BLゲーの悪役に転生したら予想外の展開でした。

6.お疲れ様

椅子に座わるり、九条様がパンと手を叩いた。

「改めて、初めて晃輝のお家にお邪魔させて頂くんだけど皆は家に連絡したかな？」

「「「「した」」」」

「よし、じゃあ問題ないね！」

俺の中では問題だらけですねぇぇ！！

自分の表情が鬼みたいになりかけてるけどなんとか抑えながら考える。

さて、これからどうしようか。

どうせ家に来るなら攻略キャラ達がどれだけ西園寺の事を好きなのか詳しく知りてぇしなぁ。
よし、これを機にそれぞれこっそり聞いてみよう。

ところで。

「生徒会の仕事はいつ終わるんだ？」

山のように積まれた書類を見ながら聞くと全員ビクッとする。
特に南の書類の数が普段サボっていた(？)のか他と比べてかなり多いい。

ん？これ理由つけて何か言ったら俺の家に来る展開を回避出来るじゃないか？？

そう頭に過ぎると、南は青ざめて焦りながら。

「こっ光くん！！絶対に直ぐに全員仕事を終わらせるから少しだけ待っててくれないかな？」

「は？俺はお前らに時間を割くほど暇じゃない」

「そんなぁ(泣)」

うるうると目に涙を滲ませて上目づかいで見られる。
くそっ！普段俺様の性格悪いキャラの泣き顔はギャップがエグすぎて反則だろ！！

「光くん(うるうる)」

やめろ、そんな表情で俺を見ないでくれ！
めっちゃユルユルになっちゃうから。

「……あと20分待ってやるから全員終わらせろ」

「「「「「わかった！」」」」」

もうダメだと沈んでた表情から一転して、太陽の様に表情が明るくなった。
やる気が出たのか先程以上に高速でバリバリ書類を片付けている。

一方俺は差し出された紅茶を冷静な顔して飲みながら、何で馬鹿な事したんだろと後悔していた。

此処で泣き顔に耐えて冷静になってれば回避出来たはずなのになぁぁ。
でも、その対価として南の泣き顔スチルが見れたから良しとしよう。
ゲーム内では泣き顔なんて絶対に拝めなかったからめちゃくちゃ可愛かったなぁ。

俺の心のフォルダに永久保存しよ。

ーーーーーーーー

「「「「「終わった！！」」」」」

一斉に攻略キャラ達が机に倒れ込む。
まさか、本当に20分以内であの沢山あった資料を全て終わらせてしまった。

流石の俺も驚きでついポロリ呟く。

「…お疲れ様」

その瞬間、近く居た南と朱雀が俺と声を聞こえてたっぽくて凄い表情して泣きながら叫んだ。

「光くん！！！俺達のこと待っててくれた上に褒めてくれるなんて！！本当に幸せだよ♡♡♡」

「そうやな♡そうやな♡」

やべぇ、つい口が滑っただけなのに何でこんな一言で嬉しがられてんだ？？
てか、どんだけ西園寺がこんなになるまで攻略キャラ達に酷い態度で接してきたんだよ。

だから攻略キャラ達が変なのか？？

ぐるぐる考えてると九条様と三枝が美しく泣き出して荒木に至っては台パンして悶えていた。

え、何なんだこのカオスは？？？

さっさと収集しないと一生終わらない雰囲気やろこれ。

俺は顔が真っ青になりながら立ち上がりパンっと手を叩いた。

「仕事が終わったならさっさと帰る準備しろ！」

魂込めてそう叫んだら攻略キャラ達は直ぐに立ち直ってそれぞれ帰る準備を始めた。

そして、ここから地獄の自宅パーティーが始まるのかと思うと今度は胃が痛くなってきた。


続く