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嫌な予感
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爺さんの幻覚かと思われた男二人組。
俺たちを助けに来た訳ではなかった。
海のドライブで偶然立ち寄っただけらしい。
理由はどうであれ助かったのは事実。命の恩人に変わりない。
「ついて来るかと聞いておるぞ。歓迎するそうだ」
言葉が通じないので爺さんを介する。
どうやらこの島で飛行機に乗り換えるらしい。
男たちの後をついて行くことに。
あれ? 誰もいないや。
少しは人がいてもいいはずなのに…… 見当たらない。おかしいぞ。
こんな非常時に席を外してる? 嫌な予感がするな。
まあいいか。パイロットに聞けば問題解決。
飛行機発見!
どうやらこれは男たち所有のプライベートジェットらしい。
ボートを所有しプライベートジェットまで。相当な金持ちと見た。
俺はこう言う金持ち嫌いなんだよね。でも命の恩人だし。複雑。
「済まんが…… 」
近くの町を紹介してもらおうとパイロットに話しかけるも心ここにあらず。
これでは役に立ちそうにない。誰か一人ぐらいまともなのはいないのか?
「ゴー! 」
二人組がゴーのサインをだす。
男たち三人と俺たち四人。合計七名が乗り込む。
中は意外にも広くて大きくゆったりしてるので快適。
驚いてる間にエンジンが掛かる。
「うわあ! 」
「何をやっておる? シートベルトじゃ! 」
ヘリは無事に離陸。
「お主ら…… 本当に任せて良いのだな? 」
交渉役の爺が難航してる。
「ふむふむ。良かろう。ではさっそく」
おえええ!
酔ったらしい。うわ…… 迷惑な爺さんだな。
「おい爺さん。本当に大丈夫か? 」
ノコタンが気遣う。無人島生活で相当衰弱してた。これ以上無理させられない。
気持ち悪いだろうがもう飛び立った以上我慢だ。
ここはパイロットを信じ命を預けよう。
「ふむふむ。分かったわ。皆これを装着してくれと」
何だか分からないが言う通りに。
逆らわずに従うのが俺たちに出来る唯一のこと。
特にパイロットを怒らせてはいけない。
装着完了。
うん…… どうも嫌な予感がするな。
「これは一体? 」
「分からん。どうやら安全な空の旅には欠かせないものらしい。
詳しくは奴らに聞くが良い」
だからそれが聞けないから困ってるんですけど。
これで準備は整ったらしい。
高度上昇。
ついには雲にぶつかるのではないかと思うほどの高さに。
「うむうむ。これにサインするじゃな。分かった」
爺さんの通訳を介して言われた通りにサインしようとするが……
「ご主人様お止めください! 何か変ですよ」
異変を察知したアトリに諭される。
「そうだぜゲン。この爺さん信用しない方が良い」
「聞こえてるわお主ら! 命の恩人じゃぞ? 無下にも出来まい」
まともなことを言うので大人しく従うことに。
「任せよ! 奴らは気の良い奴らじゃ…… たぶん」
簡単に騙される爺さん。疑ってトラブルになるよりはマシか。
「そうですね。お二方に助けてもらったんですから」
アトリも納得したようだ。
こうしてサインを……
「やはりいけません! 」
再びアトリに邪魔される。これではいつまで経っても終わらないよ。
「お止めください。やはり変ですよ」
異変を察知したアトリが説得。
「そうだぜゲン。この爺さんいい加減なんだからよ」
「まあ気持ちも分かるがの。もう空の上じゃ。拒否できるはずなかろう?
パイロットが気分を害したらどうするつもりじゃ? 儂は責任取らんからな」
まともなことを言う爺さん。このままではリーダーの俺が責任を追及される。
「奴らは気の良い奴らじゃ。そう考えるのが利口じゃろな」
そもそも選択肢などない。ただ従うのみ。
こうして悩みに悩んだ末サインする。
「ゴー! 」
男たちは親切にも謎の安全具を直してくれた。
「オー」
「どうやら儂のは取り換えが必要らしい」
「いいんじゃないの? どうせもしもの時のアイテムなんだから」
「ノコタン…… アトリはどう思う? 」
「何か悪い予感がします。すべて拒否してください。
安全が保障されていません」
常に慎重なアトリ。
「ははは…… 考え過ぎじゃろ」
爺は気にしてない様子。
しかし今危険なのは取り換えが必要な爺さんだろう。
構わないと言うなら放っておいてもいいが。
「リーダーどうする? 」
こんな時ばかりリーダーと言って決断を迫る。
ノコタンは責任を取りたくないらしい。
「彼らに任せよう」
奴らも馬鹿じゃない。
「落ち着いたら腹が減って来たぜ。爺さん何かあるか聞いてくれ? 」
まさか恩人に食事の用意までさせる気か?
「ふむふむ…… 承知した」
「何だって? 」
「それが…… 今は食べない方が良いと。吐いてしまうと」
さすがに無理な願いだった。ここは一旦引き下がろう。
間もなく目的地。
続く
俺たちを助けに来た訳ではなかった。
海のドライブで偶然立ち寄っただけらしい。
理由はどうであれ助かったのは事実。命の恩人に変わりない。
「ついて来るかと聞いておるぞ。歓迎するそうだ」
言葉が通じないので爺さんを介する。
どうやらこの島で飛行機に乗り換えるらしい。
男たちの後をついて行くことに。
あれ? 誰もいないや。
少しは人がいてもいいはずなのに…… 見当たらない。おかしいぞ。
こんな非常時に席を外してる? 嫌な予感がするな。
まあいいか。パイロットに聞けば問題解決。
飛行機発見!
どうやらこれは男たち所有のプライベートジェットらしい。
ボートを所有しプライベートジェットまで。相当な金持ちと見た。
俺はこう言う金持ち嫌いなんだよね。でも命の恩人だし。複雑。
「済まんが…… 」
近くの町を紹介してもらおうとパイロットに話しかけるも心ここにあらず。
これでは役に立ちそうにない。誰か一人ぐらいまともなのはいないのか?
「ゴー! 」
二人組がゴーのサインをだす。
男たち三人と俺たち四人。合計七名が乗り込む。
中は意外にも広くて大きくゆったりしてるので快適。
驚いてる間にエンジンが掛かる。
「うわあ! 」
「何をやっておる? シートベルトじゃ! 」
ヘリは無事に離陸。
「お主ら…… 本当に任せて良いのだな? 」
交渉役の爺が難航してる。
「ふむふむ。良かろう。ではさっそく」
おえええ!
酔ったらしい。うわ…… 迷惑な爺さんだな。
「おい爺さん。本当に大丈夫か? 」
ノコタンが気遣う。無人島生活で相当衰弱してた。これ以上無理させられない。
気持ち悪いだろうがもう飛び立った以上我慢だ。
ここはパイロットを信じ命を預けよう。
「ふむふむ。分かったわ。皆これを装着してくれと」
何だか分からないが言う通りに。
逆らわずに従うのが俺たちに出来る唯一のこと。
特にパイロットを怒らせてはいけない。
装着完了。
うん…… どうも嫌な予感がするな。
「これは一体? 」
「分からん。どうやら安全な空の旅には欠かせないものらしい。
詳しくは奴らに聞くが良い」
だからそれが聞けないから困ってるんですけど。
これで準備は整ったらしい。
高度上昇。
ついには雲にぶつかるのではないかと思うほどの高さに。
「うむうむ。これにサインするじゃな。分かった」
爺さんの通訳を介して言われた通りにサインしようとするが……
「ご主人様お止めください! 何か変ですよ」
異変を察知したアトリに諭される。
「そうだぜゲン。この爺さん信用しない方が良い」
「聞こえてるわお主ら! 命の恩人じゃぞ? 無下にも出来まい」
まともなことを言うので大人しく従うことに。
「任せよ! 奴らは気の良い奴らじゃ…… たぶん」
簡単に騙される爺さん。疑ってトラブルになるよりはマシか。
「そうですね。お二方に助けてもらったんですから」
アトリも納得したようだ。
こうしてサインを……
「やはりいけません! 」
再びアトリに邪魔される。これではいつまで経っても終わらないよ。
「お止めください。やはり変ですよ」
異変を察知したアトリが説得。
「そうだぜゲン。この爺さんいい加減なんだからよ」
「まあ気持ちも分かるがの。もう空の上じゃ。拒否できるはずなかろう?
パイロットが気分を害したらどうするつもりじゃ? 儂は責任取らんからな」
まともなことを言う爺さん。このままではリーダーの俺が責任を追及される。
「奴らは気の良い奴らじゃ。そう考えるのが利口じゃろな」
そもそも選択肢などない。ただ従うのみ。
こうして悩みに悩んだ末サインする。
「ゴー! 」
男たちは親切にも謎の安全具を直してくれた。
「オー」
「どうやら儂のは取り換えが必要らしい」
「いいんじゃないの? どうせもしもの時のアイテムなんだから」
「ノコタン…… アトリはどう思う? 」
「何か悪い予感がします。すべて拒否してください。
安全が保障されていません」
常に慎重なアトリ。
「ははは…… 考え過ぎじゃろ」
爺は気にしてない様子。
しかし今危険なのは取り換えが必要な爺さんだろう。
構わないと言うなら放っておいてもいいが。
「リーダーどうする? 」
こんな時ばかりリーダーと言って決断を迫る。
ノコタンは責任を取りたくないらしい。
「彼らに任せよう」
奴らも馬鹿じゃない。
「落ち着いたら腹が減って来たぜ。爺さん何かあるか聞いてくれ? 」
まさか恩人に食事の用意までさせる気か?
「ふむふむ…… 承知した」
「何だって? 」
「それが…… 今は食べない方が良いと。吐いてしまうと」
さすがに無理な願いだった。ここは一旦引き下がろう。
間もなく目的地。
続く
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