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アトリとの甘い生活を夢見て
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翌朝。
「ご主人様早く! 遅れてしまいますよ」
アトリに無理矢理起こされる。
「もう少しだけ…… まだ眠いんだ」
ついアトリに甘えてしまう。
情けないご主人様でごめんよ。
「もう早く! ご主人様ったら。ふふふ…… 」
随分ご機嫌なアトリ。いつにもまして可愛らしい。何でだろう?
あれ…… 服もお洒落だし顔も何だか違う。洗礼された感じがする。
ロボットの面影がない。
うん? いつもはロボットではありませんと怒るのに今回はそれがない。
おかしい。何ておかしいのだろう?
「ちょっと待て! どこへ行く? 」
変だな? 昨夜は確か爺さんと一緒に寝たんだったよな?
アトリは一人寂しく隣の部屋。
それなのに二人は姿を消しアトリだけ。こんなことってあるのか?
この場合薄情な二人が起こさずに先に行ってしまったと考えるのが普通か。
「決まってるではありませんか! 私たちの結婚式ですよ」
そうだった。俺たちは結ばれたんだった。でもいつ?
急展開について行けない。
「それで二人は? 」
「フォレストバレー公園に向かったかと思われます」
「思われますって? こんなめでたい時になぜ? 」
「それが宿命だとか。アトリにもよく分かりません」
まったく理解できない。元々あの二人はそんなもんだった気もする。
「分かった。もう放っておこう」
「ご主人様早く! 」
アトリは焦り過ぎなんだよな。
「なあアトリ。起こしてくれないか? 」
「では…… 」
腕を掴まれ強制的に立たされる。だが俺だってただでは起きないぞ。
「アトリ! 」
逆にアトリを強引にベッドへ引きずり込む。
「ご主人様! 何をなさいますか? 」
服が皺になると怒る。せっかくのメイクも台無しだと呆れる。
「ほらおいでアトリ」
アトリとキスを交わす。
これがファーストキスならどれだけ良かったか。
でも俺には経験が。海底王国で別れ際にミヨちゃんと。
それ以外にもアンとだったら幼い頃に何度か。まさかこれもカウントするの?
目覚めのキスの味は格別。だが少々しつこいかな。
「く…… 苦しい…… 」
アトリとの長いキスで昇天するところだった。
アトリの奴め興奮して夢中になるから……
ハアハア
ハアハア
「アトリ? 」
顔を見るとそこにはなぜかアンの顔が。
「いや違くて…… これは何かの手違いで…… 済みません」
条件反射で謝ってしまう。何て情けないんだろう俺?
「何を言ってるのゲン? ほらもう一度」
アトリとのおはようのキスだと思ったのにいつの間にかアンに変化。
訳も分からずに応じる。
「だからこれには訳があってアン許して。土下座でも何でもするから! 」
別にアンは嫉妬深い女の子でもなかった。
俺の帰りを健気に待つそんな優しい子だった。
でもさすがにアトリと間違えたらまずいよな。
「何を言ってやがるゲン? 」
今度はノコタンが笑う。もう訳が分からない状況。
もう嫌だ。誰でもいいからお引き取り願う。
顔を見るたびに変わるなどもう耐えられるものか。
「あのノコタンどうやったの? 」
しかし反応がない。
よく見ると爺さんみたいな感じが。
もはや性別さえ超越してしまったのだろうか?
これはもう諦めるしかないな。
「ほれ早くせんか! 」
うわ! 爺さん?
いつの間にか爺さんの顔が目の前に。
どうやら夢を見ていたらしい。
「あれ公園に行ったのでは? 」
「はあ? 何を寝ぼけておる。さあ飯じゃぞ! 」
爺さんに引っ張られながら食堂へ。
俺のせいで飯に遅れそうとカンカン。
まだだから我慢してよね。実際に飯に遅れてから文句を言ってくれよ。
出発!
「さあ行きましょう」
「待ってくれアトリ。その前に寄るところがある」
まずはゴールドエクスプレスの乗車チケットを確保するのが先決だろう。
取り敢えずここから二キロ弱にあるフォレストバレー駅へ。
「まさか歩くのか? 」
「はい。この辺りは未発達でして」
アトリに任せておけば大丈夫だろう。
昨日レベルアップして地図が読めるようになった。
ノコタンにしろ俺にしろそう言うのは苦手だからな。
「しかしのうロボットがあって未発達はおかしいじゃろ? 」
爺さんはごねるが確かに言われてみればそうだ。
「恐らくモンスター。ここではその代弁者のローム氏がお認めにならないから。
モンスター支配から逃れようと団結し反乱しないよう発達させなかったのでしょう。
ある意味世界の秩序を守る為だったかと」
「言い訳はよい! それよりも早く進むぞ! 」
自分で聞いておいて勝手なんだから……
仕方なく徒歩でフォレストバレー駅へ。
続く
「ご主人様早く! 遅れてしまいますよ」
アトリに無理矢理起こされる。
「もう少しだけ…… まだ眠いんだ」
ついアトリに甘えてしまう。
情けないご主人様でごめんよ。
「もう早く! ご主人様ったら。ふふふ…… 」
随分ご機嫌なアトリ。いつにもまして可愛らしい。何でだろう?
あれ…… 服もお洒落だし顔も何だか違う。洗礼された感じがする。
ロボットの面影がない。
うん? いつもはロボットではありませんと怒るのに今回はそれがない。
おかしい。何ておかしいのだろう?
「ちょっと待て! どこへ行く? 」
変だな? 昨夜は確か爺さんと一緒に寝たんだったよな?
アトリは一人寂しく隣の部屋。
それなのに二人は姿を消しアトリだけ。こんなことってあるのか?
この場合薄情な二人が起こさずに先に行ってしまったと考えるのが普通か。
「決まってるではありませんか! 私たちの結婚式ですよ」
そうだった。俺たちは結ばれたんだった。でもいつ?
急展開について行けない。
「それで二人は? 」
「フォレストバレー公園に向かったかと思われます」
「思われますって? こんなめでたい時になぜ? 」
「それが宿命だとか。アトリにもよく分かりません」
まったく理解できない。元々あの二人はそんなもんだった気もする。
「分かった。もう放っておこう」
「ご主人様早く! 」
アトリは焦り過ぎなんだよな。
「なあアトリ。起こしてくれないか? 」
「では…… 」
腕を掴まれ強制的に立たされる。だが俺だってただでは起きないぞ。
「アトリ! 」
逆にアトリを強引にベッドへ引きずり込む。
「ご主人様! 何をなさいますか? 」
服が皺になると怒る。せっかくのメイクも台無しだと呆れる。
「ほらおいでアトリ」
アトリとキスを交わす。
これがファーストキスならどれだけ良かったか。
でも俺には経験が。海底王国で別れ際にミヨちゃんと。
それ以外にもアンとだったら幼い頃に何度か。まさかこれもカウントするの?
目覚めのキスの味は格別。だが少々しつこいかな。
「く…… 苦しい…… 」
アトリとの長いキスで昇天するところだった。
アトリの奴め興奮して夢中になるから……
ハアハア
ハアハア
「アトリ? 」
顔を見るとそこにはなぜかアンの顔が。
「いや違くて…… これは何かの手違いで…… 済みません」
条件反射で謝ってしまう。何て情けないんだろう俺?
「何を言ってるのゲン? ほらもう一度」
アトリとのおはようのキスだと思ったのにいつの間にかアンに変化。
訳も分からずに応じる。
「だからこれには訳があってアン許して。土下座でも何でもするから! 」
別にアンは嫉妬深い女の子でもなかった。
俺の帰りを健気に待つそんな優しい子だった。
でもさすがにアトリと間違えたらまずいよな。
「何を言ってやがるゲン? 」
今度はノコタンが笑う。もう訳が分からない状況。
もう嫌だ。誰でもいいからお引き取り願う。
顔を見るたびに変わるなどもう耐えられるものか。
「あのノコタンどうやったの? 」
しかし反応がない。
よく見ると爺さんみたいな感じが。
もはや性別さえ超越してしまったのだろうか?
これはもう諦めるしかないな。
「ほれ早くせんか! 」
うわ! 爺さん?
いつの間にか爺さんの顔が目の前に。
どうやら夢を見ていたらしい。
「あれ公園に行ったのでは? 」
「はあ? 何を寝ぼけておる。さあ飯じゃぞ! 」
爺さんに引っ張られながら食堂へ。
俺のせいで飯に遅れそうとカンカン。
まだだから我慢してよね。実際に飯に遅れてから文句を言ってくれよ。
出発!
「さあ行きましょう」
「待ってくれアトリ。その前に寄るところがある」
まずはゴールドエクスプレスの乗車チケットを確保するのが先決だろう。
取り敢えずここから二キロ弱にあるフォレストバレー駅へ。
「まさか歩くのか? 」
「はい。この辺りは未発達でして」
アトリに任せておけば大丈夫だろう。
昨日レベルアップして地図が読めるようになった。
ノコタンにしろ俺にしろそう言うのは苦手だからな。
「しかしのうロボットがあって未発達はおかしいじゃろ? 」
爺さんはごねるが確かに言われてみればそうだ。
「恐らくモンスター。ここではその代弁者のローム氏がお認めにならないから。
モンスター支配から逃れようと団結し反乱しないよう発達させなかったのでしょう。
ある意味世界の秩序を守る為だったかと」
「言い訳はよい! それよりも早く進むぞ! 」
自分で聞いておいて勝手なんだから……
仕方なく徒歩でフォレストバレー駅へ。
続く
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