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とある人物達が歩んできた道 ~ 未知との邂逅2 ~
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歩きながら説明する、姫ちゃんは自身の事を第一優先で生きてきたであろう、だからこそ、もっと視野を広げて欲しい、勝手な期待になってしまうのだが、貴女には、人類を導いて欲しいと思ってしまっている部分があるからこそ、歴史から学べるう事というのはあると、先人達のしてきた苦労を知っていて欲しい。
この畜産・農業エリアがあることによって、私達は何時だって美味しい食事にありつける、お腹いっぱいにご飯が食べられる。
これがいかに大事なのか、知ってほしい。
姫ちゃんが来る前から…今もだけど、この街は基本的に、必要最低限の維持費しか王都から支給して貰えなかった、それ以上の予算を得るためには、各々が出来ることでお金を搔き集めていた。
先輩は、医学書を定期的に発刊してもらっているので、今では王都にある医療を志す人なら誰しもが持っている、参考書っというか、もう、教科書になっているのよね。
私も、薬の知識とか毒の扱い方とか、そういった類の本を出版してもらっている
奥様も、絵本を何度も再販してもらっているし、子供でも頑張れる術式!っとか、そういった子供に寄り添った技術本も出しているのだが、値段が高いので売れ行きは芳しくないし、そもそも、カラーの製本は時間が掛かりすぎるので数が多くすれない
畜産の旦那は、技術の本も出しているし、王都とか、他の領地から研修生を募って技術を教える為の講義を開催して資金を得ているけれど、その多くが畜産エリアの運営費用になっているので、あまり多くは期待してはいけない
一応ね、現状では、一部の人達には、お給金は出ている、王都から派遣されている貴族の人もね居るのよこの街って、だけどね、その人たちから比べると、だいぶ、低いのよ。
私は、その、一応、貴族の出っていうこともあって、そこそこ優遇されているのよね、普通に学校を卒業して王都で仕事を探したとしても私のような、側室からの出自で、親のコネも使えない人が働ける場所なんて無いのよね、だから、側室候補として生きるしか道が無かったのよ、それに比べたらお給金がある時点で相当、助かってはいるのよね。
ちょこ~っと…お父様に援助をお願いしちゃったことも?ありますけど?…お給金だけじゃきついときがあったのよ。
そんな私が、医療班として最低限のことしか出来ないのにね、お給金を頂いちゃったのは、その、来た当初は申し訳ないなぁって思ったわよ?その、この街に生贄の様に連れてこられた人に比べたらかなり多く頂いていることにね。
その事に対して困惑もあったし罪悪感もあったのよ、ここに来た当初は食と寝るところさえあれば、騎士様の近くに入れるってだけで、満足しちゃっていたから。
だからね、お給金を貰ってしまったという事実にずっと蟠りというか、心に引っかかってる部分があったのよ。
なので、一番、そういう人達とかかわりのある、騎士様にね、ふとした話題の時に、相談したことがあったのよ。
「学がある人、一芸に秀でた人にしか出来ないことがありますから、そこは評価されていると思って遠慮しないで当然の権利として受け取ってください」
その一言で申し訳ないけれど、納得してしまったのよね。
生贄の様に連れてこられた人って、生きる気力すらないような人達ばっかりで、まともな食事と寝どこがあるだけで感動して涙を流していたのよね…
犯罪者の人達も、勿論、多くいたわ、そういう人達は、騎士様がしっかりと監視しながらも真摯に向き合って、心身ともにしっかりと教育された結果、厚生した人も多くいたわ。
そういう人達はね、いくら結果を出しても…お給金なんて、木の葉につく朝露に等しい程だったわ…
坊やも最初はお給金なんて出ていなかったし、巨躯の女性もそうよ、だから、私の中で蟠りが生まれてしまったのよね。
一応ね、坊やは孤児院出身だから、出身の孤児院に寄付という名目で渡されているはずよ、かなり低い金額が
巨躯の女性は、本人からは聞いていないけれど、財務の人から教えてもらったのよね、僅かなお給金も殆どが自身の故郷に寄付していると
淡々と多くの感情を超えずに、こういった過去があって、どうしようもない現実を、説明すると姫ちゃんは何も言わないけれど、私の前に回して手が、腕が自然と力が込められていくのを感じる。
本来であれば、子供に財政難とか、お金の厳しさを見せない方が、大人としては正しい姿勢なのかと思うけれど、この子には、そういった背景も、歴史も、私達が命がけ…いいえ、命を賭して繋いできたバトン…歩んできた道を、しっかりと受け止めて欲しいのよね。
「…そっか」
小さな声から、伝わってくる。
私が感謝の気持ちを相手に伝えようと、しっかりと体を使って相手が見えなくても感謝の気持ちを伝えようとした、その意味を理解したのだと感じる
「…そうよ」
私達はね、王都に住む、上流階級の人達からすればゴミ同然の様な生き物よ
でもね
王都の中にある、どうしようもない人達が屯する、エリアからすれば、生きる術を、糧を、得られる夢のような場所なのよ…一歩間違えば、直ぐに月の裏側へご招待されちゃうけどね。
何とも言えない、何も言えないような空気の中、テクテクと、歩き続ける、広大な、本当に広大な畑を歩んでいく、畑の横にある小さな道を…無言で歩いていく。
長いこと歩いていくと段々、別の意味で、不安になってくる、景色が変わらな過ぎて、本当にこっちの方なのだろうか?そんな不安と心配が湧き上がってくる、農業に詳しい人からすれば私達からすれば代わり映えのない景色でも、ここからは、何々を植えていて、ここからは違うの種類に切り替えてっとか、わかるのだろうけれど、薬と関係性のない葉っぱの違いなんてわからないわよ。料理なんてしないし…
それに、私が知る畜産の旦那さんがいる家から、結構離れてない?そんな場所に子供と一緒にいるの?いま、何か月だっけ?8か月?だったかしら?もう少しで一年だったかしら?うーん、どうだったかしら?
とにかく、まだまだ、幼い赤子よね?連れ回してもいいのかしら?
歩いていくと、木の下っというか根元ね、揺れている何かが…見えるわね。
漸く、代わり映えのある景色が見えてきたのでざわついていた心が落ち着きを取り戻していく。
近寄っていくと、揺れているのがいったい何だったのか、見えてくる距離まで近づく、どうやら、揺れているのは、赤ちゃんを寝かしつける為に、日よけと、虫よけを目的とした網がついた、大きなゆりかごね。
っということは、この近くに…いたいた
作業をしている人に向かってゆりかごで寝ているであろう子供を起こさないように気を付けて、声を掛けると「お久しぶりですー!」控えめだけど、元気な返事が返ってくる。
お互い、寝ているであろう子供を起こさないように気を付ける辺り、大人ね…つい数年前は恋とかの話題ばっかりしていたのにね。
姫ちゃんを背負ったまま、畜産の旦那に近寄っていくと、背負われていることが恥ずかしくなったのか、おろしてっと言わんばかりにペチペチと鎖骨辺りを叩かれるのでゆっくりと降ろすとスカートとか、上着が寄れていないか軽く自身でチェックし、特別問題が無いと判断したのか、小さな声でうん!っと頷いたと思ったら声がした方向へと背筋を伸ばして足の運びも今までと違ってがさつな歩き方じゃなく、貴族会などのちょっとした場所で貴族が歩く様に、優雅に歩き出す。
身だしなみという概念がちゃんとあるのよね、そういった考えに至り、そういった行いが出来るってことは、そういう教養があるのよね。
身だしなみを整え貴族会に出るような社交界を渡り歩いてきた歴戦の淑女の様な雰囲気を身にまとうのは、きっと、従業員を雇えるほど儲けている大地主、この広大な畑を運営する、偉い人に今から会うのだと判断したのね。
そういった、社交界的な考えをちゃんと持っていて、失礼が無いようにと思ったのはとても良い心がけだと思うわ。
この様な立ち振る舞いが出来るのも、きっと、寵愛の巫女として政治を動かす人たちと会うことが多い、その一族として、特別にお母様から礼儀作法とかきっちりと教育されているのかもしれないわね。
この一帯っと言うか、私達の街がある土地全ては王族が管理する土地だから、残念ながら畜産の旦那は大地主じゃないのよね~、ここまで綺麗に開拓して開墾したのだから、土地ぐらいくれてもいいと思わない?旦那が来るまではこの辺りなんて草木が生い茂っていて人の手なんて何一つ入っていないし、死の大地から近いせいか野生の動物も居ない生きる者がいない利用価値のない死んだ大地なのよ?それを、まったく…王族は、けち臭いのよね。
畜産の旦那と研究が終わった後とか、恋愛相談とかが終わった後、雑談とかしていたんですけど、よくぼやいていたわねー、王都に成果物を卸さないといけないのはわかっているけれど!僕だってね!流通価格とか把握しているのですよ!農家出身ですから!当然ですよ!王都に住む商人が、他の領主達から買い付ける食料と比べて、本当に、びっくりするくらいかなり安く買いたたかれているってね。愚痴をこぼしていたわ。
…旦那さん曰く、王都に卸されている他の領地からの品々に比べたら、新鮮で物がいいのに!他の領地で生産されている品々よりも確実に品質も!味も!何もかもが上だと僕はぁ!僕はぁ!思っているのにぃ!!!どうしてか知らないんだけどね!!値段交渉をするとさ!鼻で笑われて追い返されるんだよね!!!憤慨ものだよ!!!
この話題になると毎回の如く、憤慨するのよね~、っていうか、どうも王都にいる取引先は、旦那の事を勘違いしていると思うのよね~。
畜産の旦那は、別に流刑の民じゃないわよ?
生贄族じゃないのよね、大元はとある領地で働いている農家の出自で、自分が理想とする作物、畜産、現在どこも頭を抱えている畜産における問題点を改良する!っという熱き志を持って王都にある、それらを研究している場所で学問を学び、農家の未来を背負って誰も開墾しない開拓するのが怖い、死の大地から近くて誰も手を付けていない、この大地を王様に直談判を、何度も何度もして、許可をもらった熱意ある人よ?
ふむ、今もこうやって思い返してみると、旦那さんも、実は凄い人なのでは?であれば、姫ちゃんの判断は正しいってことになるのだけれど、どうも畜産の旦那とお会いするたびに、何処にでもいるような普通の人っていう印象しか受けないのよね~、姫ちゃんも多分、何度かお会いすれば、自然と雰囲気も柔らかくなるでしょう。
「お久しぶりです!この間は、わざわざ、ご足労頂きありがとうございます!今日は何用ですか?」
麦わら帽子に作業用のオーバーオール、足元は泥だらけで、手も土にまみれている、何処からどう見ても農夫…
その姿に姫ちゃんも第一声を躊躇っているのか膠着している、悩んでいるわね、どうみても大地主のような人柄でもない雰囲気に、何処からどう見ても農夫という見た目に!!
想定していた人物と、イメージとかけ離れすぎると困惑して動けなくなるものよ。
姫ちゃんが動けないでいるので、此方は此方で挨拶をしないとね
「前回、食材の提供ありがとうございます、物凄く助かりました、お気持ちは届きましたか?」
ちゃんとお礼として赤ちゃんにも使えれるような石鹸とかそういう上等な品を届けてもらう様に行商の人に頼んでおいたのよね。
「ええ!いやー流石、貴族の方は良い品物をご存じですね!妻も大喜びしていましたよ!!」
喜んでくれたのなら幸いですけど、選んだのは行商の人だということは黙っておいた方がいいのかしら?…見栄を張るのは良くないわね。
「品を選んでいただいたのは行商の方ですので、私は行商の人に、贈りたい相手に対してこういった品を贈ってほしいとお願いしただけよ。だから、同じ品が欲しい場合は、彼とお会いした時に再度、同じ品が欲しいとお声がけしてください、きっと、良い品を取り寄せてくれますよ」
素直に打ち明けると、それは良いことを教えていただきましたっと、どうやら旦那さんは驚いた表情で返事を返してくる。
下手な見栄を張らずに素直に伝えることで驚いたのでしょうね。旦那からすれば私は見栄を張ると思っていたのでしょうね。
普通であればこういったときに見栄を張るのが貴族ですからね…今の私は貴族という意識などよりも、優先すべき意志があるのよ。
軽く世間話をしていても姫ちゃんが固まったままというか、純粋に、単純に、私達の会話の中に割って入るタイミングを伺っているって感じね。
それに、会話をしつつも、畜産の旦那も姫ちゃんの方をチラチラと気になるのか、見ているし、紹介するには良いころ合いでしょうね
「旦那さん、紹介するわね、つい、そうね、もう2ヶ月近くになるのね、此方に来てから、王都から私達の道を整備したり、王都に画期的な魔道具をもたらした新進気鋭の研究塔、兼、術式研究所所属の私達を凌駕する英知を持ちえた神童よ」
ぽんと肩に手を置くと、ゆっくりとお辞儀し、自身の 家名を除いた名を名乗り あの街では姫っという肩書を頂いているのでそちらでお呼びくださいっと丁寧に挨拶をする、作法も完璧で王宮でも通用する作用ね…幼い時から私も作法はきっちりと仕込まれているから、姫ちゃんの所作が如何に洗練されているのかがわかる。
貴族との取引を続けてきている旦那であれば、姫ちゃんの所作が完璧であることに驚いている様子だった、そうよね、12歳で、こんなに綺麗に優雅に気品あふれる所作で挨拶なんてそうそう、いな
「大型冷蔵庫を売ってください!あと、道路を舗装した、あのでっかい馬要らずの馬車を売ってください!!!」
ずざっと膝をついて姫ちゃんの視線に合わせるのと同時に姫ちゃんの両手を握って興奮を抑えきれずに商談を始めようとする…
ぁ、そっち?そっちに驚いていたの?っていうか、姫ちゃんが舗装作業しているの見ていたのね、それもそうよね、このエリアを何度も何度も往復していれば目に留まるわよね。
この話題を切り出したくてウズウズとチラチラと見てたってことね。
姫ちゃんも、まさか挨拶の途中でいきなり商談が始まるなんて予想外で、どうしたらいいのか困惑しているので
「貴女の開発したものよ、したいようにしなさい、生産プランも生産工程も把握しているのは、貴女でしょう?」
12歳にいきなり商談をさせるなんてね、ちょっと内気というか、人見知りする姫ちゃんからすれば、この様な状況って、辛いわよね。
でも、気心の知れている相手だからこそ、とても良い経験になるわね、当然、大人として、突き放したりはしないわよ?軽く会話の流れとカ、商談の流れとカの補助はしてあげるけどね。
その場で突然、始まる商談に姫ちゃんも困惑していて、凍り付いた笑顔のまま、視線っと言うか、なんていうか、助けを求める何かをヒシヒシと感じるのよね。
この状態から、どう切り出していいのかわからないのね、話を進ませないといけないのだけれど、何も言わないのは、駄目よ?相手様も困るわよ?
意外ね、貴女、こういった商談とかそういうのは苦手なのね、それもそうよね、商談なんて12歳がしたことなんてあるわけない物ね。
しょうがないわね、まずは
姫ちゃんの代わりに商談を進めていく、畜産の旦那が欲している大型の冷蔵庫が、どのような物なのかイメージだけでもこちらに伝えてもらう
なるほどね、今までだと出荷以上の畜産を解体できないので最も美味しい時期に出荷が出来ないの、という問題にずっと悩まされてきていたのね。
相手側から購入したいと依頼がある時に、もっとも状態のいいのを提供したいけれど、少し時期を逃してしまった牛とか豚がいて、本当であれば、もっともっと美味しい時期に提供したいけれど、妥協して出荷していたのが、何時までも心残りになっていて、何度も何度も良い方法がないのか探していた。
ある日、王都での取引の際に、王都で話題の冷蔵庫を見せてもらって、驚きと共に即座に欲しくなり、どうにか市場に無い大型の冷蔵庫が手に入らないか、悩んでいたのね。
それだけじゃなく、王都以外にも取引先を増やしたいけれど、どうしても運んでいる間に品が悪くなるのを防ぎたいので、馬と違って休ませずに走り続けるあの名も知らぬ道路を造り上げた馬が要らない馬車の様な魔道具が欲しいのね。
それだけじゃなく、更に、その中に冷蔵庫も付けて遠くまで運べるようにしてほしいっか…商魂たくましいっといいますか、常に前を向いて動き続けているのね、関心するわね。
具体的に何を冷やすのか、大きさはどの程度なのかを話し合い、姫ちゃんに旦那が求めるものは、造れるのか、実現、可能なのかと聞いてみると、実現は可能だけど、材料費がどの程度必要になるのかわからないっという困った表情で答えが返ってくる。
そうか、それもそうよね、その部分があるから、一番最初も言葉が出てこなかったのね。
一番最初に造った冷蔵庫も研究塔にある余っている資材で作っていたし、必要な材料とか、設計図とか、作業工程などを姫ちゃんが、作っていたけれど、材料費とかの計算は財務の人にお願いしていたものね。
なら、今度は財務の人と相談してから材料費を決めて制作に必要な費用を調べてからお伝えする方がいいわね。
後日、資料などを用意して制作費用が決まり次第、商談をしましょうと商談の場を終わらせ、本来の目的である巨躯の女性に会うにきたと、話をすると
どうやら、遠くの場所で木を伐採し、新しく土地を開墾しているとのことで夜には家に帰ってくる流れらしい…母親として家で子供の相手をしなくていいの?
あいつは、まったく、母親なのか木こりなのか、男の様な人ねぇ…まって、それじゃ、子守ってずっと旦那がしているってことになるのかしら?
それとなく聞いてみると、子育てに関しては、昼間は主に旦那や、従業員一同で全員が楽しく、愉快に子育てを楽しんでいる、従業員全員が子供好きで、赤ちゃんの傍で農作業をする順番待ちしているくらいなのね。
それは、子供のお母さんがあの、王都にも名前が轟いているという噂にもなっている、伝説の粉砕姫、その粉砕姫を従業員一同、恐れているから、断れないだけとかじゃないわよね?恐怖政治してないわよね?
どうして、そんな噂が王都にいる兵士達に流れているのかというと…
王都にいる時に実家の門番から、何気ない日常会話の流れで質問されちゃってね、本当に実在するのかという質問をされたから、実在する!なんて自信満々に答えちゃったのよ。
兵士達の間で噂程度だった内容が真実味を帯びちゃって尾ひれがついて広まっているのよね~…
出どころが私だとバレるとあいつに怒られそうだから言わないけどね!
大元は、何処からなのかしらね?王都から派遣されていた兵士の人達があいつを見たから?だと思うけどね?門番から質問された噂の内容も概ね間違っていなかったし
【人と同程度の大きさの肉食獣を素手で相手取り、その溢れるような剛力によって骨ごと砕く】
私が見たのは首をささっと手早く、〆るようにゴキっと首の骨を上腕で挟みこんで砕いていたから、間違ってはいないから否定しなかったのよね~。
【大の大人が二人係でないと持てないような大きな大きな斧と槌が合体しているような武具を片手で振り回して、敵に叩きつけたり、切りつけたり、時には投げて敵を真っ二つにしたという逸話】
それも間違いじゃないのよねー大の大人が二人係は大袈裟よね?って思うけれど、研究職の人からしたら3人がかりでも持つのは大変なので嘘ではないわね、片手で軽々と持ち上げていたし、ブオンブオンっと風の音がするくらい豪快に振り回していたわね、投擲訓練もしていて、斧の部分、槌の部分を自在に相手にあてれるように騎士様指導の下、使いこなせれるようにしていたから、間違いではないわね。
でも、騎士様も片手とはいかないけれど、両手で持てばしっかりと扱えれていたから、何とも言えないけど、間違いではないわね。
【身長が2メートルを超えていて胸板も分厚く、大の大人が3人で手を繋いでも届かない程の分厚さ】
それも間違いじゃないわね、2メートル超えているだろうし、旦那が三人いても無理じゃないかしら?なのでこれも間違いじゃないのよね~
だから、全肯定しちゃったのがいけなかったのかもしれないけれど、実際、噂の内容が事実と大きく異なっていないし、凡そ正しく合っているのだからどうしようも、ないわよね?王都で噂が広まってしまったのは私が悪いわけじゃ、ないわよね?私、悪くないわよね?…うん、私は悪くない!!
この畜産・農業エリアがあることによって、私達は何時だって美味しい食事にありつける、お腹いっぱいにご飯が食べられる。
これがいかに大事なのか、知ってほしい。
姫ちゃんが来る前から…今もだけど、この街は基本的に、必要最低限の維持費しか王都から支給して貰えなかった、それ以上の予算を得るためには、各々が出来ることでお金を搔き集めていた。
先輩は、医学書を定期的に発刊してもらっているので、今では王都にある医療を志す人なら誰しもが持っている、参考書っというか、もう、教科書になっているのよね。
私も、薬の知識とか毒の扱い方とか、そういった類の本を出版してもらっている
奥様も、絵本を何度も再販してもらっているし、子供でも頑張れる術式!っとか、そういった子供に寄り添った技術本も出しているのだが、値段が高いので売れ行きは芳しくないし、そもそも、カラーの製本は時間が掛かりすぎるので数が多くすれない
畜産の旦那は、技術の本も出しているし、王都とか、他の領地から研修生を募って技術を教える為の講義を開催して資金を得ているけれど、その多くが畜産エリアの運営費用になっているので、あまり多くは期待してはいけない
一応ね、現状では、一部の人達には、お給金は出ている、王都から派遣されている貴族の人もね居るのよこの街って、だけどね、その人たちから比べると、だいぶ、低いのよ。
私は、その、一応、貴族の出っていうこともあって、そこそこ優遇されているのよね、普通に学校を卒業して王都で仕事を探したとしても私のような、側室からの出自で、親のコネも使えない人が働ける場所なんて無いのよね、だから、側室候補として生きるしか道が無かったのよ、それに比べたらお給金がある時点で相当、助かってはいるのよね。
ちょこ~っと…お父様に援助をお願いしちゃったことも?ありますけど?…お給金だけじゃきついときがあったのよ。
そんな私が、医療班として最低限のことしか出来ないのにね、お給金を頂いちゃったのは、その、来た当初は申し訳ないなぁって思ったわよ?その、この街に生贄の様に連れてこられた人に比べたらかなり多く頂いていることにね。
その事に対して困惑もあったし罪悪感もあったのよ、ここに来た当初は食と寝るところさえあれば、騎士様の近くに入れるってだけで、満足しちゃっていたから。
だからね、お給金を貰ってしまったという事実にずっと蟠りというか、心に引っかかってる部分があったのよ。
なので、一番、そういう人達とかかわりのある、騎士様にね、ふとした話題の時に、相談したことがあったのよ。
「学がある人、一芸に秀でた人にしか出来ないことがありますから、そこは評価されていると思って遠慮しないで当然の権利として受け取ってください」
その一言で申し訳ないけれど、納得してしまったのよね。
生贄の様に連れてこられた人って、生きる気力すらないような人達ばっかりで、まともな食事と寝どこがあるだけで感動して涙を流していたのよね…
犯罪者の人達も、勿論、多くいたわ、そういう人達は、騎士様がしっかりと監視しながらも真摯に向き合って、心身ともにしっかりと教育された結果、厚生した人も多くいたわ。
そういう人達はね、いくら結果を出しても…お給金なんて、木の葉につく朝露に等しい程だったわ…
坊やも最初はお給金なんて出ていなかったし、巨躯の女性もそうよ、だから、私の中で蟠りが生まれてしまったのよね。
一応ね、坊やは孤児院出身だから、出身の孤児院に寄付という名目で渡されているはずよ、かなり低い金額が
巨躯の女性は、本人からは聞いていないけれど、財務の人から教えてもらったのよね、僅かなお給金も殆どが自身の故郷に寄付していると
淡々と多くの感情を超えずに、こういった過去があって、どうしようもない現実を、説明すると姫ちゃんは何も言わないけれど、私の前に回して手が、腕が自然と力が込められていくのを感じる。
本来であれば、子供に財政難とか、お金の厳しさを見せない方が、大人としては正しい姿勢なのかと思うけれど、この子には、そういった背景も、歴史も、私達が命がけ…いいえ、命を賭して繋いできたバトン…歩んできた道を、しっかりと受け止めて欲しいのよね。
「…そっか」
小さな声から、伝わってくる。
私が感謝の気持ちを相手に伝えようと、しっかりと体を使って相手が見えなくても感謝の気持ちを伝えようとした、その意味を理解したのだと感じる
「…そうよ」
私達はね、王都に住む、上流階級の人達からすればゴミ同然の様な生き物よ
でもね
王都の中にある、どうしようもない人達が屯する、エリアからすれば、生きる術を、糧を、得られる夢のような場所なのよ…一歩間違えば、直ぐに月の裏側へご招待されちゃうけどね。
何とも言えない、何も言えないような空気の中、テクテクと、歩き続ける、広大な、本当に広大な畑を歩んでいく、畑の横にある小さな道を…無言で歩いていく。
長いこと歩いていくと段々、別の意味で、不安になってくる、景色が変わらな過ぎて、本当にこっちの方なのだろうか?そんな不安と心配が湧き上がってくる、農業に詳しい人からすれば私達からすれば代わり映えのない景色でも、ここからは、何々を植えていて、ここからは違うの種類に切り替えてっとか、わかるのだろうけれど、薬と関係性のない葉っぱの違いなんてわからないわよ。料理なんてしないし…
それに、私が知る畜産の旦那さんがいる家から、結構離れてない?そんな場所に子供と一緒にいるの?いま、何か月だっけ?8か月?だったかしら?もう少しで一年だったかしら?うーん、どうだったかしら?
とにかく、まだまだ、幼い赤子よね?連れ回してもいいのかしら?
歩いていくと、木の下っというか根元ね、揺れている何かが…見えるわね。
漸く、代わり映えのある景色が見えてきたのでざわついていた心が落ち着きを取り戻していく。
近寄っていくと、揺れているのがいったい何だったのか、見えてくる距離まで近づく、どうやら、揺れているのは、赤ちゃんを寝かしつける為に、日よけと、虫よけを目的とした網がついた、大きなゆりかごね。
っということは、この近くに…いたいた
作業をしている人に向かってゆりかごで寝ているであろう子供を起こさないように気を付けて、声を掛けると「お久しぶりですー!」控えめだけど、元気な返事が返ってくる。
お互い、寝ているであろう子供を起こさないように気を付ける辺り、大人ね…つい数年前は恋とかの話題ばっかりしていたのにね。
姫ちゃんを背負ったまま、畜産の旦那に近寄っていくと、背負われていることが恥ずかしくなったのか、おろしてっと言わんばかりにペチペチと鎖骨辺りを叩かれるのでゆっくりと降ろすとスカートとか、上着が寄れていないか軽く自身でチェックし、特別問題が無いと判断したのか、小さな声でうん!っと頷いたと思ったら声がした方向へと背筋を伸ばして足の運びも今までと違ってがさつな歩き方じゃなく、貴族会などのちょっとした場所で貴族が歩く様に、優雅に歩き出す。
身だしなみという概念がちゃんとあるのよね、そういった考えに至り、そういった行いが出来るってことは、そういう教養があるのよね。
身だしなみを整え貴族会に出るような社交界を渡り歩いてきた歴戦の淑女の様な雰囲気を身にまとうのは、きっと、従業員を雇えるほど儲けている大地主、この広大な畑を運営する、偉い人に今から会うのだと判断したのね。
そういった、社交界的な考えをちゃんと持っていて、失礼が無いようにと思ったのはとても良い心がけだと思うわ。
この様な立ち振る舞いが出来るのも、きっと、寵愛の巫女として政治を動かす人たちと会うことが多い、その一族として、特別にお母様から礼儀作法とかきっちりと教育されているのかもしれないわね。
この一帯っと言うか、私達の街がある土地全ては王族が管理する土地だから、残念ながら畜産の旦那は大地主じゃないのよね~、ここまで綺麗に開拓して開墾したのだから、土地ぐらいくれてもいいと思わない?旦那が来るまではこの辺りなんて草木が生い茂っていて人の手なんて何一つ入っていないし、死の大地から近いせいか野生の動物も居ない生きる者がいない利用価値のない死んだ大地なのよ?それを、まったく…王族は、けち臭いのよね。
畜産の旦那と研究が終わった後とか、恋愛相談とかが終わった後、雑談とかしていたんですけど、よくぼやいていたわねー、王都に成果物を卸さないといけないのはわかっているけれど!僕だってね!流通価格とか把握しているのですよ!農家出身ですから!当然ですよ!王都に住む商人が、他の領主達から買い付ける食料と比べて、本当に、びっくりするくらいかなり安く買いたたかれているってね。愚痴をこぼしていたわ。
…旦那さん曰く、王都に卸されている他の領地からの品々に比べたら、新鮮で物がいいのに!他の領地で生産されている品々よりも確実に品質も!味も!何もかもが上だと僕はぁ!僕はぁ!思っているのにぃ!!!どうしてか知らないんだけどね!!値段交渉をするとさ!鼻で笑われて追い返されるんだよね!!!憤慨ものだよ!!!
この話題になると毎回の如く、憤慨するのよね~、っていうか、どうも王都にいる取引先は、旦那の事を勘違いしていると思うのよね~。
畜産の旦那は、別に流刑の民じゃないわよ?
生贄族じゃないのよね、大元はとある領地で働いている農家の出自で、自分が理想とする作物、畜産、現在どこも頭を抱えている畜産における問題点を改良する!っという熱き志を持って王都にある、それらを研究している場所で学問を学び、農家の未来を背負って誰も開墾しない開拓するのが怖い、死の大地から近くて誰も手を付けていない、この大地を王様に直談判を、何度も何度もして、許可をもらった熱意ある人よ?
ふむ、今もこうやって思い返してみると、旦那さんも、実は凄い人なのでは?であれば、姫ちゃんの判断は正しいってことになるのだけれど、どうも畜産の旦那とお会いするたびに、何処にでもいるような普通の人っていう印象しか受けないのよね~、姫ちゃんも多分、何度かお会いすれば、自然と雰囲気も柔らかくなるでしょう。
「お久しぶりです!この間は、わざわざ、ご足労頂きありがとうございます!今日は何用ですか?」
麦わら帽子に作業用のオーバーオール、足元は泥だらけで、手も土にまみれている、何処からどう見ても農夫…
その姿に姫ちゃんも第一声を躊躇っているのか膠着している、悩んでいるわね、どうみても大地主のような人柄でもない雰囲気に、何処からどう見ても農夫という見た目に!!
想定していた人物と、イメージとかけ離れすぎると困惑して動けなくなるものよ。
姫ちゃんが動けないでいるので、此方は此方で挨拶をしないとね
「前回、食材の提供ありがとうございます、物凄く助かりました、お気持ちは届きましたか?」
ちゃんとお礼として赤ちゃんにも使えれるような石鹸とかそういう上等な品を届けてもらう様に行商の人に頼んでおいたのよね。
「ええ!いやー流石、貴族の方は良い品物をご存じですね!妻も大喜びしていましたよ!!」
喜んでくれたのなら幸いですけど、選んだのは行商の人だということは黙っておいた方がいいのかしら?…見栄を張るのは良くないわね。
「品を選んでいただいたのは行商の方ですので、私は行商の人に、贈りたい相手に対してこういった品を贈ってほしいとお願いしただけよ。だから、同じ品が欲しい場合は、彼とお会いした時に再度、同じ品が欲しいとお声がけしてください、きっと、良い品を取り寄せてくれますよ」
素直に打ち明けると、それは良いことを教えていただきましたっと、どうやら旦那さんは驚いた表情で返事を返してくる。
下手な見栄を張らずに素直に伝えることで驚いたのでしょうね。旦那からすれば私は見栄を張ると思っていたのでしょうね。
普通であればこういったときに見栄を張るのが貴族ですからね…今の私は貴族という意識などよりも、優先すべき意志があるのよ。
軽く世間話をしていても姫ちゃんが固まったままというか、純粋に、単純に、私達の会話の中に割って入るタイミングを伺っているって感じね。
それに、会話をしつつも、畜産の旦那も姫ちゃんの方をチラチラと気になるのか、見ているし、紹介するには良いころ合いでしょうね
「旦那さん、紹介するわね、つい、そうね、もう2ヶ月近くになるのね、此方に来てから、王都から私達の道を整備したり、王都に画期的な魔道具をもたらした新進気鋭の研究塔、兼、術式研究所所属の私達を凌駕する英知を持ちえた神童よ」
ぽんと肩に手を置くと、ゆっくりとお辞儀し、自身の 家名を除いた名を名乗り あの街では姫っという肩書を頂いているのでそちらでお呼びくださいっと丁寧に挨拶をする、作法も完璧で王宮でも通用する作用ね…幼い時から私も作法はきっちりと仕込まれているから、姫ちゃんの所作が如何に洗練されているのかがわかる。
貴族との取引を続けてきている旦那であれば、姫ちゃんの所作が完璧であることに驚いている様子だった、そうよね、12歳で、こんなに綺麗に優雅に気品あふれる所作で挨拶なんてそうそう、いな
「大型冷蔵庫を売ってください!あと、道路を舗装した、あのでっかい馬要らずの馬車を売ってください!!!」
ずざっと膝をついて姫ちゃんの視線に合わせるのと同時に姫ちゃんの両手を握って興奮を抑えきれずに商談を始めようとする…
ぁ、そっち?そっちに驚いていたの?っていうか、姫ちゃんが舗装作業しているの見ていたのね、それもそうよね、このエリアを何度も何度も往復していれば目に留まるわよね。
この話題を切り出したくてウズウズとチラチラと見てたってことね。
姫ちゃんも、まさか挨拶の途中でいきなり商談が始まるなんて予想外で、どうしたらいいのか困惑しているので
「貴女の開発したものよ、したいようにしなさい、生産プランも生産工程も把握しているのは、貴女でしょう?」
12歳にいきなり商談をさせるなんてね、ちょっと内気というか、人見知りする姫ちゃんからすれば、この様な状況って、辛いわよね。
でも、気心の知れている相手だからこそ、とても良い経験になるわね、当然、大人として、突き放したりはしないわよ?軽く会話の流れとカ、商談の流れとカの補助はしてあげるけどね。
その場で突然、始まる商談に姫ちゃんも困惑していて、凍り付いた笑顔のまま、視線っと言うか、なんていうか、助けを求める何かをヒシヒシと感じるのよね。
この状態から、どう切り出していいのかわからないのね、話を進ませないといけないのだけれど、何も言わないのは、駄目よ?相手様も困るわよ?
意外ね、貴女、こういった商談とかそういうのは苦手なのね、それもそうよね、商談なんて12歳がしたことなんてあるわけない物ね。
しょうがないわね、まずは
姫ちゃんの代わりに商談を進めていく、畜産の旦那が欲している大型の冷蔵庫が、どのような物なのかイメージだけでもこちらに伝えてもらう
なるほどね、今までだと出荷以上の畜産を解体できないので最も美味しい時期に出荷が出来ないの、という問題にずっと悩まされてきていたのね。
相手側から購入したいと依頼がある時に、もっとも状態のいいのを提供したいけれど、少し時期を逃してしまった牛とか豚がいて、本当であれば、もっともっと美味しい時期に提供したいけれど、妥協して出荷していたのが、何時までも心残りになっていて、何度も何度も良い方法がないのか探していた。
ある日、王都での取引の際に、王都で話題の冷蔵庫を見せてもらって、驚きと共に即座に欲しくなり、どうにか市場に無い大型の冷蔵庫が手に入らないか、悩んでいたのね。
それだけじゃなく、王都以外にも取引先を増やしたいけれど、どうしても運んでいる間に品が悪くなるのを防ぎたいので、馬と違って休ませずに走り続けるあの名も知らぬ道路を造り上げた馬が要らない馬車の様な魔道具が欲しいのね。
それだけじゃなく、更に、その中に冷蔵庫も付けて遠くまで運べるようにしてほしいっか…商魂たくましいっといいますか、常に前を向いて動き続けているのね、関心するわね。
具体的に何を冷やすのか、大きさはどの程度なのかを話し合い、姫ちゃんに旦那が求めるものは、造れるのか、実現、可能なのかと聞いてみると、実現は可能だけど、材料費がどの程度必要になるのかわからないっという困った表情で答えが返ってくる。
そうか、それもそうよね、その部分があるから、一番最初も言葉が出てこなかったのね。
一番最初に造った冷蔵庫も研究塔にある余っている資材で作っていたし、必要な材料とか、設計図とか、作業工程などを姫ちゃんが、作っていたけれど、材料費とかの計算は財務の人にお願いしていたものね。
なら、今度は財務の人と相談してから材料費を決めて制作に必要な費用を調べてからお伝えする方がいいわね。
後日、資料などを用意して制作費用が決まり次第、商談をしましょうと商談の場を終わらせ、本来の目的である巨躯の女性に会うにきたと、話をすると
どうやら、遠くの場所で木を伐採し、新しく土地を開墾しているとのことで夜には家に帰ってくる流れらしい…母親として家で子供の相手をしなくていいの?
あいつは、まったく、母親なのか木こりなのか、男の様な人ねぇ…まって、それじゃ、子守ってずっと旦那がしているってことになるのかしら?
それとなく聞いてみると、子育てに関しては、昼間は主に旦那や、従業員一同で全員が楽しく、愉快に子育てを楽しんでいる、従業員全員が子供好きで、赤ちゃんの傍で農作業をする順番待ちしているくらいなのね。
それは、子供のお母さんがあの、王都にも名前が轟いているという噂にもなっている、伝説の粉砕姫、その粉砕姫を従業員一同、恐れているから、断れないだけとかじゃないわよね?恐怖政治してないわよね?
どうして、そんな噂が王都にいる兵士達に流れているのかというと…
王都にいる時に実家の門番から、何気ない日常会話の流れで質問されちゃってね、本当に実在するのかという質問をされたから、実在する!なんて自信満々に答えちゃったのよ。
兵士達の間で噂程度だった内容が真実味を帯びちゃって尾ひれがついて広まっているのよね~…
出どころが私だとバレるとあいつに怒られそうだから言わないけどね!
大元は、何処からなのかしらね?王都から派遣されていた兵士の人達があいつを見たから?だと思うけどね?門番から質問された噂の内容も概ね間違っていなかったし
【人と同程度の大きさの肉食獣を素手で相手取り、その溢れるような剛力によって骨ごと砕く】
私が見たのは首をささっと手早く、〆るようにゴキっと首の骨を上腕で挟みこんで砕いていたから、間違ってはいないから否定しなかったのよね~。
【大の大人が二人係でないと持てないような大きな大きな斧と槌が合体しているような武具を片手で振り回して、敵に叩きつけたり、切りつけたり、時には投げて敵を真っ二つにしたという逸話】
それも間違いじゃないのよねー大の大人が二人係は大袈裟よね?って思うけれど、研究職の人からしたら3人がかりでも持つのは大変なので嘘ではないわね、片手で軽々と持ち上げていたし、ブオンブオンっと風の音がするくらい豪快に振り回していたわね、投擲訓練もしていて、斧の部分、槌の部分を自在に相手にあてれるように騎士様指導の下、使いこなせれるようにしていたから、間違いではないわね。
でも、騎士様も片手とはいかないけれど、両手で持てばしっかりと扱えれていたから、何とも言えないけど、間違いではないわね。
【身長が2メートルを超えていて胸板も分厚く、大の大人が3人で手を繋いでも届かない程の分厚さ】
それも間違いじゃないわね、2メートル超えているだろうし、旦那が三人いても無理じゃないかしら?なのでこれも間違いじゃないのよね~
だから、全肯定しちゃったのがいけなかったのかもしれないけれど、実際、噂の内容が事実と大きく異なっていないし、凡そ正しく合っているのだからどうしようも、ないわよね?王都で噂が広まってしまったのは私が悪いわけじゃ、ないわよね?私、悪くないわよね?…うん、私は悪くない!!
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