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とある人物達が歩んできた道 ~ 予定は…① ~

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特に朝早くから出発ってわけではないけれど、早めに起きて支度をすることは悪い事じゃないので、早めに姫ちゃんを起こす。
手早く服を着替えさせて、旅先である王都滞在時に、必要な着替えなどのは、前日に終わらせてあり、既に、移動するための車に積んである。
後は、集合場所に向かうだけ。

朝食は携帯食である丸薬を念のため、持っていく。道中でお腹が空けばそれを食べる、王都まで我慢できそうなら、王都で朝食と昼食を兼ねて食べればいいでしょう。
寝ぼけている姫ちゃんと手を繋ぎながら、集合場所に向かって歩いていく。

色んな領地へと取引に行くために用意した、姫ちゃん専用の車。
それに乗り込んで向かう、運転は専用の人を今回は雇ってある。
運転をしてくれる為に雇ったのが王都で、行商人として仕事をされている方にお願いしてある、車の運転は行商で使用しているので慣れている、だから問題は無いと思いたいわね。
馬車よりも、車の方が速いし、馬が疲労しないから休憩しなくても移動できるのが、優秀よね。止まるとすれば、魔石の交換くらいかしら?だから、たぶん、馬車に比べてかなり早くに~王都に到着すると、思うのよね。

ほんっと、便利になったものね。腰も痛くないし、舗装された道を走るから揺れも少ないからお尻も痛くないし。良い事尽くめね。

車の後部座席と呼ばれる場所に座ると姫ちゃんはすぐに、私の太ももを枕にして眠る。
疲れが溜まっているのでしょうね。

外に取引の為に出かけて
戻ってきたら研究塔にこもって研究して
人型が出てきたら出撃して
帰ってきたら一緒に魔力を練る練習をして
封印術式も改良する部分とか相談したり

毎日が、いいえ、一分一秒、常に動いている。寝るときも倒れる様に静か寝てる、忙しそうなのよね。

そう、そうなのよね、封印術式をね、私専用ってわけではないけれど、色々と改良して私の体にも施したのよ!
驚いたことに、何も、そう何も違和感というか、日常で不便だと感じることは無かったのよね。

魔力が溢れ出るような体質でもないので、その辺りを物凄く弱めて、どんな人でも魔力は溢れて霧散する、その部分が普通の人よりも魔力を無駄にしない程度に留めて。
主に狙った作用が、若さを保つ程度に老化を遅らせるっという部分に注目して!気持ち遅らせる程度も調整が可能なのか実験を含めて、施したのよ。
何処まで遅らせれるかは出たとこ勝負だから、要経過観察ってところかしら?
魔力が漏れていかないから、かもしれないけれど、少しだけ変わったと感じるのが、魔力を練って貯めやすくなったってことね。
こんなに便利なら医療班で若さとか、小皺とか、美しさを維持したい人達に施してあげたいけれど、私の血が足らないわね。
…私の血以外でも可能だと思うのだけれど、私程、魔力を有していて練り上げれる人がいないのよね。医療班の誰かでそこまで魔力を蓄えれる人、魔力を生み出せる人がいれば、いつかは、この技術を継承したいわね。

それのおかげもあって、毎日、姫ちゃんに魔力を渡しても余裕を感じるくらい、まさに、余るって感じるくらいよ。
だから、多めにあげているのよね、それのおかげか姫ちゃんが魔力が足りないって声を掛けてくることがなくなったのよね。
本人も魔力切れで疲れるような感覚は、無いって喜んでいるし。でも、疲労の回復速度はやっぱり遅いみたいで、摩る程度だけれど、少しでも疲労が抜ける様に、寝ている時によく摩ってあげてるわよ。

施してから痛感しているわ、どうして、もっと早くに封印術式をしなかったのかと。

この技術には感謝しかないわね。

触媒に私の血液が必要だけれど、半年に一度、封印術式を更新すれば問題なさそうなのよね。
なので、二人だけれでよければ特に、無理をするような状況にならないから問題はないわよ、施した時期もしっかりと被らないようにしているから血液が減りすぎて危ないっと言うことも無いようにしてるもの。

後は、私ではどういう風に使うのは、用途が全然、まったく、本気で、理解できないけれど、封印術式を応用・改良して、戦闘用の服を作るって息巻いていたけれど、どうやってこれを応用するのかしら?そもそも戦闘服って隊服と何が違うの?鎧みたいに硬いお洋服かしら?鎧でよくない?

そんなことを考えていたら、王都近辺にまで近づいてきたので、姫ちゃんを起こす。姫ちゃんの目が覚めきるころには王都に到着する。

車は、王都の中に入りずらいので馬小屋の近くに止めてもらい、運転手さんも後日、帰る時にお呼びするので、その間までは、自由時間となる、といっても彼も彼で仕事があるのでそれまでは本来の仕事をしているでしょう。
どうせだったら、付き人よろしく、荷物持ちくらいしてもらってもいいんじゃない?って思うかもしれないけれど、姫ちゃんはそういう契約じゃないからダメだよって釘をさされてしまったわ。

そういうちゃんとした部分を、どうして私には適用してくれないのかしらね?…お母さんは荷物持ちの人じゃないのよ?

姫ちゃんと一緒に手を繋いで王都の中に入っていく、取り合えず向かう先は決まっている。
こんなにいっぱいの荷物を持って王都観光は疲れるだけ、まずは、荷物を置くために私の実家に向かう予定よ。
実家には事前に手紙を出して、誰々と一緒に何日泊まるからっと、伝えてあるので、大丈夫でしょ。

久しぶりに門番の人に会うと、ちょっと表情が浮かない気がしたけれど、疲れている日ぐらいあるわよね。
実家に顔を出すと、本当に時の人である姫ちゃんと一緒に帰省するとは思っても居なかったみたいで、屋敷にいる使用人、全員がパニックになってしまった…
握手してくださいとか、ハグしてもいいですかとか、落ち着きなさいよ…恥ずかしいから、こうならないように予め手紙で伝えたのにね、もう、恥ずかしい…

姫ちゃんは姫ちゃんでちゃんと、外交用、作法に乗っ取った所作で、綺麗に、お淑やかで、麗しい、完璧な淑女として動くものだから、私も実家なのに!肩が凝る淑女としての動きをしないといけない!恥ずかしい所を姫ちゃんに見せられなくなっちゃったじゃないの!

それが、地味に辛かったわ…実家くらい素のままでいさせてよ、私はもう、体の隅々まで、あの街で生きる人になっているのよ。
もう、貴族社会なんてかたっくるしい世界で、生きるなんて、考えたくないわ。ほんっと!かたっくるしい!!腰も肩も凝り固まる!!嗚呼、もう、早速、マッサージに行きたくなってきちゃったなー!!

はぁ、ぼやいていてもしょうがないですし、部屋に荷物を置きに行きましょう。

私の部屋は、まだ残してくれているみたい、まぁ、この屋敷の部屋は余っているもの、そのままにするわよね。
中に入ってみると、特に変わってはいなかった、あの当時、そのままだった…

違うのは壁に飾っていた派手なドレスがないことくらいね…ドレスで思い出したけれど、あの頂いたお洋服、社交界に出ても何も問題ないくらい優雅で素晴らしいドレス!一応貴族であれば普段使いも視野に入っているくらい考えられて作られた珠玉の逸品。
どうやって返そうかしら?…返せるわけないのよね~返すなんてね、失礼にもほどがあるじゃない?
でも、知ってしまったのよね、あのドレスに含まれている意図を…

まさかねー、ずっとクローゼットにしまい込んでいる、今後も着る機会が無いであろうドレスを出してみたら、そんな意図があるなんてね~…尚更、迂闊に着れなくなったわよ。

どうして、普段使いしないのかって?そんなの決まってるでしょ、上等すぎるのよ!私はもう、貴族じゃないのよ!あの街で、普段使いなんて絶対にできないわよ。
直ぐに汚してしまうわ、絶対に汚してはいけない、綺麗な品物だもの、怖くて、着れなかったのよね…

流石に、姫ちゃんのお誕生日には着ましたけど?周りから物凄く高評価でしたわよ?
その結果、知ってしまったのよね、姫ちゃんから後日、教えてもらったのよ、ある地方では、お洋服のその箇所に青い色を入れて、趣向を凝らした珠玉の逸品…と、いう事は…

はぁ…末席の人がその地方ではないと思いたいわね、って送り主の名前を言っていいのか悩んだけれど、姫ちゃんだったら王族との何かしらのつながりがありそうだから伝えたらにんまりと笑って答えを言ってくれなかったけれど!答える必要がないってのがもう答えなのよね!!!

駄目ね、意識しちゃだめよ!年下は、好みじゃない!はい!復唱!年下はお断り!!甘えてもらうよりも!甘えたいの!抱きしめて甘い声で、胸が高鳴る言葉を囁いて欲しいの!!

さぁ、気持ちを切り替えましょう、はぁ、頬が熱いわねー。

ふと、床を見て思い出す。

そういえば、塗料はどうなっているのかしら?常に携帯している特殊な光を出す魔道具を一瞬だけ照らして見てみると、綺麗に掃除してくれているのか、塗料は完全に床からきれいさっぱり無くなってるわね。

掃除もしてくれているみたいですし。窓際にすら埃一つも無いわ、綺麗好きな侍女に、感謝をしないといけないわね。
そうね~感謝の気持ちとして何かを贈るのもいいんじゃないのかしら?
姫ちゃんのおかげで、私の懐事情が大きく変わって、素晴らしい程に潤っているもの、幹部共に鬼畜の所業と言われてもおかしくない程の仕事を押し付けられたのだから、当然、お給金も多めに配分してやったわよ!!
そんなわけで、偶には、お母様や侍女の皆さんに感謝の気持ちを込めて、何か買ってあげてもいいかもね。

そんなことを考えていると「はい、お母さん」姫ちゃんから袋を渡される?何よこれ?
開けてみると、姫ちゃんが用意していたのは数多くの生活用魔道具の数々…
「お土産!喜ぶかな?」
ええ、そうね、きっと喜ぶと思うけれど、もう一工夫すれば、もっと喜ぶわよ
その内容を伝えると「ぇ”!?恥ずかしいからヤダ!そんなの考えたことないからやだよー」こういうところでは恥ずかしいって感情が出てくるのね。

喜ぶと思うのにね、魔道具一つ一つに王都で噂される時の人、その姫ちゃんが”特別”に用意したっという証。
つまり、この世に二つとない姫ちゃん専用のサインを書いてプレゼントしたらって、提案してみたけれど拒否されてしまったわね。

特別感があっていい案だと思ったのにね。

不必要な荷物を部屋に置いて、部屋を出て、お母様を探すとリビングで優雅に座っていたので、姫ちゃんが用意したお土産を渡す。

返ってくる反応は決まり切っている、当然よね、ものすごく喜んでもらえたわ。
けれど、魔道具を一つ手に取ってまじまじと見ていると、残念そうな顔をする、意匠として、作成者として、作品にサインが付いていないっと、残念そうにしていると侍女がペンを直ぐに持ってきて、姫ちゃんに渡すものだから
「恥ずかしいからやめてくださるかしら?」実の母親に、家族に、圧というエッセンスをプラスして異を唱えると怒られた子供みたいにしゅんとする。
流石にね、娘としては、ちょっと申し訳ない気持ちになる、けれども!姫ちゃんが嫌がった部分なのよ、ごめんなさいね、お母様。

残念そうにしているお母様を見た姫ちゃんがペンを受け取って顔を耳まで真っ赤にして、一つ一つ魔道具の手が触れにくい場所に名前を書いて改めて
「プレゼント!」ん!っと頬を朱に染めながらお母様に渡すと。
お母様はにこやかな笑顔で受け取り、家宝すると大喜び。
その喜ぶ姿を見るのは身内としては、嬉しいけれど、鼻歌を歌いながらくるくると踊るようにするのは、ちょ~っと、恥ずかしいから辞めて欲しいわね。
もう…こんな形で親孝行なんてしたくないわよ…

それにしても、お母様は、何も変わらないわね、何時までも美を追求して、小皺を良しとしないその姿勢、どんな時でも表情は些細な動きだけ、貴族との関りが無い人だと、無表情の人だと思われてしまうわね。

ともあれ、喜んでもらえたのは良かったわ。嬉しそうなお母様と別れて、王都観光に旅立つとしましょうか。お昼ご飯も食べたいしね。

家を出る時に、門番の兵士が見送ってくれるのだけれど、何だろうね?何処か、言い淀むというか聞きたいことがあるのか、雰囲気が違うのよね。
純粋に疲労が溜まってるとは何か違う気がするのよね、何かあるのか、あったのか、今度、時間がある時にでも話を聞いてみてもいいかもしれないわね。




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