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Dead End ユ キ・サクラ (17)
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私達の寮と言う名の建物から、外に出てから、しっかりと靴を履いて、神経を使う様に緊張しながら急ぎ足だった影響もあり、呼吸が落ち着かないので、一旦、深呼吸などをして呼吸を整え、ある程度、落ち着いたらやや気持ち早歩きで広場に駆け足で向かう。
駆け足っというか、早歩きぐらいの速度で歩きながらも、姿勢を正した弾みでつい、顔を上げて上空を見つめしまう。
星々が輝く夜空、でも、お月様のお顔はお見えにならない。うんうん、今日こそ完全に新月
っとなると、やっぱり、彼が出没するのは新月限定なのだろう、1日とてズレないって感じかな?
そんな推察をしながら早歩きが段々とスキップに変化していっているのかわからないような気分で広場に向かって進む。
前に向かって進めば進むほど、気分は、無我夢中、気分高揚、絶好調!!
ふんふんっと自然と鼻息が荒くなっているのは急ぎ足で動いている影響からだよね?きっとそうだよね?楽しみで興奮しているわけじゃないよ?
無我夢中、一心不乱の域に到達する手前くらいに広場に到着する。
到着して、一瞬だけ目を瞑って術式を探ってみる…やっぱり不可思議、どういう風に術式を組み上げ展開しているのか仕様がわからない。
どうやって構築し展開しているのか、全然、まったく、一ミリも理解できない術式によって特殊な空間が形成されている。
こんな意味不明摩訶不思議奇天烈な空間、未来からの声が無い状態だったら全力で敵の攻撃などを警戒するのだけれど、今回は完全に初見じゃない、既知の物なので、躊躇うことなく、この空間を作り出している相手に遠慮なんてしないで堂々と優雅に!空間の中に入り広場の中央に向かって歩いていく。
広場の中央には、空を見上げるように顔を上げている人物の背中が見えた。ついつい、彼が何を見ているのか視線の先を私も探してしまう。
視線の先は…見えないお月様だろうか?それとも、眩く輝き夜空を埋め尽くしている星々の輝きだろうか?それとも…彼はいったいなにをみているのだろうか?
私も、彼がみつめている世界をみれるのかな?一緒の世界を共有できるのかな?
遠くを見つめている彼の背中を見つめるだけで、どうしてだろうか、私の胸が締め付けられる様な、そんな不思議な感覚が内側から溢れ出てくるような気がする。
それにしても、どうしてだろうか?彼の後ろ姿を見ていると、伝わってくる、儚くて、脆くて、繊細なイメージ…彼の背中は男らしく堂々としているの…どうしてそんなイメージが伝わってくるのだろうか?
湧き上がるイメージを噛み締めるように暫く、傍から見たら惚けるような感じで、ずっと、静かに彼の後ろ姿を見つめていると、しびれを切らしたのか向こうから声を掛けてくれる。
「遠慮しないで声を掛けてくれてもいいんだがな?姫様」
声を掛けてくれたと思ったら、その場で、くるっと華麗にターンをするように回れ右をし、私の方に体を向けると、彼と私の視線が交差するだけ。
たった、たったそれだけで、私の頬が熱くなるのを感じる、彼の声が耳に届くだけで耳も熱を帯びてしまう。
「また、今夜も遊びに来るなんてね」
近くまでゆっくりと歩いて来る…柔らかな微笑み、だけど、少々呆れたような感じでゆっくりと歩いてい来る。
そんな彼になんて、どういう風に、どんな言葉で声を掛けたらいいのだろうか?直ぐに思い浮かぶことが無い、だって、私の頭の中は真っ白になってしまったから。
「子供は寝る時間だよっていうのは野暮な話だな、一度だけじゃなく二度目っとなれば、偶然なわけがない、前回も何か言いたそうにしていたしね。さぁ、要件があるのだろう?今宵も俺たちの出会いは闇の中、誰かに見られる事も無し、遠慮せずに語り明かそう、っとなるとだ、長話になるのであれば、立ち話っていうのも優雅ではない、さぁ、おいで、こっちのベンチで座って話そう」
優しく頭をぽんぽんっと撫でられたと思ったら、手を前に差し出してくれるので、差し出された手にそっと、優しく振れるように添えると、ゆっくりと丁寧に優しく指先をつまんでくれる。
たった、たった、それだけ、ほんの少し、頭を撫でられ、指先が触れ、指先が掴まれただけで、私の心臓が勢いよく跳ねるように脈打ち、心の水面が激しく波を産み出す。
産み出された衝動に翻弄されてしまったのか、私の足が力が抜けてしまったのか、小さくふらついてしまう。
「ん?今日は、調子が悪いのか?もっと、此方に体を預けてエスコートは任せてくれたまへ」
ふらついた瞬間に、舞踏会でダンスを踊る様に自然に、優雅に、さも当然のように、すっと腰に手を添えられる。添えられたと思ったら力強く体を引き寄せられ全身を支えられてしまう、貴族の女性たちが舞踏会で恋に落ちる理由が分かったかもしれない…彼の体温…吐息が…視線が…彼の存在全てが間近で感じられる。
「これでよしっと、大丈夫かい?あるけるかい?新月の夜だから、足元が見えにくいから、それもあって、ふらついただけかい?それとも、本当に体調が悪いのなら無理をしないいほうがいいぞ?」
心配そうに声を掛けてくれるのだが、此方としてはもうどうしたらいいのかわからないくらいまっしろだから、言葉を選べれない。
なので、こくこくと頷いて返事を返すだけしか出来ない。
私の心は真っ白…何も考えれない、彼の体から伝わってくる体温を、息吹を、鼓動を、力強さを感じるだけで…
私の全てが…満たされている気がする…
彼の腕に絡みつく様にしがみ付き、彼の細いにもかかわらず力強い腕に抱きしめられるような形でベンチの前に到着すると以前のようにハンカチを広げ、ベンチに敷いてくれる。
その一連の流れで、ハンカチをまだ返してないことを思い出し、ポケットに手を入れるが…準備不足だったぁ、部屋に置いてきちゃってる。この場に持ってきていなかった。
借りたものを返す機会があったのに逃してしまった事への懺悔の感情を噛み締めていると
「さぁ、レディ、席の準備は整いましたよ、どうぞ、お掛けになってください」
じっと佇んでいるのを、彼が座る準備が整ったのだという合図を待っているのだと勘違いしたのか、優しくベンチの前に誘導され、流される様にベンチに座らせてもらう。
すると、彼もまた、ベンチに座るのだが、一連の動作が非常に優雅だった…やっぱり、所作の全てに気品がある。
本当の本当に別人なのだろう。看病してくれたユキさんとは違い過ぎる。所作も雰囲気も仕草も、何もかもが別人だ。
お互いベンチに座ったからと言って直ぐに会話が始まるわけでもなかった。
彼は私が会話を切り出すのを待ってくれているのか顔を上げて星を眺め始める、つい、私もそれに倣って遠い遠い星々を見ながら、見えないはずの照れてしまって顔を隠している月を探す様に眺めていると、静かな時間に彼から視線を外した影響なのか、次第に、私の心も落ち着きを取り戻してく
心音も落ち着いて、脈もたぶん、落ち着いてきている、ふぅっと軽く吐息を漏らした後、視線をゆっくりと隣にいる人物に向けると、表情が穏やかと言うか、何だろう?星々を見ている様で見ていない?何処か遠い場所を見ているような気がする
「…貴方はどこからきたの?」
その哀愁漂う、悲し気な表情を見て居たら、自然と声が出てしまった
「…どこからっか、俺は何処からきたのだろうな、始まりっというか、生まれは西方の小さな小さな国…この街の規模を見てしまうと恥ずかしくなるほどに小さな国…君の視点からすれば小さな村といったほうがいいだろうな」
切なそうな表情?哀愁?郷愁?…貴方は王族だと言っていた、だとしたら、王都出身じゃないの?
「この世界の地図を見たわけではないから、正確な位置まではわからないんだけどな」
そう言いながら、すっと立ち上がって、近くに落ちていた小枝を拾い、此方に戻ってきて、優雅に此方に振動が伝わってこない様に丁寧にベンチに座った後、先ほど拾ってきた小枝を使って地面に線を描いていく?…話の流れからしてきっと、地図なのだろう
「ここが、王都で…ここが、君の街だ、っで、俺が生まれ育ち治めていた村は、ここだ」
示された場所は、王都から見て西の方角、私が生まれたのは王都から見て東の方角…
確かに、その方角には今も街がある、一つの街じゃなく複数の街っとうか集落と言うか、村というか、とにかく、人が住む場所があるけれど、具体的に何処の街だろう?
色街って言うと失礼だけど、そういった事に力を入れている街が一番近いのかな?それとも、小さいけれど、素朴な街、主な産業は豚や鶏を育成している畜産街の方かな?
「国としての産業、主な収入は、漁が主だったな、漁をして自分達が食べない多くとれた魚は干したりと日持ちする様にしたりして、それでも余りそうなら次の日に近隣の国に干した魚を売りにいったりしていた。漁だけでは鉄を購入するだけで国が傾く、当然、魚以外の収穫物もあったさ、木になる固い実があってな、昔は床に落とすとコロコロとした音がなることから、コロの実って呼んでいたよ。今はどういう風な名前なのか、知らないんだが、それが良く取れてな」
固い木の実、ってことは、ドングリとかだろうか?…あれを収穫していたの?
「地面に落ちている木の実を暫く水に浸してから、木臼や木槌で叩いて叩いて、粉にして、それも売ったりしたし、自分達で食べたりもした。食べ方はな、粉と水を一緒に手でこねてから暫く寝かせたやつを焼いて食べるんだよ」
トントンっと当時の仕草を見せてくれる。
木でできた道具を主に使用していたってことは当時は、鉱石の類は貴重だったのかもしれない。
私の知る限りでは、西の方は鉱石が採れないことは無いけれど、少ない。産出量っと言うか、採取のしやすさはダントツで東の方がしやすい。
地面を掘れば出てくるくらい、簡単によく取れるから採取するなら東の方が楽なんだよね。
駆け足っというか、早歩きぐらいの速度で歩きながらも、姿勢を正した弾みでつい、顔を上げて上空を見つめしまう。
星々が輝く夜空、でも、お月様のお顔はお見えにならない。うんうん、今日こそ完全に新月
っとなると、やっぱり、彼が出没するのは新月限定なのだろう、1日とてズレないって感じかな?
そんな推察をしながら早歩きが段々とスキップに変化していっているのかわからないような気分で広場に向かって進む。
前に向かって進めば進むほど、気分は、無我夢中、気分高揚、絶好調!!
ふんふんっと自然と鼻息が荒くなっているのは急ぎ足で動いている影響からだよね?きっとそうだよね?楽しみで興奮しているわけじゃないよ?
無我夢中、一心不乱の域に到達する手前くらいに広場に到着する。
到着して、一瞬だけ目を瞑って術式を探ってみる…やっぱり不可思議、どういう風に術式を組み上げ展開しているのか仕様がわからない。
どうやって構築し展開しているのか、全然、まったく、一ミリも理解できない術式によって特殊な空間が形成されている。
こんな意味不明摩訶不思議奇天烈な空間、未来からの声が無い状態だったら全力で敵の攻撃などを警戒するのだけれど、今回は完全に初見じゃない、既知の物なので、躊躇うことなく、この空間を作り出している相手に遠慮なんてしないで堂々と優雅に!空間の中に入り広場の中央に向かって歩いていく。
広場の中央には、空を見上げるように顔を上げている人物の背中が見えた。ついつい、彼が何を見ているのか視線の先を私も探してしまう。
視線の先は…見えないお月様だろうか?それとも、眩く輝き夜空を埋め尽くしている星々の輝きだろうか?それとも…彼はいったいなにをみているのだろうか?
私も、彼がみつめている世界をみれるのかな?一緒の世界を共有できるのかな?
遠くを見つめている彼の背中を見つめるだけで、どうしてだろうか、私の胸が締め付けられる様な、そんな不思議な感覚が内側から溢れ出てくるような気がする。
それにしても、どうしてだろうか?彼の後ろ姿を見ていると、伝わってくる、儚くて、脆くて、繊細なイメージ…彼の背中は男らしく堂々としているの…どうしてそんなイメージが伝わってくるのだろうか?
湧き上がるイメージを噛み締めるように暫く、傍から見たら惚けるような感じで、ずっと、静かに彼の後ろ姿を見つめていると、しびれを切らしたのか向こうから声を掛けてくれる。
「遠慮しないで声を掛けてくれてもいいんだがな?姫様」
声を掛けてくれたと思ったら、その場で、くるっと華麗にターンをするように回れ右をし、私の方に体を向けると、彼と私の視線が交差するだけ。
たった、たったそれだけで、私の頬が熱くなるのを感じる、彼の声が耳に届くだけで耳も熱を帯びてしまう。
「また、今夜も遊びに来るなんてね」
近くまでゆっくりと歩いて来る…柔らかな微笑み、だけど、少々呆れたような感じでゆっくりと歩いてい来る。
そんな彼になんて、どういう風に、どんな言葉で声を掛けたらいいのだろうか?直ぐに思い浮かぶことが無い、だって、私の頭の中は真っ白になってしまったから。
「子供は寝る時間だよっていうのは野暮な話だな、一度だけじゃなく二度目っとなれば、偶然なわけがない、前回も何か言いたそうにしていたしね。さぁ、要件があるのだろう?今宵も俺たちの出会いは闇の中、誰かに見られる事も無し、遠慮せずに語り明かそう、っとなるとだ、長話になるのであれば、立ち話っていうのも優雅ではない、さぁ、おいで、こっちのベンチで座って話そう」
優しく頭をぽんぽんっと撫でられたと思ったら、手を前に差し出してくれるので、差し出された手にそっと、優しく振れるように添えると、ゆっくりと丁寧に優しく指先をつまんでくれる。
たった、たった、それだけ、ほんの少し、頭を撫でられ、指先が触れ、指先が掴まれただけで、私の心臓が勢いよく跳ねるように脈打ち、心の水面が激しく波を産み出す。
産み出された衝動に翻弄されてしまったのか、私の足が力が抜けてしまったのか、小さくふらついてしまう。
「ん?今日は、調子が悪いのか?もっと、此方に体を預けてエスコートは任せてくれたまへ」
ふらついた瞬間に、舞踏会でダンスを踊る様に自然に、優雅に、さも当然のように、すっと腰に手を添えられる。添えられたと思ったら力強く体を引き寄せられ全身を支えられてしまう、貴族の女性たちが舞踏会で恋に落ちる理由が分かったかもしれない…彼の体温…吐息が…視線が…彼の存在全てが間近で感じられる。
「これでよしっと、大丈夫かい?あるけるかい?新月の夜だから、足元が見えにくいから、それもあって、ふらついただけかい?それとも、本当に体調が悪いのなら無理をしないいほうがいいぞ?」
心配そうに声を掛けてくれるのだが、此方としてはもうどうしたらいいのかわからないくらいまっしろだから、言葉を選べれない。
なので、こくこくと頷いて返事を返すだけしか出来ない。
私の心は真っ白…何も考えれない、彼の体から伝わってくる体温を、息吹を、鼓動を、力強さを感じるだけで…
私の全てが…満たされている気がする…
彼の腕に絡みつく様にしがみ付き、彼の細いにもかかわらず力強い腕に抱きしめられるような形でベンチの前に到着すると以前のようにハンカチを広げ、ベンチに敷いてくれる。
その一連の流れで、ハンカチをまだ返してないことを思い出し、ポケットに手を入れるが…準備不足だったぁ、部屋に置いてきちゃってる。この場に持ってきていなかった。
借りたものを返す機会があったのに逃してしまった事への懺悔の感情を噛み締めていると
「さぁ、レディ、席の準備は整いましたよ、どうぞ、お掛けになってください」
じっと佇んでいるのを、彼が座る準備が整ったのだという合図を待っているのだと勘違いしたのか、優しくベンチの前に誘導され、流される様にベンチに座らせてもらう。
すると、彼もまた、ベンチに座るのだが、一連の動作が非常に優雅だった…やっぱり、所作の全てに気品がある。
本当の本当に別人なのだろう。看病してくれたユキさんとは違い過ぎる。所作も雰囲気も仕草も、何もかもが別人だ。
お互いベンチに座ったからと言って直ぐに会話が始まるわけでもなかった。
彼は私が会話を切り出すのを待ってくれているのか顔を上げて星を眺め始める、つい、私もそれに倣って遠い遠い星々を見ながら、見えないはずの照れてしまって顔を隠している月を探す様に眺めていると、静かな時間に彼から視線を外した影響なのか、次第に、私の心も落ち着きを取り戻してく
心音も落ち着いて、脈もたぶん、落ち着いてきている、ふぅっと軽く吐息を漏らした後、視線をゆっくりと隣にいる人物に向けると、表情が穏やかと言うか、何だろう?星々を見ている様で見ていない?何処か遠い場所を見ているような気がする
「…貴方はどこからきたの?」
その哀愁漂う、悲し気な表情を見て居たら、自然と声が出てしまった
「…どこからっか、俺は何処からきたのだろうな、始まりっというか、生まれは西方の小さな小さな国…この街の規模を見てしまうと恥ずかしくなるほどに小さな国…君の視点からすれば小さな村といったほうがいいだろうな」
切なそうな表情?哀愁?郷愁?…貴方は王族だと言っていた、だとしたら、王都出身じゃないの?
「この世界の地図を見たわけではないから、正確な位置まではわからないんだけどな」
そう言いながら、すっと立ち上がって、近くに落ちていた小枝を拾い、此方に戻ってきて、優雅に此方に振動が伝わってこない様に丁寧にベンチに座った後、先ほど拾ってきた小枝を使って地面に線を描いていく?…話の流れからしてきっと、地図なのだろう
「ここが、王都で…ここが、君の街だ、っで、俺が生まれ育ち治めていた村は、ここだ」
示された場所は、王都から見て西の方角、私が生まれたのは王都から見て東の方角…
確かに、その方角には今も街がある、一つの街じゃなく複数の街っとうか集落と言うか、村というか、とにかく、人が住む場所があるけれど、具体的に何処の街だろう?
色街って言うと失礼だけど、そういった事に力を入れている街が一番近いのかな?それとも、小さいけれど、素朴な街、主な産業は豚や鶏を育成している畜産街の方かな?
「国としての産業、主な収入は、漁が主だったな、漁をして自分達が食べない多くとれた魚は干したりと日持ちする様にしたりして、それでも余りそうなら次の日に近隣の国に干した魚を売りにいったりしていた。漁だけでは鉄を購入するだけで国が傾く、当然、魚以外の収穫物もあったさ、木になる固い実があってな、昔は床に落とすとコロコロとした音がなることから、コロの実って呼んでいたよ。今はどういう風な名前なのか、知らないんだが、それが良く取れてな」
固い木の実、ってことは、ドングリとかだろうか?…あれを収穫していたの?
「地面に落ちている木の実を暫く水に浸してから、木臼や木槌で叩いて叩いて、粉にして、それも売ったりしたし、自分達で食べたりもした。食べ方はな、粉と水を一緒に手でこねてから暫く寝かせたやつを焼いて食べるんだよ」
トントンっと当時の仕草を見せてくれる。
木でできた道具を主に使用していたってことは当時は、鉱石の類は貴重だったのかもしれない。
私の知る限りでは、西の方は鉱石が採れないことは無いけれど、少ない。産出量っと言うか、採取のしやすさはダントツで東の方がしやすい。
地面を掘れば出てくるくらい、簡単によく取れるから採取するなら東の方が楽なんだよね。
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