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砂漠の図書館
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神父と妖精との恋の行方は? 見物と言えば見物。
でも今はそんなこと言ってられない。
それどころかその神父に不審な動き。
彼は一体何を考えてるのだろう?
真面目で誰にも優しい来る者を拒ない神父。
そんな彼の裏の顔が暴かれたらエクセルはどうなる?
ひとまず信用のおけない神父にハニードロップを預ける。
続いて図書館へ。
「図書館ってどこにあるんだっけ? 」
ここに来てからあちこち探し回ったが図書館を見ていない。
神父さんに聞いておけばよかったかな。
勤勉で物知りの読書家なら通っていてもおかしくない。
この世界で出会った誰よりも図書館に精通してそうだ。
ただの勝手なイメージだけどね。
「ほらこっちよ」
エクセルに任せておけば安心だ。
神父さんに会ってから機嫌が良くなった。
ニコニコして気味が悪いぐらい。
いつもこうだと助かるんだけどね。でも笑顔の練習も大事。
笑い慣れてないのかたまに怖いんですけど。
「図書館ってどの辺? 」
「この地図だと…… 」
どうやらエクセルも初めてだと言う。意外にも詳しくない。
そのことを指摘すると可愛らしいほっぺを膨らませ言い訳する妖精さん。
「図書館なんか行く訳ないじゃない! 私は妖精なのよ! 」
「一度ぐらい行けよ…… 」
「何か言った? ほらこっち! ついてきて」
町を出て随分と遠くまで来た。
図書館って町の中心で割と近くにあるイメージだけどこんな外れ。
いやもう町も見えない。遠くの遠く。
いつの間に俺たちはこんなところまで?
「あそこを抜けるとすぐ左の道」
地図ではそうなのだろうがあそこってまさか砂漠? 」
砂漠を抜けるって冗談じゃない。
「うん…… 誰か前にいるよ」
再びのモンスターか?
すれ違いさえ、気づかれさえしなければ攻撃されることもない。
ここはこっそり後をつけるか。
ただどこかで見た気がする。誰だったかな?
「あの人どこかで…… 」
エクセルに聞いても返事が返ってこない。
どうしたと言うのだろう? 疲れたか?
繊細で壊れやすい本家のエクセルのように砂には弱いとか?
だが飛んでれば砂の影響は受けないと思うけどな。
様子のおかしいエクセルと砂漠へ。
砂漠地帯。
砂粒が目と口に入るので咳き込んでしまう。
ドラッグストアで買っておいたマスクを装着。
これで少しは苦しさが緩和されるだろう。
後はメガネがあるといいがそこまでは望めないか。
目の前に広がる砂漠はどこまでも続いていて終わりが見えない。
このまま行けば未知の世界に誘われないかと不安になる。
この世界にも慣れてきたと言うのに。
「おいエクセル? どうしたんだよ元気ないじゃないか! 」
それでも地図から目を離さない案内人。
自分の役目を忠実に守っている。悲しいぐらい忠実だ。
別に俺に忠実な訳じゃないからどうでもいいけどね。
「大丈夫。大丈夫だから。こっちに」
本当に人の話を聞いてるのだろうか?
前後左右すべて砂漠。こんな状態で本当に真っ直ぐ進んで良いものだろうか? 」
正体不明の人物の後を追いかける内に砂漠に迷い込んでしまった。
「なあ奴はどうした? 」
「知らないわよ! いつの間にか姿を消してたんだから」
どうやらこの辺りに隠れるような場所があるのだろう。
「おい引き返そうぜ! 俺たちは図書館を探しに来たんだ。
こんな寂しいところにあるはずないだろ? 」
だが本当に引き返せるのか?
引き返してると思ってるのは勘違いでただ明後日の方向に進んでないか?
不安と言うか疑問が湧く。
うわああ!
大量の砂嵐によって目の前が視界不良となる。
とんでもないところに来てしまった。
そう言えばここまで誰とも会ってない。
山でさえ何人かとすれ違ったと言うのに。
おかしい。おかし過ぎる。
俺たちはもう二度と戻れないのではないか?
一生この砂漠を彷徨い続けることにならないか?
いや考え過ぎかな。
だがいくら俺でも楽観的には考えられない。
どこに向かってるのかさえ不明なのだから。
ああ早く元の町に戻りたい。
出来れば村に帰りたいがこうなっては慣れてきた町だって構わない。
ああ早くどうにかしなければ取り返しのつかないことに。
「はああ! もうダメ! 」
エクセルが砂嵐でダウン寸前。
果てしない砂漠生活の一日目が始まる予感。
続く
でも今はそんなこと言ってられない。
それどころかその神父に不審な動き。
彼は一体何を考えてるのだろう?
真面目で誰にも優しい来る者を拒ない神父。
そんな彼の裏の顔が暴かれたらエクセルはどうなる?
ひとまず信用のおけない神父にハニードロップを預ける。
続いて図書館へ。
「図書館ってどこにあるんだっけ? 」
ここに来てからあちこち探し回ったが図書館を見ていない。
神父さんに聞いておけばよかったかな。
勤勉で物知りの読書家なら通っていてもおかしくない。
この世界で出会った誰よりも図書館に精通してそうだ。
ただの勝手なイメージだけどね。
「ほらこっちよ」
エクセルに任せておけば安心だ。
神父さんに会ってから機嫌が良くなった。
ニコニコして気味が悪いぐらい。
いつもこうだと助かるんだけどね。でも笑顔の練習も大事。
笑い慣れてないのかたまに怖いんですけど。
「図書館ってどの辺? 」
「この地図だと…… 」
どうやらエクセルも初めてだと言う。意外にも詳しくない。
そのことを指摘すると可愛らしいほっぺを膨らませ言い訳する妖精さん。
「図書館なんか行く訳ないじゃない! 私は妖精なのよ! 」
「一度ぐらい行けよ…… 」
「何か言った? ほらこっち! ついてきて」
町を出て随分と遠くまで来た。
図書館って町の中心で割と近くにあるイメージだけどこんな外れ。
いやもう町も見えない。遠くの遠く。
いつの間に俺たちはこんなところまで?
「あそこを抜けるとすぐ左の道」
地図ではそうなのだろうがあそこってまさか砂漠? 」
砂漠を抜けるって冗談じゃない。
「うん…… 誰か前にいるよ」
再びのモンスターか?
すれ違いさえ、気づかれさえしなければ攻撃されることもない。
ここはこっそり後をつけるか。
ただどこかで見た気がする。誰だったかな?
「あの人どこかで…… 」
エクセルに聞いても返事が返ってこない。
どうしたと言うのだろう? 疲れたか?
繊細で壊れやすい本家のエクセルのように砂には弱いとか?
だが飛んでれば砂の影響は受けないと思うけどな。
様子のおかしいエクセルと砂漠へ。
砂漠地帯。
砂粒が目と口に入るので咳き込んでしまう。
ドラッグストアで買っておいたマスクを装着。
これで少しは苦しさが緩和されるだろう。
後はメガネがあるといいがそこまでは望めないか。
目の前に広がる砂漠はどこまでも続いていて終わりが見えない。
このまま行けば未知の世界に誘われないかと不安になる。
この世界にも慣れてきたと言うのに。
「おいエクセル? どうしたんだよ元気ないじゃないか! 」
それでも地図から目を離さない案内人。
自分の役目を忠実に守っている。悲しいぐらい忠実だ。
別に俺に忠実な訳じゃないからどうでもいいけどね。
「大丈夫。大丈夫だから。こっちに」
本当に人の話を聞いてるのだろうか?
前後左右すべて砂漠。こんな状態で本当に真っ直ぐ進んで良いものだろうか? 」
正体不明の人物の後を追いかける内に砂漠に迷い込んでしまった。
「なあ奴はどうした? 」
「知らないわよ! いつの間にか姿を消してたんだから」
どうやらこの辺りに隠れるような場所があるのだろう。
「おい引き返そうぜ! 俺たちは図書館を探しに来たんだ。
こんな寂しいところにあるはずないだろ? 」
だが本当に引き返せるのか?
引き返してると思ってるのは勘違いでただ明後日の方向に進んでないか?
不安と言うか疑問が湧く。
うわああ!
大量の砂嵐によって目の前が視界不良となる。
とんでもないところに来てしまった。
そう言えばここまで誰とも会ってない。
山でさえ何人かとすれ違ったと言うのに。
おかしい。おかし過ぎる。
俺たちはもう二度と戻れないのではないか?
一生この砂漠を彷徨い続けることにならないか?
いや考え過ぎかな。
だがいくら俺でも楽観的には考えられない。
どこに向かってるのかさえ不明なのだから。
ああ早く元の町に戻りたい。
出来れば村に帰りたいがこうなっては慣れてきた町だって構わない。
ああ早くどうにかしなければ取り返しのつかないことに。
「はああ! もうダメ! 」
エクセルが砂嵐でダウン寸前。
果てしない砂漠生活の一日目が始まる予感。
続く
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