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第一章

7.気に食わない

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前世同様に相変わらず周りから可愛がられていた。
皇子様も無邪気にミカに甘えられて嬉しそうに照れながら喋っているその光景を見てやはりズキズキと心が痛くなり、前世の感情が邪魔でしょうがない。

すると目の前にミカが来て明るく喋る。

「僕の名前はミカです!皇子様と仲良くなったので僕達も仲良くなりませんか」

「……」

当然、前世あんな事した奴と絶対に話したくなくて完全スルーを決めた。

「あの、アベル…様?」

「………」

チラリとバレないように表情を見ると凄い困惑してて笑けてくる。
皇子様もこっちに来て話し掛けてきた。

「アベル、流石に無視は酷いんじゃないか」

「……皇子様が彼の事で私に口を出す理由が見つからないんですが?」

「無視されて傷ついてるんだよ?」

「私も読書中に急に上から目線で話し掛けられて迷惑してたんですが?」

パタンと本を置いて2人を見据えると戸惑っていて、この際、面倒臭いしハッキリ言っとくか。

「貴方達が勝手に仲良くなろうが私には関係ないし関わらないで頂きたいんです。
それに、私も友人を選ぶ権利がありますけど?」

「ひっひどい!」

ミカが態とらしく泣いたから更に言ってやった。

「男が沢山いる中メソメソ泣いてて恥ずかしくないんですか?私だったら恥ずかしくてもう外出れないですよ」

その瞬間、皇子様が泣いているミカの肩を抱いて怒鳴った。

「言い過ぎだぞアベル!仲良くなりたいって言っただけで何故そこまで言うなんて!」

めんどくせぇなコイツ、何なんだよ。

「私は元々こういう性格なのですが?
それでも仲良くなりたいならお2人でこの本を理解てからまた話しかけて下さい。」

スっとカバンから絶対に常人では理解出来ないであろう高難易度の本を渡してさっきの続きを読み始めた。

それから重要な要件以外は俺に話し掛けて来る事も無くなり2人は前世と同じ様に少しずつ親密な関係になっていた。




そして時が経ち、やっと待ち望んだデビュタントを迎えた。
俺は早くアイツらに会いたくてうずうずしながら会場に向かう。
そして入場して友人を探すけど、まだ来ていないらしい。
誰も話し掛けに来ないからシャンパンを飲みながら壁に寄りかかり周りの光景を見渡していた。

前世のデビュタントの時は皇子様とミカがお揃いのコーデで入場してきて怒鳴り散らしてシャンパンぶっ掛けたんだっけか。
まぁ婚約者をエスコートしないで他の男をエスコートして入場してきたらそりぁ誰でも怒るよな。
今回もお前をエスコート出来ないって連絡来てたしそうなんだろうな。

ハァ~~早く来ないからアイツら。
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