ
怪鳥は意外にもあっさり空へ。奇声を上げて飛んで行ってしまった。
これに懲りて町に出てこなければいいが。
続く
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