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アギョウとカギョウの半モンスター集団に囲まれた。
総勢十名の大所帯。俺たちは四人だから圧倒的不利。
しかもこいつらは暴言カードが効かない。
なぜならこの暴言カードはモンスター専用だから。
「半モンスター用のを用意してくれ! 」
「あるはずないでしょう! 」
我慢しきれずにアトリがキレる。
「おい二人とも喧嘩してないで何とかしてくれ! 」
ノコタンが急かす。
このままだと爺さんがやられる。
いくら痛みを克服しても不死身ではない。
ただ半モンスターの攻撃力はさほど高くないのでそれが唯一の救い。
「ご主人様? 」
「ゲンどうする? 」
二人に頼られるのは嬉しいがこれだと失敗したら俺の責任にならないか?
どうする? 下手な指示は出来ないしな。
でも早くしないと三人共倒れになってしまう。
ここはもうどちらかを諦めるしかないよな。
リーダーとして非情に徹することにした。
「よしここは爺さんを置いて逃亡だ! 」
ついに決断することにした。
きっと爺さんなら理解してくれるはずだ。
「行くぞ二人とも! ほら急げアトリ! 」
「しかしご主人様! いくら何でもそれはまずいのでは? 」
意外なことにアトリが意見する。
俺の言うことなら何でも迷わずに従っていたアトリが反論するなんて。
残念だよ。俺たちの関係はもっと深いものだと思ったのに違ったらしい。
「まあまあ。いいから行くぞ! 」
アトリを引っ張って行く。
「待ってくれ…… 儂を見捨てんでくれ! 」
懇願する爺さんを直視できない。目を瞑って耳を塞ぎたい気分。
長生きしろよ爺さん。あばよ!
本当は見放したくなかった。しかし他に手はない。心を鬼にして見放すことにした。
だが爺さんは口をパクパクさせて何かを懸命に訴えてる。
暴言カードを封じられた俺では奴らには敵わない。
ここは年の順と言うことで。済まない爺さん……
うん。これでいい。罪悪感に苛まれる前にここを立ち去ろう。
それが爺さんの為でもある。
最後に仇を忘れないようにしっかり見る。その上で心に刻むようにする。
それが爺さんに対するせめてもの償い。
あれ? 一匹戦闘に加わらずに後ろで傍観してるのがいるな。
アギョウで一匹。カギョウでも一匹。
合計で二匹。二匹とも指示は出すとすぐに後ろに引っ込んでしまう。
そうか! だとすればこの二匹は人間なのでは?
しかも不死身でもない。ならば攻撃も可能。
もちろん暴言カードは使えない。
爺さんの猟銃は没収されたしな。
お近くのドンテに買いに行くか? でもこの辺にあったかな?
もちろんそんな呑気なことしてられない。
とにかく武器になりそうなものを探る。
武器? 武器? 俺は平和主義者だから持ってないんだよね。
くそ! どうすればいい? どうすればいいんだ!
うん? これは辛水?
こいつを振りかければもしかしたら…… 可能性は限りなく低いが倒せるかも。
仕方ない面倒だけど爺さん救出作戦と行くか。
まずはアトリに指示を送る。
「ロケットパンチを一番後ろの奴に放ってくれ! 」
「ご主人様! 」
ダメだ。頼みの綱のアトリは動かない。やはりロケットパンチは難しいらしい。
ここはノコタンにかく乱してもらう。
「まったく無茶苦茶なリーダーだな。よし行くぜ! 」
快く引き受けてくれた。後は辛水を用意すればいい。
うおおお!
ノコタンはアギョウに突っ込む。
半モンスターの攻撃力は大したことないので少々当たっても問題ない。
ギギギ……
不気味な声で威嚇する手下に対して一番後ろの奴は指示するのみ。
やはりこれは人間に間違いないな。
ノコタンの必殺ドロップキック。
しかし簡単にかわされてしまう。
「ははは…… 単純な奴だ」
言葉を発した。明らかに人間だと確信。
再びドロップキック。相手がかわしたところで辛水を振りまく。
高度な連続攻撃。
「痛い! 何をする? やめろ! やめてくれ! 」
熱と痛みで転げ回る。哀れで見ていられない。
もはや戦闘不能。すぐさま人質に取る。
リーダーを失った半モンスターは爺さんを解放して逃げて行ってしまった。
アギョウの惨状を見てたカギョウもどこかへ。
これでようやく危機から脱する。
アギョウのリーダーはお近くの刑務所へ。
アギョウはモンスターソードを落としていった。
さっそくたっぷり辛水を塗ったモンスターソードを装備。
アトリがレベルアップした。
地図が読めるようになった。
続く
総勢十名の大所帯。俺たちは四人だから圧倒的不利。
しかもこいつらは暴言カードが効かない。
なぜならこの暴言カードはモンスター専用だから。
「半モンスター用のを用意してくれ! 」
「あるはずないでしょう! 」
我慢しきれずにアトリがキレる。
「おい二人とも喧嘩してないで何とかしてくれ! 」
ノコタンが急かす。
このままだと爺さんがやられる。
いくら痛みを克服しても不死身ではない。
ただ半モンスターの攻撃力はさほど高くないのでそれが唯一の救い。
「ご主人様? 」
「ゲンどうする? 」
二人に頼られるのは嬉しいがこれだと失敗したら俺の責任にならないか?
どうする? 下手な指示は出来ないしな。
でも早くしないと三人共倒れになってしまう。
ここはもうどちらかを諦めるしかないよな。
リーダーとして非情に徹することにした。
「よしここは爺さんを置いて逃亡だ! 」
ついに決断することにした。
きっと爺さんなら理解してくれるはずだ。
「行くぞ二人とも! ほら急げアトリ! 」
「しかしご主人様! いくら何でもそれはまずいのでは? 」
意外なことにアトリが意見する。
俺の言うことなら何でも迷わずに従っていたアトリが反論するなんて。
残念だよ。俺たちの関係はもっと深いものだと思ったのに違ったらしい。
「まあまあ。いいから行くぞ! 」
アトリを引っ張って行く。
「待ってくれ…… 儂を見捨てんでくれ! 」
懇願する爺さんを直視できない。目を瞑って耳を塞ぎたい気分。
長生きしろよ爺さん。あばよ!
本当は見放したくなかった。しかし他に手はない。心を鬼にして見放すことにした。
だが爺さんは口をパクパクさせて何かを懸命に訴えてる。
暴言カードを封じられた俺では奴らには敵わない。
ここは年の順と言うことで。済まない爺さん……
うん。これでいい。罪悪感に苛まれる前にここを立ち去ろう。
それが爺さんの為でもある。
最後に仇を忘れないようにしっかり見る。その上で心に刻むようにする。
それが爺さんに対するせめてもの償い。
あれ? 一匹戦闘に加わらずに後ろで傍観してるのがいるな。
アギョウで一匹。カギョウでも一匹。
合計で二匹。二匹とも指示は出すとすぐに後ろに引っ込んでしまう。
そうか! だとすればこの二匹は人間なのでは?
しかも不死身でもない。ならば攻撃も可能。
もちろん暴言カードは使えない。
爺さんの猟銃は没収されたしな。
お近くのドンテに買いに行くか? でもこの辺にあったかな?
もちろんそんな呑気なことしてられない。
とにかく武器になりそうなものを探る。
武器? 武器? 俺は平和主義者だから持ってないんだよね。
くそ! どうすればいい? どうすればいいんだ!
うん? これは辛水?
こいつを振りかければもしかしたら…… 可能性は限りなく低いが倒せるかも。
仕方ない面倒だけど爺さん救出作戦と行くか。
まずはアトリに指示を送る。
「ロケットパンチを一番後ろの奴に放ってくれ! 」
「ご主人様! 」
ダメだ。頼みの綱のアトリは動かない。やはりロケットパンチは難しいらしい。
ここはノコタンにかく乱してもらう。
「まったく無茶苦茶なリーダーだな。よし行くぜ! 」
快く引き受けてくれた。後は辛水を用意すればいい。
うおおお!
ノコタンはアギョウに突っ込む。
半モンスターの攻撃力は大したことないので少々当たっても問題ない。
ギギギ……
不気味な声で威嚇する手下に対して一番後ろの奴は指示するのみ。
やはりこれは人間に間違いないな。
ノコタンの必殺ドロップキック。
しかし簡単にかわされてしまう。
「ははは…… 単純な奴だ」
言葉を発した。明らかに人間だと確信。
再びドロップキック。相手がかわしたところで辛水を振りまく。
高度な連続攻撃。
「痛い! 何をする? やめろ! やめてくれ! 」
熱と痛みで転げ回る。哀れで見ていられない。
もはや戦闘不能。すぐさま人質に取る。
リーダーを失った半モンスターは爺さんを解放して逃げて行ってしまった。
アギョウの惨状を見てたカギョウもどこかへ。
これでようやく危機から脱する。
アギョウのリーダーはお近くの刑務所へ。
アギョウはモンスターソードを落としていった。
さっそくたっぷり辛水を塗ったモンスターソードを装備。
アトリがレベルアップした。
地図が読めるようになった。
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