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Dead End ユUキ・サクラ (18)
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「せ、成功した!!」
勇気くんの手のひらには小さな、爪楊枝と大差変わらないサイズの槍が精製されている。大きさはともかく!!
「やったじゃん!凄い凄い!始祖様の秘術を再現できてる!!」
「ああ!最後の最後!これが失敗したら触媒が無くなる瀬戸際!俺は、やった!やったぞ!…ん?」
嬉しそうにガッツポーズを取ったり、小さな小躍りをしていたと思ったらどうしたの?急に止まって?
『…うん、私も何となく魔力の流れって言うか使い方を…わかるようになってきた気がする』
あ、そうなの?良かったじゃん、それじゃ、最後に成功したのはユキさんも手を貸したからっとか?
『うん!私も言われたとおりに念じてみたり思考を合わせてみたりしてみたんだけど、そん時に…今まで分からなかった感覚っていうのかな?なんか、掴めたような気がする』
そっか!良かったじゃん、自分が知らない感覚を掴めれるのって良い事だよね
『うん…今まで、簡単な魔道具を触ったことがあるけれど、術式ってのは発動したことが無かったから…こんな感覚なんだね』
きっと、今まではお兄ちゃんがユキさんを補助していたのって魔道具とか術式関連の時なんじゃない?
『…そうかも』
「すまない、二人の会話を割って入るようで申し訳ないのだが、この魔導書だが」
…ぁ、口走ったかも…
「その、不味そうな顔…そうか、うむ、聞かなかったことにしよう、貴重な本なのだな。絶対に世に出してはいけない類のものだという事が良く分かった。外に持ち出すのを禁止した本当の理由が分かったよ」
察しが良くて助かります。始祖様が残した遺物って見つかっちゃうと王族が黙っていないからね。
寵愛の加護を受けた一族が隠し持っていた秘蔵の書物、その一つだからね…始祖様が残してくれた魔導書は他にもある。
加護の中にあるモノを含めると、ね。
っま、それらが何処かで活躍することは無い、だって、他の魔導書は始祖様の言語で書かれていて翻訳されていないんだもん。
この魔導書は恐らく始祖様から直接教えてもらって書いた魔導書だと思う、だからかな?なんかこう、ん?っと、疑問を感じることがある。
言われた言葉と内容がどうも噛み合わないって感じかな?だから、発動する時も、何度もトライすることになっちゃってるんだよねぇ…
それなのに…勇気くんは槍を創造してみせた。爪楊枝のサイズだけどね。
やっぱり、彼は比類なき才能を持っている…どうして?彼の時代は…魔力なんて縁のない世界だよね?…
まぁいいや、私の知ったこっちゃない。知ったところで、どうしようもない!忘れよう。
残滓共と一緒に胸騒ぎを感じたけれどね…
『姫様?』
ぁ、ごめん、ちょっと考え事してた。…伝わっちゃってたりする?
『ううん、小さくて聞こえなかったよ?お兄ちゃんがずっと爪楊枝を振って遊んでるんだけど、どうしたらいい?止めるべき?』
あ、それ爪楊枝じゃないからね
『アレが槍?そりゃ、爪楊枝も槍みたいな形してるけど…?』
一応、アレが術が成功した証し
『へ~…爪楊枝を作り出す術?』
ん~…本の通りなら今は爪楊枝でも、魔力を込め続けて行けば槍へと成長するんじゃないかな?知らんけど
『知らんけどって…知らないって事?姫様も知らないことがあるんだね』
あるよ…私が知ってることなんて、本当は凄く少なくて小さいんだよ?
『そう、なんだ…』
そう、私は所詮、このちっぽけな箱の中しか知らない、外には…
広大な大地が広がって、海があって…その向こうにも大地があって、その先には私の知らない文化や人々がいるんだよ。
…そして、空を抜けた更にもっと更に…宇宙は広がっている
『…外に出たいよね』
うん…お互い、ね…
『…』
って、しんみりすると思った?ユキさんってよわーい!ばーかばーか!
『んむ!?ぇ?馬鹿にしてるね!いきなり!もう!』
そうだよ、弱い子は皆ばーか!…私もね、馬鹿だから。馬鹿だから、必死になってる。一生懸命になってる。
馬鹿だから、夢をみる。馬鹿だから、理想を見る。馬鹿だから、生きたいんだよ。
だから、ユキさんも馬鹿!馬鹿じゃないと許さない!…同じ馬鹿だから、絶対に実現してみせるよ
ユキさんの体は、絶対に用意してみせる。魂の移動方法だって確立してみせる。何があろうと、私達の夢は終わらせない
『…うん、ありがとうお姉ちゃん』
うん!任せて!
心の中だけど、二人で微笑みあって照れくさく笑いあっているように感じる。
これが、心が通じ合っているって感覚なのかな?へへ、なんか、うん、へへ、嬉しいな。
「そろそろ、良いかな?」
んぉっと!?待っててくれたのかっていうか、聞こえてるよね!?
ゴシゴシと目を擦り、視線を向けなおす
「うむ、精悍な顔つき、サクラは良い戦士になるだろうな」
「それ、誉め言葉として間違ってない?まぁ、受け止めておいてあげる、それで何?」
すっと前に出されたのは…あれ?二本も槍がある?
「…気が付くと、二つに分かれてしまった…一つにまとめる方法はあるのか?それとも、これは何か意味があるのだろうか?」
何でだろう?貸してっと二本とも渡してもらい、解析を開始してみる…
第一解析…魔力波を充てて魔力の流れを解析する
エラー…抵抗値が高くレジストされる
第二解析…魔力を流してみて魔力の流れを解析する
エラー…魔力が通らない?鍵でもかかってる?
第三解析…物質の解析、叩いてみたり触ってみたり、何か近しい物が無いか記憶を呼び起こす
固い、そして、弾性もある、すべすべしてる…うん、わかんねぇ…なんだこれ?
第四解析…指先に魔力を集めて対象にぶつけてみる
あっさりと魔力が切れて霧散する…魔力に関する抵抗値が高い…こんな金属見たことが無い
二本を軽くぶつけ合ってみるが、チンっと金属が当たる音で魔力が弾けるような雰囲気はない?
ん~魔力を見る魔道具でチェックしたほうがいいかな?でも、感覚的にこの槍から魔力が抜け出ている様な帯びている様な雰囲気が無い。
…現時点では何が何だかわからない
槍を返しながら解析方法と結果を全て伝えると
「ふむ…」
神妙な顔つきで槍を握りしめている
彼の視線が真剣だというのは伝わってくる今何かをしているのだろう。
声を掛けずにじっと見守る
そういえば、ユキさんの気配も感じない?だとしたら、ユキさんも同じように何かをしている?…ぁ、わかったかも。
ユキさんも同じように集中していたっぽいから、ユキさんの槍、勇気くんの槍っと分かれたんじゃないかな?
「…魔力は、通る。だが、込めた魔力が何処までも吸い込まれていって、壁に当たって反射するような感覚が一切ないんだ。本当に…底なし沼に小石を投げ続けている様な感じで底が知れない…そんな物質がこの世に存在するのか?」
「それについては私も同意見、私からの魔力を受け入れないのは槍が溜める魔力を選定していると思われる、それだけならわかるけれど、魔力に対する抵抗値が魔石以上だった、あり得ない。そんな物質を見たことが無い」
精製したは良いが、生み出された物質が超常なる物質過ぎて、正直、扱いに困る…
ごくりと、二人が生唾を飲み、これをどうするべきか視線を槍とお互いを交互に見つめ合って、お互いが第一声を踏み出せていない。
…答えが出てこないからだ…その先にこれをどうすればよいのかという明確な答えが…出せない
あまりにも危険すぎる代物だと…お互いの知識や経験から感じてしまっているからこそ、迂闊な答え何て言いだせない。
迂闊な答えは言いだせないが、この本を所持しているのは私、そして、術式に関しては私の方が一日の長がある。なら、私が判断をするのが最善、だよね?
喉の奥から声を出そうとするが自然と震えてしまう。自信が無いからだろう。
「と、取り合えず、本の通りであれば、魔力を込めて行けば成長する…んだよね?うん、きっとそう、だから、えっと、取り合えず、誰かに刺さらないように保管、してもらって、魔力を日々流してみて成長させてみる、ってのはどう?」
「ぁぁ、そ、そうだな、取り合えず、机の…引き出しに入れても大丈夫なのか?魔力を帯びていないモノの上に乗せても大丈夫なのか?」
彼の疑問に私もうっかりとしていた、そうだった。こういう類のものは…
それにしても、勇気くんは博識だね~…そうなんだよ、高密度の魔力を持った魔道具、または、物質ってのは、何かしらの方法で込めた魔力を出力する方法がある可能性がある。
下手に、対策を施していない場所に置いて置くと何かの衝撃や、何かと接点、触れた時に暴発してしまい、込めた魔力が溢れ出てしまった際に、何かに変換されてしまい、何かの事象が発生するっというケースがある。
例えば、この槍の先端が熱をもって木製の机が耐え切れない熱量になってしまい、机が燃えちゃったり。
例えば、槍の先端に込めた魔力が集約して、収束して、弾ける…力の力場を失った魔力が波となって周囲を吹き飛ばす…
他にもありとあらゆる可能性があるってわけ、だって、完全に解析できたわけでもない超常なる未知の物質なんだから、可能性は無限大ってわけ。
私達の理から大きく逸脱したものだよ?何が起きるか想像も出来ない
魔道具だってそう保管の仕方が悪かったら勝手に発動することがある、その為にセーフティ機能がついている。
基本的なセーフティ構造として多いのが、魔石とは常にドッキングしていないようにしてあるし、魔力が流れて魔道具が発動するであろう箇所には蓋がされていてロックされていることが多い。
だから、使う時に魔石や、人から魔力を放出して発動させるにように出来ているからこそ、日常生活に溶け込んでいる、何処に置いといても問題ないんだよね
でも、この槍は違う…魔力を底なし沼の様に吸収した。
じゃぁ、その魔力は、何処に?その小さな物質にどうやって収まっているのって話…
魔導書の通りであれば、込めた魔力が槍自身を成長させるって考えればいいんだけどさ…
私達はそんな物質を知らない…鉱石の類が魔力を糧に肥大化するなんて聞いた事も無い…
鉱石が生き物だっていいたいのかな?…そんな、鉱石、、、こうせき?ん?
ぁ、違う。
そうじゃん、これって見た目は鉱石でも触媒は私の髪の毛?ってことは、生き物って括りにしていいってこと?
つまりは…槍の形をした眷属ってことじゃないの?マテリアルボディ…ってこと?いや、それも違うか。物質の硬質化?んん?変化?性質変化?錬金ってこと?
術式でっていうか、手のひらで術を圧縮して、錬金釜と同じ隔離と化した空間を生み出して…?…ぁぁ、ちょっと見えた気がしたかも?
勇気くんの手のひらには小さな、爪楊枝と大差変わらないサイズの槍が精製されている。大きさはともかく!!
「やったじゃん!凄い凄い!始祖様の秘術を再現できてる!!」
「ああ!最後の最後!これが失敗したら触媒が無くなる瀬戸際!俺は、やった!やったぞ!…ん?」
嬉しそうにガッツポーズを取ったり、小さな小躍りをしていたと思ったらどうしたの?急に止まって?
『…うん、私も何となく魔力の流れって言うか使い方を…わかるようになってきた気がする』
あ、そうなの?良かったじゃん、それじゃ、最後に成功したのはユキさんも手を貸したからっとか?
『うん!私も言われたとおりに念じてみたり思考を合わせてみたりしてみたんだけど、そん時に…今まで分からなかった感覚っていうのかな?なんか、掴めたような気がする』
そっか!良かったじゃん、自分が知らない感覚を掴めれるのって良い事だよね
『うん…今まで、簡単な魔道具を触ったことがあるけれど、術式ってのは発動したことが無かったから…こんな感覚なんだね』
きっと、今まではお兄ちゃんがユキさんを補助していたのって魔道具とか術式関連の時なんじゃない?
『…そうかも』
「すまない、二人の会話を割って入るようで申し訳ないのだが、この魔導書だが」
…ぁ、口走ったかも…
「その、不味そうな顔…そうか、うむ、聞かなかったことにしよう、貴重な本なのだな。絶対に世に出してはいけない類のものだという事が良く分かった。外に持ち出すのを禁止した本当の理由が分かったよ」
察しが良くて助かります。始祖様が残した遺物って見つかっちゃうと王族が黙っていないからね。
寵愛の加護を受けた一族が隠し持っていた秘蔵の書物、その一つだからね…始祖様が残してくれた魔導書は他にもある。
加護の中にあるモノを含めると、ね。
っま、それらが何処かで活躍することは無い、だって、他の魔導書は始祖様の言語で書かれていて翻訳されていないんだもん。
この魔導書は恐らく始祖様から直接教えてもらって書いた魔導書だと思う、だからかな?なんかこう、ん?っと、疑問を感じることがある。
言われた言葉と内容がどうも噛み合わないって感じかな?だから、発動する時も、何度もトライすることになっちゃってるんだよねぇ…
それなのに…勇気くんは槍を創造してみせた。爪楊枝のサイズだけどね。
やっぱり、彼は比類なき才能を持っている…どうして?彼の時代は…魔力なんて縁のない世界だよね?…
まぁいいや、私の知ったこっちゃない。知ったところで、どうしようもない!忘れよう。
残滓共と一緒に胸騒ぎを感じたけれどね…
『姫様?』
ぁ、ごめん、ちょっと考え事してた。…伝わっちゃってたりする?
『ううん、小さくて聞こえなかったよ?お兄ちゃんがずっと爪楊枝を振って遊んでるんだけど、どうしたらいい?止めるべき?』
あ、それ爪楊枝じゃないからね
『アレが槍?そりゃ、爪楊枝も槍みたいな形してるけど…?』
一応、アレが術が成功した証し
『へ~…爪楊枝を作り出す術?』
ん~…本の通りなら今は爪楊枝でも、魔力を込め続けて行けば槍へと成長するんじゃないかな?知らんけど
『知らんけどって…知らないって事?姫様も知らないことがあるんだね』
あるよ…私が知ってることなんて、本当は凄く少なくて小さいんだよ?
『そう、なんだ…』
そう、私は所詮、このちっぽけな箱の中しか知らない、外には…
広大な大地が広がって、海があって…その向こうにも大地があって、その先には私の知らない文化や人々がいるんだよ。
…そして、空を抜けた更にもっと更に…宇宙は広がっている
『…外に出たいよね』
うん…お互い、ね…
『…』
って、しんみりすると思った?ユキさんってよわーい!ばーかばーか!
『んむ!?ぇ?馬鹿にしてるね!いきなり!もう!』
そうだよ、弱い子は皆ばーか!…私もね、馬鹿だから。馬鹿だから、必死になってる。一生懸命になってる。
馬鹿だから、夢をみる。馬鹿だから、理想を見る。馬鹿だから、生きたいんだよ。
だから、ユキさんも馬鹿!馬鹿じゃないと許さない!…同じ馬鹿だから、絶対に実現してみせるよ
ユキさんの体は、絶対に用意してみせる。魂の移動方法だって確立してみせる。何があろうと、私達の夢は終わらせない
『…うん、ありがとうお姉ちゃん』
うん!任せて!
心の中だけど、二人で微笑みあって照れくさく笑いあっているように感じる。
これが、心が通じ合っているって感覚なのかな?へへ、なんか、うん、へへ、嬉しいな。
「そろそろ、良いかな?」
んぉっと!?待っててくれたのかっていうか、聞こえてるよね!?
ゴシゴシと目を擦り、視線を向けなおす
「うむ、精悍な顔つき、サクラは良い戦士になるだろうな」
「それ、誉め言葉として間違ってない?まぁ、受け止めておいてあげる、それで何?」
すっと前に出されたのは…あれ?二本も槍がある?
「…気が付くと、二つに分かれてしまった…一つにまとめる方法はあるのか?それとも、これは何か意味があるのだろうか?」
何でだろう?貸してっと二本とも渡してもらい、解析を開始してみる…
第一解析…魔力波を充てて魔力の流れを解析する
エラー…抵抗値が高くレジストされる
第二解析…魔力を流してみて魔力の流れを解析する
エラー…魔力が通らない?鍵でもかかってる?
第三解析…物質の解析、叩いてみたり触ってみたり、何か近しい物が無いか記憶を呼び起こす
固い、そして、弾性もある、すべすべしてる…うん、わかんねぇ…なんだこれ?
第四解析…指先に魔力を集めて対象にぶつけてみる
あっさりと魔力が切れて霧散する…魔力に関する抵抗値が高い…こんな金属見たことが無い
二本を軽くぶつけ合ってみるが、チンっと金属が当たる音で魔力が弾けるような雰囲気はない?
ん~魔力を見る魔道具でチェックしたほうがいいかな?でも、感覚的にこの槍から魔力が抜け出ている様な帯びている様な雰囲気が無い。
…現時点では何が何だかわからない
槍を返しながら解析方法と結果を全て伝えると
「ふむ…」
神妙な顔つきで槍を握りしめている
彼の視線が真剣だというのは伝わってくる今何かをしているのだろう。
声を掛けずにじっと見守る
そういえば、ユキさんの気配も感じない?だとしたら、ユキさんも同じように何かをしている?…ぁ、わかったかも。
ユキさんも同じように集中していたっぽいから、ユキさんの槍、勇気くんの槍っと分かれたんじゃないかな?
「…魔力は、通る。だが、込めた魔力が何処までも吸い込まれていって、壁に当たって反射するような感覚が一切ないんだ。本当に…底なし沼に小石を投げ続けている様な感じで底が知れない…そんな物質がこの世に存在するのか?」
「それについては私も同意見、私からの魔力を受け入れないのは槍が溜める魔力を選定していると思われる、それだけならわかるけれど、魔力に対する抵抗値が魔石以上だった、あり得ない。そんな物質を見たことが無い」
精製したは良いが、生み出された物質が超常なる物質過ぎて、正直、扱いに困る…
ごくりと、二人が生唾を飲み、これをどうするべきか視線を槍とお互いを交互に見つめ合って、お互いが第一声を踏み出せていない。
…答えが出てこないからだ…その先にこれをどうすればよいのかという明確な答えが…出せない
あまりにも危険すぎる代物だと…お互いの知識や経験から感じてしまっているからこそ、迂闊な答え何て言いだせない。
迂闊な答えは言いだせないが、この本を所持しているのは私、そして、術式に関しては私の方が一日の長がある。なら、私が判断をするのが最善、だよね?
喉の奥から声を出そうとするが自然と震えてしまう。自信が無いからだろう。
「と、取り合えず、本の通りであれば、魔力を込めて行けば成長する…んだよね?うん、きっとそう、だから、えっと、取り合えず、誰かに刺さらないように保管、してもらって、魔力を日々流してみて成長させてみる、ってのはどう?」
「ぁぁ、そ、そうだな、取り合えず、机の…引き出しに入れても大丈夫なのか?魔力を帯びていないモノの上に乗せても大丈夫なのか?」
彼の疑問に私もうっかりとしていた、そうだった。こういう類のものは…
それにしても、勇気くんは博識だね~…そうなんだよ、高密度の魔力を持った魔道具、または、物質ってのは、何かしらの方法で込めた魔力を出力する方法がある可能性がある。
下手に、対策を施していない場所に置いて置くと何かの衝撃や、何かと接点、触れた時に暴発してしまい、込めた魔力が溢れ出てしまった際に、何かに変換されてしまい、何かの事象が発生するっというケースがある。
例えば、この槍の先端が熱をもって木製の机が耐え切れない熱量になってしまい、机が燃えちゃったり。
例えば、槍の先端に込めた魔力が集約して、収束して、弾ける…力の力場を失った魔力が波となって周囲を吹き飛ばす…
他にもありとあらゆる可能性があるってわけ、だって、完全に解析できたわけでもない超常なる未知の物質なんだから、可能性は無限大ってわけ。
私達の理から大きく逸脱したものだよ?何が起きるか想像も出来ない
魔道具だってそう保管の仕方が悪かったら勝手に発動することがある、その為にセーフティ機能がついている。
基本的なセーフティ構造として多いのが、魔石とは常にドッキングしていないようにしてあるし、魔力が流れて魔道具が発動するであろう箇所には蓋がされていてロックされていることが多い。
だから、使う時に魔石や、人から魔力を放出して発動させるにように出来ているからこそ、日常生活に溶け込んでいる、何処に置いといても問題ないんだよね
でも、この槍は違う…魔力を底なし沼の様に吸収した。
じゃぁ、その魔力は、何処に?その小さな物質にどうやって収まっているのって話…
魔導書の通りであれば、込めた魔力が槍自身を成長させるって考えればいいんだけどさ…
私達はそんな物質を知らない…鉱石の類が魔力を糧に肥大化するなんて聞いた事も無い…
鉱石が生き物だっていいたいのかな?…そんな、鉱石、、、こうせき?ん?
ぁ、違う。
そうじゃん、これって見た目は鉱石でも触媒は私の髪の毛?ってことは、生き物って括りにしていいってこと?
つまりは…槍の形をした眷属ってことじゃないの?マテリアルボディ…ってこと?いや、それも違うか。物質の硬質化?んん?変化?性質変化?錬金ってこと?
術式でっていうか、手のひらで術を圧縮して、錬金釜と同じ隔離と化した空間を生み出して…?…ぁぁ、ちょっと見えた気がしたかも?
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