最前線

TF

文字の大きさ
上 下
141 / 394

とある人物達が歩んできた道 ~ 心配ね… ~

しおりを挟む
二日目…
その日は、しっかりと、姫ちゃんのリクエスト通りに叩き起こして寝ぼけている状態だろうと問答無用で着替えさせて、一緒に門まで行き戦士の一団を見送った。
見送られた一団の表情を見る限り、陰鬱そうな、活力が無さそうな感じも無く、1日目よりも、目に力が宿っていて活気があるように感じ取れた。

姫ちゃんに見送られたことによる士気向上なのか、坊やを飛ばす為に消耗した魔力が回復したからなのかは、詳細は計りかねるけれど、顔色も良くなっているし、心なしか表情も穏やかなのは、戦場へ赴く戦士としては非常に良い状態なのは間違いないわね、これなら、怪我をする心配も無さそうね。

表情が穏やかなだけじゃなく色々と心境にも変化が起きたのか、騎士一号に至っては姫ちゃんを見るなり歩いて近寄ってきたと思ったら、膝をついて挨拶するなんてね、完全に姫ちゃんに心一筋、心酔しているって感じね、その姿を見た一部の人達も、慌てて姫ちゃんに駆け寄って膝をつくものだから、本当の姫様に跪く様にしているように見える、ここだけを見れば何処かの王国にいる姫様に忠誠を誓う騎士達って感じね。

この感じで、確実に姫ちゃん騎士団が生まれつつあるわね。

良いことね、宗教だろうが何だろうが、心を支えてくれる存在があるってことが大事なのよ、ね…

戦士の一団を見送った後は、姫ちゃんと一緒にお風呂に入ったりして、坊やには申し訳ないけれど、優雅な一時を堪能させてもらっているわ。
ちゃんと、何時だって、心配はしているわよ?

姫ちゃんを、研究塔まで送った後は、私は私で団長としてすることがあるので、医療班の方に向かう。
医療班に提案して全員から認可を貰わないといけないのよね、前回は緊急事態でそういうのをすっ飛ばして強引にやらせちゃったから、ね。

本来であれば命にかかわる内容は、事前に相談してから、どの様な内容なのかを全員が、医療行為として何を行っているのか、その内容を把握しておかないといけないのが医療班の基本的な、決まりなのよね。

なので、前回緊急事態に姫ちゃんが気を利かせてくれたおかげで救えた命がある、あの回復を促す陣を医療班として正式採用するために話し合いを行わないといけないのよね。
まぁ、効果を目の当たりにしているので、どの様な内容なのか説明すれば問題ないわよね。
姫ちゃんにお願いして、アレから少し改良し用意してくれた回復を促す術式の陣、複数を医療班に説明すると、誰も反対することなく、採用された。

採用されたので、回復の陣を何種類か用意してあるので個々の説明を詳しく姫ちゃんから教えてもらった通りに、一つ一つ説明し、使用方法と注意点を念入りに伝えていく。

命に係わる術式だから、苦手だとかそういうのを、抜きにして全員が真剣に取り組んでくれた。
先輩も頑張っては、いるのだけれど、術式は苦手みたいで、頭を抱えていた。

また、魔道具も扱うのが苦手みたいで、体内にある魔力量が少ないのか、陣を長く維持できそうに無かったので、先輩は陣起動要員としては、不向きと判定された。
物凄く悔しがっていたのが、その場にいる全員の心を和ませてくれた、医療に関係することで苦手な部分があるのだと、この人も人間なのだと笑いあえた。

これに伴い、魔力量を測定する為の魔道具が欲しいという声が出てきたので、魔石の中にある魔力量を大まかに測定する魔道具があるので、それを人様に改良する方針が決まり、姫ちゃんに打診することが決まった。

魔力を増幅させる作用があるかは、定かではないが、魔力コントロールの訓練方法を全員に伝授する方針も決まる、これによって、ずっと気になっていたことがある。
その件も進めていけそうね、今後、姫ちゃんの様に魔力欠乏症、いいえ、枯渇症になる人が出てくる可能性があること、なのよね。

今までは術式も、魔道具も豊富ではなかったし、扱える術士も非常に少なかった、っというかね、術士の殆どが…元々は王国にいる兵士さんで、今は、王都に帰っている監視の人が連れてきた人材なのよね。

あの時の遠征も、物凄く助けられた…

その術士の人達が、遠征前から騎士様の願いによって、術士の育成をしてくれているおかげで、今も、この街には戦闘用の術士が数名居る。

だけど、今後、魔力消費を前提に置いた戦闘や、技術開発が行われていく可能性が非常に高い。

そうなると、医療班としてもアレを処方する以外の選択肢を用意するべきだと考えているので、今度、先輩に相談してみよう。

医療班としての新しい技術の提案と説明などを終えた後は、姫ちゃんの様子を見に行く。
研究塔の中を覗き込んで大体同じ場所に居るのに、今日は、いなかったし、中も人数がかなり少ないのよね、そうなると、何処か外で何かしらの実験とか説明をしているかとみて、いいわね…なら、誰かに何処に移動したのか聞くのが一番よね。

作業をしている研究塔所属の方に確認すると、修練場に研究員を連れて出て行ったので、どんな実験を行っているのか見に行ってみる

実験をしている現場に近づけば近づくほど、多くの人の歓声が聞こえてくるわねっていうか、物凄く大きな歓声が沸き上がっているわね。

実験現場で騒いでいる人を捕まえて、何事かと話を聞いてみる。
どうやら、新しい魔道具のお披露目会をしていたのね、実験を超えたその先じゃない、実用段階のお披露目会だったのね。

内容は、特殊な紙に術式を描いて、それに魔力を通すと、過去において、考えられない程、容易に、誰でも高等な術式を発動できるのだと騒いでいた。
術譜っという、新しい魔道具で、魔力を込めて起動した後に対象に向かって投げて発動しても良し、対象に向けて発動と念じながら魔力を込めると術譜から、風が吹いたり、火の球が飛んで行ったり、水を生み出したりすることが出来る

そういえば、風を生み出す術式を紙に書いて起動したりしていたわね、それの応用ってことかしら?

財務を担当する人も、この現場にいたみたいで、私を見かけるなり飛んできて
「これを王都騎士団に売り込みに行きます!!!」っと、鼻息荒く目が血走って眼前迄くるじゃないの…
売りに出す許可をください!っと頭を下げられても、姫ちゃんに確認してからでもいい?っと、少し距離を離して返事をすると
「貴女の許可が下りればいいと言っていました!!!」距離を離した意味もなく、物凄い眼力で詰め寄られてしまったので、つい、二つ返事で良いと返事を返すと、姫ちゃんの元へ駆け出して行った。

呆気にとられながら、呆然と眺めていると

財務担当の方と共に、こちらに向かって姫ちゃんが笑顔で走ってきたと思ったら何かよくわからない、初めて見る魔道具を此方に向けているけれど、何それ?
「にへへ~、ちょっとまってね!」
魔道具に皮?の様な物を上から入れると、上から入れた皮が下から出てくるけれど?何をしているのかしら?
「っじゃっじゃーーん!!カメラ出来た!!!」嬉しそうに手に持ってる魔道具を掲げている
かめら?手に持っている魔道具かしら?
「みてみて!ほら、見て!!凄くない!?」眩しい笑顔で近寄ってくるわね。
先ほど、かめらっという魔道具に入れていた皮を渡されると焦げた臭いがする…何か焦げ臭い皮ね、焦げた香りが漂う皮を広げてみると

驚いたことに、私が描かれているじゃない…焦げている部分が黒くなって線となり私を描いたってこと?一瞬で!?この魔道具で!?…肖像画を描く人の仕事がなくなるわね。

「すごいじゃない!!これがこの前、教えてくれた作りたかったもの?」純粋に凄い魔道具なので年甲斐もなく、驚きながら大きな声を出してしまう。
ありのままに感じたことが感情のままに溢れ出てきてしまう、良い大人なのにね…
「そうだよー!!カメラって言ってね!敵の眼球を特殊な液体っていっても、敵の体液だけどね!それにちょっとした成分を追加して、漬けこんだの!!それでね、敵の眼球にある神経を術式に接続しててね、魔力を込めて術式を起動すると、眼球が見た景色を一時的に保存するの!っで!保存された情報を眼球から抜き取って、敵の革を乾燥させたやつに焼いて出力するの!!」私が驚いたのが嬉しかったのか、完成したのが嬉しかったのか口早に、笑顔で説明してくれるのは良いのだけれど…
ちょっとまってね、お母さん、ちょっと眩暈がしそうなのよ、だって、説明内容がグロテスク過ぎない?…
特殊な紙って、敵の皮ってこと?発想が飛び過ぎていて、常人の域を超えているわね…

私達のやり取りを見ていた財務の人が開いた口がふさがることなく、全身を震わせており
「売れる!!!!」
膝をつきながら天を見上げる様に上空に向かって両腕を突き上げ叫んでいた…財務の人ってこんな人だったかしら?

その後はもう、現場は大混乱よ、研究塔の全員が、先ほどまで術譜で盛り上がっていたけれど、こちらの騒ぎを聞きつけて集まってきて、魔道具の取り合いが始まっちゃったのよね~

お陰様でカメラを起動して、映像を保存して?保存した情報?を、皮に焼くことを印刷って言うのね。
その印刷によって、大量の皮を消費するわ、魔力切れを起こしてグロッキーになる人が続出しちゃったのよね。

魔力が切れた人に譲渡していったら私の体が持たないし、この人達だったら魔力回復促進剤を飲めば明日には回復するでしょう、なので、奥様に頼んで魔力回復促進剤を用意してもらい、作り立てほやほやの液体を、嫌がる人達に無理やり飲ませてあげましたわよ。

幸いにもカメラを作る為の材料は、山ほどあるので、量産する方向で暫くの間は、研究塔は大忙しって感じに決まりそうね…
受注次第では生産が追いつきそうもないわね、どうにかして人員を確保できないかしら?いざとなったら、奥様の一族に打診するのも、ありかもね。

そんな大騒ぎがあった後も、夜は…やってくる。
夜になる前に外に出た一団が、昨日と同じように大量の仕留めた敵を持ち帰ってきてくれた。

どうやら、敵を解体して素材として運用するために仕留めた敵を持ち帰ってきて欲しいと、予め姫ちゃんが戦士の一団に伝えていたみたいで、大量に持ち帰ってきてくれた。

その大量に持ち帰ってきた敵の死骸を見た、財務の人がぽつりと「お、おたからやぁ…たからのやま~」っと呟いていたのを見て、この人って、実は、根っからの守銭奴なのでは?っと、評価を改める必要があると感じてしまった。

軽く確かめるためにも、少し落ち着いて冷静になった財務の人に話を聞いてみると、どうやら、過去に目指していた野心、今はもう諦めてしまった、野心が、沸々と湧き上がり、もしがしたらという感情と共に、新しく芽吹いてきていて、あの時、苦渋を辛酸を舐めさせられた相手に同じ思いをさせられるかと!叶うかもしれない!っと、目を輝かせていた。

どうやら、王都の財務大臣の座を狙っていて、跡目争いに敗北した結果、この街の財務を担当することになったのだと…
「しかし!姫ちゃんが齎す富、その富を生み出したという実績!!これをうたい文句として!この常識外れの経営手腕っという触れ込みも追加に用意する!!そして!!誰も成しえなかった大いなる実績を引っ提げて!!!時が来れば財務大臣の座を狙ってやりますよ!!!」と…息巻いていた。
この人もまた、姫ちゃんによって諦めていた夢を、もう一度、追いかけてみたいっという、熱量を取り戻したってことになるのよね?復讐心っぽい感じもするから、夢というよりも、恨みの方が正解かしら?
まぁ、どっちでもいいわよ。貴方が偉くなってくれるのだったら、それはそれで、私達としては歓迎よね。
もし、その野心が叶って、王都の財務大臣に下克上が成功し、そのポストに収まることが出来たら、そりゃ、ねぇ?それを叶えてくれた姫ちゃんには、絶対的な恩が生まれるわよね?そうなると、恩があるのだから、裏切るようなことは…しないでしょう。

私が財務の人と話し込んでいる間に姫ちゃんは戦士の一団と会話をしてくれている。

財務の人と別れて私も話を聞かないといけないわよね。
途中からだけど、戦士の一団が持ち帰ってきた情報を姫ちゃんと私に、敵の規模や状況を説明してくれる。
昨日と、同じで敵が何かを探している事には変わりはなく、敵が数多くうろつく現場で夜を過ごすのは危険と判断して帰ってきた。

ただ、昨日と違うのは認識阻害の術式のおかげで、帰り道は、敵に一切、遭遇することが無かったので、襲われることも無かった、敵に見つかりたくない時に、戦士の一団が一番、警戒していた鳥型の獣でさえ我々を発見することが無く。安全に!大量に!!仕留めた獲物を持ち帰れたので、認識阻害の術式は大成功という結果となった。



しかし、根本的な問題が解決していない…本来この作戦は坊やを救う為に展開しているのに、肝心の坊やが、今も敵地にいる。
二日目になっても、坊やを発見していないという事実だけが、不安なのよね…生きているわよね?


体を動かしても、問題なく動けるだけの食べ物、水は三日分…つまり、明日…坊やが、万全に動ける日付のリミット…
戦わずに、隠密して、最低限の動きで動き続けているのであれば、食料も余裕があるだろう、けれど、問題は水なのよね…
向こうの水は人体に悪影響しか与えないので、現地に詳しい、戦士であれば、絶対に現地の水を直接、飲まない…
飲めるポイントも点々と、あるらしいけれど、煮沸したり、濾過したりするのが基本なのよね…

水を求めると、そうなると朝露を集めたりしないといけなくなる、だが、それも場所によっては毒となる…
死の大地は、本当に人類が生きるには厳しい大地ね。





三日目…
早朝に姫ちゃんを起こして、門まで連れていく、見送りの為に…
昨日のうちに話し合いは、殆ど終えている、その為、今日の方針は決まっている、といっても、姫ちゃんが殆ど考えてくれているので、私?…後で確認予定よ。

知っている内容は、今日の昼過ぎまでに坊やを見つけることが出来なかったら、より遠くまで捜索範囲を伸ばす予定となっており、街へと連絡を届ける為に多くの戦士が必要となり、今日は、前日と比べて多くの戦士達が死の大地へと、坊やを救出するために外に出ている、緊急事態に備えて待機してくれている戦士の方達もいるわよ、本当に最低限だけどね。

それにね、今日がタイムリミットと考えるべきなのよ、持たせている丸薬や水分を考えると、坊やが万全な状況で動けるのは今日が最後、今日という日を逃してしまうと、敵から逃げる為に動き回っていて食料も水もなく、徐々に動けなくなってしまった、坊やを探すという…広大な死の大地を探すという…無謀な捜索隊を編成することになる…


如何な坊やと言えども、食べる物が無ければ…4日目までは、此方も希望を捨てずに捜索する、する…わよ?でも、5日目となると…


一つ気になることがあるのよね、対となる魔道具を坊やが回収しているのであれば、此方から坊やに向かって何名か戦士を送り届ければいいのでは?
それだけでも、坊やに食料を届けることもできるし、仲間も来るので心強くならない?
その事を、姫ちゃんに相談したけれど、既に試していたみたいで、結果は残念な結果となった。どう頑張っても対となる陣に繋がらなかった。

何かしら発動に条件が必要な特殊な魔道具みたいで、飛べる距離が決まっているのか、特定の範囲から離れると届かないのかもしれないし、対となる向こう側も陣を広げていないとダメなのかもしれない、丸めていたり、運んでいて座標が安定していない、地面に設置されていない等、特定の条件を満たしていないと起動できないのかもしれない。
起動できる条件を満たしていないとセーフティーの概念で反応しないのか、どういった理由か、今の段階では知る術が無い、試しに魔力を込めても一切合切反応が無く、何も飛ばすことが出来なかったみたい。

状況次第では、私達も出撃できるようにしておいた方が良いでしょうね。
戦士の一団も最悪の事態を想定しているみたいで、昼過ぎまでに、何かしらの、連絡をしてくれる手筈になっている。
私達も連絡が来るまでに、坊やを見つける為の策を練るという、方針が決まっているみたいなので、昼までに方針を固めないといけないわね。

戦士の一団を、見送り、今後方針を話し合う為に、お風呂に入りながら姫ちゃんと、どうするのか話し合う。
坊やが予定のポイントに現れない、その理由を考えらえるだけ上げると、きりがないので可能性として高いものを姫ちゃんが用意してくれていた。

①敵が多すぎて、戦闘を避けながらなので、ゆっくりと近づいてきている
②人型と遭遇して、闘いながらも徐々に近づいている
③人型と遭遇して、動けない状況になっている
④…

って感じね。

①以外であれば、確実に私達の出番になるけれど、その場合はどうするのか、何か策があるのか、姫ちゃん的に何かしらの策があるのか確認してみると
その為の術譜らしい、これを大量に生産しておけば、有事の際に自爆特攻なんてしなくてもいいようにするのが本来の目的、つまり、街に最低限、守りの為にいないといけない戦士を前線に出せる事にも繋がるし、敵と闘う戦士の一団も攻撃手段が増えることによって戦略の幅が広がるので、より有利に人型との闘いを進めることができる。

確かに、攻撃手段が増えるのは良いことよね、どうしても近距離での闘いばかりになってしまうと、怪我をする人も増えてしまうし、術士以外も多種多様な高度な術を使えれるのは有効よね。

お風呂から出た後は、先ほど説明してくれた術譜を、戦術利用を目的とした、牽制用、攻撃用、逃亡用などなど、様々な条件下で使うための数多くの種類を作っていく。
術譜の作り方は、敵の皮を特殊な製法で術譜用に改良し、その後は、敵の体液と特殊な液体を混ぜ合わせて作ったインクを使って、姫ちゃんが用意した陣を描いていくだけ。

研究塔にいる全員が総出で、もしもに備えてお昼までに数多くの術譜を作り上げていく。

どうやら、姫ちゃんはもしもに備えて動いていたみたいで、昨日のうちに、研究塔のメンバーに備えるように指示を出していたみたい。
なので、もしもに備えて、永遠と敵の皮を術譜用に作り上げていてくれたメンバーがいるのよね、恐らくだけど、私が、姫ちゃんの場所を訪ねた時に、何かしらの作業をしている人達が居たわね。
きっと、その方達がもしもに備えて頑張ってくれていたのだろう、今日という緊急事態に備えて…
研究塔に所属する人達であれば、本音は、きっと、お披露目会に参加したかっただろうに、縁の下の力持ちがいるのは良いことよね。いいチームじゃない。

必死に作業をしていると、医療班も緊急事態に備えて動いている私達が何かしていると知ったみたいで、何か手伝えることがあるのか尋ねてくれる。
内容を伝えると、「陣を描くだけなら手伝えます!」快く手伝いを申し出てくれた、此方としても非常に助かるし、少しでも万全の状態にしたいので、手が空いているスタッフ総出で術譜をこさえていく。

今まで医療班に所属する多くの人達が、こういった作業を「手伝います」と、自ら申し出てくれることなんて無かったのに、人って変わるものね…
自ら申し出てきてくれるなんてね…良い傾向に意識が変わりつつあるのでしょうね。

度重なる命の危機に、自分達も動かないと、自分たちの命も危ないのだと、危機感を抱いたのか。
それとも、12歳という、うら若き乙女が命がけで戦地に赴いたり、自分たちが成しえなかった様々な施設の改良、医療班としては専門外のことだから、自分たちは関係ないよね?っと高を括れたけれど、医療に置いても新機軸の技術を考案し、誰もが納得できる内容で採用され、どんな状況でも前向きに事を進めていく姿に触発されたのかもしれないわね。

全員が何かしらの作業をしている傍ら、ちらりと姫ちゃんが何をしているのか視線を向けてみると、何かわからないけれど、きっと、新しい魔道具だと、思われるものを作成している。
自身の作業をしながらも、研究塔にいる人達が解らないことや、気になることを、質問に来ても、自身の手を止めないで説明している。


さぁ、私も集中してガシガシっと、作っていくわよ!!


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【完結】暁の荒野

Lesewolf
ファンタジー
少女は、実姉のように慕うレイスに戦闘を習い、普通ではない集団で普通ではない生活を送っていた。 いつしか周囲は朱から白銀染まった。 西暦1950年、大戦後の混乱が続く世界。 スイスの旧都市シュタイン・アム・ラインで、フローリストの見習いとして忙しい日々を送っている赤毛の女性マリア。 謎が多くも頼りになる女性、ティニアに感謝しつつ、懸命に生きようとする人々と関わっていく。その様を穏やかだと感じれば感じるほど、かつての少女マリアは普通ではない自問自答を始めてしまうのだ。 Nolaノベル様、アルファポリス様にて投稿しております。執筆はNola(エディタツール)です。 Nolaノベル様、カクヨム様、アルファポリス様の順番で投稿しております。 キャラクターイラスト:はちれお様 ===== 別で投稿している「暁の草原」と連動しています。 どちらから読んでいただいても、どちらかだけ読んでいただいても、問題ないように書く予定でおります。読むかどうかはお任せですので、おいて行かれているキャラクターの気持ちを知りたい方はどちらかだけ読んでもらえたらいいかなと思います。 面倒な方は「暁の荒野」からどうぞ! ※「暁の草原」、「暁の荒野」共に残酷描写がございます。ご注意ください。 ===== この物語はフィクションであり、実在の人物、国、団体等とは関係ありません。

【画像あり】転生双子の異世界生活~株式会社SETA異世界派遣部・異世界ナーゴ編~

BIRD
ファンタジー
【転生者モチ編あらすじ】 異世界を再現したテーマパーク・プルミエタウンで働いていた兼業漫画家の俺。 原稿を仕上げた後、床で寝落ちた相方をベッドに引きずり上げて一緒に眠っていたら、本物の異世界に転移してしまった。 初めての異世界転移で容姿が変わり、日本での名前と姿は記憶から消えている。 転移先は前世で暮らした世界で、俺と相方の前世は双子だった。 前世の記憶は無いのに、時折感じる不安と哀しみ。 相方は眠っているだけなのに、何故か毎晩生存確認してしまう。 その原因は、相方の前世にあるような? 「ニンゲン」によって一度滅びた世界。 二足歩行の猫たちが文明を築いている時代。 それを見守る千年の寿命をもつ「世界樹の民」。 双子の勇者の転生者たちの物語です。 現世は親友、前世は双子の兄弟、2人の関係の変化と、異世界生活を書きました。 画像は作者が遊んでいるネトゲで作成したキャラや、石垣島の風景を使ったりしています。 AI生成した画像も合成に使うことがあります。 編集ソフトは全てフォトショップ使用です。 得られるスコア収益は「島猫たちのエピソード」と同じく、保護猫たちのために使わせて頂きます。 2024.4.19 モチ編スタート 5.14 モチ編完結。 5.15 イオ編スタート。 5.31 イオ編完結。 8.1 ファンタジー大賞エントリーに伴い、加筆開始 8.21 前世編開始 9.14 前世編完結 9.15 イオ視点のエピソード開始 9.20 イオ視点のエピソード完結 9.21 翔が書いた物語開始

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺と幼女とエクスカリバー

鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。 見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。 最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!? しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!? 剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕

処理中です...