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とある人物達が歩んできた道 ~ 封印術式3 ~
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封印術式が施されたネグリジェを着た状態で一日を過ごしてみてもらった。
結果で見れば、姫ちゃんが倒れるようなことは無かった、無かったのだけれど、姫ちゃんからは多大な文句に不満が溢れ出てきたわ、大変一杯…
あの子ってね、何気ない所でも術式を使っているの、そんな非常識なこと、知らなかったのよ。
まさか、私達が目の前にある物を手で取るような感じで術式を手の代わりとして日常的に使っている、そんなでたらめな事を平然と何食わぬ顔でしてるなんて誰も気が付かないじゃない?
寝るときに雑音が耳に入らないように消音の術式を使っていたり、
お風呂上がりに火照った体を冷やす為に自分の周囲に小さな風を発生させたり、
肉体労働をした後に体の疲れを取る為の回復術式を使っていたり、
冷たい飲み物が飲みたい時に飲み物の中に小さな氷を作って冷やしたり、
他にも色々と、日常的に魔力を消費して術式を発動しまくってる…あれ?体質云々じゃなく、使い過ぎて魔力枯渇症起こしてないこの子?
なので、日常的に便利に過ごしていた部分、その部分を今ある手持ちの道具を使って補助することに、主に私がね!お風呂入る時も体を洗ってあげて、お風呂から出た後は、火照った体を心地よく過ごしてもらう為にうちわで仰いであげて、飲み物を用意してあげて…ん?これってお母さんっていうよりも従者じゃない?侍女じゃない?…ん?おかしいわね…
お風呂に出た後は、部屋に戻ってきて二人でゆったりと過ごしながら、他愛も無い会話をするのだけれど、その他愛も無い会話の殆どがっていうか、99%が術式に関係のある会話って親子の会話なのかしら?…
違う気がする、お母様との会話もそうだったのかしら?私のとこは…貴族とのやり取りの仕方とかマナーとか、夜這いの仕方とか、貴族の側室になるために必要なことばかり教えてもらっていた気がするから…そういうものなのかもね、思い返してみても、碌な会話していないわね…
会話の流れで、試しに普段使っている術式を陣に起こしてもらって発動してみると…ぇ?こんな魔力をほんの少し込めただけで発動した?うそ、魔力消費の効率すっご…全然消費しないじゃない…これ、この技術力だったら、もしかしなくても、他の魔道具とかにも応用できる?もしくは改良できる?
姫ちゃんにお願いがあるのと甘えた声を出すと眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をしている、この子って表情隠さないわね、駄目よ?そんなんじゃ社交界に出た時に叩かれるわよ?
お願いの内容を伝えると目を輝かせてくれた、やっぱり魔道具や術式に関してだったら喜んで引き受けてくれそうね。
私が保有している秘密の素材、それを大量に保持し続ける為に、自身の研究の為にお給金やちょこっとお父様におねだりして買ってもらったりもした、私の全てを投資して手に入れた魔道具の数々
騎士様の血液や、精子などなどを冷凍保存する為の魔道具にそれを維持するための魔石、それらを取り出すと、どうしてこのような物を持っているのか普通であれば非人道的で尚且つ、非現実的で凡そ人が考える領域から逸脱した品々の為、恐怖のあまり戦慄するだろうけれど、姫ちゃんは私の研究テーマを知っているし、嫌悪感を示さなかったから見せても大丈夫なはず!…はず!!
姫ちゃんに不安を感じながら魔道具を見せると、
「術式の一部が壊れた状態で稼働させているみたいでよく長年持ったね、綺麗に丁寧に扱ってきたのがわかるよ、お母さんのまめな性格が出てるね」
私が感じていた不安なんて微塵も感じさせることなく、魔道具のみに意識を向けて、その魔道具が何のために用意されたのか気にも留めない。
あと、そんな風にさり気無く褒めないでよ、照れるじゃない…っていうか、壊れた状態で動いてたの!?早めに相談してよかったぁ…
修理に必要な道具も私がちょこちょこと研究塔から借りたままの道具や素材で何とかなるみたいなので、修理+改良を施してくれるみたい
…ずぼらな性格がここで功を制するなんて思いもしないものね、まめって言われた直後にずぼらな結果を言うわけにもいかないので、姫ちゃんが今手に持っているものが借りたまま返すのを忘れたものだと伝えづらい…うん、知らないほうが良いことってあるわよね?今度、こっそりと姫ちゃんがいない時に返しましょう。
地べたに座りながら鼻歌交じりで魔道具を修理していく、凄いことに魔道具が稼働した状態で修理していく、中に保存されている大量の秘密素材を守るために修理してくれる、こういうさり気無い気遣いが出来るのも偉いのよねーお母様の教育の賜物なのでしょうね。
邪魔しちゃ悪いので、ちょっと部屋を出るわねと声を掛けてから外に出る、外に出た理由は単純にお礼がしたいという感謝の気持ち、姫ちゃんに何か差し入れでも用意してあげようと食堂に向かうのだけれど…こんな夜中に食堂のおば…お姉さんはいるのかしら?
食道の中に入ると、灯りが付いているのでお姉さんが居るのだろうと中を見回すとお姉さんが一人で晩酌をしている様子だった
「こんな夜中にどうしたの?」目が合った瞬間に声を掛けてくれるので、こんばんはと挨拶をしながら席の前に座る
晩酌してるなんて珍しいわねと声を掛けると
「そんなことないわよ、余った葡萄酒がある時はこうやってこっそりと飲んでたりするのよ」
なるほど、皆にお酒を提供した時に瓶の中に余っている分を頂戴しているってことね、食堂を切り盛りする貴女だけの特権ね。
その後は、緩い雰囲気の中、良い年齢の女性二人が他愛も無い会話を楽しんでいると
「貴女、何か用事があってきたんじゃないの?」
その言葉に食堂に来た理由を思い出し、姫ちゃんに何か差し入れでもしようかと、何か無い?っていうと軽くため息をつかれながら
「しょうがないわねー、私の秘蔵にしてある焼き菓子分けてあげるわよ」
食道の奥にため息をつきながら取りに行ってくれる、お姉さんとの付き合いが長い人達なら、知っている、お姉さんは材料が余った時とかに焼き菓子や燻製などの日持ちする物を作っていることを、なので、焼き菓子も硬すぎてびっくりするようなものが多い、硬いけれど、紅茶に浸してから食べればちょうどいいので気にすることは無い。
「ほら、持っていきな、姫ちゃんの為だったら、私だってね、やぶさかじゃないよ。あんな、若いのに、親に捨てられて、ふぐ、ぅぅぅぅ」
貴女、泣き上戸なの?簡便してよ、泣き上戸の人って絡みだすと止まらないから面倒なのよね。
「みっともないとこ、見せてごめんね、私もさ、良い年齢になってんのにさ、あんたと一緒でさ子供がいないものだからさ、子供が辛い思いをしてるのが心にね来るのよ、ほら、私って孤児でもあるじゃない?親に捨てられた子供達ばっかりが私の世界だったから、ついつい、姫ちゃんの境遇がね、心に突き刺さるのよ、ああ、駄目、涙が溢れそうだからそれもって姫ちゃんのとこにいきな」
紙袋を渡されると同時にしっしっと食堂から追い出されてしまう…聞き捨てならないワードがあったけれど、今回は咎めないわよ!私だって子供欲しかったわよ!!!騎士様の子供が欲しかったわよ!!!!…あの時に、くっそぅ、攻めきれなかったのが一生モノの後悔なのよぉ…えぐらないでよぉ…
ふぅ、まぁいいわ、貴女も苦労しているのね、貴女もじゃないか、この街にいる人達、全員が何かしら苦労しているものね、だからこそ、お互いの過去を詮索しないのよね。
それがこの街でのルールだもの、向こうから語ってくれるのを待つ、こちらから根掘り葉掘り聞かない、そうしないとえげつない過去を聞かされてしまって罪を背負わされかねないものね!藪にいる獣を小枝で突くような物よ!!
部屋に帰ってくると、姫ちゃんはベッドで気持ちよさそうに寝ているので、そっとタオルをかけてあげてから、焼き菓子をテーブルの上に置いて、修理をしてもらった魔道具を見てみると、何がどう変わったのかわからないけれど、しっかりと稼働しているので心配はなさそう…この子って、持てる技術全てを生活水準向上の為に費やしたら、稼げる気がするのは気のせいかしら?…財務担当と奥様に相談してみましょう。
姫ちゃんも今取り組んでいる馬車の改良とか、道路?っていうのが落ち着いたら色々と相談してみるのもいいかもね。
さてっと、姫ちゃんの容態を見てから私も今日は、早めに寝ましょう、明日は早起きしないとね。
魔力を見るための魔道具を起動して寝ている姫ちゃんの状態を見ると魔力が外に溢れ出ているような感じはいっさいない、ってわけじゃないのね、少しずつ漏れ出ている、完全に防ぎきれているわけじゃないのね、そうと決まればやることは一つよね。
空気中に漏れ出る魔力を搔き集める、といっても、完全には出来ない霧散する魔力をほんの少しだけ取り戻せる程度、それでも姫ちゃんから漏れ出る魔力は濃度が濃いので無駄にしたくない、溢れ出た魔力を体内に取り込み、自身の魔力へと変換し、性質をすこしだけ変えて、姫ちゃんに注ぎ込む、封印術式の上から流すことは可能かなのか、不安はあったけれど、首元は露出しているので、そこに触れて送り込めば問題は無い、完全に封印されているわけじゃないからこそ、こちらからも干渉ができるのよね。
魔力を注ぎえると気持ち姫ちゃんの頬が赤らむ、普段から青白すぎるのよ貴女は、健康的に育って欲しいものね、いい女になって、いい男を捕まえるのよ?
寝ている姫ちゃんの頭を撫でながら、ゆったりと過ごした後は、最近さぼりがちだった日課をしないとね、魔力回復促進剤を飲み干し、座って意識を集中させる。
そう、魔力を練るという日課
姫ちゃんに魔力を渡す日々を過ごしていた影響もあって魔力に余裕が無かったけれど、封印術式のおかげで、私の魔力を根こそぎ持っていくようなことはなくなった、なので、少しでも魔力を確保するために私の中の魔力濃度を高める。
姫ちゃん自身の体に直接施す、封印術式の為に必要な魔力濃度、その魔力を私自身で生み出す、そうすれば限りある騎士様の血液じゃなくてもよくなる、私が騎士様の血液の代わりになるのであれば、それが一番でしょ?騎士様の血液を失いたくないからじゃない、騎士様の血液が無くなった後が怖いからよ、騎士様の血液じゃないとダメなのだとしたら、姫ちゃんは騎士様の血液という命のストックが無くなった瞬間に死んでしまうから、それなら、私が生きている限り姫ちゃんが生きていけるようにするべきよ。
その為に私自身の魔力を高める必要がある、騎士様が訓練していた内容ですもの、きっと意味がある、未来の姫ちゃんが騎士様の血液を指さしてきたっということは、騎士様が保有している魔力濃度はそうとう高いはずよ、なら、それに近づけるために私自身も鍛錬を欠かさずにいれば、到達できるはずよ、同じ人類なのだから、出来るはず、はずじゃない、出来るようにする、してみせるわ。
目を瞑り、意識を集中させていく、何度も何度も織り込むように魔力を練って、体内に保持するようにしていく。
今日はすこぶる程、調子がいい、意識が何かに引っ張られるような感覚も無い、疲れも感じない、汗はかいている気がする、それでも、問題なく意識を集中させれているし、魔力の流れを感じ続けることが出来る。
長い間、他の何を考えることもなく純粋に魔力を練り続ける事だけを考え、今が何時なのかもわからない、何も感じ取れない、そんな状態を続けていく。
不思議な感覚、刻が見えるような、何か普段感じ取れない何かを感じ取れる、不思議な感覚、見えそうな気がする、みえては いけない ものが みえ
何処か遠い世界に意識が吸い込まれて行きそうな瞬間、足の上にどすっと重い何かが乗っかってくるので何だろうと目を開けると姫ちゃんが私の胸に顔を埋めるように甘えてきていた。
全身から湯気が出そうなくらい汗をかいているので、このまま抱きしめてもいいのか悩んでいると
「何をしてたの?」
胸の中から声がするので頭を撫でながら訓練の一環として魔力を練るというのをしていたのよって伝えると
「…」
何か考え込んでいるのか、沈黙が続くのでその間も頭を撫で続ける。
「やっぱり、あれだよね?始祖様が書いていた中に似たような内容があったけれど、それかしら?」
もしかしなくても、あの大量に書かれている術式の内容、全部覚えているのこの子?似たような内容で気になったから思い出していたってことかしら?
「恐らく、それに似ていると思うわよ、姫ちゃんもやってみる?」
その一言でがばっと顔を上げて目を輝かせている
「いいの!?私もしたい!!始祖様の秘術に残されたもので、肉体を使うやつって今一つ苦手だったの!会得している人がいるのなら直接教えて欲しかったの!!」
姫ちゃんに私が騎士様の背中を見て覚えたように、魔力を見る魔道具に魔力を通しながら、そこから私の手を見てねっと魔力の流れをコントロールする方法を見せていくと、どうやらそれくらいなら姫ちゃんも出来るみたいで、その先が出来ないみたい、今はネグリジェを着ているから魔力を外に放出するのは出来ないので、体内で練るっという訓練の仕方よね?
いざ、声に出して教えようとすると何も言語化、出来ない自分の知能の低さ、語彙力の無さに情けなくなる…母親としてかっこよくきめたかったのに、情けない…
わくわくとしている姫ちゃんに抽象的な説明をしていくと何となく理解したのか、同じ姿勢をとって、同じように目を瞑りながら意識を深く集中させていくのが目に見えてわかる、ので魔力が見える魔道具を起動して姫ちゃんをみると、溢れ出ようとする魔力が薄くなっていっているのが見える、外に放出されていく魔力をコントロールできてると見ていいのかもしれない
姫ちゃんの額から汗が溢れ出てくるのでハンカチで拭ってあげたり、様子を見ていると、頭のてっ辺からドバっと見たことのない程の魔力濃度の魔力が噴火するように噴出する…
危険と判断して溢れ出た魔力を慌てて回収し、ネグリジェを脱がして、私も上着を脱ぎ、全力で魔力を注いでいく。
「ぷはぁ!?こ、怖いこれぇ、、、」涙声で私の胸の中で深呼吸を繰り返しながら小刻みに震える姫ちゃんを抱きしめ続けながら魔力を注いでいく。
わ、私も胆が冷えたわよ!!心臓が止まるかと思ったわよぉ、見たことも無い濃度が溢れ出るのだから、これは、姫ちゃんにとって危険極まりない修行な気がするわ。
死ぬような思いをしたのがよっぽど堪えたのかふぅぅぅぅっと鳴き声を出しながら私の背中に手を回しておでこをぐりぐりと私のお腹に擦り付けてくる、可愛いと感じながら頭を撫で背中を優しく叩いて落ち着かせる。
すんすんっと鼻を鳴らしている姫ちゃんにどんな感覚だった?っと聞いてみると
「ぅぅ、なんかね、途方もない時間が流れていく感じがして、怖かった、私、何時間動かなかった?」
…ん?時間で言うと5分も経っていないわよね?時計を見ると、うん、だいたい五分ほどじゃない?意識を集中できていた時間
「そんな何時間も経っていないわよ?おおよそ、五分ほどよ?」
えっ!?っと驚いた声と共に顔を上げる、勢いよく顔を上げるものだから姫ちゃんの後頭部が思いっきり私の胸ぶつけていくものだから痛いじゃないの…胸がはねたわよ…
痛い下乳を摩りながら姫ちゃんを見てみると、時計をじっと見ている
「ほん、と、だ、時間ぜんぜん、経ってない?でも、凄く長い時間、考えた、うん、思考が止まらなかった?」
裸で呆けるのは良くないから、ぼーっと何か考えている姫ちゃんにネグリジェを着せて、私も服を着る。
何か気になることがあるのか、熟考し始めている、これは長考になりえるわね、顎に手を当てて何か考えて混んでいる姫ちゃんの腋に両手を差し込み立ち上がらせ、手を引いてベッドまで誘導する、ゆっくりとベッドに寝かせてタオルをかけて、私も隣で姫ちゃんを抱きしめながら寝ると、考えるのをやめたのか睡魔に負けたのか気持ちよさそうに眠りにつく
さて、明日辺りに、今日、畜産の旦那さんに豚の肉とか血とか手に入るようであればって聞いたときに明日、ちょうど出荷予定の子豚がいるみたいなので、そこから分けてもらえる話になったんだけど、どうして必要なのか理由を聞かれたものだから、つい、料理って答えちゃったから、私、嘘のつじつまを合わせるために料理も勉強しないといけないの?
まぁ、お願いした量も凄く少量だから、まぁ、怪しむ様子は無かったけれど、大量に要求していたら、不穏な儀式でもするのかと知識がある人だったら問い詰めてくるから、気を付けないといけないわよね。
っていうか、畜産の人からすると、あの大きさの豚でも子豚扱いなのが驚きね、何処からどう見ても大人にしか見えないのにねって話題を振ると生まれてまだ半年だから子供こどもーって笑顔で言うから子供なのでしょうけれど、それを笑顔で明日殺すのだという辺り、畜産の旦那さんの方が、前線で戦う戦士達よりも死が身近すぎる気がするわね
後は、明日の朝に私の血液を少量注射器で抜いて、封印術式を疑似的に生み出した肉体に施して、魔石から魔力を取り出した肉体から魔力が漏れ出ないか確認するって流れね。
でも、本当に、使い魔っていうのがそんな簡単に生み出せるものなのかしら?
始祖様の記述によると、始祖様は魔力のみで生み出していた、始祖様の様な膨大な魔力を持っているからこそ生せる奇跡じゃないのかしら?
一応、魔力を用いない代用方法も記載されていて、材料もお手軽といえばお手軽だし、ぅぅむ、本当にこれで成功するのだろうか?まぁ、失敗したら、お肉は焼いて食べればいいだけだし、失敗時に何が起こるのか書かれているし怖いことは無いのだけれど、教会の教え的に禁忌に触れているような気がする内容だから、心臓がどきどきと怖がっているのが伝わってくるのよね。
失敗したらどうなるのかって?触媒が焼けるだけって書いてあったわ、魔力がうまいこと肉体に伝わらなかった場合、用意した豚の血液が沸騰して、用意した肉片が焼けこげるだけ、疑似的な生命なので、魂が宿ることが無いから、禁忌には該当しない!って頭の中で言い訳をし続ける
これは、寝れそうにないわね…長い夜になりそうだけど、腕の中で気持ちよさそうに寝ている姫ちゃんを眺めていれば、幸福な時間だし、心も落ち着いてくるから、たまにはいいわよね、こういう穏やかな時間を過ごしても。
結果で見れば、姫ちゃんが倒れるようなことは無かった、無かったのだけれど、姫ちゃんからは多大な文句に不満が溢れ出てきたわ、大変一杯…
あの子ってね、何気ない所でも術式を使っているの、そんな非常識なこと、知らなかったのよ。
まさか、私達が目の前にある物を手で取るような感じで術式を手の代わりとして日常的に使っている、そんなでたらめな事を平然と何食わぬ顔でしてるなんて誰も気が付かないじゃない?
寝るときに雑音が耳に入らないように消音の術式を使っていたり、
お風呂上がりに火照った体を冷やす為に自分の周囲に小さな風を発生させたり、
肉体労働をした後に体の疲れを取る為の回復術式を使っていたり、
冷たい飲み物が飲みたい時に飲み物の中に小さな氷を作って冷やしたり、
他にも色々と、日常的に魔力を消費して術式を発動しまくってる…あれ?体質云々じゃなく、使い過ぎて魔力枯渇症起こしてないこの子?
なので、日常的に便利に過ごしていた部分、その部分を今ある手持ちの道具を使って補助することに、主に私がね!お風呂入る時も体を洗ってあげて、お風呂から出た後は、火照った体を心地よく過ごしてもらう為にうちわで仰いであげて、飲み物を用意してあげて…ん?これってお母さんっていうよりも従者じゃない?侍女じゃない?…ん?おかしいわね…
お風呂に出た後は、部屋に戻ってきて二人でゆったりと過ごしながら、他愛も無い会話をするのだけれど、その他愛も無い会話の殆どがっていうか、99%が術式に関係のある会話って親子の会話なのかしら?…
違う気がする、お母様との会話もそうだったのかしら?私のとこは…貴族とのやり取りの仕方とかマナーとか、夜這いの仕方とか、貴族の側室になるために必要なことばかり教えてもらっていた気がするから…そういうものなのかもね、思い返してみても、碌な会話していないわね…
会話の流れで、試しに普段使っている術式を陣に起こしてもらって発動してみると…ぇ?こんな魔力をほんの少し込めただけで発動した?うそ、魔力消費の効率すっご…全然消費しないじゃない…これ、この技術力だったら、もしかしなくても、他の魔道具とかにも応用できる?もしくは改良できる?
姫ちゃんにお願いがあるのと甘えた声を出すと眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をしている、この子って表情隠さないわね、駄目よ?そんなんじゃ社交界に出た時に叩かれるわよ?
お願いの内容を伝えると目を輝かせてくれた、やっぱり魔道具や術式に関してだったら喜んで引き受けてくれそうね。
私が保有している秘密の素材、それを大量に保持し続ける為に、自身の研究の為にお給金やちょこっとお父様におねだりして買ってもらったりもした、私の全てを投資して手に入れた魔道具の数々
騎士様の血液や、精子などなどを冷凍保存する為の魔道具にそれを維持するための魔石、それらを取り出すと、どうしてこのような物を持っているのか普通であれば非人道的で尚且つ、非現実的で凡そ人が考える領域から逸脱した品々の為、恐怖のあまり戦慄するだろうけれど、姫ちゃんは私の研究テーマを知っているし、嫌悪感を示さなかったから見せても大丈夫なはず!…はず!!
姫ちゃんに不安を感じながら魔道具を見せると、
「術式の一部が壊れた状態で稼働させているみたいでよく長年持ったね、綺麗に丁寧に扱ってきたのがわかるよ、お母さんのまめな性格が出てるね」
私が感じていた不安なんて微塵も感じさせることなく、魔道具のみに意識を向けて、その魔道具が何のために用意されたのか気にも留めない。
あと、そんな風にさり気無く褒めないでよ、照れるじゃない…っていうか、壊れた状態で動いてたの!?早めに相談してよかったぁ…
修理に必要な道具も私がちょこちょこと研究塔から借りたままの道具や素材で何とかなるみたいなので、修理+改良を施してくれるみたい
…ずぼらな性格がここで功を制するなんて思いもしないものね、まめって言われた直後にずぼらな結果を言うわけにもいかないので、姫ちゃんが今手に持っているものが借りたまま返すのを忘れたものだと伝えづらい…うん、知らないほうが良いことってあるわよね?今度、こっそりと姫ちゃんがいない時に返しましょう。
地べたに座りながら鼻歌交じりで魔道具を修理していく、凄いことに魔道具が稼働した状態で修理していく、中に保存されている大量の秘密素材を守るために修理してくれる、こういうさり気無い気遣いが出来るのも偉いのよねーお母様の教育の賜物なのでしょうね。
邪魔しちゃ悪いので、ちょっと部屋を出るわねと声を掛けてから外に出る、外に出た理由は単純にお礼がしたいという感謝の気持ち、姫ちゃんに何か差し入れでも用意してあげようと食堂に向かうのだけれど…こんな夜中に食堂のおば…お姉さんはいるのかしら?
食道の中に入ると、灯りが付いているのでお姉さんが居るのだろうと中を見回すとお姉さんが一人で晩酌をしている様子だった
「こんな夜中にどうしたの?」目が合った瞬間に声を掛けてくれるので、こんばんはと挨拶をしながら席の前に座る
晩酌してるなんて珍しいわねと声を掛けると
「そんなことないわよ、余った葡萄酒がある時はこうやってこっそりと飲んでたりするのよ」
なるほど、皆にお酒を提供した時に瓶の中に余っている分を頂戴しているってことね、食堂を切り盛りする貴女だけの特権ね。
その後は、緩い雰囲気の中、良い年齢の女性二人が他愛も無い会話を楽しんでいると
「貴女、何か用事があってきたんじゃないの?」
その言葉に食堂に来た理由を思い出し、姫ちゃんに何か差し入れでもしようかと、何か無い?っていうと軽くため息をつかれながら
「しょうがないわねー、私の秘蔵にしてある焼き菓子分けてあげるわよ」
食道の奥にため息をつきながら取りに行ってくれる、お姉さんとの付き合いが長い人達なら、知っている、お姉さんは材料が余った時とかに焼き菓子や燻製などの日持ちする物を作っていることを、なので、焼き菓子も硬すぎてびっくりするようなものが多い、硬いけれど、紅茶に浸してから食べればちょうどいいので気にすることは無い。
「ほら、持っていきな、姫ちゃんの為だったら、私だってね、やぶさかじゃないよ。あんな、若いのに、親に捨てられて、ふぐ、ぅぅぅぅ」
貴女、泣き上戸なの?簡便してよ、泣き上戸の人って絡みだすと止まらないから面倒なのよね。
「みっともないとこ、見せてごめんね、私もさ、良い年齢になってんのにさ、あんたと一緒でさ子供がいないものだからさ、子供が辛い思いをしてるのが心にね来るのよ、ほら、私って孤児でもあるじゃない?親に捨てられた子供達ばっかりが私の世界だったから、ついつい、姫ちゃんの境遇がね、心に突き刺さるのよ、ああ、駄目、涙が溢れそうだからそれもって姫ちゃんのとこにいきな」
紙袋を渡されると同時にしっしっと食堂から追い出されてしまう…聞き捨てならないワードがあったけれど、今回は咎めないわよ!私だって子供欲しかったわよ!!!騎士様の子供が欲しかったわよ!!!!…あの時に、くっそぅ、攻めきれなかったのが一生モノの後悔なのよぉ…えぐらないでよぉ…
ふぅ、まぁいいわ、貴女も苦労しているのね、貴女もじゃないか、この街にいる人達、全員が何かしら苦労しているものね、だからこそ、お互いの過去を詮索しないのよね。
それがこの街でのルールだもの、向こうから語ってくれるのを待つ、こちらから根掘り葉掘り聞かない、そうしないとえげつない過去を聞かされてしまって罪を背負わされかねないものね!藪にいる獣を小枝で突くような物よ!!
部屋に帰ってくると、姫ちゃんはベッドで気持ちよさそうに寝ているので、そっとタオルをかけてあげてから、焼き菓子をテーブルの上に置いて、修理をしてもらった魔道具を見てみると、何がどう変わったのかわからないけれど、しっかりと稼働しているので心配はなさそう…この子って、持てる技術全てを生活水準向上の為に費やしたら、稼げる気がするのは気のせいかしら?…財務担当と奥様に相談してみましょう。
姫ちゃんも今取り組んでいる馬車の改良とか、道路?っていうのが落ち着いたら色々と相談してみるのもいいかもね。
さてっと、姫ちゃんの容態を見てから私も今日は、早めに寝ましょう、明日は早起きしないとね。
魔力を見るための魔道具を起動して寝ている姫ちゃんの状態を見ると魔力が外に溢れ出ているような感じはいっさいない、ってわけじゃないのね、少しずつ漏れ出ている、完全に防ぎきれているわけじゃないのね、そうと決まればやることは一つよね。
空気中に漏れ出る魔力を搔き集める、といっても、完全には出来ない霧散する魔力をほんの少しだけ取り戻せる程度、それでも姫ちゃんから漏れ出る魔力は濃度が濃いので無駄にしたくない、溢れ出た魔力を体内に取り込み、自身の魔力へと変換し、性質をすこしだけ変えて、姫ちゃんに注ぎ込む、封印術式の上から流すことは可能かなのか、不安はあったけれど、首元は露出しているので、そこに触れて送り込めば問題は無い、完全に封印されているわけじゃないからこそ、こちらからも干渉ができるのよね。
魔力を注ぎえると気持ち姫ちゃんの頬が赤らむ、普段から青白すぎるのよ貴女は、健康的に育って欲しいものね、いい女になって、いい男を捕まえるのよ?
寝ている姫ちゃんの頭を撫でながら、ゆったりと過ごした後は、最近さぼりがちだった日課をしないとね、魔力回復促進剤を飲み干し、座って意識を集中させる。
そう、魔力を練るという日課
姫ちゃんに魔力を渡す日々を過ごしていた影響もあって魔力に余裕が無かったけれど、封印術式のおかげで、私の魔力を根こそぎ持っていくようなことはなくなった、なので、少しでも魔力を確保するために私の中の魔力濃度を高める。
姫ちゃん自身の体に直接施す、封印術式の為に必要な魔力濃度、その魔力を私自身で生み出す、そうすれば限りある騎士様の血液じゃなくてもよくなる、私が騎士様の血液の代わりになるのであれば、それが一番でしょ?騎士様の血液を失いたくないからじゃない、騎士様の血液が無くなった後が怖いからよ、騎士様の血液じゃないとダメなのだとしたら、姫ちゃんは騎士様の血液という命のストックが無くなった瞬間に死んでしまうから、それなら、私が生きている限り姫ちゃんが生きていけるようにするべきよ。
その為に私自身の魔力を高める必要がある、騎士様が訓練していた内容ですもの、きっと意味がある、未来の姫ちゃんが騎士様の血液を指さしてきたっということは、騎士様が保有している魔力濃度はそうとう高いはずよ、なら、それに近づけるために私自身も鍛錬を欠かさずにいれば、到達できるはずよ、同じ人類なのだから、出来るはず、はずじゃない、出来るようにする、してみせるわ。
目を瞑り、意識を集中させていく、何度も何度も織り込むように魔力を練って、体内に保持するようにしていく。
今日はすこぶる程、調子がいい、意識が何かに引っ張られるような感覚も無い、疲れも感じない、汗はかいている気がする、それでも、問題なく意識を集中させれているし、魔力の流れを感じ続けることが出来る。
長い間、他の何を考えることもなく純粋に魔力を練り続ける事だけを考え、今が何時なのかもわからない、何も感じ取れない、そんな状態を続けていく。
不思議な感覚、刻が見えるような、何か普段感じ取れない何かを感じ取れる、不思議な感覚、見えそうな気がする、みえては いけない ものが みえ
何処か遠い世界に意識が吸い込まれて行きそうな瞬間、足の上にどすっと重い何かが乗っかってくるので何だろうと目を開けると姫ちゃんが私の胸に顔を埋めるように甘えてきていた。
全身から湯気が出そうなくらい汗をかいているので、このまま抱きしめてもいいのか悩んでいると
「何をしてたの?」
胸の中から声がするので頭を撫でながら訓練の一環として魔力を練るというのをしていたのよって伝えると
「…」
何か考え込んでいるのか、沈黙が続くのでその間も頭を撫で続ける。
「やっぱり、あれだよね?始祖様が書いていた中に似たような内容があったけれど、それかしら?」
もしかしなくても、あの大量に書かれている術式の内容、全部覚えているのこの子?似たような内容で気になったから思い出していたってことかしら?
「恐らく、それに似ていると思うわよ、姫ちゃんもやってみる?」
その一言でがばっと顔を上げて目を輝かせている
「いいの!?私もしたい!!始祖様の秘術に残されたもので、肉体を使うやつって今一つ苦手だったの!会得している人がいるのなら直接教えて欲しかったの!!」
姫ちゃんに私が騎士様の背中を見て覚えたように、魔力を見る魔道具に魔力を通しながら、そこから私の手を見てねっと魔力の流れをコントロールする方法を見せていくと、どうやらそれくらいなら姫ちゃんも出来るみたいで、その先が出来ないみたい、今はネグリジェを着ているから魔力を外に放出するのは出来ないので、体内で練るっという訓練の仕方よね?
いざ、声に出して教えようとすると何も言語化、出来ない自分の知能の低さ、語彙力の無さに情けなくなる…母親としてかっこよくきめたかったのに、情けない…
わくわくとしている姫ちゃんに抽象的な説明をしていくと何となく理解したのか、同じ姿勢をとって、同じように目を瞑りながら意識を深く集中させていくのが目に見えてわかる、ので魔力が見える魔道具を起動して姫ちゃんをみると、溢れ出ようとする魔力が薄くなっていっているのが見える、外に放出されていく魔力をコントロールできてると見ていいのかもしれない
姫ちゃんの額から汗が溢れ出てくるのでハンカチで拭ってあげたり、様子を見ていると、頭のてっ辺からドバっと見たことのない程の魔力濃度の魔力が噴火するように噴出する…
危険と判断して溢れ出た魔力を慌てて回収し、ネグリジェを脱がして、私も上着を脱ぎ、全力で魔力を注いでいく。
「ぷはぁ!?こ、怖いこれぇ、、、」涙声で私の胸の中で深呼吸を繰り返しながら小刻みに震える姫ちゃんを抱きしめ続けながら魔力を注いでいく。
わ、私も胆が冷えたわよ!!心臓が止まるかと思ったわよぉ、見たことも無い濃度が溢れ出るのだから、これは、姫ちゃんにとって危険極まりない修行な気がするわ。
死ぬような思いをしたのがよっぽど堪えたのかふぅぅぅぅっと鳴き声を出しながら私の背中に手を回しておでこをぐりぐりと私のお腹に擦り付けてくる、可愛いと感じながら頭を撫で背中を優しく叩いて落ち着かせる。
すんすんっと鼻を鳴らしている姫ちゃんにどんな感覚だった?っと聞いてみると
「ぅぅ、なんかね、途方もない時間が流れていく感じがして、怖かった、私、何時間動かなかった?」
…ん?時間で言うと5分も経っていないわよね?時計を見ると、うん、だいたい五分ほどじゃない?意識を集中できていた時間
「そんな何時間も経っていないわよ?おおよそ、五分ほどよ?」
えっ!?っと驚いた声と共に顔を上げる、勢いよく顔を上げるものだから姫ちゃんの後頭部が思いっきり私の胸ぶつけていくものだから痛いじゃないの…胸がはねたわよ…
痛い下乳を摩りながら姫ちゃんを見てみると、時計をじっと見ている
「ほん、と、だ、時間ぜんぜん、経ってない?でも、凄く長い時間、考えた、うん、思考が止まらなかった?」
裸で呆けるのは良くないから、ぼーっと何か考えている姫ちゃんにネグリジェを着せて、私も服を着る。
何か気になることがあるのか、熟考し始めている、これは長考になりえるわね、顎に手を当てて何か考えて混んでいる姫ちゃんの腋に両手を差し込み立ち上がらせ、手を引いてベッドまで誘導する、ゆっくりとベッドに寝かせてタオルをかけて、私も隣で姫ちゃんを抱きしめながら寝ると、考えるのをやめたのか睡魔に負けたのか気持ちよさそうに眠りにつく
さて、明日辺りに、今日、畜産の旦那さんに豚の肉とか血とか手に入るようであればって聞いたときに明日、ちょうど出荷予定の子豚がいるみたいなので、そこから分けてもらえる話になったんだけど、どうして必要なのか理由を聞かれたものだから、つい、料理って答えちゃったから、私、嘘のつじつまを合わせるために料理も勉強しないといけないの?
まぁ、お願いした量も凄く少量だから、まぁ、怪しむ様子は無かったけれど、大量に要求していたら、不穏な儀式でもするのかと知識がある人だったら問い詰めてくるから、気を付けないといけないわよね。
っていうか、畜産の人からすると、あの大きさの豚でも子豚扱いなのが驚きね、何処からどう見ても大人にしか見えないのにねって話題を振ると生まれてまだ半年だから子供こどもーって笑顔で言うから子供なのでしょうけれど、それを笑顔で明日殺すのだという辺り、畜産の旦那さんの方が、前線で戦う戦士達よりも死が身近すぎる気がするわね
後は、明日の朝に私の血液を少量注射器で抜いて、封印術式を疑似的に生み出した肉体に施して、魔石から魔力を取り出した肉体から魔力が漏れ出ないか確認するって流れね。
でも、本当に、使い魔っていうのがそんな簡単に生み出せるものなのかしら?
始祖様の記述によると、始祖様は魔力のみで生み出していた、始祖様の様な膨大な魔力を持っているからこそ生せる奇跡じゃないのかしら?
一応、魔力を用いない代用方法も記載されていて、材料もお手軽といえばお手軽だし、ぅぅむ、本当にこれで成功するのだろうか?まぁ、失敗したら、お肉は焼いて食べればいいだけだし、失敗時に何が起こるのか書かれているし怖いことは無いのだけれど、教会の教え的に禁忌に触れているような気がする内容だから、心臓がどきどきと怖がっているのが伝わってくるのよね。
失敗したらどうなるのかって?触媒が焼けるだけって書いてあったわ、魔力がうまいこと肉体に伝わらなかった場合、用意した豚の血液が沸騰して、用意した肉片が焼けこげるだけ、疑似的な生命なので、魂が宿ることが無いから、禁忌には該当しない!って頭の中で言い訳をし続ける
これは、寝れそうにないわね…長い夜になりそうだけど、腕の中で気持ちよさそうに寝ている姫ちゃんを眺めていれば、幸福な時間だし、心も落ち着いてくるから、たまにはいいわよね、こういう穏やかな時間を過ごしても。
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