言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

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半モンスター

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激辛屋でランチタイム。
爺さん覚醒。
魔法の粉と辛水によって爺さんはレベルアップ。辛さを克服。
辛みを失いすべてから解放された表情の爺さん。
それだけでなくある程度の痛みにも耐えられるようになった。

「ノコタン野ぐそばかりして…… 」
試しにノコタンで実験するとのこと。あまりに危険な遊び。
「何だと爺! いつもふざけやがって! 誰がするんだよ! 」
「いや実験じゃから軽く…… 」
言い訳する暇もなく爺さんは蹴り飛ばされる。
「うーん。これくらいは問題ないぞ。よしかかって来るが良いノコタンよ」
調子に乗った爺さん。究極のスキルを手に入れて怖いものなし。
だがノコタンだってバカじゃない。もう相手にしないそう。

「おいゲン! 」
「役には立つからいいんじゃないの? 」
「リーダーがそう言うならいいか」
「ホホホ…… どうじゃ皆の者? 一緒に修行せんか? 」
すぐに調子に乗る。俺だってちょっとだけ憧れるよ。
出来るなら痛みを克服してみたいが癖になりそうで怖い。
それに他人の痛みを共感出来ない人間にはなりたくない。
このスキルは俺向きじゃないな。

「シズカニシロオマエタチ」
ロボットに注意される情けない集団。
「ねえそれってどうやって作ったの? 」
一振りで辛くする魔法の粉。用量や使い方を誤ると地獄を見る。
それは爺さんで実験済み。
「ハカセガカイハツシタ 」
「名前は? 」
企業秘密だそうだがアトリに迫られ告白してしまう。
「グッドバッド博士だそうです」
アトリには逆らうことは出来ない。  
これは仲間意識か? それとも俺のアトリに恋心でも芽生えたか?
でも二体ともロボットだしな…… うーん。
「ご主人様! また! 」
恥ずかしそうに指摘する。
可哀想に俺のアトリ辺りが恥ずかしかったんだろうな。

「よし行くぞ! 」
ハンバーグに一振りでも相当辛かったがどうにか食べ終えた。
ジビエ肉は臭いがね…… 今回は半モンスター肉。
基本的に野生のジビエは置いてない。
それはこの世界だけ。
脱走したモンスターが繁殖して家畜を襲うのでジビエとして食う。
ただ今は数が減少してるそう。

第四世界ではこの半モンスターの脅威にさらされてる。
どうもその半モンスターは第五世界から来たのではないかとの噂が。
密かに大移動して来たパチンカーならぬ半モンスターの集団。
奴らの最期は悲惨だと言われている。
一か所に集まってひたすら喚き散らしあらゆるものを叩き壊す。
衝動を抑えられずについには己を失ってしまう。
そうして涎を垂らし目が虚ろとなり何も感じられずお互いを攻撃する。
要するに仲間割れ。もっと言うと共食いを始める。
そうなる前に俺たちが息の根を止める。最後の慈悲として。

そしてここで重要な点は第五世界から第四世界に逆流したこと。
それが本当に可能なのか。
当然今まで通りなら厳しいチェック体制がついてる。
それをすり抜けてここまでやって来たとすれば他に方法があることになる。
ただ解明には時間が掛かりそうだ。今はまだそのことはいいだろう。

「待てよ! ノコタンはどこだ? 」
「悪い! ゲン…… 」
ノコタンの姿が見えないと思ったら腹を下していたらしい。
やはり辛いもの等の刺激物の食べ過ぎは危険。ほどほどが良いと言うことだろう。

「おうおう。また野ぐそしおって! 」
爺さんがすぐにノコタンをからかう。
「誰が野ぐそするか! 爺じゃないんだぞ! 」
「こら若者よ! お年寄り敬え! 」
爺さんが諭すが聞く耳を持たないノコタンは爺に蹴りを入れる。
さすがはシカとのハーフだけあって蹴りは豪快。
狂った爺さんはもっとやってくれと懇願する。
うわもうこれは危ない世界に入ってしまってるな。
急いで回収に掛かる。

「ご馳走様でした! 」
「ニドトクルナヨ」
爺さんを抱え店を後にする。

ハアハア
ハアハア
店を出て町の方を目指す。
「うむ? ワシらはどこに向かってるんじゃリーダー? 」
重いから早く自分で歩いてくれよな。
「町に。そこには博士が…… 」
「いるかのう? 」
「いるでしょう。恐らく」
「そんな都合言いかのう? 」
爺さんは心配性だな。大丈夫。ファンタジーなんだからすぐにでも見つかるさ。


                    続く
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