38 / 200
消えたハック
しおりを挟む
囚われのハックは何と流浪の民だった。
帰りたいと言うハックに同行し流浪の民の住処へ向かうことに。
これでハニードロップもバニードロップも不要。男と取引する必要もなくなった。
翌朝。事態は急展開を迎える。
「あれハックは? 」
昨夜仲間になったハックの姿がどこにも見当たらない。
まさか逃げたのか? でもなぜ? 仲間のところに連れて行く約束だったのに。
「お風呂じゃない? 」
妖精さんも今起きたところで今朝は姿を見てないと話す。
「いないよ。何か嫌な予感がするんだよね俺」
「気のせいでしょう。その辺にいるわよ」
自信満々のエクセル。彼女の予想ではすぐに見つかると舐めてかかる。
俺だってそう思いたいけど奴の素性は知れないし信用も出来ない。
トラブル発生。
「あれ? 俺のワードフォルダーがなくなってる」
バックの中にしまったワードフォルダーがどこにも。その中には暴言カードが。
あれ? ノーマル暴言カードはバックの中に散らばってる。
なぜかレアカードだけがなくなっている状況。
くそ! レアカードだけ抜き残りを捨てやがった。
まさかあの野郎が盗んでいきやがったか?
まったく本当に油断ならない奴だな。
恩を仇で返すとは良い度胸してる。
裏切ったのか? まさか奴は最初から俺たちを裏切るつもりで?
そうだとすれば悪意を持ってわざと近づいたことになる。
縛られていたのも演技? すっかり騙された。
もしこれで悪気がなかったら狂ってることになる。
「ハック! ハック! ハック! 」
「大丈夫。落ち着いて。あれ…… ちょっとどこよ! 」
エンゼルカードがどこにも見当たらないと主張する。
お支払い可能なエンゼルカードがなければ何も買えない。
いきなり大貧民へと転落する。
「やっぱり逃げたんだろう。早く探さなくちゃ。まだ遠くに行ってないさ」
「あのガキ! ふざけやがって! 」
冷静さを失った妖精さんは似つかわしくない暴言を吐き窓から出て行ってしまった。
主人公の俺を残して探しに出てしまう。
俺も追いかけるべきだろうが生憎暴言カードがない。
もしこんな時にモンスターに遭遇すれば打つ手なし。
お亡くなりになってしまう。
モンスターもそこまでバカじゃないから瀕死で許してくれる場合も。
とは言え最悪を想定するのが立派な冒険者だろう。
だからここは自重する。部屋で待機だ。
待てよ…… 血の気が引く。
まだ宿代を払ってない。しかもチップだってまだだ。
昨日調子に乗って多めにチップをあげる約束していたんだっけ。
もちろんエンゼルカードから払うつもりだったけど。
ああ、あんなこと言わなければ良かった。
これはもうガムでいいかな…… 俺も宿で一人切り。
きっと分かってくれるよね。
いや待てよ。夢だったかな。うーんどっちだろう?
もう一度寝てみるか?
もし俺まで探しに向かったら食い逃げではなく眠り逃げだ。
寝てる間に無意識で逃げてしまえばギリギリ許される。
ただ寝たふりで薄目を開けて逃走を図れば罪に問われる。
重大犯罪だ。もし捕まればアンを探すどころではない。
くそ! ここから一歩も出れない。
しかも清算も出来ない。手詰まりだ。
ふう…… どうしよう? ここはゆっくり……
現実逃避するしかない。
おやすみなさい。
再び横になる。ただ横になる分には文句ないだろ。
後はチップを要求された場合だがこれはもう寝たふりしかない。
ノックされても無視するしかない。
さあ寝るぞ!
昨夜はハックに占領されていて使えなかったが今は違う。
くそ! 汗臭くてしょうがないな。昨日しっかり洗わなかったな?
あのハッカーめ。助けた恩を忘れて盗みを働くとは最低だぜ。
人間の屑だ。
人の優しさに付け込んで仕掛けてきやがる。
エクセルは疑いもしなかったが結局真っ黒だったじゃないか。
ホワイトハッカーならまだ許せるがブラックハッカーなら躊躇しない。
刑務所にぶち込んでやる。
あああ…… これじゃちっとも寝れない。
現実逃避もままならない。
エクセルはもう捕まえてくれたかな?
ただ帰りを待つ勇者であった。
言の葉村の勇者・言右衛門。
結局三度寝して目を覚ます。
現在時刻は十一時半。もう間もなく昼飯だ。
取引の時刻が迫っている。今のところ何一つ出来てない。
ハニードロップは神父だか牧師だかに奪われたし。
もう無理だろうな。
くそ! 早くエクセル戻ってきてくれないかな。
お腹が空いて立ち上がれそうにない。
早く戻って来て!
願いが通じたのか扉が開く。
「エクセル! 」
だが期待の妖精エクセルは姿を見せない。
代わりに悪名高きハッカーが笑顔で戻って来た。
続く
帰りたいと言うハックに同行し流浪の民の住処へ向かうことに。
これでハニードロップもバニードロップも不要。男と取引する必要もなくなった。
翌朝。事態は急展開を迎える。
「あれハックは? 」
昨夜仲間になったハックの姿がどこにも見当たらない。
まさか逃げたのか? でもなぜ? 仲間のところに連れて行く約束だったのに。
「お風呂じゃない? 」
妖精さんも今起きたところで今朝は姿を見てないと話す。
「いないよ。何か嫌な予感がするんだよね俺」
「気のせいでしょう。その辺にいるわよ」
自信満々のエクセル。彼女の予想ではすぐに見つかると舐めてかかる。
俺だってそう思いたいけど奴の素性は知れないし信用も出来ない。
トラブル発生。
「あれ? 俺のワードフォルダーがなくなってる」
バックの中にしまったワードフォルダーがどこにも。その中には暴言カードが。
あれ? ノーマル暴言カードはバックの中に散らばってる。
なぜかレアカードだけがなくなっている状況。
くそ! レアカードだけ抜き残りを捨てやがった。
まさかあの野郎が盗んでいきやがったか?
まったく本当に油断ならない奴だな。
恩を仇で返すとは良い度胸してる。
裏切ったのか? まさか奴は最初から俺たちを裏切るつもりで?
そうだとすれば悪意を持ってわざと近づいたことになる。
縛られていたのも演技? すっかり騙された。
もしこれで悪気がなかったら狂ってることになる。
「ハック! ハック! ハック! 」
「大丈夫。落ち着いて。あれ…… ちょっとどこよ! 」
エンゼルカードがどこにも見当たらないと主張する。
お支払い可能なエンゼルカードがなければ何も買えない。
いきなり大貧民へと転落する。
「やっぱり逃げたんだろう。早く探さなくちゃ。まだ遠くに行ってないさ」
「あのガキ! ふざけやがって! 」
冷静さを失った妖精さんは似つかわしくない暴言を吐き窓から出て行ってしまった。
主人公の俺を残して探しに出てしまう。
俺も追いかけるべきだろうが生憎暴言カードがない。
もしこんな時にモンスターに遭遇すれば打つ手なし。
お亡くなりになってしまう。
モンスターもそこまでバカじゃないから瀕死で許してくれる場合も。
とは言え最悪を想定するのが立派な冒険者だろう。
だからここは自重する。部屋で待機だ。
待てよ…… 血の気が引く。
まだ宿代を払ってない。しかもチップだってまだだ。
昨日調子に乗って多めにチップをあげる約束していたんだっけ。
もちろんエンゼルカードから払うつもりだったけど。
ああ、あんなこと言わなければ良かった。
これはもうガムでいいかな…… 俺も宿で一人切り。
きっと分かってくれるよね。
いや待てよ。夢だったかな。うーんどっちだろう?
もう一度寝てみるか?
もし俺まで探しに向かったら食い逃げではなく眠り逃げだ。
寝てる間に無意識で逃げてしまえばギリギリ許される。
ただ寝たふりで薄目を開けて逃走を図れば罪に問われる。
重大犯罪だ。もし捕まればアンを探すどころではない。
くそ! ここから一歩も出れない。
しかも清算も出来ない。手詰まりだ。
ふう…… どうしよう? ここはゆっくり……
現実逃避するしかない。
おやすみなさい。
再び横になる。ただ横になる分には文句ないだろ。
後はチップを要求された場合だがこれはもう寝たふりしかない。
ノックされても無視するしかない。
さあ寝るぞ!
昨夜はハックに占領されていて使えなかったが今は違う。
くそ! 汗臭くてしょうがないな。昨日しっかり洗わなかったな?
あのハッカーめ。助けた恩を忘れて盗みを働くとは最低だぜ。
人間の屑だ。
人の優しさに付け込んで仕掛けてきやがる。
エクセルは疑いもしなかったが結局真っ黒だったじゃないか。
ホワイトハッカーならまだ許せるがブラックハッカーなら躊躇しない。
刑務所にぶち込んでやる。
あああ…… これじゃちっとも寝れない。
現実逃避もままならない。
エクセルはもう捕まえてくれたかな?
ただ帰りを待つ勇者であった。
言の葉村の勇者・言右衛門。
結局三度寝して目を覚ます。
現在時刻は十一時半。もう間もなく昼飯だ。
取引の時刻が迫っている。今のところ何一つ出来てない。
ハニードロップは神父だか牧師だかに奪われたし。
もう無理だろうな。
くそ! 早くエクセル戻ってきてくれないかな。
お腹が空いて立ち上がれそうにない。
早く戻って来て!
願いが通じたのか扉が開く。
「エクセル! 」
だが期待の妖精エクセルは姿を見せない。
代わりに悪名高きハッカーが笑顔で戻って来た。
続く
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる