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第一章
25.魂が違えど愛している
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【ケインside】
エイトがダリウスの顔を引っ張叩くとアベルを連れて食堂から居なくなった。
アークとエリックは叩かれたダリウスの傍に近寄り、心配そうに慌てていたが、外にいる2人の方が心配だった。
「すまないが我は2人を見てくる」
「分かった」
「こっちは任せといてー」
「あぁ、ありがとう」
2人にダリウスを任せた後、バラ園を中心に探していると見つけて近づこうとすると、座りながら何か真剣そうに話していた。
聞いてはいけないなと察知して離れて見守ろうとした瞬間エイトの口から有り得ない言葉ばかり出てきた。
まるで今の現実が前にも起きていたかのように普通に理解して言葉を交わしてた。
二人の会話はまるでエイトがアベルだったかのように話し、アベルは本当は違う魂だったかのようだった。
我も突然激しい頭痛が襲いその場を静かに離れた。
フラフラと歩く度に痛みが酷くなる。
「う、くそっ」
激しい頭痛の中、誰も居ない場所に着く。
遂に歩けなくなる程の痛みが襲ってきて倒れ込む。
「はぁっ、ぐぅぅ」
一気に我の知らない記憶が流れ込んでくる。
あまりにも膨大な記憶量に気絶しそうになるが何とか堪えた。
何時間か何分が経ったか分からない。
だが、全て思い出した我は手で顔を覆って呟いた。
「あぁ、やはり皇子が実行したのか」
ハッと嘲笑いながら頭の整理をする。
2度目の人生は前世よりもかなり変わっている。
仲が良かった家族の絆を犠牲にして前世の皇子が決めた言葉を吐くと前世の記憶を思い出させるようにした。
そして、今世の我は家族に愛されない苦しみで、アベルに出会うまでひねくれたまま育った。
「あの溺愛する両親が我を嫌うなんて前世では絶対に想像出来なかったな。
それに皇子は今の所思い出していないようだ」
それよりも驚いたのは我が密かに慕っていたダニエリック公爵は今世ではエイトに転生していた。
今世で我を救ってくれたアベルはダニエリック公爵の転生者なのだろうか?
「まぁダニエリック公爵の転生者では無くとも、我はアベルを愛しているからどっちでもいい」
ダニエリック公爵を慕っていた感情は前世のの復讐を果たした時に終わった。
今は我の隣で笑ってくれるアベルを愛している。
「さて、そろそろ戻るか」
3人の所に戻ると仲良くアベルとエリックについて談義していた。
我もその中に入り紅茶を啜りながら3人の話を聞きながら心の中で相槌をうつ。
するとエイトがダリウスの顔面を叩き付けて怒っていた。
前世の性格が少し違っているのも面白い。
アベルも此方に来て会話をした。
2人はアベルについての愛を聞かれていたのを指摘されて出ていってしまう。
「アベル」
声をかけるとニコッと笑う。
「あ、ケインは俺の事話してなかったな!」
「ふむ、確かにアベルの話を聞けてよかったが。わざわざ我が3人に語る必要が無いほどアベルを愛しているから喋らなかった」
別に語らなくても我だけ知ってれば良いしな。
「ほんとケインは俺の事好きだよなー」
顔を赤くしながらわしゃわしゃ我の頭を撫でる。
あぁ、改めてアベルが愛おしい。
撫でていた手を掴み手のひらにキスをすると更に真っ赤になって可愛い。
クスリと笑って自分の想いを伝えた。
「我は何があってもアベルをずっと愛している」
「………ん??」
「だから魂は違えど今度は護らせてくれ」
「は???なんの話しだよ??」
意味わからないと言う顔で見られる。
たとえ魂が違っても前世の記憶があっても我はアベルを愛してる。
そう心の中で呟いて、真顔で嘘を言う。
「最近読んだ恋愛小説のセリフだ」
「はぁ冗談かよ。紛らわしいわ!!」
ぐわっと顔を赤くしながら言われるが小動物みたいで可愛らしい。
「フフ、すまない」
「本当にびっくりしたわ。
てか、あの二人探しに行くぞ」
「……あぁ」
つかつかと先に歩くアベルの後を追う。
さて、今頃あのゴミ共は何をしているのだろうな。
続く…
エイトがダリウスの顔を引っ張叩くとアベルを連れて食堂から居なくなった。
アークとエリックは叩かれたダリウスの傍に近寄り、心配そうに慌てていたが、外にいる2人の方が心配だった。
「すまないが我は2人を見てくる」
「分かった」
「こっちは任せといてー」
「あぁ、ありがとう」
2人にダリウスを任せた後、バラ園を中心に探していると見つけて近づこうとすると、座りながら何か真剣そうに話していた。
聞いてはいけないなと察知して離れて見守ろうとした瞬間エイトの口から有り得ない言葉ばかり出てきた。
まるで今の現実が前にも起きていたかのように普通に理解して言葉を交わしてた。
二人の会話はまるでエイトがアベルだったかのように話し、アベルは本当は違う魂だったかのようだった。
我も突然激しい頭痛が襲いその場を静かに離れた。
フラフラと歩く度に痛みが酷くなる。
「う、くそっ」
激しい頭痛の中、誰も居ない場所に着く。
遂に歩けなくなる程の痛みが襲ってきて倒れ込む。
「はぁっ、ぐぅぅ」
一気に我の知らない記憶が流れ込んでくる。
あまりにも膨大な記憶量に気絶しそうになるが何とか堪えた。
何時間か何分が経ったか分からない。
だが、全て思い出した我は手で顔を覆って呟いた。
「あぁ、やはり皇子が実行したのか」
ハッと嘲笑いながら頭の整理をする。
2度目の人生は前世よりもかなり変わっている。
仲が良かった家族の絆を犠牲にして前世の皇子が決めた言葉を吐くと前世の記憶を思い出させるようにした。
そして、今世の我は家族に愛されない苦しみで、アベルに出会うまでひねくれたまま育った。
「あの溺愛する両親が我を嫌うなんて前世では絶対に想像出来なかったな。
それに皇子は今の所思い出していないようだ」
それよりも驚いたのは我が密かに慕っていたダニエリック公爵は今世ではエイトに転生していた。
今世で我を救ってくれたアベルはダニエリック公爵の転生者なのだろうか?
「まぁダニエリック公爵の転生者では無くとも、我はアベルを愛しているからどっちでもいい」
ダニエリック公爵を慕っていた感情は前世のの復讐を果たした時に終わった。
今は我の隣で笑ってくれるアベルを愛している。
「さて、そろそろ戻るか」
3人の所に戻ると仲良くアベルとエリックについて談義していた。
我もその中に入り紅茶を啜りながら3人の話を聞きながら心の中で相槌をうつ。
するとエイトがダリウスの顔面を叩き付けて怒っていた。
前世の性格が少し違っているのも面白い。
アベルも此方に来て会話をした。
2人はアベルについての愛を聞かれていたのを指摘されて出ていってしまう。
「アベル」
声をかけるとニコッと笑う。
「あ、ケインは俺の事話してなかったな!」
「ふむ、確かにアベルの話を聞けてよかったが。わざわざ我が3人に語る必要が無いほどアベルを愛しているから喋らなかった」
別に語らなくても我だけ知ってれば良いしな。
「ほんとケインは俺の事好きだよなー」
顔を赤くしながらわしゃわしゃ我の頭を撫でる。
あぁ、改めてアベルが愛おしい。
撫でていた手を掴み手のひらにキスをすると更に真っ赤になって可愛い。
クスリと笑って自分の想いを伝えた。
「我は何があってもアベルをずっと愛している」
「………ん??」
「だから魂は違えど今度は護らせてくれ」
「は???なんの話しだよ??」
意味わからないと言う顔で見られる。
たとえ魂が違っても前世の記憶があっても我はアベルを愛してる。
そう心の中で呟いて、真顔で嘘を言う。
「最近読んだ恋愛小説のセリフだ」
「はぁ冗談かよ。紛らわしいわ!!」
ぐわっと顔を赤くしながら言われるが小動物みたいで可愛らしい。
「フフ、すまない」
「本当にびっくりしたわ。
てか、あの二人探しに行くぞ」
「……あぁ」
つかつかと先に歩くアベルの後を追う。
さて、今頃あのゴミ共は何をしているのだろうな。
続く…
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