言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

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流浪の民

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ハックはレアアイテムのゴールデンアップル(偽)を所持。
「これはゴールデンアップル。あのハニードロップで作られてる最高級品さ。
どうだ凄いだろ? さっき近くのドンテで買って来た。
売ってたのは怪しい爺さんだったな。これさえあれば取引には支障がないはず。
あの店にはハニードロップもバニードロップも置いてあると思うぜ。
ゴールデンアップルに夢中で確認はしてないがな」
ハックはどうやらお仕置きを受けずに済みそうだ。

「えらいじゃない。それを寄越しなさい! 」
「ヤダね。これは俺のものさ! 」
強欲なハックに手を焼くエクセル。
「あんた正気? エンゼルカードを勝手に使って何を言ってるの? 」
「少しぐらいいいだろ? なあゲン」
こっちに同意を求めるハック。俺を巻き込むなよな。
「待てよ。それよりも良い情報がある。お前たちが探していた流浪の民の件だ。
恐らく俺たちのグループではなく別れた方だと思う。
だったら尚更会いに行く方がいいだろ? 」
ハックは己の存在価値をよく理解している。
流浪の民の居場所を知ってるのは自分だけだと開き直る。
だがそれなら無理矢理吐いてもらえばいいさ。馬鹿なのか? 取引にもならない。

「それはそうだけど…… あなたのお仲間が知ってる保障はない」
エクセルは慎重だ。
「ああだが取引相手だって今どこにいてどこに向かってるか知らないだろ? 」
そう何の為にバニードロップを探したかと言えばアンたちの居場所を聞き出す為。
だが正確な場所など分かるはずがない。だだの情報屋では古い情報しかないだろう。
流浪の民がその地に長くとどまるならその古い情報でもいい。
だが一ヶ月、遅くても三か月で移動すると噂の彼らの正確な情報は得られない。

「あなた本当に分かるの? 」
「まあな。俺の親友にまめな奴がいてな。分れた奴らと手紙のやり取りをしてる。
だからそいつに聞けば一発でアンって子の現在地を知れるはず。
だから仲間と合流するのさ」
仕方がない。これも運命。ハックを再び信用することにした。
どうせもう取引には間に合わない。

さっそく仲間のところへ。
「ほらそのカード返しなさい」
エンゼルカードは俺たちの生命線。奴に渡したままでは破綻する。
「へへへ…… もっと豪遊したかったのにな。俺じゃない。ゲンが持ってる」
満更悪い奴でもなさそうだ。大人しく戻って来るのだから。

「出発! 」
「おう! 」
「その前にドンテに行きましょうか」
エクセルはアイテム収集に余念がない。
今後の旅に備えて大量ににアイテムを買い込む。

ドンドン…… ドンテ。
「お爺さんは? 」
店員さんに聞いてみる。
「それだったらもういないよ。爺さんに用があるのかい? なら気をつけな。 
レアアイテムだとか言ってとんでもない額のを売りつける」
「俺のは安かったっすがね」
「そう最初は安く。それで次の日に目玉だとか言って高額商品を売りつけるんだよ。
引っ掛からなくてよかったね。迷惑だから退くように言うんだけど聞きやしない」
店員も呆れてるそう。
少々耳障りな雑音から逃れるようにドンテを出る。

「あれ何も買わなかったの? 」
「ええ特に…… レアアイテムが欲しかっただけだから」
他でも買えると冷静なエクセル。

「さあ案内してね」
「分かったって…… 俺だって元に戻りたいんだからよ」
何だかんだ言って仲間が恋しいようだ。まったく情けない奴だな。
俺なんかもうアンのいない生活に慣れてしまった。

「その地図を見せてみろ! 」
漁ったのでエクセルが何を持っているか分かったらしい。
まったく油断も隙もない。
さすがはハッカー。盗むのは得意中の得意。
「たぶんこっちに行けばいいと思う」
ハックの後に続く。

郊外は人がまばら。そのもっと外へと。
そこには忘れ去られた空き家がいくつも。
今はどうやら人が住んでないせいか雨ざらしになってるボロボロの家。
自然災害に遭えばイチコロ。
とても人が住めたようなところではないボロ屋敷に隠れ住んでいる。
それがハックの仲間たち。

ドンドン
ドンドン
「合言葉を言え! 」
「流浪」
「よし通って良いぞ! 」

こうして仲間の待つ隠れ家へ。

                     続く
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