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王位継承戦 Side-S 刺客②
しおりを挟むベッドで横になるとウトウトとして、気が付くと闇の中に溶け込んでいた…
コンコンとドアを叩く音がする、やっぱり来ちゃったか、王命ってやつか、いや、王命っというよりも、とある王族からの強制命令か…
起き上って、ドアを開けると悲しそうな瞳で此方を見ている。
何も言わずについてこいと目が訴えているので、こちらも何も言わずについていく。
彼の部屋に案内されていくと唐突に本棚に手を伸ばして横にずらす、あるよね、王族と関りがある以上、隠し通路が。
先に入れと合図をされるので躊躇わずに入っていく、私が入ると灯りが既に灯っているのを見る限り、予定通りってことかな、私の意識があろうがなかろうが連れてくる予定だったのだろうね
通された場所は何もない空間、窓も何もない、更に奥に通じる通路があるくらい、空気は淀んでいる、かび臭い。
奥に通じる場所は王城だろうね、冷静に通路を眺めていると、後から入ってきた人物が灯りによって顔が照らされる、先ほどのような悲しい瞳、でも、決意が決まっているみたいで他は冷静に冷酷に冷淡に…殺すことを躊躇わない確固たる意志を感じる。
こんばんは、筆頭騎士様。初めましてかな?使命を背負い貴方が職務を全うしようとする姿勢を見るのは、今の貴方が本当の貴方なのかな?だったら初めましてで正しいよね?
「すまんな、勅命でな、どうしても裁かねばならぬのだ」
声も落ち着いている、私のような小娘を殺すくらい馴れているって感じ?だったら、王族は今までに非道な命令をこの人に与え続けてきたってことになるね。
鎧すら着てないのは、油断しているの?私みたいな小娘が相手だから?それとも、対等でありたいから?スラっと片手剣を抜いて構えてくれるけど、いきなり襲ってもいいんだよ?
これは実戦なんだから。処刑場じゃないよ?
相手が構えるだけで此方に向かって何もしてこない、うん、警戒心が強いのは私の事を過小評価しているわけではないってことだよね、だって気が付いているから迂闊に踏み込むことが出来るわけがないよね
一歩でも動けば殺されるから
相手からのフェイントは既に10回以上に渡って私を誘おうとしているけれど、私の目を警戒しているみたい、私が全てのフェイントを完膚なきまでに対応しているのがわかっている感じだね。
達人って厄介、全てのフェイントを見破ると相手が油断してくれなくなるから、あえてわざとフェイントに引っかかった反応も織り交ぜてあげているのに襲ってこないんだもん。私がフェイントに引っかかったふりをして誘い出そうとしているのだと野生の勘かな?それとも、長年の勘かな?それによって対応している感じ?
私の誘いに誘われて迂闊に襲ってきたら即座に殺してあげるのにね。
彼の額には大量の汗が浮かび上がってきている、汗が頬を伝って床にも落ちているし、呼吸も乱れている。
対照的に私は生き切れも無く汗一つかいていない、至極冷静、傍から見たら私の方が弱者に見えるのにね…
ほんっと達人って厄介だなー、小娘一人くらい油断しきってささっと飛び込んできて…死んでくれればいいのに。
はぁっと重苦しい息を吐きながら、滴る汗を拭うことなく枯れたような音が、かさついた唇という穴から聞こえてくる
「まさか、この俺が為す術もないとはな…」
呼吸を整えるように息を吸う様に平常心を取り戻そうと声を出している、私としては殺したくない相手だからそのまま、引き下がってくれると嬉しいんだけどね?為す術もないんでしょ?引き返したら?
「問おう、俺を何回殺した?」
…殺気まで見破られていたか、しょうがないなぁ、手を明かすのは得意じゃないけれど教えてあげよっかな、それで諦めてくれるのならね。
「何回でも殺してあげたよお爺ちゃん♪」
屈託のない笑顔で、本当の孫のような微笑みでどの様に殺そうとしたのか手段を明かしていく
「酸素濃度って知ってる?」
知らないようで首を横に振る
「催眠術って知ってる?」
これには心当たりがあるのか縦に振る
「なら、これでどう?」
指をパチンと鳴らすと片手剣を持っていた手が勝手に動き出そうとするので必死にもう片方の手で動かないように止めている…判断が速い、流石だね、何もしなかったらそのまま、自分が用意した愛刀で喉元を突き刺してあげたのに。
もう一度パチンと指を鳴らすと、勝手に動こうとした狂気の腕が解放され、自由に動かせれるようになり、違和感を拭う様にブンブンと振り回している。
人生で一度も感じたことが無い要素に焦っているのか、暗い表情のままこちらを見ている
「いつの間にって思ったでしょ、耐性を施していない人達に催眠を掛けるなんて…お手の物だよ?」
汗が溢れるように出てきている、呼吸も乱れている、今まで戦ってきた人達と比べ物にならない程の重圧を感じているんだろうな
「他にもね、一杯仕掛けてあるよ、貴方が気が付かないだけでね」
殺気に気が付いたのか即座に横ステップで避けると、先ほどまでいた場所にボンっという小さな音と共に小さな爆発が発生する
「人を殺すのに大きな術式は要らない、爆発した場所、気が付いているよね?」
【貴方の脳みそがあった空間だよ】
この一言で敗北を認めたのか膝をつき片手剣をその場に置き
「殺せ、俺の負けだ」
催眠術という動きを制限されるような術を施されているだけじゃなく、遠距離からでも確実に殺せる方法を目の当たりにしちゃったら、流石に諦めちゃうよね。
死を認めるってことは、拷問されても俺は何も吐かんぞって言いたいんだろうな。
「それじゃ、私の勝ちってことでいいかな?宣言もしちゃってるし確認することもないか」
さようなら筆頭騎士様
指をパチンと鳴らすと筆頭騎士様が死を覚悟したのか目を瞑る
だけれど、待てども待てども、何も起きない
何も起きない状況、彼は死をじっと待ち続けているが何も起きないことに疑問を持ちゆっくりと目を開いたので
「あー疲れた!お爺ちゃん、今度、私が欲しいお洋服あるんだけどさー、買ってよー!遊びに付き合ってあげたんだから」
膝の上にゆっくりと座って背中を預けるように体重を預けると
「…ああ、かまわんぞ、今、この瞬間に王を守る剣は死んだ、一人の翁として孫たちと余生を過ごさせてもらおうかな」
此方の言いたいことが伝わったみたい、賢い人で会話が楽だね!こちらの言いたいことが直ぐに伝わるんだから。
「孫ちゃんよ?危険だと思わなかったのか?」
「ん?思っていないし、思ったところで、お爺ちゃんが私を殺せるとは思えないもの、勝てるの?私に?」
先ほどの状況で何もできなかったでしょっと、ペシペシと太ももを叩くと
「っぐぅ、何も言い返せぬ、これが敗北の味だというのか…この年になって、この地位になって、若い頃に味わい尽くしたこの苦い味を思い出させられるとは思ってもいなかったぞ」
敗北の味なんて何年振りだろうかねー、その年になると挑んでくる人もいないだろうし、ライバルなんていなさそうだもんね。
「種明かしをしてくれ!俺に何時、催眠術を施した?」
背もたれがゆっくりと下がる、どうやら、両の手を自らの後ろ側、地面に着いて上半身を後ろに逸らしている。敵意が無いと態度で示したいのだろうか?
「そっちが種明かしをしてくれたら考えてもいいけどなぁ」
ペシペシと太ももを叩きながら意地悪なことを言うと
「はぁ、わかっておるだろ?わざわざ口にせんでも、そうだよ、孫ちゃんを殺してこいってアレから直々に勅命されてな、王族からの命令には逆らえんからなぁ。世知辛い世の中だ」
やっぱりねぇ~そんな予感してたんだよなぁ、アレがさー何もしてこないわけがないんだもん、それにさ、私がここを根城にしていると突き止めていないわけがないもの、殺したい相手がいつでも殺せる環境、つまりは、自身が持てる最強の手駒の中にいるような感じだったでしょうね!
「私を殺すのが失敗しちゃっていいの?」
「ああ、構わん、俺の仕事は王を守る剣だ、殺しが仕事じゃない、当然、条件付きで受けたさ、俺が失敗したら諦めろってね」
成程ね、お爺ちゃんほどの手練れが勝てない相手なのだから無用な手出しは止めろってことだね、ならさー、そこまで本気でやろうとしなければいいのに
形だけでよくない?
「形だけじゃ、相手は納得せんからな、悪いが先ほどの一連の流れ、アレに伝わるようになっているぞ」
だろうね、王城迄、繋がっている通路が空いている時点でそうじゃないかなって思っていたけれど、何かが潜んでいたんだ。
敵意が無いからほおっておいたけれど、手を出さないで正解だったかな。
「だから、わかりやすく負けた宣言だけじゃなく殺せって言ったんだね」
そうすることで、お爺ちゃんは殺されたとアレには伝わっているってことか。
「足が痺れてきたから伸ばしてもいいか?」
注文が多いなぁ、すっと立ち上がると足を伸ばしてきたので、そのまま足の上に座りなおすと
「っぐ、いててて、容赦がないな」
痺れた足に座られるのは堪えるよね~、血管性由来のシビレだから直ぐに治るけれど、こういう時って悪戯しちゃいたくなるよね~
ペシペシと脛を叩くと勘弁してくれっと小さな悲鳴が聞こえてくる、うん、満足!
「これで俺は、完全に今の地位から失墜するだろうな、小娘一人に正面切って負けるような奴が次代の王を守れるとは考えてくれはしないだろう」
「本音はそれも望んでいたんでしょ?」
筆頭騎士としてアレを許容できるとは思えない、アレとは幾度となく衝突してそうだもんね。
此方の問いかけに何も返事を出さないのでペシペシと脛を叩くと
「ええい!やめんか!っくっそぉ、容赦がないなぁ!そうだよ!俺も今の王が退位したら勤めを終えるつもりだった、元々、今の王とも仲は良くはないがな、命を賭けて守るべき存在なのか、ずっと悩んでいた、悩み続けていたらもう、退位っときたもんだ」
はぁ~あっと、溜息をつきながら背もたれが離れて行って床に大の字にで寝るのでそのまま、私もそのうえで大の字になると
「っく、男に警戒が無さ過ぎじゃないのか?勘違いするぞ?側室に入りたいのか?」
「はいはい、冗談言わないの、お爺ちゃんからしたら孫みたいな年齢の人に手を出せるの?無理でしょ?」
その一言に何も返事がない辺り、あ、これ、ちょっと脈ありだったんじゃん、あっぶね。この人、ベテランさんタイプだ。
身の危険を感じつつも、ここで直ぐに身を離すと意識してるみたいなので離れるわけにはいかないのでそのまま、会話を続けていく。
「それじゃ、次はこっちの種明かし、お爺ちゃんに仕掛けたのは迎えに来た時だよ、ドアを開けた瞬間に目が合ったでしょ?その時に催眠術という一手を打たせてもらったよ」
目で合図を送るなんて術者という相手に絶対にしてはいけないよ?目って言うのは情報がダイレクトに脳に届くんだから、耐性も対策も何もしていないのに目を合わせる何て自殺行為。
まぁ、それも仕方がないよね、この世界ではそこまで、術式が発展していないんだからね。
「…それを聞いてしまったら、二度と孫ちゃんの綺麗な目を見ることが出来なくなってしまうなぁ」
すすすっと手が伸びてくるのでペシっと追い払う、先ほどの反応を知ってしまった以上、これ以上はだーめ!
「手厳しいな、だが、それでいい、男に気安く心を、体を重ねるようなことはしてはいかんぞ?勘違いされるっといっても、孫ちゃんだったら襲われようがさらっと撃退しかねんか」
追い払った手をペタンと冷たい床に落として寂しそうな声が聞こえる。
「ねぇ?質問してもいい?」
腑に落ちない点があるんだよね
「もうこれ以上語ることはないぞ?」
「正直に言って、私に勝てると思っていなかったでしょ?」
私のような小娘を切るくらい簡単だと思っているのだったらこんな場所に案内しないと思うし、警戒するにしても罠とか用意していないし、なんかおかしいんだよね。
騎士としての誉れとか?そういうの大事にする様な人じゃないでしょ?
「ああ、正直に言うと孫ちゃんからは得体のしれない恐怖を感じていた、俺の知らない何かを大量に知っている、本能の部分で孫ちゃんに刃を向けるなと何度も警告されていたよ」
勘は鋭い、これも闘い続けてきたからなのか?それとも、守るための戦いを続けてきたからこそ生存することが大事だと長年に渡って研鑽して来たから?
職業柄だからこそ、身に着けた本能かな?危険を察知する能力ってやつ?
「でもな、やらないといけないのが大人ってやつでな、本当なら孫ちゃんのような娘に刃を向けるなんてことは、したくはないんだが…」
だが?含みがあるじゃん。
「強者と闘うのはちょっと心躍ってしまったわ!っはっはっは」
ぁ、戦闘狂でもあるのか、なんか自分の本能のままに生きてないこの人?
「こういう状況だからこそ言えることもあってな、腹を割って話せれる場所だから言うが、正直言うと、殺さないでくれてよかったと思っている、挑む前から、実のところ死は覚悟していた、遺書も用意してある。だが、俺にはまだ心残りがある、正直に言えば、まだ死んではいけない身では、ある」
それは、お母さん連合のことかな?愛する奥様達を守る為?預金とか実は無いとか?本能のままにお給金を使い倒しているとか?この豪邸に、奥様の数、ありえそうな理由だけどさ…仮に預金が無いとしても、息子さん達が優秀だから問題ないと思うけど?
「実はな、孫ちゃん、っというと、わかりにくいな、姫ちゃんでいいか、姫ちゃんが、まだ、会っていない孫が一人、いるんだよ」
子だくさんだね…まぁ、あれだけの奥様達を囲っていれば、そりゃ、孫も多いよね?奥様達って何人いたっけ?8人?う~ん、8人かな?
「その孫はな、俺が始めた授かった息子の息子でな、正直に言うとな、どの孫よりもその孫の生末を一番、見守りたいと思っている。理由は亡くしてしまった息子を重ねているのもある、だが、それ以上に、不思議と心が惹かれるのだよ!彼の為なら命を投げ売っても良いと思えるほどに!!不思議な魅力がある子なんだ、賢いだけじゃなく、運動神経も素晴らしくてな、惜しむらくは筋肉が付きにくい体質っぽくてな、少々、いや、かなり華奢か?それだけが残念でな、それ以外は至宝と言えるぐらい素晴らしい孫なんだ!!彼が行く道を傍で見守って導いてやるのが今の宿命だとヒシヒシと感じる日々でな、今の王なんかよりも!王都にいる全ての王子よりも!!あの子が真の王に相応しいと常日頃から感じておる!何よりも、王族の血を引いていてな、願えば王に成れるかもしれんのだ!可能性しかない、素晴らしい孫なんだ、容姿も申し分なし、成長すれば息子以上に美形になるであろう、今でも近隣の女の子たちは骨抜きにされていると思う程、麗しい見た目だけでなく、可愛らしくもあり、美しくもあり容姿端麗、筆舌に尽くしがたい!!見た目が良いとちょ~っと鼻につく様な精神を宿すことがあるけれどな、孫は違うんだ!!心根も凄く素直で優しくて他人を思いやれる、天は二物も与えるものだと驚愕をという衝撃を俺に与えてくるとは思いもせんかった、それだけじゃない」
ぇ!?ぇ、ちょ、ちょっとまって!?何!?突然何!?いきなりすっごく饒舌になって語り始めるじゃん!?息継ぎしてる!?
「お、お年は何歳なんですか?」
と、取り合えず、熱く語ってるのを水差すようで悪いけれど、少しでも冷静になれるように会話の舵を取らないと…
「年か!?姫ちゃんは13っといったかな?…3歳ほど下だったか?4歳ほど下だったかな?…そうか、年が近い…そうか…」
いきなり上半身を起こしたと思うと私の肩をがっしりと掴んで
「そうだとも!姫ちゃんや!愛する孫をもらってはくれんか!?俺からすれば俺よりも強者である姫ちゃんと孫が結婚してくれれば最良だ!!」
あの、肩を掴む力がちょ~っと力強いんだけど?ねぇ?興奮しないで?お、おちつこ?
「こんな、辛気臭いかび臭い場所で至高の孫の話なんぞ出来るか!ほら、外に行くぞ!」
ぇ、あれ?私、地雷踏んだ?やらかした?
そのまま、ズルズルと力強く手を握られながら部屋の外へと連れていかれる…
それからは、お酒とお水とジュースとお茶請けと…長期戦状態で朝まで孫の素晴らしさを語られてしまう…徹夜はなんてしたくないのにー!!
朝になるとお母さん連合が起きてきたので、この状況を察したお母さん連合に連れていかれて漸く解放されましたー!!ねむいー!!
何事かと様子を見に来てくれていたMMさんに今日の予定を変えたいと伝える。
午前中はもうここで寝るから、午後から病院で診察すると伝えると方々に伝えておくからしっかり休んでくれと言われ、使用人のベッドで熟睡させてもらいました。
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