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第一章
23.話し合い
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ズルズルとエイトに引きづられて来た場所は、俺が散歩してる中で1番気に入っている綺麗な薔薇が一面に咲いている美しいバラ園だった。
「おい、急にどうしたんだよ」
「どうものこうも、お前と話しに来たのにおかしいだろう?」
「あ、そっか」
「馬鹿かお前は」
飽きられた顔をして前を向いた瞬間。
急に掴まれてた手をパッと外されて無様に転んだ。
「おい!エイ…ト」
「……ここの花園は王城みたいに綺麗だな」
そう呟いたエイトの顔は過去を思い出しているのか、何処か切なそうだった。
まさか…とは思ったけど、流石に浮かび上がった嫌な可能性は捨てよう。
「で?俺をここに連れてきてどうするの」
「ふむ、適当に引き摺ってたから取り敢えず座れる所に案内しろ。話はそれからだ」
「適当に引き摺ってきた癖に生意気だなぁ」
「何か言ったか?」
「い~え、何にもありません」
ギリロと恐ろしい圧を感じ、急いで座れる所に案内すると優雅に座った。
所作が美しいのは流石は元公爵家のお坊ちゃまだ。
記憶有りの俺でもそんなに優雅に座れないぜ。
はぁと心の中でため息を吐きながら、エイトに聞きたいことを言う。
「なぁエイトってマジで市民なの?」
「あの時も言っただろう」
「いやいや、俺の考えてた市民の想像とは180度違ってたんだけど!?」
「はぁ?しっかり伝えただろ。やりがいもあるし自由に行動も出来て家族(構成員)や友達(幹部)に悩みなど話せると」
「省略し過ぎだろ、誰が分かるかそんなもん!」
ギャグ漫画みたいなツッコミしてしまう位には全く言葉足りなすぎだろ!?
「急に怒鳴るな、ビックリするだろう」
「こっちがビックリだわ!」
「そうか、元気なのは良いが落ち着け」
「ぐっ」
「ゴホン…お前と会って話したかった理由は、相変わらず元気なのかと僕の計画に手を貸して欲しくてね」
「計画?」
「うん、エヴァンに会いたいんだ」
「………は、はぁぁぁぁあ!??」
「うん、そういう反応されると想定していたよ」
「そりゃあそうでしょ!死んだ理由の根源じゃん!?」
「それはミカが原因だったからだろう」
色のない声とゾッとする程に空気が寒くなる。
それによく分からないけど空気が鉛のように重くて苦しいが、無意識に震える体を抑えつつ平静を装う。
内心冷や汗をかいてエイトの地雷踏んじまったかもしれないと焦せりながら謝った。
「地雷踏んだなら謝る」
「地雷?」
「殺気みたいなの出てんぞ」
「……すまない。無意識に出ていた」
空気が元に戻って戻って安心した。
でも、なんで会いたいのかが分からなくて理由を聞いてみた。
「なんで皇子に会いたいか理由聞かせろ」
「話が長くなるぞ」
「いいから」
「……確かにミカが原因でエヴァンが無い罪を被せて僕を殺したのは今でも許せないよ」
「そりゃあな」
「だが、エヴァンはミカに溺れる前は本当に素敵な皇子様だったよ。
プライド高くて可愛げもない言葉ばかり吐く僕の代わりに沢山溢れるくらいの愛を囁いて抱きしめてくれたんだ」
「…うん」
なんか俺の前世との記憶と少し違うけど、細かい記憶が受け継がれてないだけなのか?
「ミカが転入してきてからは余りエヴァンとは話さなくなった。それもミカが僕が1人の時を狙って煽ったり牽制してきたりするから無視したり論破していたな」
「え!?」
「1度だけ本気で怒鳴って泣かせたら、次の日から愛しいエヴァンが僕を軽蔑するような目で見てきて、その後はご覧の通り死刑だ!」
ハハッと笑顔だけど目が笑ってないから怖いけど、
俺も記憶見たしエイトの気持ちは何となくだけど分かる。
「違う体に転生してからはチャンスだと思って、絶対に復讐してやるって考えながら学習したよ。
でも数年経った頃に段々とミカが居なけれエヴァンは狂わなかったんじゃないかって冷静になってね」
「う、うん」
「そう思ったら今世は僕の体に入った君に託して復讐するのは辞めようってなったんだ。
そして他の事を模索した結果が裏組織の頭領だ」
他の事やろうと模索した結果が隣国にも恐れられてる裏組織の頭領ってよく分からん事になってるけどな。
「でも君と夢で会って、君は僕と違って逆にエヴァンに嫌われるように行動して挙句の果てにはボコボコにしたって聞いてスッキリしたよ」
「そりゃどうも」
「その話を聞いてから、やっぱり殺されて死ぬほど恨んでもね。
やっぱり心の底から愛してるエヴァンが恋しくなって会いたくなったんだ」
「そうだったんだ」
相槌打ちながら聞いてたけど、色々と内容が濃すぎて頭ショートしかけてるわ!
てか、細かい内容が引き継がれなかったのか不思議過ぎる。
エイトが死んだ後に何かあったのかもしれないから可能性的には捨てきれないけど。
「で、僕の計画に賛同してくれるか?」
「ん~協力したいのは山々なんだけど、王国に追われてるし正直無理かも」
「…もし計画に賛同してくれたらお前がやろうとしている事業を支援してやる」
「……しょうがねぇなぁ!協力してやるよ!!」
満悦の笑顔でガシッと手を掴むと、エイトはポカンとして少し苦笑いした。
続く
「おい、急にどうしたんだよ」
「どうものこうも、お前と話しに来たのにおかしいだろう?」
「あ、そっか」
「馬鹿かお前は」
飽きられた顔をして前を向いた瞬間。
急に掴まれてた手をパッと外されて無様に転んだ。
「おい!エイ…ト」
「……ここの花園は王城みたいに綺麗だな」
そう呟いたエイトの顔は過去を思い出しているのか、何処か切なそうだった。
まさか…とは思ったけど、流石に浮かび上がった嫌な可能性は捨てよう。
「で?俺をここに連れてきてどうするの」
「ふむ、適当に引き摺ってたから取り敢えず座れる所に案内しろ。話はそれからだ」
「適当に引き摺ってきた癖に生意気だなぁ」
「何か言ったか?」
「い~え、何にもありません」
ギリロと恐ろしい圧を感じ、急いで座れる所に案内すると優雅に座った。
所作が美しいのは流石は元公爵家のお坊ちゃまだ。
記憶有りの俺でもそんなに優雅に座れないぜ。
はぁと心の中でため息を吐きながら、エイトに聞きたいことを言う。
「なぁエイトってマジで市民なの?」
「あの時も言っただろう」
「いやいや、俺の考えてた市民の想像とは180度違ってたんだけど!?」
「はぁ?しっかり伝えただろ。やりがいもあるし自由に行動も出来て家族(構成員)や友達(幹部)に悩みなど話せると」
「省略し過ぎだろ、誰が分かるかそんなもん!」
ギャグ漫画みたいなツッコミしてしまう位には全く言葉足りなすぎだろ!?
「急に怒鳴るな、ビックリするだろう」
「こっちがビックリだわ!」
「そうか、元気なのは良いが落ち着け」
「ぐっ」
「ゴホン…お前と会って話したかった理由は、相変わらず元気なのかと僕の計画に手を貸して欲しくてね」
「計画?」
「うん、エヴァンに会いたいんだ」
「………は、はぁぁぁぁあ!??」
「うん、そういう反応されると想定していたよ」
「そりゃあそうでしょ!死んだ理由の根源じゃん!?」
「それはミカが原因だったからだろう」
色のない声とゾッとする程に空気が寒くなる。
それによく分からないけど空気が鉛のように重くて苦しいが、無意識に震える体を抑えつつ平静を装う。
内心冷や汗をかいてエイトの地雷踏んじまったかもしれないと焦せりながら謝った。
「地雷踏んだなら謝る」
「地雷?」
「殺気みたいなの出てんぞ」
「……すまない。無意識に出ていた」
空気が元に戻って戻って安心した。
でも、なんで会いたいのかが分からなくて理由を聞いてみた。
「なんで皇子に会いたいか理由聞かせろ」
「話が長くなるぞ」
「いいから」
「……確かにミカが原因でエヴァンが無い罪を被せて僕を殺したのは今でも許せないよ」
「そりゃあな」
「だが、エヴァンはミカに溺れる前は本当に素敵な皇子様だったよ。
プライド高くて可愛げもない言葉ばかり吐く僕の代わりに沢山溢れるくらいの愛を囁いて抱きしめてくれたんだ」
「…うん」
なんか俺の前世との記憶と少し違うけど、細かい記憶が受け継がれてないだけなのか?
「ミカが転入してきてからは余りエヴァンとは話さなくなった。それもミカが僕が1人の時を狙って煽ったり牽制してきたりするから無視したり論破していたな」
「え!?」
「1度だけ本気で怒鳴って泣かせたら、次の日から愛しいエヴァンが僕を軽蔑するような目で見てきて、その後はご覧の通り死刑だ!」
ハハッと笑顔だけど目が笑ってないから怖いけど、
俺も記憶見たしエイトの気持ちは何となくだけど分かる。
「違う体に転生してからはチャンスだと思って、絶対に復讐してやるって考えながら学習したよ。
でも数年経った頃に段々とミカが居なけれエヴァンは狂わなかったんじゃないかって冷静になってね」
「う、うん」
「そう思ったら今世は僕の体に入った君に託して復讐するのは辞めようってなったんだ。
そして他の事を模索した結果が裏組織の頭領だ」
他の事やろうと模索した結果が隣国にも恐れられてる裏組織の頭領ってよく分からん事になってるけどな。
「でも君と夢で会って、君は僕と違って逆にエヴァンに嫌われるように行動して挙句の果てにはボコボコにしたって聞いてスッキリしたよ」
「そりゃどうも」
「その話を聞いてから、やっぱり殺されて死ぬほど恨んでもね。
やっぱり心の底から愛してるエヴァンが恋しくなって会いたくなったんだ」
「そうだったんだ」
相槌打ちながら聞いてたけど、色々と内容が濃すぎて頭ショートしかけてるわ!
てか、細かい内容が引き継がれなかったのか不思議過ぎる。
エイトが死んだ後に何かあったのかもしれないから可能性的には捨てきれないけど。
「で、僕の計画に賛同してくれるか?」
「ん~協力したいのは山々なんだけど、王国に追われてるし正直無理かも」
「…もし計画に賛同してくれたらお前がやろうとしている事業を支援してやる」
「……しょうがねぇなぁ!協力してやるよ!!」
満悦の笑顔でガシッと手を掴むと、エイトはポカンとして少し苦笑いした。
続く
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