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王位継承戦 Side-S 1日目 ③
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作戦が成功したことで喜びを分かち合っているシスターたちに手を振りながら分かれて司祭様がいる部屋の前に立ち、ドアをノックすると声が聞こえてくるので中に入る。
部屋の中には、悲しそうな、何とも言えない表情をした司祭がこちらを見ている…あの目は欺瞞を打ち破ろうとしている決意ある人の目であり、悲しみを背負った人。暗い瞳。
そうよね、聖女様を語る人物に巫女の名前を語る人物、次々と現れる政治利用されるだけの肩書…教会の教えなんて蔑にしているように思っちゃうよね。神聖視されるべき肩書を悪用しようとしてる偽物に向ける視線…真実を知らないのであれば致し方ないよね。
躊躇らう仕草もなく、堂々と神聖な立場にある人物とは思えない行動を取る。袖の中から、短剣を取り出して鞘から抜いて抜き身をこちらに向けてくる、ちらりと見えた短剣を入れていた鞘に書かれていた紋章…そう、貴方は聖女派閥なのね。貴方の奥深くに根付いている感情は未だに時が解決はしてくれていないんだね。
「私もね、ゆっくりと語り合うべきであるとは考えていますよ、でもね、もう限界なんですよ、貴方達、王族の横暴さに!傲慢さに!!」
うーん、ここにきて一番怒っている人がまさかの人物だったなぁ、シスターたちの態度からして許可を出した人物が一番寛容に出迎えてくれるのではって期待していたけれど、憤りが凄い、過去に何度も何度もかなりの頻度で衝突してきたって感じ、やっぱり、お母様の日記に書かれていた出来事に囚われたままなのかもね。
「何故、いや、どこでその名を知った?返答次第では」抜き身の短剣、その切っ先をゆらゆらと揺らしながら殺意を飛ばしてくる。
殺気を向けてくるなんて大人げないなぁ、こんなぴっちぴちのJCだよ?わたしー…なんてね、未来の私って何歳だったのかな?それらが混ざった私って何歳なのだろう?…いけない、思考が明後日の方向に飛んじゃう。敵が人である限り私に敵うわけがないってわかっているから、どうも、一対一の戦いだと危機感ってのが薄く感じちゃう。
「返答も何も、貴方は何を勘違いしているの?」憤る相手に何も感じていないという態度をとる。多少は冷静になってもらいたいからね
冷静に相手の目を見る、司祭様からは殺意以外にも瞳に感情が宿っている?…最初に見た時よりも濃く感じる、やっぱり、これは、かなしみ?何を悲しんでいるのだろうか?…大事な人だったのだろうか?
「かんちがい?…勘違いするものか!」今にも飛び掛かってきそうな程、短剣を握る腕に血管が浮かび上がっている。
声を荒げてナイフをこっちに向けないでよ~こわいなぁー…なんてね、敵が人であれば私に勝てる人は誰もいないけどね、防御術式すらない世界に負けるわけがない、術式に対する抵抗値なんてなく対策もない世界だものね、やりようがありすぎる。
「わたしが!…私が!!敬愛する聖女様は…せいじょさまはぁ!!」瞳から涙が浮かび上がっている悲しみの感情に押しつぶされそうになっているのが伝わってくる。
…何となく察しちゃったな、そっか、国が管理していた最後の寵愛の巫女。
聖女様、その末裔の最後を看取ったのは貴方ね。
そっか、ならお母さんが聖女様を名乗っても怒るに怒れなかった理由は、貴方もお母さんに大切な人の影を重ねていたんだね。似ているんだもん、私のお母様に、だったら当然似ているよね、お母様のお姉さまにも。
最後に看取った人物であれば、お父様が巻き起こした事件も知っているでしょうね。なら、私がお母様の娘であることを証明する方が相手も気が付くでしょうね。
すっと、お母様の名前を囁くと司祭様の表情が曇る…これで、考えを改めて、くれそうもないか、よっぽどだね王族との軋轢は…
少し、ほんの一瞬だけ困惑したように視線を右往左往させるけれど、すぐに怒りという感情を露にしていく
「王族はぁ!王家はぁ!どこまで、どこまで私を愚弄するのか!!その名は!!」大切なお母様の名前を声に出したのに失礼な人!
「酷いな、お母様の名前を聞いて激昂しないでよ、貴方の敬愛する聖女様の妹の名前だよ?…王家から、監視から、逃す為に故郷へと匿った、貴方の敬愛する女性が愛した家族だよ」
先ほどまで激高していた相手が何を言っているのか理解できない表情で此方を見ている、ナイフを突きつけながら。
これダメだ、言葉じゃ何を言っても信じようとしない、怒髪天じゃん、王族は彼にどれだけの悪行を重ねてきたの?しょうがないなぁ…
念のために、持ってきてよかった。カバンの中に入れて持って来た、お母様の日記を取り出す、唐突にカバンから本を取り出す謎の行動に司祭の表情が困惑しているのが伝わってくる、武器でも何でもないものをどうして今取り出すのか、その困惑している司祭様に本を見せると表情が一気に豹変する
「きさま、それを…それを、どこで、どこで!!」
表紙は統一しているものね、看取れるほど傍にいた貴方なら知っているよね。
「原本だよ、王族が燃やしたのは偽物、無くしたと失ったと思っていた原本、それがどうして私の手にあるのか、これでもまだ信じられないの?…会いたくないけど、お父様も連れてこればよかったかしら」
ナイフを下ろして、ナイフを持っていない方の腕を真っすぐに突き出してくる、寄こせって?しょうがないなぁ…乱暴に扱ったら腕、吹き飛ばすからね?
突き出した手のひらにお母様の日記を手渡すと、恐る恐る本を開き中身を確認していく、速読でもマスターしているのか、凄いスピードでページを捲っていく
「わた、わたしは、なんて、なんておろかなことを…」
本を閉じると同時に両目から溢れるように涙がでてくる、汚さないでよ?
汚されたくないので本を返してっと手を出すとゆっくりと震えながらも本を返してくれる。
本が汚れていないか、ササっとチェックするけれど汚れた感じはしなかった。
視線を司祭に向けると、ナイフを鞘にしまい、テーブルの上に置きに行っている。どうやら、信じてくれたみたい、うーんもう、ほんっと信者ってめんどくさい!自分が信じた物しか信じないんだもん!!信じることが正義で悪いことだとは思わないけれど!思考が硬くなりすぎてダメ!もうちょっと柔軟な思考をもって…持てないから信者なのか。
心の中で大きなため息をついて司祭様の背中を見つめる、先ほどのような感情が高ぶっている様な感じがせず、空虚な感じ、背中が寂しそうだね。
虚ろで寂し気な雰囲気のまま、突風でも吹けば飛んで消えていきそうなくらい弱々しく感じる状態で、此方に向かって、体を向き直すと同時に膝をつき祈りの姿勢をとる
「今回ほど、神を、聖女様を、始祖様を信じてきてよかったと、こころか、ら、こころから」祈りの為に掲げた両腕が震えてるけれど、それは感動で?それとも、先程の行いを後悔して?それとも…
っま、とりあえずは、そんなに私に会えたのが嬉しいって思ってあげましょうか、だったら、直ぐに信じて欲しかったなー、親戚だからね?貴方の敬愛する聖女様の面影あったと思うんだけどなー…確かにお母様に比べたら私の体って貧相だもの…そこなのか?やっぱりそこなのか?
そんなことを考えながら司祭様が落ち着くまで待ってあげていると
「お心遣いに感謝します。すみません、年甲斐もなく、いえ、年だからこそ涙腺が脆いのでしょうね」涙を拭いながら立ち上がる、表情は笑顔だけれど目は曇ったまま。
立ち話も何ですから、どうぞおかけくださいと、ナイフが置かれているテーブルから離れた場所にあるソファーに案内される。
もう、殺意はないですよって意味として受け取らせてもらおうかなっと。
ソファーに座ってから、憑き物が落ちたように過去に起きた様々な事件に関する話だけじゃなく、日常で感じた色々な話を自分語りのようにポツポツと語り続けていく。
お母様のお姉さま、私のおばになるのかな?その人の話もいっぱいしてくれたので、お返しにお母様の話をいっぱいしてあげた。
それと同時に、お母様が残したお父様の武勇伝も語ることになっちゃった…あーやだやだ、それがきっかけでお母様はお父様に惚れちゃったんだよねー!ロリコンハゲデブ親父に惚れちゃったんだよね!!…べつにいいけどー、もっと良い男いるじゃんって思うけどなぁ~。いいけどー。
「そうだったのですね、そんな事が…敬愛する、愛深き一族が途絶えたのだと、絶望の中で生きてきて、今ようやく、私は嬉しく感じております」
そんなことを言っておきながら目が笑ってないんだよなぁ…腹芸はめんどくさいなぁ…
司祭様の自分語りに静かに耳を傾けるけど、なげぇなぁ、まぁいいけどー。予定時間はあるからいいけどー、っていうか、驚いたけどさ、お母さんって本当に魔性の女じゃん…
お母さんが王都で聖女様の様に活躍する姿に司祭様が敬愛する失われし人の姿に似ているからさ、心ときめかせちゃってんじゃん…
お母さんって、あれかな?偉いさんを虜にする何かがあるのかな?みわくのぼでー…それがキーなのか!?
浸透水式でがっつりどんな因果があるのか調べてみようかな?練習と言って、うーん、それをするには術式に長けていて魔力が潤沢で医療の知識が豊富な相方が欲しいなぁ、深く潜るとなると戻ってこれなくなる危険性が高くなるから、生命線がいるよねー…ぅぅ、今の街で命を預けれるほど術式に理解度がある人がいないなぁ、相方が欲しい。
その後もながーぃ、ながーい、ろーんぐろーんぐあごーがつづくー、ねっむ…
何とか気合を入れて寝ないようにしていると、日も傾いてくるので、それを理由にして漸く解放される、駄目だ眠すぎて思考がぼ~っとしてる、私の弱点は睡魔かもな~…
「大変申し訳ございません巫女様」
長話に付き合わせて申し訳ない気持ちがあるのはいいことじゃん?でもね、じっと、教会の近くで待たせている馬車の人、そっちの方が可哀そうよ?じーっと待たせているのだから…なんてね、遅くなるとわかっていたから自由時間にしてるよ?何時ごろに戻ってきてって、伝えてあるし、二人体制にしてあるから、左程、苦行ではないだろうし、報酬も多めに渡しているから問題ナッシング!
…問題?
睡魔の影響で思考がぽけっとしているのにかかわらず問題というキーワードに引っかかりを覚える、何か忘れてない?
視線をちらりと司祭様の顔を向ける、笑っていない笑顔、黒い影…
…あ!いっけね忘れるとこだった
司祭様に案内されるがままに部屋を出る前に一言釘をさしておくか~、眠たいから後日に回したいけれど、後手に回ると面倒だもの
「死人は蘇りませんからね、地下にある組織は解体するように」
その一言で司祭様の表情が一気に豹変する
「お前、どこでそれを知った」
先ほどよりも明確に濃い殺気、そんな殺気を人に向けるなよ、そんな表情も出来るんだ、まるでただ一つの事に囚われてしまって思考を放棄した獣ね…
「甘く見ないでもらいたいわね、私を誰だと思っているの?始祖様から寵愛を賜った一族よ?…誰に向かって殺気を向けているのかしら?」
発言を間違えれば即座に殺されてもおかしくない程、緊張感が漂うが…この程度、問題ないわね、あの時に比べたら今の私は五体満足、この時点で、たかが、人間如きが私に勝てるとでも?…
「もう一度、問う、返答次第によっては」
理性を保つのも限界って顔ね、しょうがないなぁ
「止めて欲しいと言われたの、誰にって?…」
悲しそうな表情でお母様のお姉さまの名前を出すと、憑き物が晴れたような表情になると同時に膝から崩れ落ち懺悔するように泣き崩れる。実際に魂があって会話することができたら、本当にそれは望んでいないと思うよ?
「大丈夫ですよ、怒ってはいません、ただ、純粋に悲しんでいるだけ、傍に寄り添ってくれた相手が犯した罪については不問とします。人道から外れた行為であろうと、それは、貴方のアイゆえにです、正気を取り戻し正道を歩むのであればって、言付けだけ、貰ってるけど、どうする?この言葉を聞いても貴方は愚を犯すの?」
出任せではない、叔母様の日記にもそれとなく、そんなことが書いていた気がするもの、隣人の罪を許し愛せって書いてたから、たぶん、こういうことだよね?
だから、出任せじゃないよね?拡大解釈ってやつ?誇張解釈ってやつ?知らんけど。
「…」
暫く様子を見ていたけれど、返事が返ってこない、たぶん、大丈夫かな、あんな風に表情が崩れて、懺悔するような表情をする人が悔い改めていないわけないもの。
静かに部屋から出ていき、外で待たせている場所に向かう。
聖堂を抜けて、教会の玄関口に向かって歩いていくけれど、特に敵意は無さそう、監視をするような人達も居ない、計画通り、教会は手薄になっているわね。
計画の第一段階として、特別な存在感を放つ人物が教会に訪れたっという目的は達成。
次に、司祭の裏にある愚かしき祭壇を封じることによって、悲劇が起きないようにするっという裏目的も達成ね。睡魔で忘れそうになったけれど、目的が達成出来ているので結果オーライ!
主な目的として、街の皆に伝えてあるのが、王家の連中が監視していない場所で何かしらのアクションが発生したという部分。
王都で知りえぬ情報ってのがあいつらは嫌がる、想定外の事態、アクシデントをとことん嫌うもの、元より臨機応変に動けない雁字搦めな状態なのが悪い、自分たちの描いた地図しか動けないようじゃダメ、結託して動いて、その先にある利益しか見えてない。アクシデントなんて想定していないもん。
それじゃ、駄目、そんな奴らにこの先に待ち受けている試練を乗り越えれるとは思えれない…
そう、私が、ううん、違う、私って言うよりも、寵愛の巫女が居なくなった後の世界を導く力を蓄えてもらわないといけない…
なんてね、偉そうに考えてみたけれど、私が居なくても人は前に進んでいけると、信じれるかな。街の人達がそうだったから。
それにね、無駄な犠牲を生み出させないためにも、癪だけどアレに王座についてもらって家臣全員でアレの横暴を封じないとね。
きっと、そういった意味で長年続いた伝統ある方法を変えてまで、次代の王を決める試練内容を変えたんだろうな、そんな思惑を現王から感じる。
現王もアレの蛮行や悪逆非道を目の当たりにしているだろうし、アレの背景がどす黒く染まりつつあるのも知っているでしょう。
だけれど、膨れ上がりすぎていて止める手段がないのじゃないかなって思える、王都の貴族たちとの取引を続けていくと自然と耳にしたもの、アレの黒い話を…
潰した盗賊や犯罪者達も辿っていくとアレと少なからず繋がりがあった、どうしようもないよ。そりゃ、お母さんもアレを敵視して、殺したいほど憎く感じるのはしょうがないんじゃないかなー?
どうして、アレが少なからず民衆から支持を得ているのか不思議で仕方がない…強さに惹かれているのかな?
それに、教会を出るまでの間に歩いて、すれ違いざまにシスターたちの会話に耳を澄ませたけれど、うん、概ね計画は順調かな。
教会にシスターがひざまずく人物が現れ、始祖様が描かれた特別な日しか拝見することが出来ない肖像画が現れ、シスターが跪く人物を歓迎するような演出をすること。
これによって民衆に何かしらの印象を与えることが出来ている…はず!現に今もシスターの口からはその話題に溢れている、こうなってくると、人の口に戸はつけれないじゃん?噂になってくれているといいんだけどね~。
まぁ、これはジャブみたいなものだからね。誰にも相談していない裏目的が、ここに訪れた主な理由だもの。
司祭の闇を払えたっぽいのは僥倖かなー。最悪、洗脳する予定だったし、精神を汚染しなくていいから特に人格破綻することもなさそうだし、何よりなにより!
司祭の裏にある特殊な祭壇、【悪魔信仰】
…厄介なものに染まりつつある司祭を止めれたのは、ほんっと運が良かった、ううん、運じゃないか、お母様が築いた関係値のおかげだろうなぁ…
お母様を助け出したお父様の事を少しは見直してもいいのかもしれないけどー…
脳裏に過る、お母様が幸せそうにお父様に寄り添っている幼い頃の記憶…
やっぱりやだ!見直さない!手紙くらいは送ってもいいかな、くらいは…
思い出してしまう、幼い頃の記憶…書斎で一人頭を抱えている…相談してくれてもいいのに、私が子供だから、何も言わない、それが嫌い。
いいや、めんどくさいし、ほっとこ!
うんうん!お父様の事は放置放置!そのうち、心配になって向こうから顔を出してくるもん!…そしたら、話くらいはしてあげてもいいかな~。
外で待っている馬車に乗り込み、今晩お世話になる人のお家に向かってもらうけれど、私の存在が見つかるわけにはいかないので、路地裏で一度降ろしてもらって、そこで待機してもらっている畜産の旦那の奥様!元あの街で粉砕姫と呼ばれ戦士の花形ともいえるあの街最強の戦士!その人物であるマッチョマムと一緒に移動する。
私は一人でも大丈夫だから、心配しなくてもいいよっと、何度も直接、本人に言ってるけどさー「心配だから」その一言で絶対に首を縦に振ってくれなかったんだよね。
私ってそんなに信頼できないのかな?まぁ、こうやって待っててくれるのは大事にされているんだなって実感できてさ、嬉しいけど、その、貴女の大きさを考えて欲しいかも、絶対に目立つからいいのに…
なんてさ、事前では考えていたけれど、鎧を脱いで、作業着でいると路地裏に居るのが違和感がまったくないのが驚き、大きな体に凄い筋肉、その姿が、街の路地裏って雰囲気に凄くマッチしてる!この人って周りの景色に溶け込むの上手かも…
そんなのしなくても認識阻害の術式で消せるけど、マッチョマムは術式が苦手みたいで認識阻害の術式が刻まれているバングルを受け取ってはくれているけれど、使おうとはしないんだよなぁ…代わりに私が起動させて魔力を込めておけばいいんだけどさ、私の体内にある魔力は、温存しないといけないんだよね…
認識阻害の術式が無くてもあまり違和感を感じさせないその技量があるのなら護衛に来てもらったのは正解だったのかも?
路地裏を抜けた先に待っている豪華な馬車に二人で乗り込んでっていうか、MM(マッチョマム)も入れるサイズの馬車があることに驚きだよ…特注なのかな?それとも上流階級の貴族達からするとこれくらいのサイズが普通だったり?…実家の馬車なんてドアすらないよ?荷馬車が殆どだったもの。
馬車の中で、今日一日は全員の報告を受けてくれる役目をしてくれていたMMさんに、伝えておいた作戦は順調に進んでいるのか、報告会を始める。
部屋の中には、悲しそうな、何とも言えない表情をした司祭がこちらを見ている…あの目は欺瞞を打ち破ろうとしている決意ある人の目であり、悲しみを背負った人。暗い瞳。
そうよね、聖女様を語る人物に巫女の名前を語る人物、次々と現れる政治利用されるだけの肩書…教会の教えなんて蔑にしているように思っちゃうよね。神聖視されるべき肩書を悪用しようとしてる偽物に向ける視線…真実を知らないのであれば致し方ないよね。
躊躇らう仕草もなく、堂々と神聖な立場にある人物とは思えない行動を取る。袖の中から、短剣を取り出して鞘から抜いて抜き身をこちらに向けてくる、ちらりと見えた短剣を入れていた鞘に書かれていた紋章…そう、貴方は聖女派閥なのね。貴方の奥深くに根付いている感情は未だに時が解決はしてくれていないんだね。
「私もね、ゆっくりと語り合うべきであるとは考えていますよ、でもね、もう限界なんですよ、貴方達、王族の横暴さに!傲慢さに!!」
うーん、ここにきて一番怒っている人がまさかの人物だったなぁ、シスターたちの態度からして許可を出した人物が一番寛容に出迎えてくれるのではって期待していたけれど、憤りが凄い、過去に何度も何度もかなりの頻度で衝突してきたって感じ、やっぱり、お母様の日記に書かれていた出来事に囚われたままなのかもね。
「何故、いや、どこでその名を知った?返答次第では」抜き身の短剣、その切っ先をゆらゆらと揺らしながら殺意を飛ばしてくる。
殺気を向けてくるなんて大人げないなぁ、こんなぴっちぴちのJCだよ?わたしー…なんてね、未来の私って何歳だったのかな?それらが混ざった私って何歳なのだろう?…いけない、思考が明後日の方向に飛んじゃう。敵が人である限り私に敵うわけがないってわかっているから、どうも、一対一の戦いだと危機感ってのが薄く感じちゃう。
「返答も何も、貴方は何を勘違いしているの?」憤る相手に何も感じていないという態度をとる。多少は冷静になってもらいたいからね
冷静に相手の目を見る、司祭様からは殺意以外にも瞳に感情が宿っている?…最初に見た時よりも濃く感じる、やっぱり、これは、かなしみ?何を悲しんでいるのだろうか?…大事な人だったのだろうか?
「かんちがい?…勘違いするものか!」今にも飛び掛かってきそうな程、短剣を握る腕に血管が浮かび上がっている。
声を荒げてナイフをこっちに向けないでよ~こわいなぁー…なんてね、敵が人であれば私に勝てる人は誰もいないけどね、防御術式すらない世界に負けるわけがない、術式に対する抵抗値なんてなく対策もない世界だものね、やりようがありすぎる。
「わたしが!…私が!!敬愛する聖女様は…せいじょさまはぁ!!」瞳から涙が浮かび上がっている悲しみの感情に押しつぶされそうになっているのが伝わってくる。
…何となく察しちゃったな、そっか、国が管理していた最後の寵愛の巫女。
聖女様、その末裔の最後を看取ったのは貴方ね。
そっか、ならお母さんが聖女様を名乗っても怒るに怒れなかった理由は、貴方もお母さんに大切な人の影を重ねていたんだね。似ているんだもん、私のお母様に、だったら当然似ているよね、お母様のお姉さまにも。
最後に看取った人物であれば、お父様が巻き起こした事件も知っているでしょうね。なら、私がお母様の娘であることを証明する方が相手も気が付くでしょうね。
すっと、お母様の名前を囁くと司祭様の表情が曇る…これで、考えを改めて、くれそうもないか、よっぽどだね王族との軋轢は…
少し、ほんの一瞬だけ困惑したように視線を右往左往させるけれど、すぐに怒りという感情を露にしていく
「王族はぁ!王家はぁ!どこまで、どこまで私を愚弄するのか!!その名は!!」大切なお母様の名前を声に出したのに失礼な人!
「酷いな、お母様の名前を聞いて激昂しないでよ、貴方の敬愛する聖女様の妹の名前だよ?…王家から、監視から、逃す為に故郷へと匿った、貴方の敬愛する女性が愛した家族だよ」
先ほどまで激高していた相手が何を言っているのか理解できない表情で此方を見ている、ナイフを突きつけながら。
これダメだ、言葉じゃ何を言っても信じようとしない、怒髪天じゃん、王族は彼にどれだけの悪行を重ねてきたの?しょうがないなぁ…
念のために、持ってきてよかった。カバンの中に入れて持って来た、お母様の日記を取り出す、唐突にカバンから本を取り出す謎の行動に司祭の表情が困惑しているのが伝わってくる、武器でも何でもないものをどうして今取り出すのか、その困惑している司祭様に本を見せると表情が一気に豹変する
「きさま、それを…それを、どこで、どこで!!」
表紙は統一しているものね、看取れるほど傍にいた貴方なら知っているよね。
「原本だよ、王族が燃やしたのは偽物、無くしたと失ったと思っていた原本、それがどうして私の手にあるのか、これでもまだ信じられないの?…会いたくないけど、お父様も連れてこればよかったかしら」
ナイフを下ろして、ナイフを持っていない方の腕を真っすぐに突き出してくる、寄こせって?しょうがないなぁ…乱暴に扱ったら腕、吹き飛ばすからね?
突き出した手のひらにお母様の日記を手渡すと、恐る恐る本を開き中身を確認していく、速読でもマスターしているのか、凄いスピードでページを捲っていく
「わた、わたしは、なんて、なんておろかなことを…」
本を閉じると同時に両目から溢れるように涙がでてくる、汚さないでよ?
汚されたくないので本を返してっと手を出すとゆっくりと震えながらも本を返してくれる。
本が汚れていないか、ササっとチェックするけれど汚れた感じはしなかった。
視線を司祭に向けると、ナイフを鞘にしまい、テーブルの上に置きに行っている。どうやら、信じてくれたみたい、うーんもう、ほんっと信者ってめんどくさい!自分が信じた物しか信じないんだもん!!信じることが正義で悪いことだとは思わないけれど!思考が硬くなりすぎてダメ!もうちょっと柔軟な思考をもって…持てないから信者なのか。
心の中で大きなため息をついて司祭様の背中を見つめる、先ほどのような感情が高ぶっている様な感じがせず、空虚な感じ、背中が寂しそうだね。
虚ろで寂し気な雰囲気のまま、突風でも吹けば飛んで消えていきそうなくらい弱々しく感じる状態で、此方に向かって、体を向き直すと同時に膝をつき祈りの姿勢をとる
「今回ほど、神を、聖女様を、始祖様を信じてきてよかったと、こころか、ら、こころから」祈りの為に掲げた両腕が震えてるけれど、それは感動で?それとも、先程の行いを後悔して?それとも…
っま、とりあえずは、そんなに私に会えたのが嬉しいって思ってあげましょうか、だったら、直ぐに信じて欲しかったなー、親戚だからね?貴方の敬愛する聖女様の面影あったと思うんだけどなー…確かにお母様に比べたら私の体って貧相だもの…そこなのか?やっぱりそこなのか?
そんなことを考えながら司祭様が落ち着くまで待ってあげていると
「お心遣いに感謝します。すみません、年甲斐もなく、いえ、年だからこそ涙腺が脆いのでしょうね」涙を拭いながら立ち上がる、表情は笑顔だけれど目は曇ったまま。
立ち話も何ですから、どうぞおかけくださいと、ナイフが置かれているテーブルから離れた場所にあるソファーに案内される。
もう、殺意はないですよって意味として受け取らせてもらおうかなっと。
ソファーに座ってから、憑き物が落ちたように過去に起きた様々な事件に関する話だけじゃなく、日常で感じた色々な話を自分語りのようにポツポツと語り続けていく。
お母様のお姉さま、私のおばになるのかな?その人の話もいっぱいしてくれたので、お返しにお母様の話をいっぱいしてあげた。
それと同時に、お母様が残したお父様の武勇伝も語ることになっちゃった…あーやだやだ、それがきっかけでお母様はお父様に惚れちゃったんだよねー!ロリコンハゲデブ親父に惚れちゃったんだよね!!…べつにいいけどー、もっと良い男いるじゃんって思うけどなぁ~。いいけどー。
「そうだったのですね、そんな事が…敬愛する、愛深き一族が途絶えたのだと、絶望の中で生きてきて、今ようやく、私は嬉しく感じております」
そんなことを言っておきながら目が笑ってないんだよなぁ…腹芸はめんどくさいなぁ…
司祭様の自分語りに静かに耳を傾けるけど、なげぇなぁ、まぁいいけどー。予定時間はあるからいいけどー、っていうか、驚いたけどさ、お母さんって本当に魔性の女じゃん…
お母さんが王都で聖女様の様に活躍する姿に司祭様が敬愛する失われし人の姿に似ているからさ、心ときめかせちゃってんじゃん…
お母さんって、あれかな?偉いさんを虜にする何かがあるのかな?みわくのぼでー…それがキーなのか!?
浸透水式でがっつりどんな因果があるのか調べてみようかな?練習と言って、うーん、それをするには術式に長けていて魔力が潤沢で医療の知識が豊富な相方が欲しいなぁ、深く潜るとなると戻ってこれなくなる危険性が高くなるから、生命線がいるよねー…ぅぅ、今の街で命を預けれるほど術式に理解度がある人がいないなぁ、相方が欲しい。
その後もながーぃ、ながーい、ろーんぐろーんぐあごーがつづくー、ねっむ…
何とか気合を入れて寝ないようにしていると、日も傾いてくるので、それを理由にして漸く解放される、駄目だ眠すぎて思考がぼ~っとしてる、私の弱点は睡魔かもな~…
「大変申し訳ございません巫女様」
長話に付き合わせて申し訳ない気持ちがあるのはいいことじゃん?でもね、じっと、教会の近くで待たせている馬車の人、そっちの方が可哀そうよ?じーっと待たせているのだから…なんてね、遅くなるとわかっていたから自由時間にしてるよ?何時ごろに戻ってきてって、伝えてあるし、二人体制にしてあるから、左程、苦行ではないだろうし、報酬も多めに渡しているから問題ナッシング!
…問題?
睡魔の影響で思考がぽけっとしているのにかかわらず問題というキーワードに引っかかりを覚える、何か忘れてない?
視線をちらりと司祭様の顔を向ける、笑っていない笑顔、黒い影…
…あ!いっけね忘れるとこだった
司祭様に案内されるがままに部屋を出る前に一言釘をさしておくか~、眠たいから後日に回したいけれど、後手に回ると面倒だもの
「死人は蘇りませんからね、地下にある組織は解体するように」
その一言で司祭様の表情が一気に豹変する
「お前、どこでそれを知った」
先ほどよりも明確に濃い殺気、そんな殺気を人に向けるなよ、そんな表情も出来るんだ、まるでただ一つの事に囚われてしまって思考を放棄した獣ね…
「甘く見ないでもらいたいわね、私を誰だと思っているの?始祖様から寵愛を賜った一族よ?…誰に向かって殺気を向けているのかしら?」
発言を間違えれば即座に殺されてもおかしくない程、緊張感が漂うが…この程度、問題ないわね、あの時に比べたら今の私は五体満足、この時点で、たかが、人間如きが私に勝てるとでも?…
「もう一度、問う、返答次第によっては」
理性を保つのも限界って顔ね、しょうがないなぁ
「止めて欲しいと言われたの、誰にって?…」
悲しそうな表情でお母様のお姉さまの名前を出すと、憑き物が晴れたような表情になると同時に膝から崩れ落ち懺悔するように泣き崩れる。実際に魂があって会話することができたら、本当にそれは望んでいないと思うよ?
「大丈夫ですよ、怒ってはいません、ただ、純粋に悲しんでいるだけ、傍に寄り添ってくれた相手が犯した罪については不問とします。人道から外れた行為であろうと、それは、貴方のアイゆえにです、正気を取り戻し正道を歩むのであればって、言付けだけ、貰ってるけど、どうする?この言葉を聞いても貴方は愚を犯すの?」
出任せではない、叔母様の日記にもそれとなく、そんなことが書いていた気がするもの、隣人の罪を許し愛せって書いてたから、たぶん、こういうことだよね?
だから、出任せじゃないよね?拡大解釈ってやつ?誇張解釈ってやつ?知らんけど。
「…」
暫く様子を見ていたけれど、返事が返ってこない、たぶん、大丈夫かな、あんな風に表情が崩れて、懺悔するような表情をする人が悔い改めていないわけないもの。
静かに部屋から出ていき、外で待たせている場所に向かう。
聖堂を抜けて、教会の玄関口に向かって歩いていくけれど、特に敵意は無さそう、監視をするような人達も居ない、計画通り、教会は手薄になっているわね。
計画の第一段階として、特別な存在感を放つ人物が教会に訪れたっという目的は達成。
次に、司祭の裏にある愚かしき祭壇を封じることによって、悲劇が起きないようにするっという裏目的も達成ね。睡魔で忘れそうになったけれど、目的が達成出来ているので結果オーライ!
主な目的として、街の皆に伝えてあるのが、王家の連中が監視していない場所で何かしらのアクションが発生したという部分。
王都で知りえぬ情報ってのがあいつらは嫌がる、想定外の事態、アクシデントをとことん嫌うもの、元より臨機応変に動けない雁字搦めな状態なのが悪い、自分たちの描いた地図しか動けないようじゃダメ、結託して動いて、その先にある利益しか見えてない。アクシデントなんて想定していないもん。
それじゃ、駄目、そんな奴らにこの先に待ち受けている試練を乗り越えれるとは思えれない…
そう、私が、ううん、違う、私って言うよりも、寵愛の巫女が居なくなった後の世界を導く力を蓄えてもらわないといけない…
なんてね、偉そうに考えてみたけれど、私が居なくても人は前に進んでいけると、信じれるかな。街の人達がそうだったから。
それにね、無駄な犠牲を生み出させないためにも、癪だけどアレに王座についてもらって家臣全員でアレの横暴を封じないとね。
きっと、そういった意味で長年続いた伝統ある方法を変えてまで、次代の王を決める試練内容を変えたんだろうな、そんな思惑を現王から感じる。
現王もアレの蛮行や悪逆非道を目の当たりにしているだろうし、アレの背景がどす黒く染まりつつあるのも知っているでしょう。
だけれど、膨れ上がりすぎていて止める手段がないのじゃないかなって思える、王都の貴族たちとの取引を続けていくと自然と耳にしたもの、アレの黒い話を…
潰した盗賊や犯罪者達も辿っていくとアレと少なからず繋がりがあった、どうしようもないよ。そりゃ、お母さんもアレを敵視して、殺したいほど憎く感じるのはしょうがないんじゃないかなー?
どうして、アレが少なからず民衆から支持を得ているのか不思議で仕方がない…強さに惹かれているのかな?
それに、教会を出るまでの間に歩いて、すれ違いざまにシスターたちの会話に耳を澄ませたけれど、うん、概ね計画は順調かな。
教会にシスターがひざまずく人物が現れ、始祖様が描かれた特別な日しか拝見することが出来ない肖像画が現れ、シスターが跪く人物を歓迎するような演出をすること。
これによって民衆に何かしらの印象を与えることが出来ている…はず!現に今もシスターの口からはその話題に溢れている、こうなってくると、人の口に戸はつけれないじゃん?噂になってくれているといいんだけどね~。
まぁ、これはジャブみたいなものだからね。誰にも相談していない裏目的が、ここに訪れた主な理由だもの。
司祭の闇を払えたっぽいのは僥倖かなー。最悪、洗脳する予定だったし、精神を汚染しなくていいから特に人格破綻することもなさそうだし、何よりなにより!
司祭の裏にある特殊な祭壇、【悪魔信仰】
…厄介なものに染まりつつある司祭を止めれたのは、ほんっと運が良かった、ううん、運じゃないか、お母様が築いた関係値のおかげだろうなぁ…
お母様を助け出したお父様の事を少しは見直してもいいのかもしれないけどー…
脳裏に過る、お母様が幸せそうにお父様に寄り添っている幼い頃の記憶…
やっぱりやだ!見直さない!手紙くらいは送ってもいいかな、くらいは…
思い出してしまう、幼い頃の記憶…書斎で一人頭を抱えている…相談してくれてもいいのに、私が子供だから、何も言わない、それが嫌い。
いいや、めんどくさいし、ほっとこ!
うんうん!お父様の事は放置放置!そのうち、心配になって向こうから顔を出してくるもん!…そしたら、話くらいはしてあげてもいいかな~。
外で待っている馬車に乗り込み、今晩お世話になる人のお家に向かってもらうけれど、私の存在が見つかるわけにはいかないので、路地裏で一度降ろしてもらって、そこで待機してもらっている畜産の旦那の奥様!元あの街で粉砕姫と呼ばれ戦士の花形ともいえるあの街最強の戦士!その人物であるマッチョマムと一緒に移動する。
私は一人でも大丈夫だから、心配しなくてもいいよっと、何度も直接、本人に言ってるけどさー「心配だから」その一言で絶対に首を縦に振ってくれなかったんだよね。
私ってそんなに信頼できないのかな?まぁ、こうやって待っててくれるのは大事にされているんだなって実感できてさ、嬉しいけど、その、貴女の大きさを考えて欲しいかも、絶対に目立つからいいのに…
なんてさ、事前では考えていたけれど、鎧を脱いで、作業着でいると路地裏に居るのが違和感がまったくないのが驚き、大きな体に凄い筋肉、その姿が、街の路地裏って雰囲気に凄くマッチしてる!この人って周りの景色に溶け込むの上手かも…
そんなのしなくても認識阻害の術式で消せるけど、マッチョマムは術式が苦手みたいで認識阻害の術式が刻まれているバングルを受け取ってはくれているけれど、使おうとはしないんだよなぁ…代わりに私が起動させて魔力を込めておけばいいんだけどさ、私の体内にある魔力は、温存しないといけないんだよね…
認識阻害の術式が無くてもあまり違和感を感じさせないその技量があるのなら護衛に来てもらったのは正解だったのかも?
路地裏を抜けた先に待っている豪華な馬車に二人で乗り込んでっていうか、MM(マッチョマム)も入れるサイズの馬車があることに驚きだよ…特注なのかな?それとも上流階級の貴族達からするとこれくらいのサイズが普通だったり?…実家の馬車なんてドアすらないよ?荷馬車が殆どだったもの。
馬車の中で、今日一日は全員の報告を受けてくれる役目をしてくれていたMMさんに、伝えておいた作戦は順調に進んでいるのか、報告会を始める。
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