言葉の暴力で世界最強! 消えたヒロインを追い求めて世界へ! 幼馴染に告白するつもりがなぜかモンスターに愛の告白を

二廻歩

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モンスターバーガー

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礼拝堂での有難いお話に加え有力な情報を得る。
何でも流浪の民に詳しいその手の専門家がいるらしい。
彼から聞ければアンの居所が掴めるやもしれない。
これは行けるぞ。期待に胸が膨らむ。

ぱくぱく
ぱくぱく
今ライスバーガーを食べているところ。
ヘルシーらしく流行ってるのだとか。
俺も実は流行りものには目がないのでさっそく並んで買ってみた。
とは言えそんな俺の日常は三年以上前の話だけどね。

ライスバーガーを食べての感想。
思っていたのとは違った。
具がない。圧倒的に炭水化物。
炭水化物に炭水化物が乗ってるイメージ。
ハンバーガーの具はご飯を引き延ばしたもの。
美味しいかと聞かれたらノーコメント。次回作に期待するしかない。
まあここには長くいない。味見程度ならいいだろう。

「そうだ。モンスターバーガーってどこに売ってるんだ? 」
妖精に聞くのもおかしいが知ってるでしょうたぶん。
この世界を知り尽くしてる訳だから。
「あなた知らないの? モンスターバーガー食べたら魂を抜かれるって話。
実際に魂抜かれた人を見たことがあるんだから」
嘘だろ…… 何て恐ろしい欠陥商品なんだ。これは自主回収のレベルを超えてる。
お知らせとお詫びが必要だろう。

「それで魂を抜かれた人はどうなる? 」
聞いたら後悔しそうな話。だが恐怖よりも興味が勝ってしまう。
「ふふふ…… どうなると思う? 」
「想像しただけで寒気がしてきた」
「大丈夫。その辺に浮いてる魂を網で捕まえればいい。
一日以内なら回収可能よ」
要するに二十四時間以内に回収できなければ最悪の結末を迎えることになる。

「それで皆助かったんだろ? 」
「ええ一人を除いてね」
恐ろしい話を聞き背筋が凍る。
「もうよしましょうこんな話。モンスターバーガーを食べるなってことでね」
「待ってくれよ。俺はどうしても喰いたいんだ!
魂と引き換えに喰うぐらいだから美味いんだろ? ああ想像するだけで涎が…… 」

首を振り否定するエクセル。
「嘘を言うなよ! 」
「嘘じゃない! 魂を犠牲にするほどのものじゃない。
ただの脂っこいファストフード。太っちゃうわよ」
「お前食ったのか? 人間か? 」
構える。

「もう私は妖精でしょう? だからモンスターバーガーは食べられるの。
もちろんモンスターバーガーで売り出してるけど中身は偽物。
そんな簡単にモンスターの肉は手に入らないわ。
あれはその辺のゲテモノの肉を使ってる。
味を濃くしてるからさぞかし美味しいように感じるけど一回目だけ。
それ以降はただの胸やけもの」

そうだった。こいつは妖精。人間じゃない。
「だったら魂が抜けるってのは嘘だな」
「待って…… 魂は抜けるわよ。まず食べるでしょう。そうすると痺れてくるから。
次に意識を失いあっと言う間に魂を抜かれる。これは人間が分解できないもの。
それが胃に入るともう助からない。人間には分解できない成分が含まれてる。
もし口にしたらすぐに吐き出しなさい。五分以内に吐き出せば助かるかもしれない。
助からないかもしれない。これが今後の展開にも関係するからメモするように」
モンスターバーガーから思いもかけない情報を引き出す。

「ごめんなさい今のは忘れて。あまりにもあなたに有利な展開になる。
これではイージーゲームになる」
ふふふ…… その手には乗らない。これはゲームじゃない。村の存続を懸けた戦い。
すぐにでもアンたちを連れ戻す。だがここでは大人しく従う振りをする。
「ああ分かったよ。今の話は忘れるよ」
モンスターバーガーは人間には恐ろしい食い物。
それを食しても問題ないこの女は化け物。
体の構造が違う。
そう考えると彼女の勧めるものを安易に食べるのは危険。
その毒性を認識できていないかもしれない。
いくら妖精と言っても人間とモンスター。
気をつけるに越したことはない。
おっちょこちょいだと余計に警戒すべきだろう。
「ありがとう。では食べ終わったことだしそろそろ行きましょう」
待ち合わせ場所のドラストへ。

果たして情報屋は姿を見せてくれるだろうか?

                   続く
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